ドリップバッグコーヒーと・・・災害避難について2

2011年03月13日

災害避難について1

(災害避難についての「まとめ記事」はこちらです。)

東北関東大震災の被害に遭われたみなさん、心よりお見舞い申し上げます。

救援活動にあたられているみなさん、今後あたられる予定のみなさん、ありがとうございます。

西日本では大きな被害はありませんでしたが、全国的な規模の災害ですので、
直接被害のなかった地域のみなさんも、自分なりにできることを考えていただけたらと思います。




本来このサイトは、アウトドア趣味で使うモノ中心のお遊びサイトなんですが、
今までのわたくしの経験から、少しでも役立つようなことがあればと、思いつくままメモしてみました。

わたくし自身は、地震や津波による避難や避難生活をしたことはありませんが、
テント泊の経験は500泊を超えてますし、川下りや山歩きでのキャンプ生活の経験から、
いくらかでも災害避難について役立つことがあるかも知れません。

今回は、とりあえず最初の三日間について、一時的な避難についてのポイントであります。

例によって、勘違いや不足もあるかと思いますので、修正コメントをよろしくお願いします。


1 一時的な避難のポイント

地震・津波の前触れや警報があった場合、ともかく一時的な安全確保が必要ですが、
今回の津波でも、高台や建物の屋上などにまず避難されてました。

この場合は、自宅からでも外出先からでも、ともかく手持ちだけで避難することになります。

避難先での生活がどれだけの期間になるかわかりませんが、よく言われるのは最初の72時間、
今回の津波の場合、発災48時間後でも、まだ屋上などに孤立したままの状況があるようです。

ともかく公的な救助が来るまでのあいだ、自分だけで生き抜くことが必要になります。

この避難の際には、以前紹介した、米海軍パイロット用サバイバルマニュアルの優先順位、
①酸素、②シェルター、③水、④火、⑤食料、という順位がポイントになると思います。

まず①酸素の確保、これは災害時でいえば、ともかく溺死したり圧死したりしない場所へ、
津波なら高台や強固な建物の屋上、地震ならいったん強固な建物の中か屋外へ、
その後は延焼の恐れのない広域避難場所等に逃げるしかありません。

ちなみに地下街や地下鉄などの地下構造物は、比較的地震には強いといわれてますが、
津波ではまず最初に水没しますし、火災が発生すれば酸素の確保ができなくなります。

ともかく酸素が確保できる状態になったら、次は、②シェルターの確保であります。

今の季節、東北の太平洋沿岸地方では、最低気温は零度前後だそうですから、
建物の屋上や高台の屋外で吹きさらしだと、着の身着のままでは一晩で凍死してしまいます。
以前紹介した「サバイバル!」という本の中にも書かれてましたが、
「雨を遮るものがあって、乾いた服があれば人は簡単には死なない。」
というのは、まさに避難先で一晩過ごす際にも当てはまることだと思います。

屋上であれ高台であれ、まず雨風を遮る工夫を、もちろん安全であれば屋内が一番ですが、
屋外なら、ともかくありあわせの材料でシェルターを工夫しましょう。

衣類がずぶ濡れになって火も着替えもなければ、よく絞って体温で乾かすしかありません。
実際に川下りや山歩きでは何度も経験することですが、速乾性の化学繊維なら、
動き回って熱放散してるとけっこう乾くものですが、それだけ体力が奪われるのも事実です。
ともかく、できるだけ乾かした衣類をありったけ着こむ、衣類を乾かす工夫をする、
同時にともかく一晩、雨風を遮る工夫をすることが、二番目に優先すべき項目となります。

次が③水の確保であります。
以前も書きましたが、酸素がなければ数分、シェルターがなければ(条件によっては)一晩、
飲料水がなければ数日で、それぞれ死に至るといわれております。
こちらは日本では、むしろ山の中のほうが確保しやすく、大規模に被災した市街地では、
当然水道は断水しますから、①②の次に優先的に確保することが必要になります。
実際、今回の災害報道を見ていると、二日目には水を求める避難者も多いようです。

ふだんから飲料水を確保しておくことも重要ですが、自宅や外出先から一秒を争って逃げる場合、
数日分の重い水を持って避難することなどできませんし、外出先ならなおさらです。
あくまで、①②が優先、ともかく身の安全を確保して、それから考えるべきでしょう。

飲料水として必要とされるのは、一人一日2リッターとして三日分で6リッターですが、
シェルター周辺の安全な範囲内で、ともかく「飲める水分」を探すことになります。
降雪や降雨があるようなら、最悪の場合、それを集める工夫も必要でしょうが、
市街地なら、条件によってはペットボトル入り飲料や缶入り飲料を探せるかも知れません。

