中国

2020年05月09日

いのちの木を植える

とーとつに「いのちの木を植える」であります。

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岡田卓也・谷川俊太郎著 マガジンハウス 2007年12月20日 第1刷発行


そう、イオンの岡田卓也氏と詩人の谷川俊太郎氏の対談集であります。

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つーことなんですね・・・



例によって目次のみ・・・

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イオン環境財団からは、わたくしの所属していた海外植林ボランティア団体N.GKSでも、
国土緑化機構などからの助成金とあわせて、何度か植林費用の助成を受けてきましたし、
現在も植林ボランティア・ツアーの主催や各団体への助成をずっと継続されてます。
あらためて敬意を表する次第です。


以下、岡田卓也氏の言葉からいくつかを要約・・・

・昭和30年代、住んでいた四日市にコンビナートができて庭の南天の木に実がならなくなった。
続いて木犀の花が咲かなくなり、杉の木も枯れはじめた。この小さい頃の体験が原点。

・日本海側の店舗を廻っていると80年代後半ぐらいから沿岸の松が枯れるようになった。
亜硫酸ガスを含んだ酸性雨で弱ったところに松くい虫にやられたと考えられる。
最初は山陰の大陸に近いあたりから、現在(2007年)では秋田と青森の県境あたりまで北上している。

・20世紀は東西問題だったが21世紀は南北問題、そのキーワードは環境と考えて、1991年に
財団を設立、国内やタイなど各地の植林事業に助成、支援するようになった。

・イオンとして、はじめての植樹は海外で1995年マレーシアボルネオ・サバ州の荒廃地だった。

・当時は現地のボランティアを頼むのも難しく、日本からスタッフを連れて行って植えたが、
今(2007年)では海外でも多くの現地の方々に参加していただけるようになった。

・海外での最大の植樹活動は万里の長城で1998年から。
ボランティア参加の方々には一人10万円の旅行費を負担いただいたが、3年間で4000人が参加、
中国側からも学生や多くのボランティアに参加いただいた。

・店舗でお客様にツアー参加を呼びかけられるのが小売業の強み。

・新店舗がオープンするときには、必ずお客様と一緒に店舗周辺に木を植える。
・今の子どもさんは土に触れることが少ないので喜ぶし、自分が植えた木の成長に関心を持つことは
木や自然や環境に関心を持つ心を育むきっかけになるので、活動は小さくても効果は大きい。

・中国の沙漠では故・遠山正瑛先生の日本沙漠緑化実践協会などが熱心に取り組んでおられる。
・熱帯雨林では日本の製紙会社などの企業が積極的に支援しているがイオンはツアーでも行く。

・これまで(2007年現在)で760万本の木を植えたが、一人10本として76万人が植えた計算。
つまり76万人の「木を植えた男」がいることになり、考えてみると、これはすごいこと・・・

云々・・・わたくし、このような背景は知りませんでした。

そういえば、わたくしが初めてボルネオ島・サバ州のキナル森林保護区でサバ州の森林公社や
JICA派遣スタッフとともに植林した際も、イオン財団の看板があちこちにありましたねえ・・・

岡田氏も言っておられるように、現地の子どもたちと一緒に植林すると、木の成長に関心を持ち、
木や自然や環境に関心を持つ心を育むきっかけになるので、活動は小さくても効果は大きいですし、
彼らが大きくなった時に木も大きくなって恩恵を受け(我々はすでにこの世にはいませんが・・・)、
その際には、きっと彼らの子々孫々にも伝えて行ってくれるはず、と信じてやってきました。

さらに現地の子どもたちと一緒に植林すれば、現地の父兄や先生方も巻き込むことになるので、
その影響も大きいはずです。

ま、イオン環境財団はあくまで企業活動の一環ですから、我々が受けた助成金についても、
帰国後すぐの結果報告が求められてて、植林ボランティアつーのは植えた本数とかではなく、
(ご本人も書いておられましたが)10年先100年先にようやく結果が現れる事業なのに・・・
と思いながら報告書作成を手伝ったこともありましたが、財団でもツアーを実践されてるので、
使途不明金とかが出ないよう植えた苗木の本数や写真を報告させることも必要だったんですね。
そう、助成金が現地での飲み代とかに化けたりしないようにと・・・ふむふむ

