書斎
2024年04月04日
自宅避難の基礎知識と防災用品大賞
とーとつですが・・・
昨日4月3日に台湾東部沖を震源とする地震が発生、花蓮県では多くの建物が倒壊し余震も続いて
ますが、新しい耐震基準による建物は殆どが無事だったそうです
また我が国では大規模災害時に避難所に行けなった方や避難所で亡くなった方も多くおられ、
現在では自宅での避難(籠城)も重要視されはじめています
わたくしも以前から書いてるとおり、自宅がその災害に対し安全なシェルターとして使えるなら、
たとえインフラが全て破壊されてたとしても(備蓄さえあれば)自宅避難(籠城)は可能ですし、
場合によっては避難所に行くよりも安全快適に過ごせることもあると思っています
今回は最近の雑誌に掲載されてた、自宅での避難(籠城)に関連する特集をたまたま読んでて、
けっこう役立ちそうな記事があったので、その一部をご紹介させていただきます
まずは・・・
女性セブン3月21日号にあった・・・
保存版大特集「自宅で避難の基礎知識~備蓄と準備~」であります
(著作物なので画像掲載に問題があれば非公開にします)
避難所生活にはイラストのような問題があり、他にも集団生活に伴う問題もあるでしょう
ただし繰り返しになりますが自宅避難(籠城)できるのは、あくまで自宅がその災害に対して、
(余震なども含め)安全なシェルターとして利用可能で、必要な備蓄がある場合ですので、
その点は充分なチェックが必要です
まず分かりやすい在宅避難のための備蓄リストが掲載されてたので参考に・・・
(著作物なので画像掲載に問題があれば非公開にします)
具体的な分量の目安(この記事では10日分)もあって参考になりました
以下は記事本文からのランダムなメモです
・自宅の耐震性(新耐震基準から)と地盤(自治体のハザードマップから)を確認しておく
・家具の転倒防止対策、ガラスの飛散防止対策をしておく
・備蓄は10日×人数分を用意(上記リストを参照・ローリングストックも活用)
→ガスや水道より復旧が早い電気でも大地震では10日以上使えないケースもあった
→なので以前は3日分と言われてたが10日分は用意した方がいい
→食料と水、トイレの代替品、カセットコンロは必需品
・冷蔵庫が無事なら停電でも数日はクーラーボックスとして使える(天井まで段ボールを)
→水を入れたペットボトルを凍らせておくと停電時の保冷材になる
→冷凍食品も備蓄食品になる
→停電時の消費は冷蔵庫→冷凍庫→インスタント・乾物・缶詰の順
・被災直後は自分や家族の身の安全を確認・確保、その後に在宅避難が可能かチェックする
→自宅に傾きや損傷があれば、ためらわず避難所へ→ここまでを被災1時間以内に
・水とトイレの管理が在宅避難成功のカギ
→1日1回は避難所に行き給水タンク車がいつどこに来るかの情報を集める
・排水管破損の判断が難しい場合は安全が確認されるまで汚水を流さない
→トイレ代替品を使う(上記リストを参照)
・きちんと食べる、きちんと出す、ケガをしない、が合言葉
・不自由でも工夫して「いつもと同じ暮らし」を心がけることが命を守る
・断水していなければ風呂にも水を貯めておく(簡易浄水器があれば残り湯も使える)
などなど・・・
ちなみに「マンション防災スマートシート」からの抜粋監修記事もありましたがシートには、
被災直後、30分後、1時間後、3時間後、1日目の残り時間、2日目・3日目と時間を区切って
4日目以降まで、なすべき行動とそれに必要な事前の備えが分かりやすくまとめてあって、
戸建て住宅の方にも参考になるはずなので、ぜひリンク先pdfをプリントして、被災時にも
チェックできるよう、自宅などに常備しておくことをオススメします
で、もう一冊・・・
「日経トレンディ」4月号にあった・・・
"手抜きで"お金を稼ぐ&増やす方法特集ではなく・・・
防災用品大賞とゆー特集であります
(著作物なので掲載に問題があれば非公開にします)
(著作物なので掲載に問題があれば非公開にします)
EDCすべきゼロ次セット、非常持ち出しすべき一次セット、備蓄すべき二次セットに加えて、
日常でも使える「フェーズフリー品」が浸透すれば備えが強化される、つーのが提唱者の思い
記事には
「例えばポータブル電源を買っている人は(キャンプによく行く人は別として)多くないが、
PHEV車はよく売れている。これは乗用車としても優れているからで、災害時には給電もでき
能登半島地震の被災地でも活用されている」
「どんな優れた防災用品でも普及しなければ役に立たず、日常的に便利に使えて非常時には
助けになる「フェーズフリー」の考え方が広まれば災害への備えができる」
ともありました
わたくしもキャンプ専用の七つ道具が無事であれば災害時にも使えると昔から提唱してますが、
まあ、当サイトの読者はアウトドア好きやライト好きが多いので言わずもがな、かもでしゅが
記事では①防災グッズを衛生、避難セット、避難・耐震に、②非常食を食事、栄養補給、菓子に、
③防災家電を照明、電源、ラジオテレビに、それぞれ分類して新規性と日常性の観点から
編集部が3段階で評価して大賞を選んでました
(ちなみに①防災グッズの大賞は「BOS非常用トイレBセット50回分」、②非常食部門の大賞は
「80g尾西レンジ+プラス(5種類)」、③防災家電の大賞は(折り畳みできる太陽光充電ランタン)
「CARRY THE SUN Medium Warm Light/White Belt(ランドポート)」となってました
また「非常食ご飯選手権」として9種類の五目ご飯を高速調理タイプと標準調理タイプに分け
食べ較べてましたが、BESTには100g尾西の五目ご飯が選ばれてました
2011年の東日本大震災以降は非常食の開発が進み、レベルが上って選択肢が広がっている、
ともあり、大賞に選ばれた「80g尾西レンジ+プラス」のように電子レンジ加熱もできる包装にした
アルファ化米なども昨年から登場してるようです
ただしアルファ化米そのものは美味しく炊けたご飯とは、まだまだ差があるでしょうし、
災害時に生まれてはじめて食べたりしたら、やはり違和感が強いでしょう
そう、インフラが破壊された自宅での避難(籠城)生活では、
①食事はカセットコンロと僅かな水と手元の食材だけで作り、洗い物やごみは最小限にする
②トイレはふだんの水洗全自動とは異なり、自分で工夫して後始末する
③照明は最小限のフラッシュライトとランタンのみ、長期になれば充電も工夫する
④冷暖房がないので暑さ対策、寒さ対策を換気や重ね着など様々に工夫する
⑤インターネット接続が困難で、自分で情報を集める工夫や娯楽を見つける工夫をする
などなど、キャンプ生活との共通点が多く、そんな生活に「慣れておく」ためには、
日頃から家族でキャンプを楽しむことも重要だと思ってます
昨日4月3日に台湾東部沖を震源とする地震が発生、花蓮県では多くの建物が倒壊し余震も続いて
ますが、新しい耐震基準による建物は殆どが無事だったそうです
また我が国では大規模災害時に避難所に行けなった方や避難所で亡くなった方も多くおられ、
現在では自宅での避難(籠城)も重要視されはじめています
わたくしも以前から書いてるとおり、自宅がその災害に対し安全なシェルターとして使えるなら、
たとえインフラが全て破壊されてたとしても(備蓄さえあれば)自宅避難(籠城)は可能ですし、
場合によっては避難所に行くよりも安全快適に過ごせることもあると思っています
今回は最近の雑誌に掲載されてた、自宅での避難(籠城)に関連する特集をたまたま読んでて、
けっこう役立ちそうな記事があったので、その一部をご紹介させていただきます
まずは・・・
女性セブン3月21日号にあった・・・
保存版大特集「自宅で避難の基礎知識~備蓄と準備~」であります
(著作物なので画像掲載に問題があれば非公開にします)
避難所生活にはイラストのような問題があり、他にも集団生活に伴う問題もあるでしょう
ただし繰り返しになりますが自宅避難(籠城)できるのは、あくまで自宅がその災害に対して、
(余震なども含め)安全なシェルターとして利用可能で、必要な備蓄がある場合ですので、
その点は充分なチェックが必要です
まず分かりやすい在宅避難のための備蓄リストが掲載されてたので参考に・・・
(著作物なので画像掲載に問題があれば非公開にします)
具体的な分量の目安(この記事では10日分)もあって参考になりました
以下は記事本文からのランダムなメモです
・自宅の耐震性(新耐震基準から)と地盤(自治体のハザードマップから)を確認しておく
・家具の転倒防止対策、ガラスの飛散防止対策をしておく
・備蓄は10日×人数分を用意(上記リストを参照・ローリングストックも活用)
→ガスや水道より復旧が早い電気でも大地震では10日以上使えないケースもあった
→なので以前は3日分と言われてたが10日分は用意した方がいい
→食料と水、トイレの代替品、カセットコンロは必需品
・冷蔵庫が無事なら停電でも数日はクーラーボックスとして使える(天井まで段ボールを)
→水を入れたペットボトルを凍らせておくと停電時の保冷材になる
→冷凍食品も備蓄食品になる
