ブログ日誌

2020年05月12日

母の日に・・・

もう一昨日になりますが・・・

母の日に長男夫婦と次男夫婦の4人から家内にプレゼントが届いてました。


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せっかくなので、わたくしも食材(とアルコール類)の買い出しのついでに・・・

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よくぞ息子二人を無事に育ててくれました。ほんの気持ちです。

んで、来月は父の日ですね・・・
毎年わたくしにもプレゼントを送ってくれてるので今から楽しみです。
花とかではなくアルコール類とかアウトドア用品とかだったし・・・じゅるじゅる




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2020年04月20日

グローバル経済 複雑性への挑戦メモ

NHKのテレビ番組、シリーズ・コロナ危機「グローバル経済 複雑性への挑戦」を見ての個人メモです。
(立場の異なる)各氏ごとに発言要旨をまとめましたので番組構成とは異なりますが、何かの参考になれば・・・
例によって、わたくしの勘違いなどがあればコメントでご教示いただけるとありがたいです。

ちなみに・・・
1)は第1章「コロナ危機 その時世界は?」
2)は第2章「グローバル経済から一転、国家が前線に立つとき」
3)は第3章「コロナ以前すでにあった危機」
4)は第4章「歴史の針はどこまで巻き戻す?」
5)は第5章「経済が弱者を追い詰め社会を壊す?」
6)は第6章「距離のビジネスが世界を変える」
7)は第7章「複雑性の回復力」
提言)は最終章「withコロナ時代 新たなグローバル経済への提言」
の各章に編集されてた各氏のコメントで、カッコ内は番組のナレーションです。
各氏の経歴や著書などについてはネットとかで調べてくださいね。

・ジョセフ・スティグリッツ
1)短期的に経済を下降させているのは買い物やレストランに行けない社会的距離(ソーシャルディスタンス)だが、
中長期的には一切合切の問題が明らかになる。
個人や企業のバランスシートが悪くなり、深刻な流動性の問題に直面する。
バランスシートが悪化するとモノを買わなくなり総需要が深刻化する。
総需要と流動性と同時に供給側の問題が発生する→これはもはや未知の領域で、思慮深さが必要。

2)2つ目は、最も脆弱な人々を助けること。
これはその国の社会保障システムにもよるし、どの程度個人がギリギリの生活をしているかにもよる。
3つ目は、この危機を脱した時にいいポジションにいるようにすること→企業が倒産しないようにすること。
パンデミックが収束した時に元に戻すわけにはいかないので、経営状態(バランスシート)におけるマイナス影響を
最小限にすることだが、これには必然的に優先順位付けが伴う。
アメリカの赤字の対GDP比は5%に迫っていたが、これは今回危機以前のレベルで今は15%に迫る。
追加対策が必要なことは一般的コンセンサスとなっているので、我々は高いレベルの赤字債務を抱えて
この危機を脱することになる。
なので、優先順位について慎重にならないといけないし、資金提供も慎重にすべき。なぜなら企業は2017年の
減税を1年で1兆ドルの自社株買いに使ったが、そうした企業を我々は救済するよう求められているのだから。

5)GAFAが与える損害は独占力の行使よりもより幅広いものになる。
プライバシーの侵害、情報の利己的利用、政治的操作、煽動、ヘイトスピーチ、そしてそれらへの対応の拒否。
これまで手段がないと言ってたが、彼らは今回コロナウィルスに関する誤った情報を取り除くことができた。
なぜなら、その危険性に気づいたから。
彼らはこれまで利益増強のために社会の安寧を犠牲にしてきた。
これは世界的な動きになって適切な行動をとることになるだろう。
彼らの独占力と社会への損害を抑制できるから、我々はそれを行い同時に民主主義を維持することができる。

7)パンデミックはいかに回復力(弾力性)が重要かを示している。
市場自体は回復力(弾力性)を本来ならばそうあるべき方法では評価しない。
20世紀と21世紀初頭の新自由主義は近視眼的で2008年には銀行が短期の利益を最適化し
回復力(弾力性)のない金融システムを作り上げ、この短期主義の問題が広がった。
アメリカの自動車の例でいえば、スペアタイアをなくし安くしたがパンクしたときには必要になる。
つまり回復力(弾力性)を犠牲にして短期的な利益を追求している。
病院の例でいえば、ベッドの空きがないことを誇りにし人工呼吸器の予備もないが変動がない限り問題はない。
もっとも安い部品のために複雑で相互依存的なサプライチェーンを作り出したが、特定の場所で問題が起これば
すべてのサプライチェーンが崩壊してしまう。
(経済の複雑性ランキングでは1995年の調査開始以来ずっと日本がトップで、その複雑性の強みは?)
日本は工学技術の能力を駆使してサプライチェーンを効率性と回復力(弾力性)のバランスのとれたものに
再構築することができるだろう。
パンデミック後の新たに構築された経済の中で、日本がきわめて重要な方法で台頭してくると確信している。
(複雑性をガラパゴスゆえの強みととらえることができるのか?)

提言)優先順位や回復を考えるとき、この状況は21世紀の経済に変革するために利用できるチャンスかも。
我々は気候変動の危機にあり、パンデミックから脱した時に、リソースを経済再構築にあて、
再生可能エネルギーを拡大すべきというもの。
海洋を移動するのに多くのエネルギーを消費するクルーズ船は必要ない。
それほどのエネルギーを使わず自然を楽しむ方法、そして環境を守る。
それが経済再構築において優先事項の第一となる。


・マルクス・ガブリエル
1)現在ドイツでは集団の大きさは二人ないし家族とされている。
いかなる独裁政権すら3人以上の集会を禁じたことはない。
これはドイツでこれまで展開された最も思い切ったやり方で新自由主義の終焉。
新自由主義は連帯や国家制度的組織の構造を、純粋な市場戦略によって支配されるシステムと
置き換えることができる基本的経済概念だった。
ウィルスは生物学的な構造で、連帯・国家・組織といった経済的構造と完全に異なるモデルに依存するから、
このシステムは、まさにコロナウィルスに直面して、ひどく機能不全になる。