いつか世の中が落ち着いたら、植林ツアーでも大いに宴会しましょう!!! 
ボルネオとか内モンゴルとかモンゴルとかアマゾンとか・・・じゅるじゅる



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2018年06月07日

2018・内モンゴル紀行10・紫禁城大団円!!!

2018・内モンゴル紀行記事も、いよいよ今回が最終回であります。
(最初から順にご覧いただくにはN.GKSサイトのこちらのカテゴリへ、ほぼ同じ内容です。)

ツアー5日目の朝にホテルの自室から見た北京市街・・・

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この日も快晴でした。




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泊まったのは「船舶重工酒店」とゆーホテルで、



何か関係があるのかロビーには・・・

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中国初の本格空母「遼寧」の1/200模型がありました!!!

旧ソ連からウクライナの所有となってた未完成の艦体を「マカオの海上カジノにする」という名目で、
スクラップとして2000万ドルで購入、大連で長い年月をかけて艤装した、いわくつきの空母です。



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艦載機は殲-15ですね・・・これも遼寧に合わせて開発された初の艦上戦闘機。



ま、せっかくなので・・・

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遼寧・・・よりフロントのおねいさんとツーショット・・・



と、ツアー最後の朝食であります。

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さすが北京のホテル、とても全ては味見できないほどの種類がありましたが・・・



特にこちらの湯麺は白湯スープで旨かったなあ・・・

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って、前夜遅くに醤油とんこつラーメンを食べたような気もしますが・・・ま、気のせいでしょう。




と、朝食後は近くのコンビニで・・・

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お安いパイチュウを買ったりして荷物をパッキング・・・



この日は朝から世界遺産「故宮博物院」(紫禁城)へ・・・
(ただし高齢の澤井代表はT橋さんとホテルで待機、昼食会場で合流します。)

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故宮博物院・・・故宮とも紫禁城とも呼ばれます・・・

明の時代から清のラスト・エンペラー愛新覚羅溥儀までの中国歴代皇帝が住んでいた王宮で、
世界最大の木造建築群、ただし中にあった宝物の大部分は台湾・台北市にある「故宮博物院」
に展示されています・・・と、バスの車中で通訳ガイドのワンさんからの説明。

なので数多くの宝物を見るなら台北へ、建物を見るなら北京へ、とゆーことになりますが、
2009年には初の共同展も開催されてるようですね。
ま、どちらも「故宮博物院」でややこしいので、今回記事では紫禁城で統一します。

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お馴染みの天安門から・・・紫禁城の南端の門であります。

正面の毛沢東の巨大な肖像画は3年に一度、新しく書き換えられているそうです。
隊員の一人と話してたのですが、正面スローガンにある「人民」も「共和国」も「世界」も「団結」も、
すべて明治期の日本で欧米の概念を翻訳する際に造られた日本語が中国に逆輸入されたもので
本来の中国語は「中華」と「万歳」だけ、他にも頻繁に使われる和製中国語は多いとか・・・
まあ、今の日本のように何でもカタカナ(中国の場合は意味と発音で当て字)にするよりいいですね。

ここ天安門前広場では100万人規模の集会ができるそうで、毛沢東が中華人民共和国の成立を
宣言したのもここでしたね。

広場には、あちこちに下水管が埋めてあり、舗装を外せば臨時トイレになる仕組みで、以前、
大阪でもこの仕組みを災害対策用に全ての公園に作ろうという動きがありましたが費用が・・・

と、記念撮影してから紫禁城の内部へ・・・・・・

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「いー、あーる、さん、茄子(ちぇいずっ)!!!」と日本人の団体が何度もやってると、
周囲の中国人観光客から、どっと笑いが起こってウケてました。



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わたくしは通訳ガイドのワンさんにぴったりと寄り添って・・・
もちろん、しっかりと説明を聴くためですよ!!!



