内蒙古紀行 植林編1みにオフ大阪駅前

2006年08月26日

内蒙古紀行 植林編2

いきなり、沙漠の植林現場であります。
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(後に見えるのは砂ワサビ、枝を齧るとワサビの香りがします。旨い!)

この日は、砂嵐、ときどき雷雨、という、とてもよいお日和で・・・ううっ
画像右側の頂上、砂が右に飛んでいるのがおわかりでしょうか。

ちなみに今回の植林現場は、植林編1で紹介した中心基地から、
クルマで20分、道路からスコップと苗木を担いで10分ぐらいのところです。
ま、沙漠緑化の最前線、ということになりますね。

まわりを見渡しても・・・
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向うに見えるのは、数年前に砂丘の移動を止めるために植林したポプラで、なんとか育ってくれてます。

で、その右側は・・・
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完全に沙漠化したままになっております。

それにしても砂嵐で視界が悪く、あらゆる隙間から、細かい砂が入ってきます。
しばらくじっとしてると、風上側の耳の穴に砂が詰まってしまいます。ううっ

で、ここへ・・・
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がしがし穴を掘って、蒸散を防ぐために枝を落としたポプラの苗木を植えます。

穴の深さは、日本製のスコップがすっぽり入るぐらい・・・
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で、苗木を植えて、このあたりまで埋め戻し、一番丈夫そうな苗木に記念プレートを・・・
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道路の給水車から、延々とホースを伸ばし、届かないところはバケツリレーで、
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たっぷりと水をやって、周囲を雨水が入り込むように工夫して・・・
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この日は砂嵐で午前中だけの植林作業。
今回は高齢者も多く、100本ほど植えるのがせいいっぱいでした。ふう
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で、すぐ横の、2年前にわたくしたちが植えたポプラの植林地であります。
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殆どが無事に活着してるようであります。よかったよかった。
なんとなく、地面の様子も、もうひとつ上の画像とはちがってるように見えませんか。
地中では、すでに根があちこちに伸びて、砂を固定してくれてます。
歩いた感触も、すこし土に近くなってます。

以前に自分たちが植林した場所へ行くと、
自分のプレートをつけたポプラが無事に育ってるのを見つけて、
感動のあまり泣き出す隊員が必ずいます。じつはわたくしもそうなんですが・・・
一度参加した隊員が、何度も参加する理由はこのあたりにあるのでしょうか。



98kプレート付きのポプラ、がんばれ!ついでにほかのもね・・・


ぐだぐだとP.S
以前にコメント欄にも書きましたが、我々日本人が植える木の数なんて、たかが知れてますし、活着するまでの水やりをしてくれる長期ボランティアや、現地スタッフの努力で、なんとか一部が生き延びているというのが実態です。

事実、わたくしたちの三度目の植林で、一番水利のよさそうな低地に800本を植えたところは、洪水でほぼ全滅してしまいました。

それでもわざわざ日本から木を植えに行ってると、現地でもやがて大きな動きになり、なんとか沙漠化が止まり、前回植林編1で紹介したパネルのように、砂が定着して保水して、農作物もできるようになり、住民も戻ってきます。

何度も書きますが、このあたりは、もともと豊かな森林だったところが、人類の営みでどんどん沙漠化しているところです。
この植林を、自然破壊だといって非難している日本の有名な学者もいます。

雨の全く降らない、もともとの荒漠地に普通の木を植えても育ちませんし、
そんな自然環境までも変えるような緑化は、また別の次元の話だと、わたくしは思っています。
ま、それを大規模にやろうとしている動きもあるようですが・・・

また、わたくしたちがここで植えているのはポプラばっかりですが、これを非難する人たちも大勢います。
これには賛否両論がありますが、安くて(これが重要)、根も幹も成長がはやくて、一度活着すると、沙漠の日照りや洪水にも強いのがポプラです。

とりあえずそのポプラで沙漠化をくいとめ、農業ができるようにする、というのが遠山先生の考え方でした。

わたくしは、とりあえず農業ができるようになって、ある程度豊かになったら、もともとあったニレやマツなども植えて、人と自然が共存すればいいと思うのですが。
こんな考え方を、人類のおごりだ!すぐにもとの自然にもどせ!という、
現地の貧しさを知らない学者や、環境保護活動家もいるわけで・・・

ポプラだけの単植だと、病虫害で全滅する可能性が高いのは事実ですが、
ここに手間のかかる高価な木を植えて、ちゃんと成長させるのには、どれだけの労力とコストがかかるか・・・

たとえ現地を知らなくても、日本の荒廃したスギやヒノキの植林地を見れば、
わたくしのような素人にもわかることなんですけどね。ぶつぶつ

ううっ、書いてて、だんだん腹が立ってきた・・・

自分の庭先で植木を手入れするのと、わけがちがうんだぞ!
やせ衰えた自分のヒツジに、命がけで苗木を食べさせる、貧しい住民もいるんだぞ!
ちょっとした洪水で、人もヒツジもポプラも、いっぱい死んでるんだぞ!
がるるるる怒る

ボルネオの熱帯雨林だって、ゴムやナツメヤシ収入にかわる木材収入も考えて、もとにもどさないと・・・
違法な伐採の取締りは、M-16担いだ兵士が、銃撃戦覚悟でやってたんだぞ!
それでも命がけで伐採や焼畑にくる、貧しい住民がいるんだぞ!
がるるるる怒る