3)今ヨーロッパで見られるのは新たな形での結束だが、これは完全に空虚なもの。
だれも完全には理解していないし、疑わしいデータが含まれる生物学的モデルに基づいているから。
なので一瞬の幻想であり、これから新しい形の暴力が起こってくる。
グローバル資本主義には加速によって破滅に向かうとの認識がある。
社会とは社会経済的取引の最大の仕組み。
社会はローカルのシステムに分割しているからすでに変化しており、我々はその影響を忘れることはできない。
なのでヨーロッパでは自由民主主義の価値を捨てようとしている。
なぜなら現在の生物学的危機を自由民主主義の手段で解決できるとは思ってないから。→独裁へ

6)デジタルの変革を加速させるべきという考え方には異議を唱える。
オンライン学習とか人間コミュニケーションの遠距離通信化は人類にとって悲惨なものになるし機能しない。
我々は我々をつなぐ物質的宇宙の単なる一部ではない。
人類の真の進歩は物質的レベルでは起きない。
物質的なレベルでの近代の論理は単に技術の発展しか意味せず、人間にとって脅威でしかない。
啓蒙なき近代というのは必然的にサイバー独裁制に向かう。
つまりグローバル化とデジタル化の道を1990年以降してきた形で進めば全世界が北朝鮮の形になってしまう。
マルクス主義は今も世界最大の中国を動かしているイデオロギーで共産主義が失敗したというのも誤り。
中国がうまくいってるということではなく、マルクス主義も冷戦も決して終わっていないということ。
唯一の代替案が現代中国で、習近平の社会に対する見方が現在世界を征服しつつある。
ウィルスへの対応策においてヨーロッパ各国は、はじめて中国を見習っている。
これまではアメリカ化だったが、これからは西洋と東洋を同等に取り入れていくだろう。
なので新しいモデルが必要、さもないと現代中国・毛沢東のイデオロギーが優れているという結論になる。
(コロナ危機で国家による一元的管理が可能な社会主義経済と監視能力の有効性を世界に知らしめる結果となった。)

提言)カミュは我々は現実には一人だということを示した。これが古典的な実存主義の標準的な仮定。
重要な反論はハンナ・アーレントの出生の概念で、未来は実在し今この瞬間、深く未来を形作れるはず。
未来は根源的に開かれている。


・ニーアル・ファーガソン
1)ダボスの世界経済フォーラムで気候変動より中国のウィルスを心配すべきだと発言したが変人だと思われた。
1ヶ月後にようやく政策立案者のあいだで危機と認知されるようになった。
第一次世界大戦が勃発した際も似たような状況だった。
1914年4月には誰も気づかず7月の最後の週になって世界中の金融市場が崩壊した。
巨大なネットワークは良いものも悪いものも伝達する。
ウィルスはデジタルであれ生物学的であれ、迅速性重視のグローバルネットワークを通れば、
非常に素早く移動できる。今回はそれが起きてしまった。

2)リーマンショックの2008年後半より悪い経済的ショックなのは確か。
失業手当申請数がこれほど増えたことはなく、アメリカの歴史上、最大のショックのひとつ。
調べたがイギリスでも、この四半期のようなショックは殆どなかった。
2008~9のリーマンショックは金融危機、銀行の大幅な資金不足、不良資産で、欧州の銀行危機は2012~13まで続いた。
今回は財政的症状を持つ公衆衛生の危機で、大規模な金融・財政刺激策に期待するのは本質を見誤っている。
自らシャットダウンした経済を刺激することはできないのに、金融の専門家はリーマンショック当時を思い出して、
量的緩和・ゼロ金利・金融刺激策を話しているだけ。

3)移民の大量発生、ポピュリズムの台頭といった様々な要因によってグローバリゼーションの巻き戻しが起きている。
2019年の後半にアメリカの中国との分離(デカップリング)は無理と言う人がいたので、その人に対して
1914年の英独間でもそれができたのだから、米中間でも可能なはずだと反論してきた。
パンデミックの時こそ分離が加速される。
今の国際体制は見直す必要があり、生産拠点を過剰に中国に依存した体制には根本的な欠陥があった。
世界はそのような根本的に不安定な体制に依存していた。
金融危機用語でブラックスワン(あり得ない)の上の段階がドラゴンキング(未知なる危機)
第一次世界大戦の勃発と比較すると類似性があった。

4)どちらも最初に大きなショックがあったが、戦争と較べるとパンデミックははるかに経済を縮小させる。
戦争は需要とインフレを拡大させるが、パンデミックはすぐにデフレと縮小を引き起こす他の何かに変わる。
戦争では価格と賃金が統制され収入の格差が大幅に縮まり、高額所得者には多額の税金が課されたが、
今回のパンデミックには逆進的な性質があり、自分を守ることは金持ちには簡単で貧しい人には難しい。
ほとんどの国では、ウィルス感染後の対応はその人の収入次第、戦争とは逆に不公平さを拡大させる。

5)パンデミック対応で位置データやSNSデータが効果的な政策に欠かせないことがはっきりした。
なぜGoogleやFacebookやAppleはもっと積極的に政府にデータ提供しないのか?
なぜ欧米は台湾や韓国のような小さな国に大きく遅れをとっているのか?
それはGAFAのような大手テクノロジー企業が公共に対する責任を果たしてないから。
特にAmazonやGoogleなどは今回の危機によって、さらに強くなるだろう。
実際、身体的接触と関係のないテクノロジー企業は今回の危機でさらに成長するだろう。
世界中の財政メカニズムは大企業を優先するので、複数の市場で寡占が進むだろう。

6)あるレベルにおいてパンデミックは左派への傾倒を生み出す。
国民皆保険を正当化し保守派の小さな国家の主張を弱めるから。
なので急進派や社会民主主義者は勢いがつくと喜んでいる。
しかし開かれた国境やグローバリゼーションの危険性が露呈し、国民の基本的安全という面で、
国民国家の優位性が再認識されているという点に彼らは気づくべき。
パンデミックはグローバリズムに対する批判が正しかったことを表している。