→停電時の消費は冷蔵庫→冷凍庫→インスタント・乾物・缶詰の順
・被災直後は自分や家族の身の安全を確認・確保、その後に在宅避難が可能かチェックする
→自宅に傾きや損傷があれば、ためらわず避難所へ→ここまでを被災1時間以内に
・水とトイレの管理が在宅避難成功のカギ
→1日1回は避難所に行き給水タンク車がいつどこに来るかの情報を集める
・排水管破損の判断が難しい場合は安全が確認されるまで汚水を流さない
→トイレ代替品を使う(上記リストを参照)
・きちんと食べる、きちんと出す、ケガをしない、が合言葉
・不自由でも工夫して「いつもと同じ暮らし」を心がけることが命を守る
・断水していなければ風呂にも水を貯めておく(簡易浄水器があれば残り湯も使える)
などなど・・・
ちなみに「マンション防災スマートシート」からの抜粋監修記事もありましたがシートには、
被災直後、30分後、1時間後、3時間後、1日目の残り時間、2日目・3日目と時間を区切って
4日目以降まで、なすべき行動とそれに必要な事前の備えが分かりやすくまとめてあって、
戸建て住宅の方にも参考になるはずなので、ぜひリンク先pdfをプリントして、被災時にも
チェックできるよう、自宅などに常備しておくことをオススメします
で、もう一冊・・・
「日経トレンディ」4月号にあった・・・
"手抜きで"お金を稼ぐ&増やす方法特集ではなく・・・
防災用品大賞とゆー特集であります
(著作物なので掲載に問題があれば非公開にします)
(著作物なので掲載に問題があれば非公開にします)
EDCすべきゼロ次セット、非常持ち出しすべき一次セット、備蓄すべき二次セットに加えて、
日常でも使える「フェーズフリー品」が浸透すれば備えが強化される、つーのが提唱者の思い
記事には
「例えばポータブル電源を買っている人は(キャンプによく行く人は別として)多くないが、
PHEV車はよく売れている。これは乗用車としても優れているからで、災害時には給電もでき
能登半島地震の被災地でも活用されている」
「どんな優れた防災用品でも普及しなければ役に立たず、日常的に便利に使えて非常時には
助けになる「フェーズフリー」の考え方が広まれば災害への備えができる」
ともありました
わたくしもキャンプ専用の七つ道具が無事であれば災害時にも使えると昔から提唱してますが、
まあ、当サイトの読者はアウトドア好きやライト好きが多いので言わずもがな、かもでしゅが
記事では①防災グッズを衛生、避難セット、避難・耐震に、②非常食を食事、栄養補給、菓子に、
③防災家電を照明、電源、ラジオテレビに、それぞれ分類して新規性と日常性の観点から
編集部が3段階で評価して大賞を選んでました
(ちなみに①防災グッズの大賞は「BOS非常用トイレBセット50回分」、②非常食部門の大賞は
「80g尾西レンジ+プラス(5種類)」、③防災家電の大賞は(折り畳みできる太陽光充電ランタン)
「CARRY THE SUN Medium Warm Light/White Belt(ランドポート)」となってました
また「非常食ご飯選手権」として9種類の五目ご飯を高速調理タイプと標準調理タイプに分け
食べ較べてましたが、BESTには100g尾西の五目ご飯が選ばれてました
2011年の東日本大震災以降は非常食の開発が進み、レベルが上って選択肢が広がっている、
ともあり、大賞に選ばれた「80g尾西レンジ+プラス」のように電子レンジ加熱もできる包装にした
アルファ化米なども昨年から登場してるようです
ただしアルファ化米そのものは美味しく炊けたご飯とは、まだまだ差があるでしょうし、
災害時に生まれてはじめて食べたりしたら、やはり違和感が強いでしょう
そう、インフラが破壊された自宅での避難(籠城)生活では、
①食事はカセットコンロと僅かな水と手元の食材だけで作り、洗い物やごみは最小限にする
②トイレはふだんの水洗全自動とは異なり、自分で工夫して後始末する
③照明は最小限のフラッシュライトとランタンのみ、長期になれば充電も工夫する
④冷暖房がないので暑さ対策、寒さ対策を換気や重ね着など様々に工夫する
⑤インターネット接続が困難で、自分で情報を集める工夫や娯楽を見つける工夫をする
などなど、キャンプ生活との共通点が多く、そんな生活に「慣れておく」ためには、
日頃から家族でキャンプを楽しむことも重要だと思ってます
2024年04月01日
笑う子規
今日から4月、新年度になったので・・・
とーとつですが「笑う子規」であります
著者、編者、イラストレーターの略歴
奥付
目次
わたくしは俳句にも全くの素人なので子規の作品や、それへのコメントの説明や感想なんて
とても書けませんが、表紙絵からもおわかりのように、随所に描かれた南伸坊のイラストが
じつにのほほんとしてて、じつになごみました
以下、編者による「はじめに」からのてきとーなメモです
・俳句は「おかしみ」の文芸
→もともと俳句の「俳」は「おどけ」とか「たわむれ」の意味
→あちらの「ユーモア」に近いものだと思う
・「柿を食べる」ことと「鐘が鳴る」ことの間には何の関連も関係もない
→はっきりした裂け目、ズレがある
・「おかしみ」は裂け目やズレからシューっと噴き出てくるものだと、ぼくは思っている
→ズレからくるおかしみが、ぼくらの気持ちをなごませてくれていると思う
・漱石さんの俳句にもユーモラスなものがいっぱいあって、ぼくは大好き
→それにくらべて子規さんには、まじめな句が多いと思ってる人が多いのではないか
→重い病と戦いながら34歳で亡くなった彼のイメージからかも知れない
→でもそれは誤解で、彼の想像力が生んだ世界には生き生きとした生気があった
→そこから生まれる明るさがあったと、ぼくは思っている
→ぼくの中の子規さんは「明るい子規さん」で「笑う子規さん」
・2万4千ほどある子規さんの句の中で、とくにおかしみの強い句、笑える句を選んで、
南伸坊さんと一緒に自由に遊ばせてもらったのがこの本
→句につけた短文も句解ではなく思い浮かんだ勝手な書き付け
→まじめな子規研究にはいっさい役に立たないことが約束できる本だけど、
→ノボさんもわははと笑って、一緒に遊んでくれるだろうと思っている
・・・
参考に(巻末にあった)本書掲載句の一覧
(もし公開に問題があれば非公開にします)
・・・
確かに「おかしみ」がいっぱいで楽しめました
とーとつですが「笑う子規」であります
著者、編者、イラストレーターの略歴
奥付
目次
わたくしは俳句にも全くの素人なので子規の作品や、それへのコメントの説明や感想なんて
とても書けませんが、表紙絵からもおわかりのように、随所に描かれた南伸坊のイラストが
じつにのほほんとしてて、じつになごみました
以下、編者による「はじめに」からのてきとーなメモです
・俳句は「おかしみ」の文芸
→もともと俳句の「俳」は「おどけ」とか「たわむれ」の意味
→あちらの「ユーモア」に近いものだと思う
・「柿を食べる」ことと「鐘が鳴る」ことの間には何の関連も関係もない
→はっきりした裂け目、ズレがある
・「おかしみ」は裂け目やズレからシューっと噴き出てくるものだと、ぼくは思っている
→ズレからくるおかしみが、ぼくらの気持ちをなごませてくれていると思う
・漱石さんの俳句にもユーモラスなものがいっぱいあって、ぼくは大好き
→それにくらべて子規さんには、まじめな句が多いと思ってる人が多いのではないか
→重い病と戦いながら34歳で亡くなった彼のイメージからかも知れない
→でもそれは誤解で、彼の想像力が生んだ世界には生き生きとした生気があった
→そこから生まれる明るさがあったと、ぼくは思っている
→ぼくの中の子規さんは「明るい子規さん」で「笑う子規さん」
・2万4千ほどある子規さんの句の中で、とくにおかしみの強い句、笑える句を選んで、
南伸坊さんと一緒に自由に遊ばせてもらったのがこの本
→句につけた短文も句解ではなく思い浮かんだ勝手な書き付け
→まじめな子規研究にはいっさい役に立たないことが約束できる本だけど、
→ノボさんもわははと笑って、一緒に遊んでくれるだろうと思っている
・・・
参考に(巻末にあった)本書掲載句の一覧
(もし公開に問題があれば非公開にします)
・・・
確かに「おかしみ」がいっぱいで楽しめました
2024年03月29日
天才たちの未来予測図
とーとつですが・・・
天才たちの未来予測図(とゆー本)のご紹介であります
若き天才たち4人と編著者の略歴
奥付
例によって目次のみの紹介
以下、てきとーなメモで思い違いもあるので興味を持たれた方は本書のご熟読を
成田悠輔~「わけがわからない人間」が輝く時代~より
・今の日本の「教育」は異なる要素が混ざり合ったもの
①入試合格、単位取得など目的達成のための手段・ツールとしての勉強
②学ぶこと自体が楽しい、価値があるという勉強そのものに目的を見い出すもの
③毎日同じ場所と時間で何かに取り組む習慣、マナー、処世術、我慢を身につける洗脳の側面
→これらを小中高12年間(偏差値40~60を前提とした)同一カリキュラムで一斉に学んでいる
→今後は各要素、個々人に応じたカスタマイズが必要
・ただし義務教育は「最低限の知識を提供する」インフラのようなものなので、