わっ、もうすぐ夜明けじゃないかっ!
週末とはいえ、徹夜してしまった・・・もう寝ます。


植林編3では、この日の午後に行った、ある程度成長したポプラの剪定作業などを紹介する予定です。

at 04:35│Comments(8)TrackBack(0) mixiチェック 沙漠緑化・熱帯雨林再生 | その他アウトドア

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この記事へのコメント

1. Posted by 川端   2006年08月26日 06:46
なるほど・・・
私は素直に意義のある「行動」でいらっしゃると思うだけなのですけれど、、、
プルタブ集めと同列、焼き畑農業はとにかくも悪、クジラの捕獲(^?^)と同様、みたいな扱われ方をされてしまうこともあるんですね。
今回初めて興味を持ったので、理解しているわけではありませんが、
遠山氏について拝見させて頂いた限り、「植林」というキーワードで検索させて頂いた限り、もっと長期的で確実なパフォーマンス、現地の自立支援を主目的として目指していらっしゃるものであるように私には思えるのですけれど、
考え方ひとつで、色々と事情が違ってしまうものなんですね。
それはさておき、
風邪ひいてドタキャンとか無しにしましょうね。さびしいですから(^^)
2. Posted by リオ   2006年08月26日 11:06
いるんですよね、「自分は何も動かないで」、
理論だけで否定する「エライヒト」って。
そう言うなら、自分の主張どおりに実際に動いて
みろ、と(笑)。まぁ「米を買うヒト」には、
そう言っても無駄だったりするわけですが。。。
権利だけを主張したり、「心の問題」とかいってる
両国のエライヒトも、どうにかならんもんでしょうか。。。
3. Posted by 98k   2006年08月26日 14:45
さっき起きて、山掛け蕎麦大量に食べたところです。げふ
川端さん
中国の沙漠緑化だけでも、いろんな人たちがやってて、
遠山先生のやり方とあわなくて、分かれた人も多いです。
でも、現地で苦労してる事に変わりはないので、
それぞれ尊敬しあってはいるようです。
わたくしは、あちこち覗きにいってるだけですが・・・
なんかこの土日は、東京でも怪しい動きがあるようですが、
大阪はさきほど、全員の携帯にメール入れましたので。
リオさん
わたくし米も小麦も買います。
うどんや蕎麦やラーメンも、お安い既製品で・・・ううっ
ところで東京もやはり、「みぐるみを剥ぐ会」でっか?{にっこり}
4. Posted by 浜三   2006年08月26日 20:42
なんだかブービートラップみたいですね。この穴(笑)うさぎかなにか取れましたか?
砂漠にうさぎはいないですよね。普通{ペンギン}
98kプレート付きのポプラがおっきくなったらチクピ(頬あて)作ってくださいネ
5. Posted by TOMO   2006年08月26日 22:38
わ、ほんとに「砂」漠ですね。
絵に描いたような砂丘の砂漠というのは実際には
すくなくて、石ころだらけの荒蕪地やひび割れたような土地が
多いとどこかで読んだような記憶がありますが、これはホントに
絵に描いたような砂漠ですね。
鳥取砂丘の砂丘農業の技術が世界の砂漠化を救う、と言う話も
どこかで読んだような記憶が・・・。
でも、理屈じゃない、やはり行動なんだって98Kさんのお姿を
拝見すると痛感します。尊敬・・・・{ハート}
で、「人が作った砂漠」は、人が元に戻せるはずですよね。
現地の人だけでなく、国家の政策にまで影響を与えられるって
すごいと思います。
6. Posted by 98k   2006年08月27日 00:30
浜三さん
なんかコメントの最初の部分が消えちゃってますね。
わたくし毎回、枝打ちしたポプラの枝を記念に持ち帰ってます。
ポプラ材のチークピースやグリップ・・・
ポプラは成長がはやいので、なんかスカスカで弱そうですね。{困った}
TOMOさん
北京語では、雨の少ない荒漠地を総称して、「沙漠」、
つまり、水の少ない荒地、という漢字なんですね。
タクラマカン砂漠のように、全く水のないところは、
「沙漠」ではなく、われわれが植林してるのが「沙漠」なんです。
ややこしいですが、少ないけど雨の降るところが「沙漠」で、
「沙漠」は環境次第で、ある程度豊かな土地になります。
このあたり、専門家でも誤った表記をしてますね、日本では。
石ころだらけの礫漠(モンゴル語でゴビと読みます)
砂だらけの砂漠、塩分などの多い荒漠地の土漠、
いろいろありますが、ここはタクラマカンの砂が飛んできて、
最初に積もるところで、森さえあれば肥沃な土地になるところです。
と、まあ、全部が泥酔中の聞きかじりなんですが・・・{にっこり}
本当にひょんなことで、30年ちかく前、鳥取大学の砂丘研究所を
見学した事があり、「砂地は水はけもよく、病虫害もなく、水と肥料さえあれば作物が育つ、おまけに土を洗う手間が要らないので、さんちゃん農家に最適!」と説明されたことを今でも覚えています。
その方法を開発されたのが遠山先生で、当時所長として出迎えていただいたことは、ボランティアやりだしてから知りました。
ま、中国では勝手がちがい、あちこちで苦労されたようです。
7. Posted by G3   2006年08月27日 19:00
 宴は今頃もう始まっているのでしょうか? G3はちょっと前に帰宅したところです。
 緑化については詳しくないのですが、みんながハッピーになってるようなので、間違ってはいないのかな、と。
 
8. Posted by 98k   2006年08月28日 00:01
G3さん
たらいま、帰宅しまひた、げふっ
ほんとにもう、酔っ払っておりまちゅ、げふっ
いやあ、楽しかった。げふっ
で、そちらはいかがでした、げふっ

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