7)経済の複雑性は多様性と付加価値があることを意味し良いことではある。
ここでの複雑性は貿易における複雑性で商品の多様性。
グローバリゼーションが危機を迎えようとしている今の日本ははかなり厳しい状況。


・ルチル・シャルマ
1)世界はBC(ビフォー・コロナ)とAC(アフター・コロナ)に分けられる。
ACコロナ危機後は脱グローバリゼーションと債務恐怖症の期間がやってくる。
このトレンドは長引き、世界の成長は少なくとも戦後レベルまで低い状態が続く。

2)金融政策と財政政策の隔たりは消え、まったく異なる2本の柱だった時代に戻ることはほぼない。
これがAC後の世界にもたらされる永続的な変化。
今回の危機はグローバルなのにローカルな状況は国によって大きく異なることに驚いている。
今日のデータでは感染者の9割が気温3℃以上17℃未満の国にいるが先進国には少ない。
先進国では公衆衛生への影響が大きいが、経済的には新興国により大きな影響が出ている。

3)今回の危機が起きる前から4Dの世界について話してきた。
Demographics人口動態=戦後の世界的な人口増加期は終わった。
→1980年代には16歳から64歳の生産年齢人口が縮小している少子化国家は日本だけだったが、
今では40か国以上が日本型少子化国家となっている。
Declining productivity生産性の減少=戦後の生産性の拡大は世界金融危機後には見られない。
→理由はゾンビ企業の台頭と新テクノロジーが消費者志向になりエンターテインメント提供型になったから。
Deglobalization脱グローバル化=保護主義が台頭し障壁がどんどん増えている。
Debt負債=上昇基調だが1980~2008のような大幅な増加ではない。
→2008年にひどい目にあって、経済の多くのセクターが借金に慎重になっているから。
これらが1950~2008に平均4%あった世界の経済成長を2.5~3%へと、すでに押し下げていた。
トレンドベースの成長率は更に低下すると思う。
ACの世界では脱グローバル化のペースが加速、債務恐怖症による資金不足も加速する現実となる。

5)どの政府も勝ち組・負け組を選ぶべきでない。
たとえば、ほぼゼロ金利での貸し出しで救済すべき業界を政府が選ぶべきではない。
そうでないと将来的に問題が生ずる。(強いものはより強く?)

提言)危機の最中に判断や予測をやたらとすべきではない。冷静さを失っているから。
同時多発テロでは飛行機に乗る人がいなくなるとか予測されたが世界は2年後には元に戻った。
ただし中東へのアプローチは一変したし、特定の宗教に対する偏見も生まれた。
今回の危機の対応についても非常に慎重になるべき。
以前から始まっていた脱グローバル化や債務恐怖症といったトレンドは危機の終焉後に加速される。
中国には中国人にフランス革命についてどう思うか訊いたら「まだ考え中」ということわざがあるが、
今即断するのではなく熟考する必要がある。これが世界を変える唯一の危機でもないのだから。


・トーマス・セドラチェク
1)現在チェコでは3人以上の集会が禁止されているが、自分の中には二人以上の人格が存在している。
これまで世界は他国と争い統合できないグローバルな文明、いわば「文明タイプ0」の状態にあったが、
このカタルシスで、ともに戦わなければいけないと理解する文明へと変化しているのかも知れない。
ウィルスは人種や主義などに関係なく平等で、これに対処できるか人類の団結が試されているとも捉えられる。
科学的に協力することで改善し、理想としては各国がとっている安全対策を同期させるべき。

3)コロナウィルスは金持ちも貧乏人もかかる病気で興味深い。
デジタルの世界では極端な独占が可能だが、コロナウィルスははるかに民主的。
森で生活する人より金持ちが自給自足できるとは考えにくいので危険性はデジタル上での独占よりはるかに低い。

6)パンデミックでは近いものが近くなり遠いものが遠くなる。
世界中を飛び回り誰とでも取引できた頃は流動的だった。インターネット上では今でもどこにでもいるが、
インターネットはアナキスト的なもので自由主義的。王様もおらずルールを定める議会もない。
非常に混沌としているがうまくいってるし共産主義的な見方もできる。
現在は同じウィルスでも人の動きを止めるよりデータの動きを止める方がはるかに悲惨なことになる。
諸刃の剣だがデジタルに変換可能なものがより多く交わされ物理的な交流や人々の移動は減るだろう。
労働はすでにバーチャルな領域に移行している。
先進国のGDPの70%はサービス業に移行しており、これらのサービスは簡単に抽象的な世界に移行できる。

提言)今回の危機はパラダイムの転換かも知れない。
例えばチェコ共和国ではパートタイムの仕事を家でする短時間労働制度がある。
2009年から提言してきて一度も実現したことはなかったが、今回は数日で実現した。
この危機以外に使えないようなアイデアは他にもいっぱいあるはず。
世界は疲弊しているかも知れない。私たちは自然を燃やし過ぎた。
なぜなら少しでも大きなスクリーンや少しでも速い車が欲しいから。
休息を取ることは頻繁にはできないが、夜に焚火を囲んで語り合えるような理想の田舎暮らしに嫉妬している。
テレビも携帯電話もインターネットもなく世界のあらゆる狂気もないような暮らし・・・
象徴的には、そう読み解けるかも知れない。


・ペリー・メーリング
1)今はパラダイムシフトの時期で、前の生活に戻ることはないと思う。
今回の公衆衛生・経済ショックによって私たちを結び付けている網のような約束の複雑さが明らかになった。
世界や自分の未来は約束の網で成り立っていたが、今回の危機によって様々なかたちで切り裂かれた。

