アウトドア「ご飯」についての一考察今年初のてっさとてっちり!

2011年01月11日

レーション本2冊、一挙紹介!!!

年末年始にこちらの本を読んで、前回記事のとおりアウトドア「ご飯」に興味を持ったわたくし、
ひさしぶりに近所の古本屋さんへ行き、レーション本を2冊買って連休に読んでました。

レーション・・・RATION・・・
辞書をひくと配給量とか割り当て量となっており、軍隊用語では兵士一人一日分の食糧(費)らしいのですが、
ま、そのレーションの中でも特にコンバット・レーション、つまり兵士の携行食のことを、
略してレーションといっている場合も多く、今回もそちらの話がメインであります。

アウトドアでの食事方法や携行食については、昔から各国の軍隊が様々な研究をしており、
ウェアやフラッシュライトなど他のアウトドアグッズと同様、莫大な費用をかけて軍が開発、
その技術が民生用の食品加工や調理方法に活かされていることも多いのであります。
前回記事で紹介したレトルトやフリーズドライ、古くは缶詰なんかもレーション開発と深い関係があります。

また、戦場での食事は、栄養補給と同時に数少ない楽しみですから、こちらの面でも、
それぞれのお国柄によって様々な工夫が凝らされており、なかなか奥が深い世界なのであります。

ですから、モノ好きな人たちの中には、とーぜんレーション好きな人たちもいるわけで、
左バーのリンク集にある「THE戦闘糧食」の管理人さんなどは、その頂点なのであります。
わたくしも野外での食事が好きでミリタリーグッズも好きですから、昔から興味を持っていたのですが、
「レーション本」といわれるような専門書?を手にしたのは今回がはじめてであります。

ま、前述の「THE戦闘糧食」の管理人さんの著書もあるようですが、今回はたまたま古本屋さんで、
それぞれ別の著者の二冊を同時に入手したとゆー次第なのであります。
いやあ、レーション本とゆーのがでるぐらい、この世界もメジャーになってきてるんですねえ・・・

そーいやフラッシュライトの世界でも、すごいコレクターや著名なモダー、愛好者もたくさんいるのに、
どーゆーわけか、「ライト本」つーのは、まだ見当たりませんね・・・
どなたか「ライト本」を出版されて、いずれは月刊の専門誌なんかも・・・


閑話休題


今回の二冊、カラー写真が大部分で、なかなか楽しかったので、例によって、とりあえず表紙と目次をご紹介・・・








まず一冊目は・・・

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ワールド・ムック612「世界のミリメシを実食する」(菊月俊之著・ワールドフォトプレス・2006年刊)であります。


タイトルどおり、著者が世界の「ミリメシ」を実食したレポートが中心なんですが、
時系列的にもまとめられており、全体の構成はこんな感じであります。

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(細かくて見にくいですが、画像をクリックすると拡大します。ただし手持ち撮影ですが・・・)

レーションの歴史から各国軍隊の食器カトラリーや水筒、ヒーター各種、炊事スタイルの変遷など、
レーション以外の関連記事も多く、見ているだけでも楽しい内容であります。

また開発時のエピソードや戦場での評判なども書かれており、特に古い時代のお話が面白かったです。









で、こちらが・・・

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OAK-MOOK196「レーション・ワールドカップ」(オークラ出版・2008年刊)であります。

こちらは帯にもあるとおり、複数のレーションマニアたちが「オーバー100食のミリ飯を一気食い!」して、
美食度最強のレーションを決める! とゆー内容・・・

各国のレーション評価は味、見ため、量の三項目について三つ星を最高にランク付けしてありました。


こちらの本の構成も・・・

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一冊目と同じような感じですが、こちらはそれぞれの国の概要とその軍隊の概要、その国の料理の特徴が、
各国レーションごとにまとめられており、あらためて世界の料理についても知ることできました。



わたくし、オーストラリア軍のレーションについては、以前紹介したことがありますが、
これ以外では、米軍のMREを何種類かと、自衛隊の戦闘糧食Ⅰ型(カンメシ)Ⅱ型(パックメシ)を数種類、
震災訓練か何かのイベントで試食した経験しかありません。