天安門を抜け、次の午門・・・桝形配置になっており、やはり守りの城ですね。

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この門から内部が紫禁城の有料区域で入場には予約が必要、セキュリティ・チェックもあります。
ワンさんによると予約は一日10万人まで(ネット情報では8万人まで)に制限されてるとのこと。
同じくネットによると2017年の入場者数は約800万人でパリのルーブル城に次いで世界第2位。
日本のお城で入場者数が一番多い大阪城天守閣で年間255万人ですから、入場制限してても
やはり物凄い数で、スケールが違いますね。この日も凄い人出でした。
さらに紫禁城でも大阪城でも無料区域まで来てる人は入場者の何倍にもなるはず・・・
天安門前広場や天守閣前(本丸)広場で写真だけ撮って帰る観光客は多いです。



ま、セキュリティ・チェックを受ける際にも・・・

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わたくしはワンさんにぴったり寄り添って・・・
もちろん、しっかりと説明を聴くためですよ!!!
って、しっかりと手を握ってるな・・・
もちろん、迷子にならないためですよっ!!!




午門の次の太和門・・・

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前を流れるのは金水河・・・




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この辺りはもう宮殿の造りで、日本の城では本丸御殿への門になります。


こちらは門の内側、太和殿からみた太和門・・・

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この階段は皇帝専用で、映画ラスト・エンペラーの冒頭シーンでも使われてましたね。
この広場を埋め尽くすエキストラを使ってたわけで、やはり大作です。



城の中しか自転車で走れないラスト・エンペラー・・・なのかっ???

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そう、城の中は清のままだったけど、外はすでに中華民国だったんですよね・・・



太和殿であります・・・

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太和殿、中和殿、保和殿の総称で紫禁城の中心建物・・・


ま、せっかくなので・・・

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ここでも記念写真・・・いー、あーる、さん、茄子(ちぇいずっ)!!!

ともかく凄い人出で同じような建物が続いてたので、ま、あとはてきとーに・・・

以下、さくさくっと・・・

こちら、防火用の水瓶・・・

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冬の凍結に備えて下部で火が焚けるようになってました。





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もうすぐ完成する北京で一番高いビル・・・成長は続いているようです。




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紫禁城の北にある景山も離宮として人工的に造られたものなんですね。
太和門の前を流れる金水河も、もちろん人工的に引き込んだもので、宮廷は山を背にして、
川に面するのが吉とされる風水の「背山面水」に基づいてるそうです。ふむふむ


太和殿の西にあり西太后など歴代の妃たちの居住地、西六宮へ・・・

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以外と簡素な感じでした。



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と、ようやく

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一番北の門「神武門」を抜けて外へ出ました。



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道を隔てて北は景山・・・



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北濠を東に歩きます。



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北東の隅櫓・・・やはりお城なんですね・・・「北京の55日」では籠城してたし・・・



ま、せっかくなので・・・

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記念写真を撮ってもらったり・・・



こちらでも記念写真を撮ってもらってました・・・

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結婚式用の撮影でしょうか・・・多くのカップルが一斉に・・・




こちら・・・

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登録すれば自由に使えるレンタサイクルの回収車。
1時間3元とお安く、スマホでロック解除するそうで、市内のあちこちで見かけました。


と、紫禁城の東北側からバスに乗り・・・

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前日の夕食サヨナラパーティー会場と同じ、老舗の北京料理店へ



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おいしい昼食であります。ばくばくばく・・・


これで昼食宴会も最後なので・・・

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燕京ビールの純生もごくごくごく・・・



ちなみに窓から見えた改築中の建物・・・

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足場に竹とか間伐材を使っているのか???