2)今回危機への対策はリーマンショック以上で、キャッシュ需要が高まる中、3/14以降に連邦準備理事会が
とってきた対応は劇的。ドルを大量に供給すること→国際通貨制度が崩壊することはないと断言できる。
もうひとつは専門分野の経済的存続(エコノミック・サバイバル)で重要なのは経済的距離(エコノミック・ディスタンス)
ウィルスによる経済的な影響が人から人へ拡散しないよう、私たちそれぞれのバランスシートの間で、
政府がマスク的な役割を果たすこと、例えば損失の補填や借金の返済を延期させること。
ここでの政府の役割は、短期的には失われた所得(ロスト・インカム)を補填し、人々が離れ離れになった後でも
元に戻れるよう、払えなくなった借金がその後も急増しないよう、可能な限り返済期限を先に延ばす事。
これは財政的なことだが、通常の対策ではなく景気を循環させるためではない。

3)コロナショック前の世界経済やグローバルサプライチェーンは非常に統合されたものだった。
→生産・発送・ジャストインタイム生産などは各国で協力する必要があった。
短期的にはサプライチェーンは回復しないだろう。
長期的には新しいグローバル経済の構築が期待されるが政治的協調が必要
金融のグローバリゼーションにおけるインフラの弱点が今回の危機で明らかになった。
→下水の配管と同じでパイプが壊れるまでは配管のことは心配する必要はない。
グローバリゼーションが正当化されて生産性の向上により勝者は敗者を補償する(配管を修理する)はずだったが、
いうまでもなく彼らは補償しなかった。

4)第二次世界大戦直後の状況と比較している。
当時アメリカ国務省でドイツ復興を担当していた経済学者チャールズ・キンドルバーガーの仕事のスローガン。
「市場が機能しないなら市場を使うな」が今回も有効
市場は単に未来のことを現在に還元しているだけで、未来が分からなければ価格設定の基準となるものもなく
間違った方向へ向かってしまう可能性がある。

5)外でウィルスにさらされ働く人たちに、いつか返さなければならない借りが自分には蓄積している。
危機が収束した時にその借りを返さなければ、大きな社会不安に陥ってしまう。

7)脱グローバリゼーションでは国際分業の経済的なメリットを失うことになる。
最も大きな被害は末端周辺国でグローバリゼーションに最近加わり最大の恩恵を受けてきた国。
在庫がないのは医療用品だけでなく他の部品も在庫がないので多くのものが作れない。
ショックに強くするため工業生産を再構築することになる。
命に関わると考えられている産業が国内に回帰する。
国内に確保しておくべきvitalなものは何か議論され、これは囲い込みへの移行の一部
(これまで生産性の高い分野への移行が課題とされた日本だが、逆にそれが代替可能性・弾力性になるのか?)

提言)多くの人にとって有効な新しいグローバリゼーションを築いていくためには、経済的なパラダイムシフトと
同様に社会的なパラダイムシフトが必要。それがなければ国民から反対され、結果的に国際的分業や
国際貿易のメリットを失うことになるので、誰もが損をする経済的自立政策に逆戻りする。
実際に何が可能なのかを知る唯一の方法は、計画を立てるのではなく何かを作りはじめること。
新しいポストコロナウィルスの世界の一部になるにはどうしたらいいのか考えてみてください。
これはトップダウン方式で浮かび上がるものではなく、専門家が集まって明らかになることでもなく、
各国がお互いのアイデアや取り組みを見て、各国がそれぞれ進化していくということ。


・飯田泰之
2)(Q今何が必要か?)
日本はまだまだ緊急時モードではなく平常時モードの姿勢が崩れていないように思える。
ドイツは大規模な財政赤字を容認して問題に対応しているが、多くの国際機関で緊縮財政が正義という信仰があった。
日本の経済政策論壇のバカげたところでもあるが、財政の逐次投入や温存は最も問題が大きい。
今必要なのは各都道府県、政令市に地方債の大幅増額発行を認めること。

2)(Q危機の本質とは?)
各国の中低所得者で安定的雇用にない人に集中的にショックが及ぶことが、今回の危機を長期的にする。
ヨーロッパやアメリカであれば不法移民と呼ばれるグループで、彼らが生活基盤を失った時にどうなるか、
トランプが加速させていた移民との対立、日本でもうまくいっていない人たちとの対立など、所得であったり、
民族であったり、様々な分断がインフォーマルセクターの崩壊によって加速する。

7)資本主義・自由主義が生き延びていくためには、その外にいるグローバル資本主義と関係のない人たちが
一定数いることによって安定的になる。摩擦も必要な道路と同じで資本主義は混ぜ物があるから成立している。

提言)素晴らしい自由主義経済を維持するためには自由主義ではない経済活動、経済活動ではない社会活動が
必要不可欠。自由主義経済のために自由主義以外の経済成長が必要。

・早川英男
2)(Q今何が必要か?)
最初の自粛のフェイズでは自粛によって犠牲になっている人を補償する、第二弾は総需要喚起策で現金給付も含む、
第三弾は今回テレワークにしても遠隔診療にしてもオンライン教育にしても遅れていることが証明されたのだから、
(文句を言う人も多いが)規制緩和や補助金でそちらを充実させること。

2)(Q危機の本質とは?)
リーマンショックは日本を見るとグローバル企業や金融機関を襲うショックだったが、今回犠牲になっているのは
非正規の人たち。格差が広がるとリッチな人のクオリティも下がるのでポストコロナでは格差解消も重要。

提言)感染症との戦いには国際協力が非常に大事。
感染抑制に成功することは他の国にとってもプラスで、ある国が成功すればその国の経済はよくなるはずだが、
他の国が失敗すれば元に戻るので国際協力が必要。すべての国の国際協力が外部性となる。


・小幡績
2)(Q今何が必要か?)
絶対に間違っているのはお金を配るという政策。
アメリカでもイギリスでも行われ日本でも行われるが、これは100%間違っている。
感染症が今後も起きるのは明らかなのに、お金を配ってしまうとシンプルな財政危機になり次の対処ができない。
大事なことは今回の危機は社会インフラの危機であるということ。
限られた財源、限られた人材の中で医療を守るために金を使い、その後の景気対策に金を使い財政に行き詰って、
終焉後に医療費をさらに削減したりすると、一番大事なインフラにお金が回らないことになるから。