破壊を免れたトイレの貯水槽や給湯器、冷蔵庫の製氷用タンク、水道などから早めに取水する、
また簡易浄水器があれば、風呂の残り水やプールの水などの利用も可能になるでしょうが、
やはり、どこに飲用可能な水分が少しでも残っているかを冷静に考えてから探すことが第一でしょう。
それでもそのまま飲める水分がない場合は、どの程度の水ならどの程度工夫すれば飲めるのか、
知りうる限りの知識や経験を最大限活かして、水の確保に役立てて下さい。

次は④火の確保であります。
火は保温、照明以外にも、雪を溶かしたり、汚染水を沸騰消毒しての飲料水の確保にも必要です。
乾いた衣服や満足なシェルターがない場合でも、焚き火やストーブで火が確保できれば、
凍死や低体温症の危険はなくなりますし、「温かいものの飲食」にも必要ですが、
新たな火災発生の原因にもなりますし、ガス漏れなど爆発の危険性もありますから、
やはり安全の確保を優先して、火がなければ②③が確保できない場合に工夫すべきでしょう。

照明はライト、保温は乾いた衣服とシェルターさえあれば数日間は大丈夫でしょうが、
ライトがない場合!や、屋外で極端な低温が続く場合などは、①②③の次に確保を考えましょう。

当たり前ですが、火には火種と可燃物が必要です。
火の確保についても、どれだけ自分で工夫できるかということになりますが、
濡れた物でも雨の中でも、工夫さえすれば焚き火は可能ですので、決してあきらめないで下さい。

最後は⑤食料であります。
今回前提としている三日間程度なら、べつに食べなくても一般人は行動できるようですが、
やはり体温や体力の維持に食事は必要ですし、食べることによって生きる意欲も湧きます。
特に甘いものが少しでもあれば元気になりますから、これも安全な範囲内で、
①②③④の確保の後、動けなくなるまでには、落ち着いて考えてから探してみましょう。


以上、取り急ぎ米海軍パイロットのサバイバルマニュアルによる優先順位から、
思いつくままに気になるポイントを書きましたが、これら五つの要素を確保できるように、
常に身につけておく最低限のものも考えておきましょう。

いろんなものを持っていても、身につけていなければ、とっさの避難には役に立ちません。
外出先でいつも持っている鞄の中、自宅の玄関先などで、さっと手持ちで逃げ出せるもの、
これらについて、生き延びるための五つの要素を元にしてよく考えて行動して下さい。



発災後50時間以上が経過し、日本中から世界中から、本格的な救援隊が向かっています。

被災され、まだ孤立しているみなさん、寒く暗い夜ですが、あと一晩、工夫して頑張ってください。


m98k at 18:30│Comments(9) mixiチェック 災害避難とか | その他アウトドア

この記事へのコメント

1. Posted by TOMO   2011年03月13日 19:07
一刻も早く、孤立されている皆さんが救出されることを願います。
今回の地震、発生当日の空撮映像などは悲惨そのものなのに、報道される被害損害の数字は意外に小さく、逆に胸騒ぎがしました。これは、現地が壊滅状態で、情報すら取れる状況では無いのだなと。
翌日以降、刻々と大きくなる数字に、呆然とするばかりです。
同じ地震国に住む人間として、他人事ではありません。日常の備え、心構えは絶対に必要ですね。
ただ、今回のような超巨大災害になってしまうと、心構え+運も必要なんでしょうね。現地では、「津波警報が出たら、家族バラバラになってでも、とにかく逃げろ」という言い伝えもあったようなのですが、実際、家族は気になるし、あれこれ持ち出したいものもあるし。

「備え」に対する個人的な考えです。日本の都市災害だと、とにかく逃げて「生存空間=酸素」を確保できれば、「シェルター=避難場所」はどうにかなると思いますので、あとは夜間の心細さと危険を解消する「ライト」、それと寒さをしのぐための「火種=ライターなど」は常時携行したいです。食料と水の常時携行は無理ですし、こちらは無くても数日は生き延びられますね。

最後に、各国の救援活動には本当に感謝したいと思います。
2. Posted by cinq   2011年03月13日 20:06
被害に遭われた方が早く安全な生活が取り戻せる事を願います。
ニュース等で世界各国からの援助の申し入れ、救助隊の到着等を見ると本当にありがたい事だと思います。