と、よく見たら・・・

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塗装が錆びた鉄パイプでした・・・



と、まったりと昼食後は・・・

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渋滞する中、北京空港を目指します。


空港では奇跡的にセキュリティ・チェックも無事通過・・・


少し時間があったので、最年少のH田誠一朗隊員と・・・

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空港内の紫禁城???で・・・


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限定のスタバ・ミッドナイト・モカとゆーのをまったりと味わい・・・


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北京空港のおねいさんたちともお別れ・・・



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搭乗ゲートが屋外に変更になったエア・チャイナ機に無事搭乗し・・・



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北京の街とも中国ともお別れしました。


ま、最後の画像は恒例により・・・

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機内食と燕京ビールで大団円!!!

関空到着は予定より30分ほど遅れましたが、離陸が1時間以上遅れてたので、よしとしましょう。

と、いろいろありましたが、ともかく全員無事で元気に帰国することができました。

旅行社のT橋さんはじめ通訳ガイドのみなさん、恩格貝生態示範区管理委員会のみなさん、
日本沙漠緑化実践協会のT城氏はじめ現地スタッフのみなさん、そして王明海氏・・・
みなさんのおかげでとても有意義なツアーになりました。ありがとうございました。
特に王明海氏と管理委員会の周書記には連日で宴席にお招きいただき、お礼の言葉もありません。
とても美味しく、とても楽しかったです。

恩格貝はじめ中国西北部だけでも、近年人類が沙漠化してしまった土地はまだまだ広大ですが、
植林した地域でも間伐禁止や大規模農業による地下水の汲み上げなど様々な課題があることが、
今回のツアーであらためて実感できました。

さらにオルドス市の石炭・不動産バブル崩壊による新市街の鬼城(ゴーストタウン)化の問題や、
レアメタルの国際取引所もでき発展を続ける包頭市でも、過剰汲み上げによる地下水位の低下や、
一部レアメタル抽出の際に生じる放射性廃液の処理問題(この処理に莫大な費用を要するので
埋蔵量はあるものの採算性から生産していない国も多い中、なぜか包頭では安価に生産してたそうで、
最近はその処理費用名目で値上げしたりもしてるようですが、ずっと井戸水を利用してた住民には
異常を訴える人も多いとか)など、そのまま放置すれば、やがて不毛の土地になってしまうような
大きな課題も、現地で見聞して初めて知りました。

いっぽうで、中央政府や地方政府が緑化政策を大規模に推進した結果、以前とは見違えるほどの
緑の大地になっていたことも事実でした。
逆に言えば、それが日本からの植林ボランティア活動が衰退してきた一因ともいえるでしょう。
ただしこれまで書いてきたとおり、緑化についてもまだまだ課題は多いので今後も注視していく
必要があるのは間違いありません。

日中平和友好条約が締結されて今年で(まだ)40年、それよりも長い間、両国は戦争状態だった
のですから、政府間では今後もぎくしゃくすることもあるでしょう。
それでも王明海氏と遠山先生のように、民間レベルでお互いを理解しあい、できることはあるはず。
機会があれば、またいつかご一緒しましょう!!!

最後になりましたが、Y崎隊長はじめ参加者のみなさんにも本当にお世話になりました。
今回様々なご寄付をいただいた方々と合わせて、あらためてお礼を申し上げます。


謝謝了!!!




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2018年06月06日

2018・内モンゴル紀行9・恩格貝から北京へ

前回記事からの続き・・・

紀行4日目、クブチ沙漠の恩格貝では3日目の朝であります。

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前日までとはうってかわって、朝から快晴でした。


せっかくなので古い宿舎まで一人で散策しました。

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こちらが正面玄関の「歓迎門」・・・

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そう・・・

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前回記事の「沙漠科学館」に展示されていたN.GKS(当時は緑の協力隊・関西澤井隊)
第1次隊の記録誌、あの表紙写真の場所であります。
前列中央、若き澤井代表の右隣に白い帽子の遠山先生の元気なお顔も見えます。