→生きる上で欠かせない最低限の知識を全員が得られる場所であるべき
(日本でもアメリカでも読み書きや四則計算ができず人生の幅を狭めている若者が増加)
→読み書きや四則計算などは学力テストと相性がいいのでテスト点数を指標にするのは有効
(テスト点数以外の複雑な指標は何をどう評価するか分からず教育現場も混乱する)
→全員が達成すべき目標数値を示し、その上で個別最適化されたカリキュラムを導入すべき
(確かに(英語を含み高等数学などを除く)基本科目だけに個別最適化されたカリキュラムで
12年もかければ、ほぼ全員が最低限の知識を得ることは可能かも・・・)
・逆に大学や研究者支援などの高等教育制度では単一指標で目標設定することは不可能
→(AIなど一時的に求められている研究に)選択と集中をするのではなく、個々人が独自の
方向性を追求して行けるよう、薄く広く資源を配分することが重要
→流行っている研究テーマに資源を選択集中すれば日本の研究環境が破壊されるリスクに
(数十年前には各大学が花形だった原子力の研究に資源や人材を集中していた)
→ノーベル賞やアメリカや中国が力を入れている研究テーマに飛びつくのも間違い(後追い)
・日本の「選択と集中」政策や「大学院重点化政策」は1990年代ぐらいから
→それ以降、日本の科学技術研究は衰退している(実証には「反実仮想」が必要だが)
・トップランナーの選択と集中は有効だが今の日本の資源や人材でトップになれる分野はない
→なので、今の日本には低予算番組で成功しているテレビ東京の路線(逆張り路線)しかない
→現実的には何をやってるかわからない人たちにまで広く薄く予算を配分すること
(この分野が伸びそうなどと自分のような中途半端に賢い有識者が仮説を立ててはいけない
→みんなが同じ結論になって競争過多になるから)
・義務教育は、
「全員が最低限これだけは身につける」
「誰もが同じことができるようになる」ことを目指す方向
・高等教育や研究者支援は逆で、
「人がやってることはやらないようにする」
「すでにカリキュラムにあることとは違うことをやる」ことを奨励する方向
・この真逆に進むべき方向が一緒に議論され教育が迷走している印象を受ける
・政策や社会制度をつくる立場のひとにはエリート層が多い
→親から手厚い教育を受けてきたエリート層が自分の経験だけで教育制度をつくるのはリスク
→その経験がいかに個人的で極端なのかを思い知るためにデータによる真実が重要
・AIへの目的設定と意志決定は人間なのでまだ進化中だが、使える一例が選挙や組織運営
→運営会議での話し合い、交渉、根回しなどを、そのままAIやアルゴリズムに置き換える
→ブラックボックスだったプロセスをAIで透明にしていく動きが出てきている
・選挙では政策ではなく候補者を選ぶ
→間接的な方法で意思表明できるのも選挙時のみ
→選挙制度は政治家や政権を決める仕組みなので目的設定のための計算装置とも捉えられる
→なのでAIに置き換えることは将来的には可能
→昔は投票結果からしか民意の情報を抽出できなかったがテクノロジーの進歩で選挙以外の
情報も民意を捉えるのに使えるようになっている→しかし選挙制度は変わっていない
→一人一票の選挙では政策への思いや知識の重さが乗りにくい
→LGBT法制などマイノリティ問題が典型→多数が政治に絶望を感じている
・AIで政治に関するSNS上の発信、日常会話、演説を見ている人の表情データなどを集める
→AIが大量の意見や思想データを集約して分析し、AIが政治の方向性を決めていく
→人間を介在させることなく民意を反映させた政策を行うことができる
→実現には技術的・倫理的・政治的な壁があり、長いスパンの社会的な事業になるので、
様々な領域から取り組む人が出てこないといけない
・未来の政治家の役割
→政治家の役割は、
①政策の意思決定をして行政機関を使って実行していく実務家としての役割と、
②人前でタレントとして活動し何かあれば火だるまになるマスコット的な役割がある
→①は徐々にAIやプログラムにとって代わられ、②は猫にとって代わられるかも
(②は人気投票そのものでSNSで猫人気に勝てる好感度の政治家はいないから)
→実務はAIやプログラムに任せて人気を集め、何かトラブルが起きたら責任を取るのが
未来の政治家の姿→やはり人間より猫のほうが得意では→猫の政治家に人間の秘書
→実際に人間は猫に仕えるようになってきている(中目黒や代官山のペットショップなど)
・遊びや趣味に見えるものほど真面目にやるというのが繰り返されてきた人間のトレンド
→ルールがあり生産性や効率性が求められる仕事は人間ではないものに外注していく運命
→圧倒的な価値を生み出す可能性を秘めた人を寄ってたかって潰しているのが今の日本
→新しいことや変なことを始めた人を別に応援しなくてもいい
→過剰なバッシングやスキャンダルを探し回るのをやめるだけで十分
・いくつものコミュニティに属し、その都度興味のある仕事や趣味をやり続ける
→どこにもホームがなく、どれも本業ではないので気軽に手放せるアウェイが理想・・・
斎藤幸平~資本主義から脱成長コミュニズムへ~より
(「人新世の資本論」を以前に紹介してますので、編著者への回答の一部のみメモ)
Q5 科学技術のイノベーションで環境問題は解決できるのでは?
・資本主義競争の中で技術革新による効率化や省エネ化もあったが、それ以上に飛行機に乗り、
洋服を買い、ワインや牛肉を食べる生活が世界全体に拡がっている
→なので二酸化炭素の排出量は環境問題が明らかになってからも増え続けている
(経済成長が前提の資本主義システムだから当然)
・すべてはいずれ技術が解決するというロジックを信じ込ませることで得するのは誰か
→今のシステムで利益を得ている既得権益層→その犠牲になるのは若者と途上国の人たち
Q6 資本主義下で解決した環境問題もあるのではないか?
・大気汚染が改善したのは汚染物質だけを除去すればいいから
→資本主義には化石燃料は重要なエネルギー源
→急激な脱炭素化でも経済成長できるかは不明(なので改善されない)
・改善している事実や数字は都合のいいところだけ(知られていない虫などは激減中)
→経済活動が長いスパンで地球環境に影響を与えている→被害は次の世代へ
Q7 先進国での環境への配慮は高まっているのでは?
・先進国が「環境に優しい」製品を作るために何をしているか
→例として電気自動車のリチウムイオン電池
→南米アンデス山脈周辺では先進国同士が争奪戦をしている
→製造過程で大量の水不足や水生態系破壊が進んでいる
→途上国に石炭石油を大量生産させ環境問題を引き起こしているのと同じ
→負担の所在を転々とさせているに過ぎない
→限りない経済成長のために大量生産・大量消費を繰り返すシステムから脱成長へ
Q8 脱成長のために具体的に何を変える?
・過剰をやめるのに貧しさとか我慢とか違和感を感じるとしたら、そう思わされているから
→好きなだけお金を使うために働き稼ぐ→この考え自体が資本主義的発想に支配されている
→脱成長の視点を仕事や人生に取り入れることで本当の豊かさを手に入れることができる
Q9 今の日本に革命は必要か?
・マイバッグやマイボトルとは比較にならない大転換は必要だが暴力革命以外でも可能
→みんなでコンビニやファストフードでお金を使わないようにしたら、
→みんなで新しいコミュニティを作って農業や洋服の交換を始めたら、
→資本主義はガラガラと崩れるかもしれない
→資本論は「革命しようぜ」という本ではなく「なぜお金を欲しがるのか」といった
素朴な疑問を解明しようとしている本
Q10 社会を変えようとする動きが起こらない理由は?
・資本主義しかないと思わされているから
→ただしマルクスの時代と異なるのは、
①距離の問題(グローバル化で問題を押しつけている場所が遠くなった)
②時間の問題(気候変動などで大きな影響を受けるのは次の世代→今さえ自分さえよければいい)
・電気自動車は絶対必要だが消費社会は一斉に買い換えると破綻するほど膨張している
→レアメタル産地での人権・環境問題の拡大、生産増による環境負荷・・・
→数そのものを減らす脱成長の視点が不可欠(カーシェアリング、コンパクトシティなど)
・飛行機を減らし夜行列車を増やすなど先進国が消費を減らす必要がある
Q11 脱成長で不便になったり所得が減ったりするのか?
・成長をあきらめることでコンビニの例のように不便になることもあるが、便利な生活を
手放すことで逆に幸せになれるかもしれない
→そのためには最高9割の富裕税、エッセンシャルワーカーの所得税ゼロなどの税制改革
(富裕税で取り上げた税金は成人を迎えた人に1000万ずつ配るとか)
Q12 競争がなくなればやる気がなくなり堕落しないか?
・競争がなくなればイノベーションは活性化する(大学研究者の例)
Q13 コミュニズムはなぜ実現していないのか?
・お金という指標があまりに強く、わかりやすいから
→数値化できないものを無視し犠牲にしているシステムだから→価値から使用価値へ
Q14 コミュニズムだと強制されるのでは?
