2013年01月05日
ナンガ・ポーリッシュバック!!!
年末年始に延々と食べ続け、飲み続けたわたくし、心を切り替えて?本年最初にご紹介するのは・・・
昨年末に自分へのお年玉として購入した、ナンガ・ポーリッシュバック・センターZIP350DXとゆーシュラフであります。
ナチュラムさんとナンガさんのコラボ製品で、現モデル「ナンガ・センターZIPバック350DX」の旧モデルであります。
どちらも760フィルパワーのダウンが350g入って重さ680g、14cm×31cmに収まり、快適使用温度は-3℃まで・・・
と、スペック上はまったく同じで、どーゆーわけか、旧モデルのほうが1kお高い・・・のに・・・
何故わざわざ、お高い旧モデルを購入したのか???
とゆーお話は後回しにして、まずはシュラフのジッパーについての一考察をば・・・
ソロキャンプ用に、センタージップタイプで小型軽量なシュラフが欲しいと思ったわたくしですが、
今の時代、センタージップタイプのシュラフとゆーのは、ナンガ以外では数えるほどしかありませんでした・・・
はるか昔、マミーシュラフといえば冬用はジッパーなし、スリーシーズン用のジッパー付きでもセンタージップが主流、
それもせいぜい胸元までしか開かないタイプが多く、わたくしの古いダウンシュラフもこの二種類であります。
どちらも、袋に徐々に身体を潜り込ませて行く感じで、まさに「寝袋」でありました。
それから数十年、世の中はいつのまにかサイドジップタイプのシュラフが主流になって、わたくしが
フルサイドジッパーの付いたマミーシュラフをはじめて買った時は、お布団や封筒型のように出入りができて、
これは楽ちん!!!と思ったものであります・・・
ま、今でもエキスペディション用とかで、軽量化を最優先したモデルにはジッパーがありませんが・・・
確かに、身体の中心部に中綿(ダウン)のないジッパー部を付けるなら、できるだけ短いほうがいいし、
ジッパーなしが熱が逃げず暖かくしかも軽量、とゆーことで、昔は利便性は二の次だったんでしょうね。
例外は軍用シュラフで、こちらは昔から保温性とか軽量とかより緊急脱出の利便性を優先していますので、
フルセンターオープンのタイプが主流でした・・・
米軍でも、最新型はサイドジップタイプのシステムシュラフになりましたが、それまではセンタージップ、
しかもホックとの併用型・・・これはさらに即応性を優先させた結果なのでありますね。
センタージップでもシュラフから脱出するには、いったん上半身を起こしてから残りを開ける必要がありますが、
ホックだけにしておけば、両手両足をジタバタするだけで、一瞬で脱出することができるのであります。
さらにサイドジップの場合は、仰向きに寝ていても、手をクロスさせてジッパーを途中まで開け、
いったんその部分を横に跳ね上げてから上半身を起こす必要がありますが、センタージップなら、
腹部まで一気に開放して、そのまま上半身を起こせます。
また、入る時もそうですが、サイドジップタイプの場合、ふつーは途中まで跳ね上げておいて、
下半身は横から出入りすることになるので、ある程度横方向にもスペースがないとつらいです。
米軍も、シュラフで寝るのは余裕のあるとき、即応性を要求される場合はシュラフやテントは使わない、
とゆー運用方法になったので、最新型はサイドジッパータイプのシステムになった・・・
と、これはわたくしが勝手に推測しているのですが・・・
サイドジップタイプは、身体の中心部に熱の逃げる部分がなく、掛け布団をめくるように出入りできるので、
テントの床面積などに余裕が出てくると、それが主流になってきた・・・
と、これもわたくしの勝手な推測ですが・・・
そういえば、はるか昔は、「六人用三角テントで六人!」とかで寝てましたが、あのオイルサーディン状態で、
サイドジップのシュラフだと、とても出入りできなかったでしょうね、なにせ寝返りも打てない状態でしたから・・・
たしかに、ゆったりしたテントならお布団のようなサイドジップも快適なんですが、狭いソロテントでは、
垂直方向だけで脱着できるセンタージップのほうが使い勝手がいいような気がします・・・
ま、今はジッパーのフラップも工夫されてますから、フルオープンタイプでもそれなりに暖かいでしょうし・・・
とゆー次第で、狭いソロテント用に、数十年ぶりにセンタージップタイプのシュラフを物色することに・・・
詳細は末尾に書きますが、わたくしふだんの宴会キャンプでは化繊のシュラフを愛用しています。
ただ、担ぐ場合の収納サイズや重量を考えると、やはりフィルパワーの高いダウンシュラフのほうが、
圧倒的に有利なのは事実であります。
で、今回はセンタージップタイプで小型軽量になる、しかもなるべくお安いダウンシュラフ・・・
つーことで・・・前置きが大変長くなりましたが・・・
じゃーん
ナンガ・ポーリッシュバック・センターZIP350DX(レギュラーサイズ680g)であります。
いわゆるシングルキルトとゆーシンプルなタイプで、縫い目部分にダウンはなく、チューブ内のダウンの偏りも、
使う都度、均してやる必要がありますが、その分、小型軽量になります。
(2/21追記です。)
シングルキルトの場合、逆にチューブ内でダウンを自由に移動できますので、後述のようにロフトを期待できない、
背中側のダウンを、あらかじめ腹部側に寄せておくこともできますので、これも便利といえば便利ですね。
生地については、現モデルの「センターZIPバック」は、30デニールナイロンのシレ撥水加工とあるだけですが、
こちらのポーリッシュバックは、表地は30デニールナイロンのソフトコーティング、裏地は20デニールナイロンとなっており、
しかも、ご覧のとおり赤、黒、橙、青の四色使い・・・
ううっ、なんとかならんのか、この色使い・・・
といいつつ、
現モデルは裏生地がなんと紫色!!!