あれからすでに20年目になるんですねえ・・・わたくしも若かったなあ・・・うるうる
って、オリーブドラブの帽子とサングラスは変わってませんが・・・うぐぐぐ


宿舎の中庭も変わってませんでした。

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昔はこの中庭にモンゴル式のゲル(テント)があって・・・うるうる・・・



古い宿舎の筋向いに新しいトイレができてました。

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「衛生間」ですから、習近平トイレ改革以降かも知れません。


と、入ってみました。

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小用の間仕切りも個室のドアもドアロックも(ドアノブも)付いてて、ぴかぴかでした。
古い宿舎のよりはるかにいいでしょうし、ヘタすると今回の宿舎のよりいいかも知れません。

隊員の一人も言ってましたが、これなら自分の家のトイレは使わないんじゃないか・・・

と、トイレの後で恐縮ですが・・・朝食であります。

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この後、熱々の饅頭や揚げたての揚げパンなども出てきましたが、ま、シンプルなもの・・・
って、やはりチャーハンがおいしかったので、またおかわりしましたが・・・げふっ


と、まったりと朝食後は荷物をまとめてバスに乗り込み・・・

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現地スタッフ・通訳のナランさん、長期ボランティアのT城さんとは、ここでお別れ・・・



N.GKS澤井代表が、今回どうしても見ておきたかったという「実践倫理の森」へ・・・

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初期に植林された「実践倫理の森」は大きな湖(だった)「沙湖」にある遊園地の対岸にあります。



現在の遊園地の案内・・・

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いろいろ書かれてますが、今はモンゴル式ゲル(テント)での宿泊宴会がメインだとか・・・




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そんな感じですね・・・モンゴル民族音楽がずっと流れてました。


昔はモーターボートでの湖の遊覧や湖畔での乗馬などがメインで・・・

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対岸が「実践倫理の森」だったのですが、今は湖が干上がって対岸と繋がってました。




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この辺りは水が残ってますが、T橋さんによると前日までの雨がたまたま溜まっているだけで、
ふだんの水位はもっと低いとのこと。
対岸一面が「実践倫理の森」で、今では50万本の大森林になっているそうです。


こちらの・・・

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「沙漠大峡谷」も完全に干上がってました。
以前は湧水を満々と湛えた砂漠の中の湖でしたが地下水脈の水位が著しく低下したんですね。
植林で砂が固定されてから始まった地下水汲み上げによる大規模な農業開発が原因ではないか、
とのことでしたが、植林地への潅水とは異なり農業用水は土壌には一切戻りません。

対岸の「実践倫理の森」も今は間伐が一切禁止されてるので、林業専門の澤井代表から見ると、
「まったくひどい状態の森」で、がっかりしたそうです。


ちなみにここにも・・・

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ぴかぴかの「公共衛生間」があり、習近平トイレ改革はここまで徹底されてました。

と、バスに乗り、宿舎に近い幹線道路へ出ます・・・

その途中にあった建設中の・・・

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遠山正瑛・記念公園だそうで、年内には完成予定とか・・・
ここにも記念館ができるようで、日本沙漠緑化実践協会にも展示物の提供依頼があって、
探すのに苦労しておられるそうです。

で、宿舎に近い交差点で急にバスが停車、王明海氏が通訳のナランさんと乗り込んできました!!!
訊けば宿舎前で見送るつもりだったのが「実践倫理の森」見学で出発が早まったことを知らず、
わざわざ、この交差点で待っておられたとか・・・何とも有難いことで一同恐縮しました。

と、無事に王明海氏とも最後のお別れをして、

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一路包頭空港へ・・・


沿道から見た・・・

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王明海氏の「万里の長城」




こちら・・・

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後ろに観光用ゲル群が見えますが、手前の青い屋根は地下水を汲み上げるポンプ小屋。


ひょっとして、ここが・・・

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センタービボットによる大規模農場のひとつでしょうか・・・でも・・・
おそらく潅水装置だろうけど円形ではないし、王明海氏の管理地にもよく似たのがあったし・・・
よくわかりませんでした・・・




