災害避難について6災害避難について8

2011年04月02日

災害避難について7

(災害避難についての「まとめ記事」はこちらです。)

昨日の新聞に、被災地の避難所になっている体育館の床に、
白い家族用ドームテントが整然と並んでいる写真が載ってました。
外国の方からの支援物資だそうで、避難されている被災者の方の、
「家族だけで落ち着けて、とても暖かいです。」といった声も紹介されてました。


さて、前回からの続きであります。

当サイトの「ファミリーキャンプ入門」カテゴリでは、キャンプ専用に最低限揃えるものとして、

1テント・マット
2タープ
3イス・テーブル
4バーナー
5クーラーボックス・保冷材
6水タンク・専用台
7そして明るいランタンと懐中電灯いっぱい!

と書いています。

それ以外のものについては、とりあえず自宅にあるものを流用しましょう、とも書いてますが、
長期の避難生活を前提とするなら、いくつかその内容は変わってきますが、
基本的な項目はこれだけ、あとは自然の中や整備されたキャンプ場と、
インフラの破壊された市街地とのちがい、それと生活期間のちがいを考えればいいと思います。

インフラの破壊された市街地でのテント生活で、最低限の水や食料などの配給を受けられる場合、
まず問題となるのが、排泄物やごみなどの衛生処理でありましょう。

訪れる人の少ない自然の中で短期間であれば、排泄物は微生物の活動する深さに穴を掘って、
分解しにくいペーパーは燃やして埋めもどせば、我が国の気候風土ならまず問題ないでしょうが、
市街地では土の表面は少ないでしょうし、期間も長くなりますから、他の方法も必要になります。

下水道さえ機能しておれば、上水道が断水していても池や川やプールの水で流すこともできますが、
(もちろん、少量の水では詰まりやすいペーパーは流さずに処理する必要がありますが)
水汲みも距離があれば大変ですし、下水道が機能していない場合は流すことができません。

ポルタポッティなどのポータブルトイレを使用して、汚物タンクを機能している下水道や、
河川まで運んで行って流す、といった方法も考えられますが、やはり距離があれば大変です。

近くの避難所など定期的に処理される仮設トイレを使うのが現実的かも知れませんが、
避難所まで遠かったり、あるいは混み合っていたり、使えなくなったりしているケースも多いようです。

わたくしも自然の中での経験しかありませんので、被災した市街地での処理方法については、
ぜひみなさんのご意見も、コメントでいただきたいところです。

また、粗大ごみや瓦礫などは、地域の協力で片付けられる範囲を超える場合、
行政や処理業者が本格的に機能するまで待つしかありませんが、生活ごみについても、
当面回収は期待できませんから、できるだけ出さない、可能なら焼却する、
あるいは自分たちで集積場まで運ぶ、といったことが必要になります。

これらの衛生関係と医療体制のメドさえたてば、テント生活も充分可能になると思います。

その際には上記の七つ道具が、それまでの生活用品に加えて必要になります。


まずテントとタープですが、「ファミリーキャンプ入門」カテゴリでは設営の簡単なドームテントと、
開放感のあるヘキサかスクエアのタープ、と書いていますが、長期のテント生活となると、
理想から言えばロッジ型のテントとタープが圧倒的に快適です。

スチールの頑丈なフレームを、時間をかけて丁寧に固定すれば、ハードシェルなみになりますし、
タープにしても、テント同様のロッジ型だと、広くて安定した台所、食堂、居間が得られます。

また高級なロッジ型のテントやタープは、もともと長期滞在を前提として作られていますから、
公設キャンプ場の常設テント同様、厚手のコットン混紡生地などで通気性、耐久性もかなりあります。

でもまあ、わざわざ自宅が全壊したときに備えて用意する人はまずいないでしょうから、
現実的には家族用でも小型軽量なドーム型テントを利用することになりますね。

設営には、まず公設キャンプ場の常設テントなどに見られるスノコ状の土台を工夫しましょう。
廃材やブロックを利用した「床」の上に設営すれば、浸水や湿気、冷えを防ぎ耐久性も向上します。

あとは、いつも以上のガイライン(張り綱)やペグダウン、ブロックなどで固定を強化すること、
ナイロンのフライシートは特に耐光性が弱いのでブルーシートなどでカバーすること、
また、耐久性に問題のあるのはファスナーと縫い目と防水コーティングですから、
特に丁寧に扱い、布ガムテープなどでの早めの補修も考えておくことが重要だと思います。