・ガソリン車禁止、富裕税、コンビニ24時間営業の禁止などは確かに強制
→しかし資本主義社会でも強制はある(生活のための過重労働など)
→強制のポジションを弱者から強者に調整するだけ・・・
小島武仁~世界の歪みを正すマッチング理論~より
・日本は資本主義社会だが古典的自由主義を採用していない社会制度も多くある
→認可保育園の入園や大学の入学試験などは社会主義的に分配を決める制度
→問題がある場合に資本主義的な疑似市場を取り入れて調整するのがマッチング理論
・山形市ではマッチング理論をベースにしたアルゴリズムで待機児童が60%減るとの試算
・アメリカの腎臓移植ネットワーク
→お金を使わない「物々交換市場」をデータベース上で構築したマッチング
・企業の人事配置(社員と部署)のマッチング
→双方の希望だけで処理→性格や能力などのデータまで入れると双方に納得されない
→最低限の情報で透明性のある結果を出し、問題が生じたら解決していく
・データや情報が1ヶ所に集まる(市が立つ)ことが重要
→市場に多く集まるほうが最適な取引(マッチング)を行うことができる
→疑似市場には価格などによる需給調整メカニズムがないのでアルゴリズムが調整する
→アルゴリズムを「市場の見えざる手」の代わりに機能させるのがマッチング理論
→いわばマッチングアプリのお化け
・日本の大学教授は給与が安く事務作業が多い(山中伸弥教授の都市伝説)→頭脳流出へ
→それでも日本社会にマッチングを実装すべきだと考えて戻ってきた・・・
内田舞~withコロナ時代の「心の守り方」~より
・社会正義
→自閉症や気分障害など児童精神科領域は科学的根拠のない差別や偏見、思い込みだらけ
→研究して精神疾患に関する正確な理解を広めることが自分にとっての社会正義
・感情は生存に繋がる行動を促す仕組みで進化の過程で作られたもの→偏桃体の発火
→発火が続くと長期的な思考が鈍くなりネガティブになる(コロナ禍への対応など)
・ネガティブな感情に支配されないための「再評価」という心理的アプローチ
→自分の感情や状況を捉え直すことでネガティブな要素をポジティブに変えていける
→日常でもやってることだが脳機能の違いで苦手な人もいる→気持ちの切り替えができない人
→ただし苦手な人でも練習を繰り返すことで上達することがわかっている
(方法)
・ネガティブになった瞬間での再評価は難しいので、最初は30分後など落ち着いてから、
どんな気持ちだったか、どんな考えの影響でそんな気持ちになったかを振り返る
→その上で、その気持ちや状況を捉え直せないか試してみる(泣いてる人の写真の例)
→この振り返りを重ねるとその場で再評価ができるようになり、イライラや哀しい気持ちに
支配されにくくなってくる
・メンタルには「自分が誰かの役に立っている」ことも「自分のためにする」ことも大切
・子ども一人での再評価は難しい
→ネガティブな出来事が起きた時に一緒に感情と思考を再評価していくことで、親も子どもも
気持ちをコントロールすることができるようになっていく(子どもの描いた絵と家事の例)
・一人で自分の感情や思考と向き合うのが難しい場合は躊躇なく精神科やカウンセリングへ
(自分や近親者の生活に影響が出ている、めまい、頭痛、胃腸など身体症状が現れるなど)
(日本人を含む東アジア人は白人に比べ精神症状が身体症状に表れることが多いとの研究も)
・妊婦がコロナワクチンを接種するリスクとしないリスク(日本のメディアに出るきっかけ)
→安全性が証明されているのに日本では現在も科学情報がないまま個人に判断させている
→自分には医学的知識があり最新論文もチェックできてたので自信を持って接種を決断できた
→それで日本のメディアにも注目されたが日本の一般人の知る情報では難しい決断
→なので日本のメディア取材で正確な情報を伝えようとしたが全く無視だったので驚愕した
→正確な医学科学情報を伝えるために公的機関やメジャーメディアと専門家との協力が必要
・子どもの自己肯定感を高めるにはメイとサツキのお父さんが理想→経験の共有
・自分に向いている社会も向いていない社会もある→価値観が違うだけで優劣ではない
→日本で「主体性を持った女性」として幸せになるのは難しいと思ったからアメリカに渡った
→ドラえもんのしずかちゃんの生き方も否定しないが多くの選択肢からではなく「画一的な
女性の理想像を社会から無意識に押しつけられ自分の能力発揮より男性のサポートを優先」
と思ったとすれば、それは個人の選択ではない
・自分の行動や考え方で意味づけを変えられる出来事に関しては「再評価」で、コロナのような
自分のコントロール下にない出来事に関しては「ラジカル・アクセプタンス(受容)」により、
ネガティブな感情に支配されないよう自分のメンタルを守ること
(受容とは、あきらめたり忘れたり感情を抑制することではなく、起きたことは変えられない
という前提のもと、変えてしまいたいような事実でも事実として受け止めること
それで自分がコントロールできることが明瞭になり希望が見え行動に移せることもある)
・・・
編著者のあとがきにもありましたが、まさに担当教授と雑談している学生のような気分で、
わからないことも知らないこともいっぱいなのに最後まで興味深く読めました
経歴を見る限り、4人は確かに「現代の若き天才たち」と言えるだろうけど、雑談については
素人にもわかりやすかったです
天才たちの未来予測図(とゆー本)のご紹介であります
若き天才たち4人と編著者の略歴
奥付
例によって目次のみの紹介
以下、てきとーなメモで思い違いもあるので興味を持たれた方は本書のご熟読を
成田悠輔~「わけがわからない人間」が輝く時代~より
・今の日本の「教育」は異なる要素が混ざり合ったもの
①入試合格、単位取得など目的達成のための手段・ツールとしての勉強
②学ぶこと自体が楽しい、価値があるという勉強そのものに目的を見い出すもの
③毎日同じ場所と時間で何かに取り組む習慣、マナー、処世術、我慢を身につける洗脳の側面
→これらを小中高12年間(偏差値40~60を前提とした)同一カリキュラムで一斉に学んでいる
→今後は各要素、個々人に応じたカスタマイズが必要
・ただし義務教育は「最低限の知識を提供する」インフラのようなものなので、
→生きる上で欠かせない最低限の知識を全員が得られる場所であるべき
(日本でもアメリカでも読み書きや四則計算ができず人生の幅を狭めている若者が増加)
→読み書きや四則計算などは学力テストと相性がいいのでテスト点数を指標にするのは有効
(テスト点数以外の複雑な指標は何をどう評価するか分からず教育現場も混乱する)
→全員が達成すべき目標数値を示し、その上で個別最適化されたカリキュラムを導入すべき
(確かに(英語を含み高等数学などを除く)基本科目だけに個別最適化されたカリキュラムで
12年もかければ、ほぼ全員が最低限の知識を得ることは可能かも・・・)
・逆に大学や研究者支援などの高等教育制度では単一指標で目標設定することは不可能
→(AIなど一時的に求められている研究に)選択と集中をするのではなく、個々人が独自の
方向性を追求して行けるよう、薄く広く資源を配分することが重要
→流行っている研究テーマに資源を選択集中すれば日本の研究環境が破壊されるリスクに
(数十年前には各大学が花形だった原子力の研究に資源や人材を集中していた)
→ノーベル賞やアメリカや中国が力を入れている研究テーマに飛びつくのも間違い(後追い)
・日本の「選択と集中」政策や「大学院重点化政策」は1990年代ぐらいから
→それ以降、日本の科学技術研究は衰退している(実証には「反実仮想」が必要だが)
・トップランナーの選択と集中は有効だが今の日本の資源や人材でトップになれる分野はない
→なので、今の日本には低予算番組で成功しているテレビ東京の路線(逆張り路線)しかない
→現実的には何をやってるかわからない人たちにまで広く薄く予算を配分すること
(この分野が伸びそうなどと自分のような中途半端に賢い有識者が仮説を立ててはいけない
→みんなが同じ結論になって競争過多になるから)
・義務教育は、
「全員が最低限これだけは身につける」
「誰もが同じことができるようになる」ことを目指す方向
・高等教育や研究者支援は逆で、
「人がやってることはやらないようにする」
「すでにカリキュラムにあることとは違うことをやる」ことを奨励する方向
・この真逆に進むべき方向が一緒に議論され教育が迷走している印象を受ける
・政策や社会制度をつくる立場のひとにはエリート層が多い
→親から手厚い教育を受けてきたエリート層が自分の経験だけで教育制度をつくるのはリスク
→その経験がいかに個人的で極端なのかを思い知るためにデータによる真実が重要
・AIへの目的設定と意志決定は人間なのでまだ進化中だが、使える一例が選挙や組織運営
→運営会議での話し合い、交渉、根回しなどを、そのままAIやアルゴリズムに置き換える
→ブラックボックスだったプロセスをAIで透明にしていく動きが出てきている
・選挙では政策ではなく候補者を選ぶ
→間接的な方法で意思表明できるのも選挙時のみ
→選挙制度は政治家や政権を決める仕組みなので目的設定のための計算装置とも捉えられる
→なのでAIに置き換えることは将来的には可能
→昔は投票結果からしか民意の情報を抽出できなかったがテクノロジーの進歩で選挙以外の
情報も民意を捉えるのに使えるようになっている→しかし選挙制度は変わっていない
→一人一票の選挙では政策への思いや知識の重さが乗りにくい
→LGBT法制などマイノリティ問題が典型→多数が政治に絶望を感じている
・AIで政治に関するSNS上の発信、日常会話、演説を見ている人の表情データなどを集める
→AIが大量の意見や思想データを集約して分析し、AIが政治の方向性を決めていく
→人間を介在させることなく民意を反映させた政策を行うことができる
→実現には技術的・倫理的・政治的な壁があり、長いスパンの社会的な事業になるので、
様々な領域から取り組む人が出てこないといけない
・未来の政治家の役割
→政治家の役割は、
①政策の意思決定をして行政機関を使って実行していく実務家としての役割と、
②人前でタレントとして活動し何かあれば火だるまになるマスコット的な役割がある
→①は徐々にAIやプログラムにとって代わられ、②は猫にとって代わられるかも
(②は人気投票そのものでSNSで猫人気に勝てる好感度の政治家はいないから)
→実務はAIやプログラムに任せて人気を集め、何かトラブルが起きたら責任を取るのが
未来の政治家の姿→やはり人間より猫のほうが得意では→猫の政治家に人間の秘書
→実際に人間は猫に仕えるようになってきている(中目黒や代官山のペットショップなど)
・遊びや趣味に見えるものほど真面目にやるというのが繰り返されてきた人間のトレンド
→ルールがあり生産性や効率性が求められる仕事は人間ではないものに外注していく運命
→圧倒的な価値を生み出す可能性を秘めた人を寄ってたかって潰しているのが今の日本
→新しいことや変なことを始めた人を別に応援しなくてもいい
→過剰なバッシングやスキャンダルを探し回るのをやめるだけで十分
・いくつものコミュニティに属し、その都度興味のある仕事や趣味をやり続ける
→どこにもホームがなく、どれも本業ではないので気軽に手放せるアウェイが理想・・・
斎藤幸平~資本主義から脱成長コミュニズムへ~より
(「人新世の資本論」を以前に紹介してますので、編著者への回答の一部のみメモ)
Q5 科学技術のイノベーションで環境問題は解決できるのでは?