と、あれこれ考えながら、バスは黄河へ向けてひた走ります。

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バスの制限速度は90km/hだそうですが、昔は今回の植林現場へ歩いたような道でしたので、
途中でスタックしたりして、とんでもなく時間がかかってました。



今回はあれよあれよと黄河へ・・・

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あれよあれよと僅か数分で黄河を渡り切ってしまいました。
そう、昔は鉄のフロートを浮かべた有料の私設浮橋で、渡るにはドライバーが値段交渉から
はじめて、車体を軽くするために全員下りたりして、1時間以上はかかってたのですが・・・

と、あれよあれよと包頭空港へ・・・

ところが・・・

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空港前は工事中・・・ではなく、工事中断中・・・

そう、あの悪名高き包頭市の地下鉄工事であります。

クルマや電動スクーターが普及して道路網も整備され、あまり必要性もなかったのに大規模な
地下鉄工事に一斉着手、さすがに途中で中央政府からストップがかかったのはいいのですが、
市内のあちこちで道路を掘り返したままで工事が中断してるので、大渋滞を招いているとか・・・

一説によると中央政府へのウケ狙いというか、地方での実績を上げるためにエリート官僚たちが
全国で次々と不要な大規模開発をやってて、包頭市の地下鉄もそのひとつだったとか。

まあ、列島改造時代の日本でもいろいろあったんでしょうが、やはりスケールが違いますね。

と、包頭空港で無事に託送荷物を預け、ゆっくりとお弁当を食べる・・・はずだったのですが・・・
わたくしのスーツケースが、はじめてチェックにひっかかりました!!!

素敵な制服のおねいさんに呼ばれて、わたくしのスーツケースのX線画像を示され、
「この大きい刃物のようなものは何?」
「あっ、これはマルチツール・プライヤーです。ほれ、こうやって、ぱちぱちするやつね・・・」
と、ジェスチャーで示したら、
「じゃあ、ここで開けて見せなさい。」
つーことで、あわてて開錠、あんなものやこんなものを引っ掻き回してマルチツールを取り出し、
「これです、これです、ほれ、こうやってぱちぱち・・・」
素敵な制服のおねいさんも手に取って、ぱちぱちと確認・・・
「いいでしょう、しまってもう一度カウンターに持って来てね。」
「はいはい、あせあせ・・・」
と、一刻も早くお弁当が食べたいわたくし、引っ掻き回した中身をあわてて押し込んで施錠、
再びカウンターへ持って行き、今度は無事に通過しました。
ずっと通訳で付いてくれてたバヤンさんに、
「あははは、はじめての経験で少しあわてましたね。
落ち着いてチケットとパスポートを再確認してと・・・あれっ??? どこにもないっ!!!」
そう、ずっと手に持ってたのを、あわててスーツケースに一緒に入れてしまったようです。
あわてて素敵な制服のおねいさんにお願いしてベルトコンベアからスーツケースを回収、
再び開錠して中からチケットとパスポートを取り出し、再び施錠して、再びカウンターへ・・・

開錠して素敵な制服のおねいさんにコールマンのマルチツールを自慢するのは楽しかったですが、
チケットとパスポートが見つからなかった時はあせりましたねえ。
T橋さんやバヤンさんからも「いつも落ち着いてたのに、あの時はあわててましたね。」
といわれましたが、いつも酩酊状態でぐったりしてただけですよ、わたくし・・・

と、急いでお弁当を食べ包頭空港でバヤンさんとはお別れ、最後までお世話になりました!!!