防災に付いて、自分自身が実際に災害にあった事はないのですが、地震の被災地で仕事をしたことがあり、災害への備えとして水(ペットボトル、浄水器)、食料、薬等&ライト、電池を腐るほど蓄えてありましたが、今回のように津波で家ごと押し流されては備蓄もへったくれもありませんね・・・
すぐに持ち出せるよう非常持出し袋にまとめておく必要があるなと実感しました。
3. Posted by 自転車屋ダン   2011年03月13日 20:26
冒頭の「自分なりに出来ること」の記述…正に仰る通りだと思います。自己に置き換えて考察したいです。

改めて、被災された皆さんの一刻も早い安息を望みます!
4. Posted by 98k   2011年03月13日 22:03
TOMOさん
おっしゃるとおり、まず酸素を吸える空間を確保する、ということなんですね。
これはキャンプでも、あまりに当たり前なのでふだんは意識しませんが、
川下りしてて沈した場合、ともかく安全に息ができる状態にするのが先決になります。
緊急時にはやはり最優先、それ以外は二の次三の次にして、ともかくリスクから逃れること。
>とりあえずの備えはライトとライター、これがポケットにあれば心強いですね。
>各国の救援活動、ほんとに胸が熱くなりました。プロのみなさんのご活躍を期待したいです。

cinqさん
>備えとして水(ペットボトル、浄水器)、食料、薬等&ライト、電池を・・・
数日分の水の確保はかなり重要ですね。
>ライト、電池は腐るほど・・・埋没すると酸素が確保できなくなるのでご注意を・・・
今も停電中の地域では電池が不足しているそうですが、そちらは大丈夫のようですね。

自転車屋ダンさん
できることは人それぞれですし、今回の被害は日本全体や世界への影響も大きいでしょうから、
自分に与えられている社会的な役割を、ひたむきにこなすことも重要だと思います。
明日一日はともかく、生存者の救助活動が円滑に進むように祈りたいですね。
5. Posted by alaris540   2011年03月14日 13:09
一国総罰…

アドバイス真に有難う御座います。
私はどうにか翌日の勤務に穴を開けずに済みました。
詳しくは後ほどmailトバシますね。
6. Posted by ひろ   2011年03月14日 19:43
5 はじめまして。。。です。
でも、僕は何年も前から、ちょくちょく覗いてるんですけどね(^^;

横浜からなんですが、ガソリンスタンドはどこも長蛇の列、又は営業中止。。。ほとんどの店舗の食料品売り場では空っぽの状態が続いています。
関西では考えられない???ちょっと、神経質すぎる気もしてますが。。。

電車は急に止まって駅にはシャッターが降りるし、今日も、帰れない人が相当数出そうです。。。

僕も98Kさんに負けず劣らずライト好きなので(笑)、この前の停電時も、1000LMクラスのライト数本の天井照射で、子供たちは普通に本が読めていました(^^;

今は、ここは停電してないのですが、発表されている計画停電のリストは、まるっきり当てにならないので、気をつけて行こうとは思っています。

まだ始まりに過ぎないので、今は比較的秩序が保たれていますが、これば続くとその内物騒になっていくんだろうと思います。

では、また。。
7. Posted by 98k   2011年03月14日 20:34
alaris540さん
本日になっても、まだ多くの生存者が救助されていますね。
一方で発災四日目なのに、救援物資の全く届いていない避難所も多いようです。
今回は被災者の数、破壊されたインフラの数などがケタ違いなんでしょうね。
メールお待ちしています。


ひろさん
こちらこそ、はじめまして。ご愛読ありがとうございます。
東京や横浜の様子もテレビで拝見してますが、計画停電の影響、けっこう大きいんですね。
阪神淡路大震災の際、大阪からも一時期、飲料水やカセットボンベが消えましたが、
ガソリンの売り切れなどはなく、あくまで一時的な現象でした。
ちなみに「ライトと電池も店頭で品薄になってるが、充分な供給量はあるので、あわてないで」
と、たった今、テレビでやってましたが、横浜で買い占める必要はないでしょうね。
8. Posted by 二日酔いの猫   2011年03月14日 22:33
98kさんこんばんは
現在職場の者が9名、宮城県に入っています。
土曜の14時にこちらを出て着いたのが本日午前。
かなり時間がかかったようです。
第2陣以降も人選が始まりました。
今のところ「年寄りはダメよ」と言うことで留守番です。
9. Posted by 98k   2011年03月14日 22:53
二日酔いの猫さん
ご苦労さまです。要員の少ない部署からだと、残った方も大変ですが、頑張ってください。
まあ、あなたが行けば、複数避難所の照明と調理の不自由さは解消されるんでしょうが・・・

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