・資本主義競争の中で技術革新による効率化や省エネ化もあったが、それ以上に飛行機に乗り、
洋服を買い、ワインや牛肉を食べる生活が世界全体に拡がっている
→なので二酸化炭素の排出量は環境問題が明らかになってからも増え続けている
(経済成長が前提の資本主義システムだから当然)
・すべてはいずれ技術が解決するというロジックを信じ込ませることで得するのは誰か
→今のシステムで利益を得ている既得権益層→その犠牲になるのは若者と途上国の人たち
Q6 資本主義下で解決した環境問題もあるのではないか?
・大気汚染が改善したのは汚染物質だけを除去すればいいから
→資本主義には化石燃料は重要なエネルギー源
→急激な脱炭素化でも経済成長できるかは不明(なので改善されない)
・改善している事実や数字は都合のいいところだけ(知られていない虫などは激減中)
→経済活動が長いスパンで地球環境に影響を与えている→被害は次の世代へ
Q7 先進国での環境への配慮は高まっているのでは?
・先進国が「環境に優しい」製品を作るために何をしているか
→例として電気自動車のリチウムイオン電池
→南米アンデス山脈周辺では先進国同士が争奪戦をしている
→製造過程で大量の水不足や水生態系破壊が進んでいる
→途上国に石炭石油を大量生産させ環境問題を引き起こしているのと同じ
→負担の所在を転々とさせているに過ぎない
→限りない経済成長のために大量生産・大量消費を繰り返すシステムから脱成長へ
Q8 脱成長のために具体的に何を変える?
・過剰をやめるのに貧しさとか我慢とか違和感を感じるとしたら、そう思わされているから
→好きなだけお金を使うために働き稼ぐ→この考え自体が資本主義的発想に支配されている
→脱成長の視点を仕事や人生に取り入れることで本当の豊かさを手に入れることができる
Q9 今の日本に革命は必要か?
・マイバッグやマイボトルとは比較にならない大転換は必要だが暴力革命以外でも可能
→みんなでコンビニやファストフードでお金を使わないようにしたら、
→みんなで新しいコミュニティを作って農業や洋服の交換を始めたら、
→資本主義はガラガラと崩れるかもしれない
→資本論は「革命しようぜ」という本ではなく「なぜお金を欲しがるのか」といった
素朴な疑問を解明しようとしている本
Q10 社会を変えようとする動きが起こらない理由は?
・資本主義しかないと思わされているから
→ただしマルクスの時代と異なるのは、
①距離の問題(グローバル化で問題を押しつけている場所が遠くなった)
②時間の問題(気候変動などで大きな影響を受けるのは次の世代→今さえ自分さえよければいい)
・電気自動車は絶対必要だが消費社会は一斉に買い換えると破綻するほど膨張している
→レアメタル産地での人権・環境問題の拡大、生産増による環境負荷・・・
→数そのものを減らす脱成長の視点が不可欠(カーシェアリング、コンパクトシティなど)
・飛行機を減らし夜行列車を増やすなど先進国が消費を減らす必要がある
Q11 脱成長で不便になったり所得が減ったりするのか?
・成長をあきらめることでコンビニの例のように不便になることもあるが、便利な生活を
手放すことで逆に幸せになれるかもしれない
→そのためには最高9割の富裕税、エッセンシャルワーカーの所得税ゼロなどの税制改革
(富裕税で取り上げた税金は成人を迎えた人に1000万ずつ配るとか)
Q12 競争がなくなればやる気がなくなり堕落しないか?
・競争がなくなればイノベーションは活性化する(大学研究者の例)
Q13 コミュニズムはなぜ実現していないのか?
・お金という指標があまりに強く、わかりやすいから
→数値化できないものを無視し犠牲にしているシステムだから→価値から使用価値へ
Q14 コミュニズムだと強制されるのでは?
・ガソリン車禁止、富裕税、コンビニ24時間営業の禁止などは確かに強制
→しかし資本主義社会でも強制はある(生活のための過重労働など)
→強制のポジションを弱者から強者に調整するだけ・・・
小島武仁~世界の歪みを正すマッチング理論~より
・日本は資本主義社会だが古典的自由主義を採用していない社会制度も多くある
→認可保育園の入園や大学の入学試験などは社会主義的に分配を決める制度
→問題がある場合に資本主義的な疑似市場を取り入れて調整するのがマッチング理論
・山形市ではマッチング理論をベースにしたアルゴリズムで待機児童が60%減るとの試算
・アメリカの腎臓移植ネットワーク
→お金を使わない「物々交換市場」をデータベース上で構築したマッチング
・企業の人事配置(社員と部署)のマッチング
→双方の希望だけで処理→性格や能力などのデータまで入れると双方に納得されない
→最低限の情報で透明性のある結果を出し、問題が生じたら解決していく
・データや情報が1ヶ所に集まる(市が立つ)ことが重要
→市場に多く集まるほうが最適な取引(マッチング)を行うことができる
→疑似市場には価格などによる需給調整メカニズムがないのでアルゴリズムが調整する
→アルゴリズムを「市場の見えざる手」の代わりに機能させるのがマッチング理論
→いわばマッチングアプリのお化け
・日本の大学教授は給与が安く事務作業が多い(山中伸弥教授の都市伝説)→頭脳流出へ
→それでも日本社会にマッチングを実装すべきだと考えて戻ってきた・・・
内田舞~withコロナ時代の「心の守り方」~より
・社会正義
→自閉症や気分障害など児童精神科領域は科学的根拠のない差別や偏見、思い込みだらけ
→研究して精神疾患に関する正確な理解を広めることが自分にとっての社会正義
・感情は生存に繋がる行動を促す仕組みで進化の過程で作られたもの→偏桃体の発火
→発火が続くと長期的な思考が鈍くなりネガティブになる(コロナ禍への対応など)
・ネガティブな感情に支配されないための「再評価」という心理的アプローチ
→自分の感情や状況を捉え直すことでネガティブな要素をポジティブに変えていける
→日常でもやってることだが脳機能の違いで苦手な人もいる→気持ちの切り替えができない人
→ただし苦手な人でも練習を繰り返すことで上達することがわかっている
(方法)
・ネガティブになった瞬間での再評価は難しいので、最初は30分後など落ち着いてから、
どんな気持ちだったか、どんな考えの影響でそんな気持ちになったかを振り返る
→その上で、その気持ちや状況を捉え直せないか試してみる(泣いてる人の写真の例)
→この振り返りを重ねるとその場で再評価ができるようになり、イライラや哀しい気持ちに
支配されにくくなってくる
・メンタルには「自分が誰かの役に立っている」ことも「自分のためにする」ことも大切
・子ども一人での再評価は難しい
→ネガティブな出来事が起きた時に一緒に感情と思考を再評価していくことで、親も子どもも
気持ちをコントロールすることができるようになっていく(子どもの描いた絵と家事の例)
・一人で自分の感情や思考と向き合うのが難しい場合は躊躇なく精神科やカウンセリングへ
(自分や近親者の生活に影響が出ている、めまい、頭痛、胃腸など身体症状が現れるなど)
(日本人を含む東アジア人は白人に比べ精神症状が身体症状に表れることが多いとの研究も)
・妊婦がコロナワクチンを接種するリスクとしないリスク(日本のメディアに出るきっかけ)
→安全性が証明されているのに日本では現在も科学情報がないまま個人に判断させている
→自分には医学的知識があり最新論文もチェックできてたので自信を持って接種を決断できた