今度こそ無事に北京行きの国内線に搭乗・・・

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包頭の街とも内モンゴルともお別れであります。



あれよあれよと北京空港に到着・・・

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北京での通訳・ガイドのワンさんの案内で北京市街へ・・・




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すっかり洗練された大都会になりましたねえ・・・



と、夕食までには、まだ時間があったので・・・

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東京では銀座通りにあたる北京の王府井(ワンフーチン)街へ



わたくしは表通りの高級なお店には縁がない興味がないので・・・

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昔の表通りだった裏通りへ・・・




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凄い人出でしたが、ま、横浜の中華街や神戸の南京町を大きくしたような感じでした・・・
って、こっちが本家でしたね・・・

特筆すべきなのはT橋さんに教えてもらった串焼き屋さんの・・・

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サソリの串焼き・・・

ええ、生きたままのサソリさんを串焼きにするんですね・・・

せっかくなので動画でもご紹介・・・





わたくしサンショウウオの串焼きは食べたことがありますが、似たような感じなんでしょうか、
ま、さすがに今回は食べませんでしたが・・・

で、裏通りのさらに枝道に入って・・・

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おねいさんが店先で加工している、よさげな銀細工のお店もあったのですが・・・




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隣の土産物屋さんの店先でオカリナの生演奏をやってたので、安物の高級なオカリナを
奥様へのお土産用に買ったりして表通りへ戻り、有名な台湾高級茶のお店に入って・・・
高級茶は買わずにお安い抹茶ソフトクリームを買って舐めながら集合場所まで戻りました。

まだ少し時間があったのでお菓子なんぞを買って、バスの来る場所まで移動・・・

こちら・・・

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高齢者専用のボランティア・タクシーだそうです。
「老年代歩車」高齢者が歩く代わりのクルマなんですね。高齢者福祉も進んでるようです。

と、バスに乗り夕食会場まで移動・・・

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なかなか素敵な色合いのボディカバーでした。


で、T橋さんが数十年来、愛用しているという老舗の北京料理店へ・・・

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北京料理店といいつつ麻婆豆腐なんかもあったりして、どれもおいしかったのですが、


この日の夕食はサヨナラパーティーつーことで、どどんと北京ダックなんぞも・・・

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って、食べる前に撮ればいいものを・・・

ここの北京ダックは皮だけでなく肉もぎっしり、包み皮も次々と蒸し立てを追加してくれるので、
腹いっぱい堪能することができました。


で、Y崎隊長の挨拶や、

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N.GKS澤井代表の挨拶、

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そして参加者全員からの一言挨拶がありました。

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ちなみにこちらのO屋夫妻、往路の北京空港の国内線乗り替えのセキュリティ・チェックで
バッグの中身を一部だけ係官に出されてて、それに気づかずケータイとカメラを取り忘れ、
空港の忘れ物センターに届けておいたところ、復路で無事に回収できたけど、よくあることなので、
みなさんも充分に気をつけましょう!!!とのことでした。

わたくしの「パスポートを託送荷物に」つーのもよくあるみたいですが、託送カウンターの目の前で
わざわざ入れてから預けるつーのは前代未聞でしょう。あははは



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「ゆらぎ」を研究されてるK山さん・・・



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セレブな海外旅行が趣味?のK西さん・・・



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98kさんのキャンプ仲間のN村さん・・・

と、すべては紹介できませんが、みなさん人生を有意義に楽しんでおられる方ばかり、少なくとも、
今回の植林ボランティア・ツアーに参加されたこと自体、何かの意義のあることだと思いました。


と、

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お店を出る頃には北京の街にも明かりが灯り、ホテルに着いたらすっかり暗くなってました・・・

で、酒類調達担当のH田隊員とロビーで相談、近くのコンビニでビールやつまみを買い出しして、
呑兵衛隊員に声をかけて自室で二次会をやろうと約束したのですが、自室で待ってても彼から
連絡はありませんでした。
後で訊けば、彼もこちらからの連絡を待ってて、結局そのまま寝てしまったとのことでした。
ま、これもよくあることなので、みなさんも気をつけましょうね!!!