2)(Q危機の本質とは?)
今回マスクや人工呼吸器が足りないとなったが、これだけ市場メカニズムが発達しておれば、お金を出せば
手に入るはずなのに足りないまま。
これは経済成長を達成するために無駄なものばかり作ってきたから。
根本的に必要なものは何か、経済を考えていくと自給自足プラスアルファになる。
本来分業はみんなが必要なものを手分けして作り効率を上げること、不必要なものを作ることではない。
ところが「売りやすいもの」を分業で作るようになった。
農業でいえば商品作物を作れば代価は獲得するが、自分たちの飢餓はひどくなるということ。
覇権国家もなく政府もコントロールできない状況ではシンプルな原点回帰しかない。

提言)日本は思考停止に陥っている社会で、監視強化するか逆にそれを恐れるか、流れでどちらかにつく。
不安があって、いつまでも足元が定まらない社会になる恐れがある。
「ともかく安心を求める」ことはやめよう。
不安があり過ぎるとパニックになって冷静な判断ができないが、なさ過ぎても思考停止・感覚停止になるので、
政府は国民を思考停止に陥らせるような政策をとってはいけない。





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2020年04月10日

リタイア3年目の日常メモ

とりあえず 世間のことは さておいて・・・

2017年3月に勤め人を完全にリタイアしてから丸3年が経過しました。

今でも夜遅くまで起きてて、そろそろ寝なければと思った直後に「あっ、明日も休みだった!!!」と気づいて、
思わずうれしくなってますし、朝、目覚めた直後にも「あっ、今日も休みだった!!!」と、うれしくなってます。
そう、まだ勤め人の頃の「休日」とゆー感覚が残ってるのでありますね。

わたくしにとっては、仕事のストレスというのは(人間関係も含めて)、やはり相当なものだったようで、
「出勤しなくていい」というのと「仕事の方針や関係先との調整や指示の仕方を考えなくていい」というのは、
ふとそのことに気づく都度、今でも思わず安堵してしまうほど・・・

もちろんリタイア前は(それが生甲斐というほどではなかったにせよ)仕事での充実感や達成感はありましたし、
苦労した(させた)上司や部下や関係先との一体感というか共感というか・・・があったのも確かなんですが、
やはりストレスのほうが大きかったのでしょう、今でも早めにリタイアしてよかったと思ってます。

ま、少しでも働けるうちは働いた方がいい、リタイアすると一気にダメになる・・・ともいわれてますが・・・
これについては個人差もあるので一概には言えませんが、その仕事に一生を捧げる覚悟まではなくて、
辞めても何とか暮らしていけるようなら、少しでも早くリタイアした方がいいとわたくしは思ってます。

リタイアして気分的にダメになるのは、仕事以外での「好きな事」や「つきあい」が殆どなかった人でしょうし、
そんな人が仕事とその人間関係で充実してるなら、もちろん可能な限り仕事を続けた方がいいのでしょうが、
そんな人でも、いざリタイアしてみると、いかに仕事のストレスが大きかったかを実感するはず、と思いますし、
たとえ「好きな事」だけを仕事にしてきた幸運な人でも、おそらく同様に感じると思ってますが、どうでしょう・・・

ま、健康のためには「適度なストレス」があった方がいいらしいので、その程度で仕事が続けられるならいいし、
仕事のストレスを自分でコントロールできればベストですが、凡人にそんなコントロールはできないだろうし、
むしろ「好きな事」の範囲が自分だけで完結してるなら、こちらのストレスはコントロールできるでしょうから、
やはり早くリタイアして「好きな事」にシフトした方が、健康にもいいのではないかと・・・

とか思いつくまま、えらそーなことを書きましたが、今の自分が現役時代より充実しているかどうかは
自分では分からないので、とりあえず、この春からの(特に予定がない日の)日常をメモしておきますので、
みなさんのご意見をお願いします。
そう、こんな状態で暮らすぐらいなら、どんな仕事でも見つけた方がマシだよ・・・とか・・・


この春からの(特に予定がない日の)日常メモ98k

①ほぼ8時半~9時に起床
平日は家内が毎朝8時半に出かけるので、何となくそれを待っているのかも・・・
そう、家庭でもストレスはあるし・・・(ちなみに家内はまったくないそうです)

②排尿→血圧測定・記録
昨年春からの不摂生により、数年ぶりに血圧降下剤を再開したのだが、今年1月の血液検査でCK値が高くなってて、
(CK値は筋肉の炎症などで上昇するらしいけど)まったく運動してなかったので、以前服用してて再開した血圧降下剤
ミカルディス(テルミサルタン)の服用が関係するかも知れない、との診断で先月末に血圧降下剤の種類を変更、
それ以降は朝食前・服用前の血圧を測定し記録している。
3月28日からノルバスク(アムロジピン)に変更したが、今のところ血圧に大きな変化はなく、1ヶ月服用してみて、
再度の血液検査で判定してもらう予定。ちなみに朝の服薬前の血圧は140/85前後で推移している。
(追記です。4/20に検査したところCK値は高いままだったので原因は別にあるようです。やはり腰痛かな・・・)

③朝食→服薬→排便→髭剃り洗顔→着替え
朝食はたいていコーヒーとサンドイッチ半切れ、たまに一汁三菜の理想的な和食・・・
通常は家内が作ってくれているが、週1回程度は家内が両親の介護で京都まで泊まり込みで出かけるので、
その際には自分で作っている。ま、そのほうがボリュームがあってうれしいけど・・・
ちなみに現在服用している医薬品は上記のアムロジピンと坐骨神経痛対策としての新ネオビタミンEXだが、
他にもサプリメントを摂っていて、現在はこれが3種類・・・
スーパーマルチビタミン&ミネラル、ビタミンC1050mg、エゴマ油かアマニ油で、ま、気持ちの問題かも知れないけど
自分の食生活や生活習慣とのバランスから不足しがちと思われるものを摂取しているつもり。