レーションとゆーのは、当然ですが軍に納入された賞味期限のある「食べ物」ですから、
他のミリタリーグッズと異なり、軍からの中古放出品などとゆーのは通常は出回りません。
ただ、毎年膨大な量が兵士に支給されたり、期限切れ等で廃棄されたりしてるでしょうから、
これを個人的にもらったり、いろんなルートから入手してコレクション品として販売されてたり、
また、同仕様のものが納入メーカーから民生品として市場に出てたりもしますので、
まめに探せば、けっこう一般人でも入手はできるようであります。
ま、兵器でもないし問題ないのかも知れませんが、食べる場合はあくまで自己責任、つーことで・・・



二冊ともに共通してたことは、まず米軍の現用MREについては、軍が莫大な費用で独自に開発、
温度変化や衝撃など、あらゆるテストにも耐えられる世界最強のコンバット・レーションであること、
ただし、そのお味については決してよくない、つーことでした。
たしかにわたくしが食べたやつも、「こっ、これは・・・うぐぐぐ・・・」とゆー感じでしたねえ・・・
オーストラリア軍のは、どれもけっこうおいしかったのですが・・・もちろんベジマイトを除いてですが・・・

また、戦場の兵士は大部分が若者ですから、やはりどうしても肉食嗜好、濃い味付け嗜好、
そしてファーストフード嗜好になるのは世界共通のようであります。

食育の見地からも、その国の伝統料理を取り入れる工夫も一部にはあるようですが、
高カロリーな食事をおいしく短時間で、残さず食べられることが、やはり最優先なんでしょうね。
ま、その意味では、理想的なレーションは、わたくしにとっても理想的な行動食となるわけでありますが。

ちなみに米軍の現用MREは、粉末スープなどを除けば基本的にレトルトパックで構成されており、
他の国でも缶詰とレトルトパックの併用がほとんど、やはり水を必要としないという点と、
価格的な面からも、フリーズドライよりは重い、レトルトや缶詰になっているのでしょうね。

もちろん、レトルトや缶詰が凍結するような寒冷地用はフリーズドライがメインですし、
小型軽量最優先の偵察用、脱出用などのレーションは、エナジーバーなどがメインになっているようです。

二冊ともヨーロッパ諸国、とくにドイツ軍やフランス軍などのレーションの評価が高かったのですが、
なにせ主食がクラッカーやビスケットなどの「堅パン」類ですから、やはり韓国や日本などの、
「米の粒食」を主食とするレーションが気になるところであります。


「パン」と「ご飯」・・・どちらもレーション化するのが難しい食品のようであります。
前回記事のとおり、アウトドアの食事でも、ご飯については米を炊くか、缶詰やレトルトを加熱するか、
フリーズドライに加水するかなんですが、パンも柔らかくて嵩張って、しっとりと重さもあり、
また日持ちもしないため、持ち運びにはいっそう苦労します。

さらにパンをふっくら焼くとなると、炊飯以上に手間暇がかかりますから、各国のレーションも、
そのほとんどがビスケットやクラッカーになっているのであります。
ま、欧米人にとってのパンは、日本人の「主食としてのご飯」とはちょっと感覚が異なるようですが・・・

米軍では、「世界中の戦場で故郷の味、ハンバーガーを食べる」ことを究極目的に、
長年研究を続け、なんとか保存できるレーション用のパンを開発したようです。
ただし、これも他のMRE同様、けっしておいしいものではないようですが・・・

日本でも、お年寄りや子ども用の非常食として、長期保存できる缶入りのパンが販売されてますが、
いったいどんな仕組みになってて、お味のほうはどうなんでしょうね・・・


で、ご飯ですが、韓国軍にはフリーズドライのチャプチェご飯やキムチご飯などがあるようですが、
自衛隊では、戦闘糧食Ⅰ型のカンメシとⅡ型のパックメシ、つまり缶詰とレトルトであります。

二冊とも、このカンメシとパックメシについては、かなり詳しく紹介されています。
これらの本が出版された数年前の状況では、Ⅰ型で8種類、Ⅱ型で14種類のメニューがあり、
それぞれに各種の副食(おかず)がついてワンセットとして支給されるのですが、
主食のご飯については、Ⅰ型ではとり飯、白飯、赤飯、五目飯、しいたけ飯の五種類、
Ⅱ型では白飯、ドライカレー、五目飯、カニチャーハン、五目チャーハン、豆ご飯、山菜飯、とり飯、赤飯、
の八種類となっているようであります。じゅるじゅる