→それで日本のメディアにも注目されたが日本の一般人の知る情報では難しい決断
→なので日本のメディア取材で正確な情報を伝えようとしたが全く無視だったので驚愕した
→正確な医学科学情報を伝えるために公的機関やメジャーメディアと専門家との協力が必要
・子どもの自己肯定感を高めるにはメイとサツキのお父さんが理想→経験の共有
・自分に向いている社会も向いていない社会もある→価値観が違うだけで優劣ではない
→日本で「主体性を持った女性」として幸せになるのは難しいと思ったからアメリカに渡った
→ドラえもんのしずかちゃんの生き方も否定しないが多くの選択肢からではなく「画一的な
女性の理想像を社会から無意識に押しつけられ自分の能力発揮より男性のサポートを優先」
と思ったとすれば、それは個人の選択ではない
・自分の行動や考え方で意味づけを変えられる出来事に関しては「再評価」で、コロナのような
自分のコントロール下にない出来事に関しては「ラジカル・アクセプタンス(受容)」により、
ネガティブな感情に支配されないよう自分のメンタルを守ること
(受容とは、あきらめたり忘れたり感情を抑制することではなく、起きたことは変えられない
という前提のもと、変えてしまいたいような事実でも事実として受け止めること
それで自分がコントロールできることが明瞭になり希望が見え行動に移せることもある)
・・・
編著者のあとがきにもありましたが、まさに担当教授と雑談している学生のような気分で、
わからないことも知らないこともいっぱいなのに最後まで興味深く読めました
経歴を見る限り、4人は確かに「現代の若き天才たち」と言えるだろうけど、雑談については
素人にもわかりやすかったです
2024年02月28日
人類滅亡の科学
とーとつですが・・・
人類滅亡の科学~「滅びのシナリオ」と「回避する方法」~とゆー本のご紹介
表紙カバー裏にあった惹句
そう、惹句にもあるように・・・
・滅びのシナリオを想像し研究することで、滅びを未然に防ぐための多くの実行可能な
手段を手にすることができる
・問題にあらかじめ接しておくことで、私たちの社会は(免疫力までは無理としても)
滅ばずに回復できる力を養う可能性は高くなるはず
つーことで、25の起こり得る滅びのシナリオとその回避方法が紹介されてました
裏表紙カバー裏にあった著者紹介
冒頭にあった奥付
例によって目次のみ
まあ、危機の回避方法の中には・・・
合衆国を分断するダム破壊を回避するには水中ソナーやレーダーや迎撃システムを備え、
一般人は一切立ち入り禁止にして上空に侵入した飛行物体は全て撃墜せよとか、もしも
9.11の前にこの本が出版されてたら、航空セキュリティが現在のように強化されていて、
あのテロは防げたかもとか、自動化による失業にはユニバーサル・ベーシック・インカム
(基本所得制)で対応すればいいとか、とりあえずはカーボンニュートラルとか、超知性体は
人類や地球を救うかもとか・・・
いかにもアメリカらしいテクノロジーの発展に期待する方法や、一方的な正義の押し付け、
国連などの国際機関より強大な権力を前提に?、地域事情を無視したような方法もあって
「ホントにそれでいいの?」と思ってしまう部分もありましたが・・・
もちろん、わたくしが知らなかった事実や、なるほどと納得した回避方法なども多くあって、
全体としてはけっこう興味深く読めました
とりあえず地球環境に関する3項目からの(自分の脳の外部記憶としての)部分メモです
いつもの「てきとーメモ」で思い違いもありますし、図版の多い分かりやすい入門書なので、
興味を持たれた方は本書を読まれるようオススメします
「地球温暖化の暴走」よりのメモ
・氷床コアのデータから測定した過去40万年間の大気中の二酸化炭素濃度の変化
→変動が繰り返されているが最小180ppm~最大290ppmの間で推移していた
→1800年頃には280ppmだったのが1900年初頭に急に300ppmに上昇している
→2015年~2016年のどこかでレッドラインとされる400ppmを越えた
(地質学上はあり得ない一瞬の出来事で産業革命以降の人類の活動によるもの)
→レッドラインを越えると気温上昇を2℃以下に抑えることは不可能になる
・世界では毎日1億バレルの石油を汲み上げ、その多くを燃やしている
→この過程で年間約40ギガトンの二酸化炭素が大気中に放出される
→石油以外にも石炭、天然ガスの燃焼、人為的な森林火災など
→2016年の地球の平均気温は1980年に比べて約1℃上昇している
・地球温暖化の暴走
→正のフィードバックループにより暴走する
→これは人類が排出する炭素の量が転換点に達すると始まる
→永久凍土が溶けはじめ内部有機物の炭素がバクテリアにより二酸化炭素やメタンになり放出
→さらに永久凍土の融解を加速する
→北極や南極で太陽光を反射していた白い氷が溶け、太陽光を吸収する茶色い土や青い海水が増え
太陽光を吸収して熱を生み出す→さらに氷の融解を加速する
→海が過去数十年間は二酸化炭素を吸収してきたが限界に近づいており以後は大気中にとどまる
→さらに温暖化が加速する(海に溶けた余剰二酸化炭素は炭酸になり海は酸性化している)
→暑さや干ばつで森林が枯れ始め、燃えると二酸化炭素が放出される
→さらに温暖化が進み、森林が弱って森林破壊が加速される
→雲も太陽光を反射するが少なくなると気温が上昇し、さらに温暖化が加速される
・この正のフィードバックループが始まれば、化石燃料を控えても植林しても焼け石に水
→永久凍土内の炭素量は大気中の炭素量を上回っているので始まれば温暖化は止められない
・オーストラリアでは1950年代に比べ2010年代の夏は1ヶ月長くなり冬は1ヶ月短くなっている
・グリーンランドの氷の減少は1990年代は年間100ギガトンで現在は年間300ギガトンに近い
・産業革命前280ppmだった大気中の二酸化炭素量が現在410ppmになっていることは事実
→気温の(地質学上)突然の上昇との相関関係は明らか→主な要因は化石燃料の消費
(回避する方法)
・現在の科学者のアドバイス
①今すぐ熱帯雨林のような生態系の人為的な破壊をやめる(別項あり)
②すべての化石燃料の使用を中止する(別項あり)
③ただちに大気や海から二酸化炭素の除去をはじめる
④二酸化炭素濃度を産業革命以前(300ppm以下)に戻す
・さらに深刻化した場合の気候工学による環境修復の選択肢
①火山噴火による二酸化硫黄と硫化水素が成層圏に達すれば太陽光を宇宙に反射し数年にわたる
冷却効果をもたらす→人為的に放出すれば即座に冷やせる
②同様に軌道上に大きな鏡(小さな鏡の集合体)を配置し太陽光を反射させる
→①より角度調整も離脱もコントロールしやすい
③ハリケーン発生地など冷やす必要がある海域の上空に海水を霧状に放出する(海雲輝度増加)
④プランクトン増殖を促進する化学物質(鉄紛)を海洋に添加する(海洋肥沃化)
→プランクトンが炭素を取り込み、死ぬとそのまま海底に沈む
⑤大量の新しい木を植える(植林)→成長する過程で大気中の二酸化炭素を取り込む
(ある提案書では一兆本の木で数百ギガトンの二酸化炭素を大気中から回収できるという)
⑥大気から二酸化炭素を取り除き固定する機械を作り太陽光や風力で設置する
→⑤の植林よりはるかに少ない面積で済む
・これらの気候工学的アプローチは果たして良いことなのか実行可能なのか?