・・・ううっ、いくらなんでもパープルシャドーズは・・・(古)
ところが・・・
旧モデルのこちらのほうが、現モデルより1kお高い!!!
逆ならわかるのですが納得が行かず、店員さんに訊いてみました。
「いくつか理由が考えられますが、ひとつには生産ロット数がありますね。
こちらのモデルは、はじめてナンガとのコラボで企画した商品、いわば試験的に発売したもので、
少量の生地で少量生産したので色使いもバラバラ、お値段もそれなりになったのかも知れません。
で、けっこう評判がよくて本格的に量産したのが現モデル、ですから生地も計画的に統一されてますし、
生産ロット数が多いので、お値段もそれなりになった、とゆーことかと・・・」
「うーむ、とゆーことは、現モデルのほうがより完成されてて、お値段もお安いと・・・」
「ま、そうとも言えますがスペックは殆ど同じ、逆にこちらのほうは少量生産のレア商品なわけで・・・」
「そ、そうですね・・・やはりわたくし、パープルだけはどうしてもなじめないので・・・」
と、旧モデルにした次第・・・ま、昔のシュラフは大抵赤か青でしたから、レトロといえばレトロなわけで・・・
ちなみにナンガのシュラフ製品、日本製で永久保証がついているのがウリであります。
さらにちなみに、現モデルと旧モデルの1kの差額については・・・ま、年末シュラフ限定の20%割引に加え、
ATCの歳末抽選会で(残念賞0.2kばかりでしたが)、お買い物券を10枚もらったので・・・
愛する100均ショップで消耗品をたっぷりと購入、充分に回収したのであります。
(これ以外にも、画像にはできなかった趣味のいいトランクスとか靴下とか・・・むひひひ)
さらにシュラフの中綿についての一考察P.S.
えーっ、ひつこく一考察が続きますが・・・
すでに何度か書いてる、シュラフの中綿はダウンか化繊か、とゆーお話の続きであります。
ご存じのとおり、ダウンのフィルパワー(FP)とゆーのは、重さ1オンスの圧縮したダウンが、何立方インチまで膨らむか、
とゆー、重さに対する容積(膨らみ具合、ロフト)の割合で、大きければ大きいほど高級なダウンとされています。
たとえば、厚さ5cmの空気層を持つシュラフにするのに、500FPのダウンが500g必要だとすると、
750FPのダウンなら、その2/3、つまり約333gの量で済むということに理屈上はなります。
とーぜん圧縮した時の容量も2/3になるので、持ち運びはより小型軽量になるとゆー次第。
で、同じ暖かさの化繊シュラフだと(今の化繊は様々な工夫がされてますが、それでも)、経験的には、
おそらく1kg程度の中綿量が必要でしょうし、圧縮した時の容量も2倍以上になると思います。
と、これだけで考えれば、化繊よりダウン、しかもフィルパワーの高い高級ダウン、とゆーことになるのですが・・・
これはあくまで中綿が「自由に膨らむことができる状態」でのお話、つまり表生地と裏生地のあいだで、
中綿にまったく圧力が加わっていない場合に、5cmの断熱層ができるということなのであります。
ところが実際には、身体の重みがかかる部分はとーぜん圧縮状態、つまりペシャンコになるわけで・・・
このときの厚みは、圧縮時の容量比と同じですから、単純に考えると、750FPダウン333gのシュラフなら、
500FPダウン500gのシュラフの2/3、化繊1kgシュラフの1/3の厚みになってしまう、とゆーことであります。
以前にも書いた、お布団の例がわかりやすいと思いますが、体重のかからない掛け布団は軽いダウンでも、
敷き布団には羊毛や真綿をぎっしりと詰めた、重くてへたらないやつを使っています。
ダウンは(濡れからの回復度合いは別にして)、圧力のあまりかからないジャケットなどには理想的ですが、
(それでも重いリュックを背負うとペシャンコになりますので、あくまで身軽な状態が前提ですが・・・)