④晴漕雨ネト
午前中は天候が良ければポタリング、そうでなければネットで調べものをしたり書き物をしたり買い物をしたり・・・
ちなみに自転車漕ぎを本格的に再開したのは3月下旬からで、まだ1日20~30km程度しか走っていない。
リタイア直後には1日50km~80kmを走ってて、2年で10kgほど減量し血圧降下剤も止めることができ、
他の数値も全て正常値になって医者からも褒められてたのだが、この1年は母親の介護(とゆー名目)で、
殆ど動かず暴飲暴食が続いて完全にリバウンドしたので、なんとか再開して継続しようと・・・
自転車もジョギングや山歩きと同じで、徐々に距離を伸ばして行けば長距離も可能になる・・・はず・・・

ちなみに現在、生活必需品の買い物と健康のための散歩・運動以外の外出は控え、仕事もできるだけ在宅で
するように大阪でも要請されてますが・・・
わたくし昨年秋からずっと(家族や友人とのお出かけ以外は)生活必需品(主にアルコール類ね)の買い物と
健康のためのご近所ポタリング以外には外出してないので、先行して巣ごもりを実践してたんですね。
もともと人混みが嫌いでスーパーでの買い出しも短時間だし、ポタリングもふだんは一人だし・・・

⑤昼食~昼食後
昼過ぎに家内が帰宅する平日は二人で近所の店に行くか、どちらかが自宅で作るかで飲みつつ食べる。
休日も一人の場合もほぼ同様だが、家内が早寝早起きで昼寝もするので、わたくしも昼寝するようになった。
(現役時代は昼食を早めに済ませデスク上で昼寝してたけど、休日には全くしなかったのに・・・)
なんかラテン系の生活になってきてるような気もするが・・・ま、朝食の量はラテン系より多めだけど・・・
家内不在の日の昼食・夕食はたいてい自宅か近所の店でご飯物と麺類だが、ま、これもどちらかに・・・したいな・・・

で、午後から晴れた場合や午前中に行かなかった場合は午後からポタリングに出かけることもあるし、
生活必需品(主にアルコール類)の買い出しに近所のスーパーとかドラッグストアに出かけることもあるが、
昼寝もせず出かけもしなかった場合は、やはり録画チェックと読書とネットと書き物で過ごしている。

ちなみに録画は番組名以外にキーワードとカテゴリでも予約してるので、たちまちHDDが溢れてしまう。
なので、なるべくその日のうちにチェックするようにしているが1日で1時間ものが2本、30分ものが4本、2時間ものが
1本としても計6時間、ざっと内容を見るだけでも数時間はかかるし、メモしながらだったりBDに保存版として
ダビングしたりしてるので、さらに時間を要することになる。
放送大学の講座なんて、今月からいくつも開講してるので、とりあえずBDに録画したままで放置するしかない。
読書についても同様で、枕元には図書館から借りたまま期間延長している本が溢れている。

さらに平日の昼食後は家内と過ごしてるので雑用をやらされたりして、あっとゆー間に日が暮れてしまう。

⑥夕食~就寝まで
6時半前後に自宅で夕食、もちろん飲みつつ食べるし、家内はたいてい食後まもなく寝てしまう。
わたくしも夕食時に飲み過ぎた場合は少し夕寝するが短時間で目が覚める。
覚醒後は昼と同じようなことをしていることが多いが、なにせ一人だし夜なので集中できる。

じつは家内が寝てから就寝までのこの時間が、本当に「好きな事」に費やしている時間かも知れない。
家内は8時前後の就寝で5時の起床、わたくしは3時前後の就寝で9時前後の起床なので、わたくしが一人で
過ごす時間、つまり全く個人的な夜の自由時間が7時間程度あることになる。
そう、これは勤め人の昼休みを除いた平日の「9時から5時まで」の勤務時間と同じ・・・
この時間をいかに有意義に過ごすかによって、わたくしのこれからの人生が決まるといっても過言ではない。
で、わたくしがこの貴重な時間を使って、いったい何をしているかとゆーと・・・

ええ、こんなブログ記事を書いてます・・・どっはらい



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2020年04月07日

追憶の花見・・・

家内と二人、いつもの近所の公園でお花見してきました。

昨年秋に96歳で逝ったわたくしの母親ですが、昨年春までは毎年、桜花の季節には三人揃って、
同じ公園の同じ場所で花見を楽しんでましたので、今回は追悼の思いもあって・・・

昨年春には母親は車椅子でしたが、一昨年まではずっと三人一緒に自転車に手作りのお弁当
(母親はおにぎりと和風のおかず、家内は洋風のおかず、わたくしは飲み物と粉もん)を積み込んで、
たいてい近所の公園その1とその2を、二日に分けて楽しんでましたし、
たまには明るいライトをいっぱい持って夜桜宴会なんぞもしてました。


まずは近所の公園その1へ・・・

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昨年春、同じ場所で撮った母親の遺影を家内が持って来てくれてました・・・

この日は花曇りでしたが、何組かの家族連れが距離を空けてお弁当を拡げてました。




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こちらのサギさんはずいぶんかっこいいですね・・・




DSCN5933

帰りがけには、少しだけ青空も見えました。




で、別の日に近所の公園その2へ・・・

DSCN5941

満開から散り初めといったところでしょうか・・・やはり数組の家族連れがお弁当を拡げてました。




DSCN5943

こちら、昨年春には中学の同窓会で花見宴会をやって盛り上がってたのですが、
さすがに今年は誰にも声をかけず、ひっそりと二人だけで・・・




DSCN6001

ま、途中で粉もんの追加買い出しに行ってきましたが・・・


こちらのサギさんは花見に上陸・・・って、何かもらえないかとすぐに近寄ってきます。

DSCN5986

野鳥なので餌付けしてはいけませんね。なので何もあげません。きっぱりと



いっぽうスズメさんは桜花をばくばくばく・・・

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DSCN6092

ま、けっこう寒そうでしたが・・・

こんな時期ですが平日で人のまばらな公園だったし、夫婦で母親と三人での花見の思い出を
しんみりと語ることができてよかったです。





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2020年03月28日

欲望の時代の哲学2020メモ

NHK番組「欲望の時代の哲学2020」~マルクス ガブリエルNY思索ドキュメント~を見ての個人メモです。
(マルクス ガブリエルは新実在論を提唱するドイツの哲学者。1980年生まれ)
わたくしはまだ著作を読んでないので、勘違いなどコメントでご指摘いただければありがたいです。