著者の実食や隊員の話などの記事を読むと、おいしいのはカンメシだけど、
人気があるのはパックメシ、どちらも白飯の評判はイマイチ、とゆーところでしょうか・・・

Ⅱ型は主食のご飯も副食同様、通常のレトルトパックで持ち運びや後始末には便利、
ただ米粒がぐしゃぐしゃに崩れてて食感が悪く、いっぽう缶詰のⅠ型は、
型崩れせず食感はいいけど、重くて開封や後始末も大変、とゆーことのようで、
缶詰とレトルトのメリット、デメリットが如実に現れてますねえ・・・

支給する側としても、缶詰の保存性のよさ(3年から5年でレトルトは1年)もあり、
ずっと併用しているようであります。(Ⅱ型は陸上自衛隊のみ)

ま、これらの本が書かれた時点で、パックメシを市販のものと同様のトレー式に改良する予定、
と書かれてましたから、今は改善されているのかも・・・

また、どちらも白飯の評判がイマイチですが、これは前回記事でわたくしも書いたとおり、
白飯に関しては、やはり炊きたてご飯に優るものは存在しないようですね。

ただし、Ⅱ型のメニューとしては、主食が白飯のカレーや牛丼が人気のようで、
これも主食と副食を並べてゆっくり味わうのと、カレーや牛丼、ぶっかけ飯でがつがつ食べるのと、
どちらかの選択とゆーことで、余裕のない野外訓練などではとーぜんの結果なんでしょうね。

やはりアウトドアでも、余裕のある時はおいしいご飯を炊いて、行動中はレトルトやフリーズドライで、
特にフリーズドライの場合は五目飯などの味付きにするのが正解のようですね。
もちろん、水がどの程度確保できるかが、大きな判断要素になるわけですが・・・



m98k at 23:11│Comments(9)TrackBack(0)mixiチェック 書斎 | ミリタリーグッズ

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この記事へのコメント

1. Posted by Yasshi   2011年01月12日 10:54
あーいーなーその本。
欲しいなぁ~、何も言わずにわしにくれ。
2. Posted by 98k   2011年01月12日 20:37
Yasshiさん
へん、誰がやるかっ! ま、一冊200円コーナーで並んでたやつだけど・・・

ちなみにボーイスカウトはキャンプでは飯盒炊爨だと思うのですが、行動中の主食は何を食べてました?
もともとボーイスカウトはイギリス陸軍偵察部隊(スカウト)のテクニックが基本ですが、
今でもレトルトやフリーズドライは使ってないのでしょうかねえ・・・
3. Posted by monozof   2011年01月12日 21:41
私自身は一般人なのですが、まあ入手ルートは置いといて某国某方面自○隊のレーション・・私の感覚だと缶もパックもどれもメチャ美味くて悶絶しました。

まあガッカリメニューもあるみたいですが「豚のピリ辛煮」だったかはもう絶品でぜひコンビニで市販して欲しいくらい・・・って単に私の食生活が底辺って事だったらどうしてくれよう。
4. Posted by 98k   2011年01月12日 22:04
monozofさん
まあ、そちら方面の部隊は規模も大きく、装備も最新最強ですからねえ・・・いいなあ・・・
ちなみにこちら方面の部隊は、装備更新も一番後廻しになると聞いたことがあります。
>豚のピリ辛煮
この二冊に載ってた豚肉料理は、酢豚と肉団子だけですから、まさに最新装備なんでしょうね。じゅるじゅる
>単に私の食生活が底辺って事だったら・・・
まあ、味の評判はイマイチの戦闘糧食で悶絶してるんですから・・・そのとおりでございましょう。
主力兵器(もちろんライトね!)部門だけでなく、少しは糧食部門にも予算を廻しましょうね
5. Posted by TOMO   2011年01月12日 22:54
あ、良いなあ、この本、くれ、ください。

私もMREを2種類と、カンメシ(赤飯ね)を食べたことがあります。
MREは、これぞ究極の携行食なんでしょうが、お味は確かに....。
それに、量と脂肪分と甘み!
私、2回とも太田胃散を大量に飲むハメになりました。(あ、太田胃散って、欧米流の処方で、肉類や脂肪分の多い食事にぴったりにできてるって、ご存じでした?)
カンメシは、普通においしかったなあ。なぜか、タクアンやオカズ缶はありませんでしたけど。
フランスやイタリアのものはおいしいらしいので、是非食べてみたいものです。
6. Posted by 98k   2011年01月12日 23:48
TOMOさん
やらない、あげません、きっぱりと。