シュラフの中綿に使った場合は、身体の下敷きになってる部分のロフトは極端に失われ、これは、
高級ダウンになればなるほど顕著になる、とゆーことがご理解いただけると思います。
まあ実際には、寝返りで背中側のロフトも回復しますし、背中側はへたりにくいフェザーの割合を多くしたり、
背中側の中綿量そのものを多めにしたやつもあるので一概にはいえませんが、いずれにしても、
身体の下敷きになっている部分の保温性は、重くて圧縮できない化繊が有利、とゆーことであります。
で、今回のは760FPのDXデラックスタイプで、STDスタンダードとSPDXスペシャルデラックスの中間、
(なんか、お好み焼き屋さんのメニューみたいですが・・・)それでもけっこう小型軽量になるのは、
やはりダウンのありがたいところですね。
ま、わたくしの古いダウンシュラフよりダウンの量が少ないのでちと不安ですが、新品はやはりよく膨らみます。
ダウンシュラフの弱みである背中部分については、これはしっかりとしたマットに頼るしかありませんね。
まあ、担いで行くソロキャンプ用には、サーマレストのリッジレストや、イスカ・コンフィのシステムがあるし・・・
あとは化繊とちがって、くれぐれも濡らさないように・・・一度濡らすと、なかなかロフトが回復しませんから・・・
ゴアテックスのシュラフカバーがいいようですが、けっこう重くて嵩張り、しかもお高いので、こちらはまあ、
細心の注意を払うことにして・・・たとえばテント内で氷点下になるような状況では使わないとか・・・
表生地表面の結露が凍結するような状況だと、就寝中に体内から放散される大量の水蒸気が、
中綿の中で結露してしまい、ダウンを濡らしてしまいますから、水蒸気を放出して外の水滴をはじく、
ゴアテックスのシュラフカバーが、ある程度は有効だそうですが、わたくし試したことはありません。
それに快適使用温度-3℃までとはいえ、なにせシングルキルトですから、縫い目から熱が奪われますので、
まあ、そんな時期にこれを使うこともないでしょうが・・・
やはり小型軽量なダウンシュラフは、自分で担ぐ際の必要最小限の装備、とゆーことになりますねえ・・・
クルマのときや、誰かに担がせるとき!には・・・やはり化繊の重くて嵩張るシュラフが一番ですね!!!
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この記事へのコメント
ところで、椅子といい、テーブルといい、「軽量」指向が続いていらっしゃるようで。
軽量・小型=携行性良し;担いでいける
ということで、いよいよ徒歩による全国制覇、食い倒れの旅をご計画かと。
山頭火の話題も出ていましたし。
そう、確かにわたくし最近、キャンプ宴会装備の小型軽量化傾向が続いておりますね。
おっしゃるとおり、全国どこでもいつでも、たとえどんな状況になっても、身一つで宴会ができるようにと・・・
もちろん、それぞれの地元の方々の情けにおすがりして、おいしい料理やおいしいお酒をご馳走になるのは、
山頭火と同じ方針でありますが、句作もしないで、一切の恩義を感じないところが新機軸なのであります。わははは
>combatfoxさん
まあ、そちらの場合は、高級ナイフや高級エアガンに注ぎ込むお小遣いのほんの一部を、
キャンプ用品に回すだけで、けっこう贅沢な装備になるような気もしますが・・・
確かに米軍の最新システムシュラフはけっこういいお値段ですねえ・・・
ロスコ復刻版の米軍センタージップシュラフなら、これよりお安くて、オリジナルのフェザーの多い安物ダウンではなく最新の化繊を使ってますよ・・・
ま、とても小型軽量とは言えないので、わたくしはあきらめましたが・・・
ちなみに今年のスタッフ、西安の兵馬俑坑だけで7000人以上、まだまだ今後、修復、増強していくのであります。むははは
(前回記事の末尾に、元記事のリンクを追加しました。)