タープについては、ヘキサやスクエアしかない場合は、ブルーシートなどでサイドタープを工夫すること、
ポールもできれば付属のアルミポールなどではなく、スチール材などを打ち込んで利用すること、
ポールのあたる部分など荷重のかかるところは、先にあて布などで補強しておくこと、
ペグダウンにブロックなどでの補強を徹底すること、タープ内にもできるだけ「床」を確保すること、
などが考えられます。

そしてテント内にはボトムを保護するためにも充分な厚さの断熱マットや段ボールを敷きつめ、
寝具、着替え、非常持ち出し袋以外は置かずに、なるべく「寝室専用」にしておくことが重要です。

そう、避難時には毎晩ゆったりと、家族で安眠できることがなによりも優先されますし、
寝室専用にしておけば出入回数も少なくなり、ファスナーやインナーを長持ちさせることができます。

もちろん定期的な「虫干し」も必要ですが、「床」があればある程度の通気性も確保されます。

タープ内も同様で、最低限の生活用品だけにして、復興に備えて保管しておくものなどは、
別のスペースにブルーシートなどで工夫しましょう。
クルマが廃車になっている場合は物置として、室内やトランクルームを利用できますね。

(この項、さらに続きます。)



m98k at 02:33│Comments(8)mixiチェック 災害避難とか | その他アウトドア

この記事へのコメント

1. Posted by ひまぱのぱ(p.himapa)   2011年04月02日 20:28
阪神大震災では、トイレが一番困ったといいます。
道路の破壊により、避難所に簡易トイレはなかなか届かず、届いても長蛇の列で、すぐにもりもり状態。
汲み取りもすぐに来るわけではありません。

自宅は無事でも、水道管や下水管の破損により使えないことも十分想定されます。
私は以前ブログで紹介したトイレットテントと組み立て式の簡易トイレを準備しいます。
使用済みの便袋が増えていきますが、生で溢れているよりは、衛生的にも臭い的にも良いのではないかと考えます。
トイレの回数が増えるからと、飲食を制限するのは、健康的ではありません。
2. Posted by 98k   2011年04月02日 22:00
ひまぱのぱさん、ありがとうございます。
ご指摘のとおり、下水管も破損されている場合は流す水があってもトイレは使えませんね。
地下深くの幹線下水道は地震に強いといわれてますから、直接放流できればいいのですが。

>トイレットテントと組み立て式の簡易トイレ・・・
現実的には最も有効な災害用装備かも知れませんね。
自宅の便器に被せて使える便袋もあるようですから、密封して保管しておけば、
衛生面でも臭い面でも大きな問題にはならないでしょうね。

>トイレの回数が増えるからと、飲食を制限するのは、健康的ではありません・・・
睡眠と食事と排泄、特に被災時には注意しないといけませんね。
今も多くの方が、避難所の不自由な生活からストレスが大きくなっているようですが、
ぐっすり眠れて、ゆったりと食事ができて、いつでも気軽に用が足せる、
そのためにあらゆる工夫をすることが避難生活では重要だと思います。

冬山のテント生活でも、キジ撃ちはとても面倒なんですが、もちろん飲食は我慢せず、
ついつい暴飲暴食までしてしまい、夜中に何度も尿意で目覚めて、つらい思いを・・・


3. Posted by 二日酔いの猫   2011年04月03日 00:47
年度末&年度始めでボロボロの猫です こんばんは

流石98kさん 長老なのは伊達じゃないですね。
色々と参考になります。

>地下深くの幹線下水道は地震に強いといわれてますから
一応下水道の重要施設である幹線や処理場・ポンプ場は「耐震2」の規格で作ってある(はず・・・阪神淡路の後に厳しくなったような気がしてますが、それ以前は?です)ので損傷は軽微だと思いますが、元々ある程度の「水」と共に固形物が流れてくることを想定して作ってある関係上、幹線マンホールに固形物を直接放り込むと堆積するだけで流れていきません。
(断水で水も出ないでしょうから)
また液状化対策は多分してない(と言うか対策にはとてつもない費用がかかるので出来ない)ので特に浅い枝線マンホールが竹の子の様に地面からコンニチハすることになります。

井戸水・プロパン・浄化槽が災害には強いと思います。
4. Posted by 98k   2011年04月03日 01:37
ボロボロの猫さん、お疲れ様です。ま、こちらもかなりバタバタしてますが・・・

専門的な解説をありがとうございます。
天安門広場でも、こちら大阪でも、下水道に直接流す仮設トイレが話題になってましたので、
あれを幹線下水道でやればいいかと思っていたのですが、あくまで水が流れている前提だったんですね。

と、下水道の話が出たところで、ついでに上水道の話も・・・
川端さんの記事にもコメントされてますが水道水の保存期限について、よく洗ったポリタンクに満水で、
自宅の暗闇に常温保存する場合、そのままで飲用可能な期間というのは、じっさいはどのぐらいなんでしょう。