第一夜 欲望の奴隷からの脱出
・世界史とは自由という意識の進歩に他ならない。ヘーゲル(1770-1831)
・「歴史の終わり」1989年フランシス・フクヤマ(知らなかったのでウィキより抜粋)
「歴史の終わり」とは、国際社会において民主主義と自由経済が最終的に勝利し、
それからは社会制度の発展が終結し、社会の平和と自由と安定を無期限に維持するという仮説である。
・グローバル資本主義→自由意志は絶えず自らを攻撃する。
・自由と民主主義を価値の体系として考えた第一人者がドイツ観念論のカント(1724-1804)
自由意志とは自然法則以外の物事が任されている状態
意志will→なすべきことを思い描いて行動する能力→意志と意志が調整されている
自由意志とは意志の調整の最適化→道徳と同じ→他者を手段としてはならない→理性から自由意志は生まれる
・すべてのSNSは必然的に自由意志や自由、民主主義を損なう。
・人間の社会性は社会ネットワークの構造次第で損なわれる。
・今何をしているのか自己イメージを表現できるプラットホームを提供しているが、データとは自分自身を見せたい
と思う方法、プラットホームは中立ではない。自由を損なうことなく利用している。
・法の哲学(ヘーゲル)→正義とは互いの意志の調整を確立させること。
・正義のない西部開拓地では意志の調整なく撃たれた。同様に何でもできるのがオンライン。
これがカリフォルニアのシリコンバレーで生まれたのは偶然ではない。
西部開拓時代のスタイルが民主主義の社会形式に大きく入れ替わった。
まるで意見が合わない人とは付き合わない→民主主義は弱体化。対抗する自己イメージを生み出してしまう。
・SNSは自由を破壊することなく自由の心臓部を攻撃する。知らないうちに振る舞いを操られている。
・自由に描いているはずの欲望が、誰かの欲望を映しているだけだとしたら・・・
・テクノロジーが作った無限の欲望の鎖から解き放たれるためには・・・

第二夜 自由が善と悪を取り違えるとき
・ショーペンハウアーの「自由意志のパラドックス」
人は欲求を満たすことができるが、欲求そのものを欲することはできない。
例→バニラアイスよりチョコケーキが食べたい→食べる→自由意志の余地はない→決定論
じつは決定論とともに常に自由意志はある
充足理由律→あらゆる事象は理由なしには生じえない
自然条件=必要条件→必要条件が全て集まって充分条件になる
ショーペンハウアーの誤りは主体と客体を分けたこと。
・無力感もわたしたちの認識が生んでいるにすぎないとしたら・・・
・今のアメリカは極端なプロテスタントがつくった。
自分が真実と思ったものが真実、神父に言われなくても(教会に行かなくても)自分は神を信じている。
・プロデュースとはプロ(前に)デュース(持ってくる)、つまりショーのこと、アメリカはショービジネス社会
・ニューヨークでは誰もがフィクションと幻想が織りなす現実に触れている。文化が可視化されている。
・ドイツ語のガイスト(精神)は英語ではカルチャー(文化)
・アメリカの主なイデオロギーは科学的唯物論→自然科学的な知のみで体系化された哲学
いっぽうでハイレベルな大衆文化がある。→興味深い矛盾
→この国は常に二極化、科学的唯物論とキリスト教への信仰→科学的な進歩と空想的で非現実的なものが共存
→最近はその境界が曖昧に→科学と信仰→アメリカで面白いフィクションはSF
・シリコンバレーの住人の少なくとも半数は間違いなくスタートレックやスターウォーズでSF的世界観を持ち、
実際に空想を現実に変えている。
・すべてのファンタジーには良い面と悪い面がある。コントロールされているうちは良かったが、
50年前から制御不能になりはじめ、インターネットの加速によって悪化した。
極端な話、学校やショッピングセンターで銃を撃ちまくる現実がある。
・自由を与えすぎ自由を取り違えたとき、人は現実に目を背け幻想に閉じこもるのか。あなたは自由ですか。
・FacebookやGoogleはひたすらあなたを利用する。なぜなら、あなたは自由だから。
・資本主義の果てしない破壊的消費でさえ、わたしたちの自由を奪うことはない。
なぜなら、わたしたちの欲望は人工的なものだから。
・社会状況やマーケティングがわたしたちを無限の消費へと駆り立てる。
・グローバル資本主義より、もっといい自由意志の使い方がある。善と悪、良い自由と悪い自由
・シェリング「自由とは善と悪の能力である」(人間的自由の本質より)
自由であるということは自由に間違いを犯すということ。なので市民社会への攻撃に対して責任がある。
不公正な社会は自由度が減少する。
・なぜ人類の破壊に向けてお金を使っているのか、自由な人が悪い自由を植え付けたから。
・人間の協調する空間を増やすというのが善という概念
・地球の破壊が悪であるのは未来の人類が自由を失うから→世代間の不正義
・チョコケーキは人工的文化的に造られたもので脂肪と糖質の塊・・・(それでも食べる)