→植林を除いて研究や人的資源が必要で影響も副作用も不明だが、進めるしかない
→アポロ計画時のNASAでは40万人のスタッフが働き莫大な資金が投入された
→僅か10年で頭脳・才能・科学・工学・資金を結集して全てを開発し成功させた
→人類が同じ目標を共有し未来のための賢明な投資を行うことができれば実現できるはず
「大量絶滅」よりの部分メモ
・海洋の魚類は漁船団による大量漁獲、海洋汚染、気候変動により絶滅に瀕している
(魚類については詳細な統計データがある)
・昆虫類は農薬使用と生息地の喪失により数を減らしている
(昆虫の総量は重量ベースで毎年2.5%ずつ減少しており数十年後には姿を消すとも)
・鳥類は生息地の減少、食料源の喪失、移動ルートの分断、猫などの捕食、風力発電の風車など
人工建造物により苦境に立たされている
(北アメリカでは、この50年で90億羽から60億羽に減少した)
・爬虫類は乱獲や気候変動など各方面で危機にさらされている
(爬虫類の20%が絶滅の危機に瀕しているか絶滅寸前)
・両生類は汚染や気候変動の影響を特に受けやすい
(1/3の種がすでに絶滅危惧種となっている)
・哺乳類も最近に絶滅した種が少なくない
(西アフリカのクロサイ、台湾のウンピョウ、クリスマス島のコウモリ、マダガスカルのカバ、
長江のヨウスコウカワイルカなど・・・)
・地球を野生生物にとって過酷な環境に変えれば人間に必要な動植物も危機に陥る
・この5億年で4回あった大量絶滅は自然現象だったが回復には数百万年かかっている
(シアノバクテリアの出した酸素による嫌気性細菌の大量絶滅には30億年かかっている)
・人類の活動により6回目の大量絶滅がはじまっている・・・
・哺乳類の自然絶滅頻度は200年に1種(100万年で約5000種)
→過去100年だけで数十種類の哺乳類が絶滅し多くの種が絶滅の危機に瀕している
・アマゾンのような主要生息地が崩壊すれば数十年で100万種が絶滅する(加速している)
・マダガスカルの例
→1万年前は熱帯林の楽園で多種の野生動物で溢れていた→人類により絶滅がはじまった
→過去50年で人口は500万から2500万に→対策がない限り固有種は全て絶滅する
(回避する方法)
・アフリカの解決策の例→サハラ砂漠を緑化して人類を移住させ立入禁止の保護区を増やす
→出生率を抑え少子化で徐々に人口を減らすアプローチも・・・
・海洋の解決策→商業漁業をただちに停止し、養殖を加速させるよう資金的支援をする
→ただし現在の養殖技術は完璧ではないので環境への影響に対処が必要
→発展途上国や石油産業の海洋汚染、酸性化、プラスチックなどにも対処が必要
・朝鮮半島の非武装地帯、チョルノービリ(チェルノブイリ)の広大な立入禁止区域の例
→結果的に自然が保護・再生されている
「熱帯雨林の崩壊」からの部分メモ
・20%が消失したアマゾン熱帯雨林の例(略)
→カナダのブリティッシュコロンビア州、ボルネオ島と周辺の島々、中央アフリカなども
・森林破壊の主な原因
①農業→放牧地や畑に→南アメリカ、アフリカ、ボルネオ島など
②伐採→材木として販売
③入植→移住して道路や建物を建設
④鉱山採掘→金、銅、スズなど
・1日あたり320平方キロ以上の熱帯雨林が失われている
→2日半でニューヨーク市や仙台市と同じ面積を切り開いていることになる
・アマゾンでは2019年だけで8万件の放火があり2万平方キロの熱帯雨林が焼失した
→報道されたが世の中の反応は薄く保護活動もあるが金儲け目的に比べれば焼け石に水
・アマゾンの蒸散(1日18兆リットル)と降雨(年間2500mm)の関係(略)
→樹木数が減ると好循環が弱まり減少が加速→生態系が崩壊、乾燥化する
→すでに乾季が50年前より最大1ヶ月長くなっている
(回避する方法)
①世界中で牛肉を食べるのを控える→牛肉は一般食肉の中で最も環境負荷が大きい
→肉牛の飼育禁止と人工肉の普及→熱帯雨林の保護→温室効果ガス(メタン)削減にも
②熱帯雨林でのパーム油の生産を控える
→熱帯雨林でなくても油を採るための植物は栽培できる→代替品はたくさんある
→藻類油・合成油など新しい代替品を探る方法もある
③熱帯雨林産の木材製品・農産物の輸入を控える
→象牙取引の禁止や捕鯨の一時停止と同じで伐採に歯止めがかかる
④1970年以降に農業のために伐採された熱帯雨林をすべて再植林する
→農業や鉱業などで伐採されたアマゾン熱帯雨林の20%は回復する
・奴隷制度、児童労働、産業廃棄物の河川放出、フロンガス使用、航空機内喫煙などと同様、
森林破壊も時代遅れの行為という認識を広める必要がある
・・・
さてさて・・・
人類滅亡の科学~「滅びのシナリオ」と「回避する方法」~とゆー本のご紹介
表紙カバー裏にあった惹句
そう、惹句にもあるように・・・
・滅びのシナリオを想像し研究することで、滅びを未然に防ぐための多くの実行可能な
手段を手にすることができる
・問題にあらかじめ接しておくことで、私たちの社会は(免疫力までは無理としても)
滅ばずに回復できる力を養う可能性は高くなるはず
つーことで、25の起こり得る滅びのシナリオとその回避方法が紹介されてました
裏表紙カバー裏にあった著者紹介
冒頭にあった奥付
例によって目次のみ
まあ、危機の回避方法の中には・・・
合衆国を分断するダム破壊を回避するには水中ソナーやレーダーや迎撃システムを備え、
一般人は一切立ち入り禁止にして上空に侵入した飛行物体は全て撃墜せよとか、もしも
9.11の前にこの本が出版されてたら、航空セキュリティが現在のように強化されていて、
あのテロは防げたかもとか、自動化による失業にはユニバーサル・ベーシック・インカム
(基本所得制)で対応すればいいとか、とりあえずはカーボンニュートラルとか、超知性体は
人類や地球を救うかもとか・・・
いかにもアメリカらしいテクノロジーの発展に期待する方法や、一方的な正義の押し付け、
国連などの国際機関より強大な権力を前提に?、地域事情を無視したような方法もあって
「ホントにそれでいいの?」と思ってしまう部分もありましたが・・・
もちろん、わたくしが知らなかった事実や、なるほどと納得した回避方法なども多くあって、
全体としてはけっこう興味深く読めました
とりあえず地球環境に関する3項目からの(自分の脳の外部記憶としての)部分メモです
いつもの「てきとーメモ」で思い違いもありますし、図版の多い分かりやすい入門書なので、
興味を持たれた方は本書を読まれるようオススメします
「地球温暖化の暴走」よりのメモ
・氷床コアのデータから測定した過去40万年間の大気中の二酸化炭素濃度の変化
→変動が繰り返されているが最小180ppm~最大290ppmの間で推移していた
→1800年頃には280ppmだったのが1900年初頭に急に300ppmに上昇している
→2015年~2016年のどこかでレッドラインとされる400ppmを越えた
(地質学上はあり得ない一瞬の出来事で産業革命以降の人類の活動によるもの)
→レッドラインを越えると気温上昇を2℃以下に抑えることは不可能になる
・世界では毎日1億バレルの石油を汲み上げ、その多くを燃やしている
→この過程で年間約40ギガトンの二酸化炭素が大気中に放出される
→石油以外にも石炭、天然ガスの燃焼、人為的な森林火災など
→2016年の地球の平均気温は1980年に比べて約1℃上昇している
・地球温暖化の暴走
→正のフィードバックループにより暴走する
→これは人類が排出する炭素の量が転換点に達すると始まる
→永久凍土が溶けはじめ内部有機物の炭素がバクテリアにより二酸化炭素やメタンになり放出
→さらに永久凍土の融解を加速する
→北極や南極で太陽光を反射していた白い氷が溶け、太陽光を吸収する茶色い土や青い海水が増え
太陽光を吸収して熱を生み出す→さらに氷の融解を加速する
→海が過去数十年間は二酸化炭素を吸収してきたが限界に近づいており以後は大気中にとどまる
→さらに温暖化が加速する(海に溶けた余剰二酸化炭素は炭酸になり海は酸性化している)
→暑さや干ばつで森林が枯れ始め、燃えると二酸化炭素が放出される
→さらに温暖化が進み、森林が弱って森林破壊が加速される
→雲も太陽光を反射するが少なくなると気温が上昇し、さらに温暖化が加速される
・この正のフィードバックループが始まれば、化石燃料を控えても植林しても焼け石に水
→永久凍土内の炭素量は大気中の炭素量を上回っているので始まれば温暖化は止められない
・オーストラリアでは1950年代に比べ2010年代の夏は1ヶ月長くなり冬は1ヶ月短くなっている
・グリーンランドの氷の減少は1990年代は年間100ギガトンで現在は年間300ギガトンに近い
・産業革命前280ppmだった大気中の二酸化炭素量が現在410ppmになっていることは事実
→気温の(地質学上)突然の上昇との相関関係は明らか→主な要因は化石燃料の消費
(回避する方法)
・現在の科学者のアドバイス
①今すぐ熱帯雨林のような生態系の人為的な破壊をやめる(別項あり)
②すべての化石燃料の使用を中止する(別項あり)
③ただちに大気や海から二酸化炭素の除去をはじめる
④二酸化炭素濃度を産業革命以前(300ppm以下)に戻す
・さらに深刻化した場合の気候工学による環境修復の選択肢
①火山噴火による二酸化硫黄と硫化水素が成層圏に達すれば太陽光を宇宙に反射し数年にわたる
冷却効果をもたらす→人為的に放出すれば即座に冷やせる
②同様に軌道上に大きな鏡(小さな鏡の集合体)を配置し太陽光を反射させる
→①より角度調整も離脱もコントロールしやすい
③ハリケーン発生地など冷やす必要がある海域の上空に海水を霧状に放出する(海雲輝度増加)
④プランクトン増殖を促進する化学物質(鉄紛)を海洋に添加する(海洋肥沃化)
→プランクトンが炭素を取り込み、死ぬとそのまま海底に沈む
⑤大量の新しい木を植える(植林)→成長する過程で大気中の二酸化炭素を取り込む
(ある提案書では一兆本の木で数百ギガトンの二酸化炭素を大気中から回収できるという)
⑥大気から二酸化炭素を取り除き固定する機械を作り太陽光や風力で設置する
→⑤の植林よりはるかに少ない面積で済む
・これらの気候工学的アプローチは果たして良いことなのか実行可能なのか?