>井戸水や湧水は今回の震災でも役立ってるようですね。ま、大阪市内ではあまり期待できませんが・・・
>プロパン、浄化槽は災害に比較的強い、というのはやはり事実だったんですね。ま、これも大阪市内では・・・
5. Posted by TOMO   2011年04月03日 12:54
テントの補強のしかたなど、参考にさせていただきます。何しろ、我が家のは安物テントですので。
トイレの問題はやはり深刻ですね。特に女性の場合は「小」も含めて毎回視線を遮る必要があるわけで、トイレットテントは必需品かもしれませんね。
今回の避難所でも、ポリ袋と新聞紙を使っているところも多いらしいですし、備蓄品の中にポリ袋も考えておかないといけないですね。
6. Posted by 98k   2011年04月03日 15:40
TOMOさん
本日、先ほどまで自転車で、夕食の買い出しにあちこち廻ってたのですが、(結局アンコウ鍋です。)
花見客でいっぱいの公園の女子用トイレは、やはりずいぶん並んでましたねえ・・・
ベテランの「山ガール」なら、ポンチョで用を足すといった荒業もできるんですが、これも「慣れ」なんでしょうねえ・・・
内モンゴルの郊外などでは、素敵な通訳のおねいさんが、側溝などでさりげに用を足してて最初はびっくりしました。
ま、密集市街地以外ならば、ポンチョやワンタッチテントで、割り切って土に還せばいいんでしょうが、
ごみとしての処理が必要な場合は、やはりポリ袋と新聞紙が現実的かも知れませんね。
7. Posted by 二日酔いの猫   2011年04月03日 16:27
>水道に直接流す仮設トイレが話題
枝線の設計勾配が4から28パーミリ(1/1000勾配)
幹線になると3~4パーミリ位でしょうから滑り台のようには行きませんね(笑)
おおきな「肥だめ」としては機能すると思います

>水道水の保存期限について・・・
一概にいつまで(何日間)と言うのはは難しいですね
塩素が消えないうちはそのまま飲んでも大丈夫だと思いますが・・・(98kサンハキジュンニナラナイシ)

基本的に水道法では家庭の蛇口で「最低0.1mg/L」塩素が検出されなければならないとなっていますので、最低でも0.1はあるはずです。
ところが、事業体・給水区域・季節によりその濃度が違います。(水質や気温・その他モロモロの関係ね)
当然濃い(例えば0.2とか0.3)場合には長く残り薄い場合には短くなります。
また温度にも左右されますのでさらにややこしくなるのですが、一般的には川端さんの情報が無難な線。
もし実験などがお好きであれば試薬を使ってデータを取ると面白いかも。(季節ごとに汲み置きして何日位で塩素が消えるのか)
一般家庭の浄水器や最近スーパーで見かける機械を通した水は塩素が取り除かれていますので保存には向きません。
通常、塩素濃度は夏高くて冬低めになっているはずです。

ちなみに、久住の炭酸水をペットボトルに入れた物を差し上げたときに中に気泡が溜まっていたと思いますが、水を口いっぱいまで入れて蓋をしたので中に溜まっていたのは炭酸分です。
その炭酸で蓋をして空気に触れないようにしてありますから、大体3ヶ月は常温保存でそのまま飲んでも大丈夫でしょう(今現在12月に汲んできたものを飲んでます)。
まぁ飲んでるのが私ですから当てにならないかも知れませんがね。(爆)
8. Posted by 98k   2011年04月03日 17:19
二日酔いの猫さん、リクエストに応えての再登場、ありがとうございます。
>おおきな「肥だめ」としては機能する・・・
おおっ、そういうことですね、まあ野○ソだらけの街よりはマシかも、ですね。
>水道水の保存期限・・・
じつはわたくし、「水」が原因でお腹を壊したことが一度もないもので・・・
意図せず川の水を飲んだことは数知れず、洗いもの用に溜めてあった雨水を飲み水と間違って飲んだり・・・
いちおー海外では生水に注意するようにはしてるのですが、日本の水道水には全面的な信頼があります。(なにせお安いし)
まあ、蛇口でたての高い塩素濃度を光を遮ってそこそこ維持できてれば、もちろん大丈夫でしょうし、
長期間保存したものでも、煮沸したり太陽光で低温殺菌したりすれば、なんとでもなると思っています。
川端さんちにコメントしましたが、夏のクルマのトランク、60度30分以上の低温殺菌の条件を充分に満たすそうですね。
ま、わたくしや猫さんの場合はそんなことしなくても・・・基準にならないかも知れませんが・・・

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