>量と脂肪分と甘み・・・
MREは一日三食で計3750kcalに設定してるそうです。
ま、わたくしにはちと不足気味ですが、脂肪と糖分は圧倒的ですね・・・
さらに寒冷地用のRCW(Ration,Cold Weather)になると、4500kcalになるそうで、
ま、これならなんとか満足できるかな・・・
で、「世界のミリメシ・・・」で2007年の導入が決定されたとある、最新のFSR(First Strike Ration)では、
一日分2900kcalになっているそうで、そのかわり重さも大きさもMREの半分。
こちらは機動展開部隊用で、展開当初の三日間を想定しており、総カロリーは減っていますが、
即エネルギーになるよう、炭水化物の割合が高くなっているとかで、まさに緊急展開用ですね。
いずれにしてもあのお味には、日本人はなじめないのでしょうねえ・・・

>太田胃散って、欧米流の処方で、肉類や脂肪分の多い食事にぴったり・・・
おおっ、それは知りませんでした。まさにわたくしにぴったり・・・
って、わたくし、食べ過ぎで胃薬を必要としたことは今までに一度もありません。えへん
わたくしの場合は(TOMOさんと逆で)、あくまで飲み過ぎ専用ですから、
現用の「大正漢方胃腸薬」で充分なのであります。

>フランスやイタリアのもの・・・
フランス軍のは、ひとつひとつの肉に焼き目までついているそうで、イタリア軍のはパスタが中心、
ほかにも評判のよかったのは、ドイツ軍とスペイン軍のだったような・・・
特にスペイン軍のレーションは、タコなど魚貝類も多く薄味であっさりしてるらしいので、
こちらもぜひ試食してみたいですね。ぜひスペイン軍の補給将校と友達になってください!!!
7. Posted by 川端   2011年01月13日 08:12
皆でレーション食ってみるってのも、おもしろいかも知れませんね。

個人的には、ハンズなんかで売ってる宇宙食のフリーズドライイチゴとか乾燥アイスなんか試してみたり、
どっか店でダチョウとかワニとか虫とか食べてみるってのをやってみたいですが(^^)

>>携行性
どーなんでしょうね?
それこそ民生化して山用とか家庭用になってる類とそう変わらない気がせんでもないんですけれど。

見た事がないのでアレなんですが、最新とかだと良くなってたりするのかしら?

>>味
むかーしむかしアメ村のガラ○ターとかで「どこどこ軍」みたいのが売ってて、いくつか試してみたような気がします。
あと、たぶん自衛隊の、なんか濃い茶色っぽいパック封入の一食だか用みたいなヤツを食べさせてもらった記憶があります。
ミートボールらしきものがあって、それがけっこー食える味だったのは覚えているのですが、、、

あとは全滅だったような(^^;
8. Posted by alaris540   2011年01月13日 09:24
糧食で思い出したのは阪神淡路大震災で活躍した陸自・野外炊具1号。98k様の胃袋にはあのくらいが丁度イイのでは?地獄だきがしこたま作れますよ♪
なおこのときは非常に多くの炊き出しを必要としたため小型の「2号」は出番が無かったそうで。
9. Posted by 98k   2011年01月14日 00:13
川端さん
>皆でレーション食ってみる・・・
レーションOFFは、左バーにある「THE戦闘糧食」の管理人さんがよく開催されておられるようです。
ちなみに、めっちゃ古いMREなら、わたくしのキャンプセットに常時入ってますのでいつでもどうぞ!!!
わたくしは食べる勇気がありませんが、あくまで自己責任で征露丸を用意してですね・・・
>アメ村のガラ○ター・・・
おおっ、あのナニワガラクターですね!!!(今はもうないので、実名で・・・)わたくしもよく行ってました。
>ミートボールらしきもの・・・
自衛隊のだとすると「中華風肉団子」で、白飯、五目チャーハン、中華風わかめスープ、大根キムチのセットだそうです。

alris540さん
>野外炊具1号
今回紹介した二冊とも、詳しく紹介してました。
一度に200人(最大250人)の主食と副食を45分以内で調理可能、炊事班長と隊員5名で運用し、中隊単位で配備・・・
さすがに200人分の地獄だきをわたくし一人では・・・ま、alalisさんとHiguさんと三人でならなんとか・・・

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