→植林を除いて研究や人的資源が必要で影響も副作用も不明だが、進めるしかない
→アポロ計画時のNASAでは40万人のスタッフが働き莫大な資金が投入された
→僅か10年で頭脳・才能・科学・工学・資金を結集して全てを開発し成功させた
→人類が同じ目標を共有し未来のための賢明な投資を行うことができれば実現できるはず
「大量絶滅」よりの部分メモ
・海洋の魚類は漁船団による大量漁獲、海洋汚染、気候変動により絶滅に瀕している
(魚類については詳細な統計データがある)
・昆虫類は農薬使用と生息地の喪失により数を減らしている
(昆虫の総量は重量ベースで毎年2.5%ずつ減少しており数十年後には姿を消すとも)
・鳥類は生息地の減少、食料源の喪失、移動ルートの分断、猫などの捕食、風力発電の風車など
人工建造物により苦境に立たされている
(北アメリカでは、この50年で90億羽から60億羽に減少した)
・爬虫類は乱獲や気候変動など各方面で危機にさらされている
(爬虫類の20%が絶滅の危機に瀕しているか絶滅寸前)
・両生類は汚染や気候変動の影響を特に受けやすい
(1/3の種がすでに絶滅危惧種となっている)
・哺乳類も最近に絶滅した種が少なくない
(西アフリカのクロサイ、台湾のウンピョウ、クリスマス島のコウモリ、マダガスカルのカバ、
長江のヨウスコウカワイルカなど・・・)
・地球を野生生物にとって過酷な環境に変えれば人間に必要な動植物も危機に陥る
・この5億年で4回あった大量絶滅は自然現象だったが回復には数百万年かかっている
(シアノバクテリアの出した酸素による嫌気性細菌の大量絶滅には30億年かかっている)
・人類の活動により6回目の大量絶滅がはじまっている・・・
・哺乳類の自然絶滅頻度は200年に1種(100万年で約5000種)
→過去100年だけで数十種類の哺乳類が絶滅し多くの種が絶滅の危機に瀕している
・アマゾンのような主要生息地が崩壊すれば数十年で100万種が絶滅する(加速している)
・マダガスカルの例
→1万年前は熱帯林の楽園で多種の野生動物で溢れていた→人類により絶滅がはじまった
→過去50年で人口は500万から2500万に→対策がない限り固有種は全て絶滅する
(回避する方法)
・アフリカの解決策の例→サハラ砂漠を緑化して人類を移住させ立入禁止の保護区を増やす
→出生率を抑え少子化で徐々に人口を減らすアプローチも・・・
・海洋の解決策→商業漁業をただちに停止し、養殖を加速させるよう資金的支援をする
→ただし現在の養殖技術は完璧ではないので環境への影響に対処が必要
→発展途上国や石油産業の海洋汚染、酸性化、プラスチックなどにも対処が必要
・朝鮮半島の非武装地帯、チョルノービリ(チェルノブイリ)の広大な立入禁止区域の例
→結果的に自然が保護・再生されている
「熱帯雨林の崩壊」からの部分メモ
・20%が消失したアマゾン熱帯雨林の例(略)
→カナダのブリティッシュコロンビア州、ボルネオ島と周辺の島々、中央アフリカなども
・森林破壊の主な原因
①農業→放牧地や畑に→南アメリカ、アフリカ、ボルネオ島など
②伐採→材木として販売
③入植→移住して道路や建物を建設
④鉱山採掘→金、銅、スズなど
・1日あたり320平方キロ以上の熱帯雨林が失われている
→2日半でニューヨーク市や仙台市と同じ面積を切り開いていることになる
・アマゾンでは2019年だけで8万件の放火があり2万平方キロの熱帯雨林が焼失した
→報道されたが世の中の反応は薄く保護活動もあるが金儲け目的に比べれば焼け石に水
・アマゾンの蒸散(1日18兆リットル)と降雨(年間2500mm)の関係(略)
→樹木数が減ると好循環が弱まり減少が加速→生態系が崩壊、乾燥化する
→すでに乾季が50年前より最大1ヶ月長くなっている
(回避する方法)
①世界中で牛肉を食べるのを控える→牛肉は一般食肉の中で最も環境負荷が大きい
→肉牛の飼育禁止と人工肉の普及→熱帯雨林の保護→温室効果ガス(メタン)削減にも
②熱帯雨林でのパーム油の生産を控える
→熱帯雨林でなくても油を採るための植物は栽培できる→代替品はたくさんある
→藻類油・合成油など新しい代替品を探る方法もある
③熱帯雨林産の木材製品・農産物の輸入を控える
→象牙取引の禁止や捕鯨の一時停止と同じで伐採に歯止めがかかる
④1970年以降に農業のために伐採された熱帯雨林をすべて再植林する
→農業や鉱業などで伐採されたアマゾン熱帯雨林の20%は回復する
・奴隷制度、児童労働、産業廃棄物の河川放出、フロンガス使用、航空機内喫煙などと同様、
森林破壊も時代遅れの行為という認識を広める必要がある
・・・
さてさて・・・
2024年02月25日
宮崎駿の雑想ノート
とーとつですが・・・
表表紙
裏表紙
奥付
そう、宮崎駿の雑想ノート~増補改訂版~であります
例によって目次のみ・・・
まず、序文の冒頭に「この本に資料的価値はいっさいありません」と大きく書かれてたのに、
すっかり惹きこまれてしまいました
何せ模型専門誌に連載されてた作品群ですからねえ
詳しい内容までは紹介できませんが、各話の概要だけ脳の外部記憶としてメモ・・・
第1話は、ボストニア王国?空中艦隊のWP-30(九二重爆の兄弟機)のおはなし
第2話は、南北戦争での装甲艦モニターと装甲艦メリマックの海戦のおはなし
第3話は、ボストニア王国?の超重戦車VSB-2のおはなし
第4話は、ポテーズ540によるアンドレ・マルローの爆撃行のおはなし
第5話は、定遠・鎮遠と松島による黄海海戦のおはなし
第6話は、中国空軍マーチン139W(B-10Bの輸出型)による九州爆撃(ビラまき)のおはなし
第7話は、ドイツ・リュースバルク市?の高射砲塔のおはなし
第8話は、第一次世界大戦でのドイツUボート対イギリスQシップの海戦のおはなし
第9話は、特設空母安松丸?と九六艦攻によるアフリカ沖での空母イラトリアス攻撃のおはなし
第10話は、ツェッペリン・シュターケンR-Ⅳによるロンドン爆撃のおはなし
第11話は、特設監視艇399号(マグロカツオ漁船吉祥丸)?の対コンソリ戦のおはなし
第12話は、映画「紅の豚」の原作となった「飛行艇時代」全3話
第13話は、P虎(ポルシェ・ティーガー)戦車実験小隊?のおはなし
・・・
おはなしには虚構と現実が混じっているそうで、空想としか思えない奇想天外な事実と、
いかにももっともらしい虚構が混ざり合い、著者ご本人がそれを楽しんでる姿が想像できる、
まさに「宮崎駿の雑想ノート」で、その世界に入り込んで大いに楽しめました・・・
巻末にあった富岡吉勝氏との(ドイツ戦車に関する)雑想トークも面白かったです
表表紙
裏表紙
奥付
そう、宮崎駿の雑想ノート~増補改訂版~であります
例によって目次のみ・・・
まず、序文の冒頭に「この本に資料的価値はいっさいありません」と大きく書かれてたのに、
すっかり惹きこまれてしまいました
何せ模型専門誌に連載されてた作品群ですからねえ
詳しい内容までは紹介できませんが、各話の概要だけ脳の外部記憶としてメモ・・・
第1話は、ボストニア王国?空中艦隊のWP-30(九二重爆の兄弟機)のおはなし
第2話は、南北戦争での装甲艦モニターと装甲艦メリマックの海戦のおはなし
第3話は、ボストニア王国?の超重戦車VSB-2のおはなし
第4話は、ポテーズ540によるアンドレ・マルローの爆撃行のおはなし
第5話は、定遠・鎮遠と松島による黄海海戦のおはなし
第6話は、中国空軍マーチン139W(B-10Bの輸出型)による九州爆撃(ビラまき)のおはなし
第7話は、ドイツ・リュースバルク市?の高射砲塔のおはなし
第8話は、第一次世界大戦でのドイツUボート対イギリスQシップの海戦のおはなし
第9話は、特設空母安松丸?と九六艦攻によるアフリカ沖での空母イラトリアス攻撃のおはなし
第10話は、ツェッペリン・シュターケンR-Ⅳによるロンドン爆撃のおはなし
第11話は、特設監視艇399号(マグロカツオ漁船吉祥丸)?の対コンソリ戦のおはなし
第12話は、映画「紅の豚」の原作となった「飛行艇時代」全3話
第13話は、P虎(ポルシェ・ティーガー)戦車実験小隊?のおはなし
・・・
おはなしには虚構と現実が混じっているそうで、空想としか思えない奇想天外な事実と、
いかにももっともらしい虚構が混ざり合い、著者ご本人がそれを楽しんでる姿が想像できる、
まさに「宮崎駿の雑想ノート」で、その世界に入り込んで大いに楽しめました・・・
巻末にあった富岡吉勝氏との(ドイツ戦車に関する)雑想トークも面白かったです