第三夜 闘争の資本主義を越えて
・NYのウォールストリート→もとは先住民を隔てる壁→2008年以降は実際の取引と隔てる壁になった。
・平等だと猜疑心がつのる。猜疑心がつのると闘争が起きる。(リヴァイアサン)
・社会とは個人に他ならない。(マーガレット・サッチャー)
・各人は全ての人々と結びつき、かつ自分にしか服従せず自由であり続ける必要がある。
社会契約はこれを解決する。(ルソーの社会契約論)
・どちらの考えも社会と個人が両立しない結果をもたらす。
・学術的シンクタンクの提言を実行すれば社会は破壊される。
・人間の生活形式(ライフ・フォーム)と生存形式(サバイバル・フォーム)を区別して考える。
経済学も資本主義も最適を求める生存のための戦いで進化生物学(ダーウィニズム)を当てはめようとする。
社会ダーウィニズムは社会を完全に物理学や統計で捉えようとするが本来の性質ではない。
理想的な社会では生存レベルを保証するシステムは複雑な国家の福祉システムによって管理されている。
この社会には無条件のベーシックインカムが必要だが全ての生存形式を保証しようとは考えられていない。
・重要なのは生活形式も含めた経済学→生存<生活
例→アメリカの多くの食文化はエネルギーと代謝計算に置き換わっているが食事は生存形式ではなく生活形式。
・意味の場の存在論
数字と体験はイコールではない。→数字<体験 
「心の痛み」と「愛している」は二つのニューロン・パターンという哲学や、お金とレストランでのおいしい食事が
イコールというのと同じ間違い。
・世界を技術的な目で見る人には全てが最適可能な資源に見える。(ハイデガー)
森は神聖な場所ではなく木材供給場であり、親は子どもを(人間を人材と呼ぶ)就職市場に向け最適化しようとする。
生産性のみに狩り立てられると、すべての人間が消費財になる悲劇が待っている。
・社会の複雑性を消すことはできず、生きる意味を求める人間の探求は幻想ではない。

第四夜 私とあなたの間にある倫理
・利便性とともに生まれる閉塞感、都市はもはや独自の進化を遂げる生命体のようだ。
・ヘーゲルの客観的精神
・知能(インテリジェンス)=限られた時間で問題を解く能力と定義すると・・・
脳にAIを組み込まなくても、現代人はスマートフォンを持つことで知能が高くなっている。
・脳を機械にアップロードすることを選びますか?
・デジタル脳で一生、仮想現実の世界で生きたいですか?
それは人々にとって生か死かの決断。そのとき哲学者は非常に重要になる。
意識のアップロードには経験に基づいた証拠がなく人間に試すには倫理的に極めて問題がある。
・デジタルなテクノロジーでは捉えきれないこの世界の複雑性、それこそが精神という名の豊かな可能性だとしたら
・もし人間の思考が感覚だったら?なぜ(目の前にある)これが本だと分かるのか?見渡しているから?
・ドイツ観念論の伝統→カントの観点「無関心な満足」人は道徳的に無関心になることはできない。
観念に先立つ体験、理性に先立つ道徳
・人々が小説を読み始めた頃、社会の暴力は減少した→他者の視点に立つことは常に道徳的行為そのもの
・私はあなただったかも知れない→これが倫理の基本的なポイント。私は反対側にいることもできる。

第五夜 哲学が国境を越えるとき
・近代国家ニッポンとは(張旭東)
翻訳の超大国→ひとつの言語に三つのシステム(漢字カタカナひらがな)がある。
→島国で完結しているが本質的にオープンで日本語の輪郭はあいまい。
→他者を本質的に保持するモデルで中国語とは真逆→来るものは拒まず、実は受け入れず?
・文化の多元性→普遍性→自分の言語を再改革する努力
・グローバル時代の社会における人間性とは?人類の理念とは?(斎藤幸平の質問)
道徳的な争いは続いているが道徳的な進歩の時代でもある。
精神は自然を呼び起こす→自然を人間化するのがヒューマニストの次のステップ
定言命法(無条件に「~せよ」と命じる絶対的命法)は人間の領域を越えて広がっている。
自然が(分かれた人類の)ある種の普遍性を獲得する基礎となる。
動物と非動物の線引きは解決されていない問題→境界線が分かれば倫理に取り組むことができる。
・今は相対主義・冷笑主義・ニヒリズムの時代でスカイウォーカーよりダースベイダーを選ぶ準備ができている。
それが現代のイデオロギーだが、それが何を意味するのかは彼らはまったく認識していない。
ダースベイダーがマスクを外せばただのうんざりするモンスターであるとわかること。
例えば気候危機は科学的な事実では解決できない。それはどうでもいいことでおしまい。
・一言で言えば、私たちには倫理的資本主義が必要→ドイツ企業の大きな倫理プログラム
→道徳的価値が経済的価値を生み出すのは真実。
いかに利己的に見えようと人間本性には他人の運命に関心を持ち他人の幸福をかけがえのないものにする力がある。(アダム・スミス)
・人間は責任を逃れるために自らの道徳を手放したくなる。
・日本人の会話やコミュニケーションには見えないファイアウォール(社会的規範)があり同質的になっている。
西洋的な人権の概念を持ち込めば、それを破壊するかも知れないので、この種の概念を持ち込む人を好まない。
このファイアウォールは無意識だが明文化されている。建前と本音→仮に日本版ネットワークと呼ぶ。
これには柔軟性もあり大戦中は中国への軍事的優位になったがアメリカの個人主義に敗れた。
戦後、表面はアメリカ化し消費者行動はアメリカ的だが、心の枠組みは全くアメリカ化されず安定している。
東京が今でも世界で最も大きな社会システムであるのは、このネットワークの一部であるサイバー独裁の要素があるから。
創造性もあるがみんな一緒、均質性と順応性を生み出しもすれば、うつ病や自殺も生み出す。
この社会でのゲームは非常に暴力的で逃げられないところまで追いつめられる。
日本版の読心術を抑圧に使わなければ、このシステムのバーチャルなものが普遍主義の新しい形になるはず。
(普遍性を目指すガラパゴス(日本)は、これからどこまで跳べるのだろう。)
・哲学は思考のための一つのツールで、その思考の先にそれぞれの自由が生まれる。
・運命は必然ではなく自由を意味する。自由になったとき初めて運命を見出せる。



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