と、包頭でも同室だったI倉隊員と2人で、ちびちびやってると宴会担当のY原隊員から連絡があり、
恩格貝でもらったパイチュウを持ってきた彼と3人で、結局かぱかぱやってしまいました。

ちなみに北京のホテルでは・・・

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映画チャンネルやNHKなどの海外放送はもちろん、中国全省の番組が見られるんですね。

内モンゴル自治区のニュース番組では前日までの大雨被害の報道をやってました。
冠水で道路や鉄道などの交通網が遮断されたりして、大変だったようです。
日本の雨量と較べると大した量でもなかったのですが、大阪でたまに雪が数cmでも積もると、
交通網が遮断されたりして大混乱するのと同じなんですね・・・

と、あれこれ考えながら、

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この夜は大事に持ち歩いてた醤油とんこつラーメンで〆ました。

やはり飲んだ後のラーメンは格別ですねえ・・・げふっ

(と、次回最終回に続きます。)



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2018年06月05日

2018・内モンゴル紀行8・講座と宴会

前回記事からの続きです。

沙漠科学館から宿舎に戻った一行は2階にある会議室へ・・・

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T橋さんの司会で沙漠講座のはじまりであります・・・



まずは現地長期ボランティアT城さんのお話・・・

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氏は現在、陝西師範大学・西北歴史環境興経済社会発展研究院の客員研究員で、
日本沙漠緑化実践協会の長期ボランティアとしては、恩格貝では30万本の植林エリアを
一人で管理されているそうです。NHKの番組「プロジェクトX」にも遠山先生と出演されてました。
日本のレトルトカレーの空き箱をメモ帳に利用されてるのが素敵でした。

職場の中国語研修で訪中、それがきっかけで沙漠緑化実践協会の長期ボランティアに来たけど、
最初は何をやっていいのか分からず悩んでいるときに、中国の「治沙造林学」と出会ったそうで、
その概要などをお話しして下さいました。
わたくしが恩格貝の今後についてお訊ねしたところ、
「GEN(緑の地球ネッワーク)をはじめ、どのNPOも単独では継続が難しくなっています。
お互いの組織が協力しあって、実践と研究の両輪で日本のNPOを復活させるべきです。」
とのことでした。
高齢化と専門家(何せ澤井代表だけですから)の後継が不安なN.GKSとしても耳の痛い話でした。


次はN.GKS澤井代表のお話・・・

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よく講演で使われる「>--<」と「<-->」の錯視絵(ただし実際は「<-->」のほうが少しだけ長い)
が描かれたレジュメで、直線が長いのはどちらか、と質問、見た目で素直に「>--<」と答えた人は、
とても人間性の豊かな人、同じと答えた人は、錯視の知識だけで判断してしまう知識偏重派、
正解の「<-->」と答えた人は、よほどひねくれた人か、見た目や知識で判断せず実測してから
答えを導き出す研究実践派、これからの日本人は、この研究実践派にならなければ・・・といった
導入部からでしたが、これはT城さんの今後のNPO活動のあるべき方向とも共通してましたね。

後の話はあちこち飛びましたが、クブチ沙漠が20000㎢で恩格貝の植林地が200㎢といっても
想像できないだろうが、あの鳥取砂丘が16㎢といえば、その大きさが想像できるだろうとゆーのも、
なるほどでした・・・

他にも木材・林業の専門家らしく羊害防止のための牧柵は有刺鉄線などではなく間伐材のポプラを
使えばいい、最近の恩格貝では間伐していないので、どのポプラもさらにヒョロヒョロになっていた、
今は間伐が最重要課題とのことで、これは日本沙漠緑化実践協会でも認識されてるようですが、
政府の緑化政策により樹木の伐採は(間伐も含め)一切禁止・・・
一見、不合理で馬鹿馬鹿しい禁止令のようですが、たとえ間伐であっても、いったん伐採を認めると、
あらゆる歯止めが効かなくなり、ともかく儲かる方向に突っ走る恐れも大きいのでしょう。
せめて沙漠緑化実践協会の森だけでも・・・といっても伐採するのは現地の人たちですし・・・
ここは政府も難しい判断なんでしょうね・・・



と、恒例の沙漠講座が終わり、自室で一息・・・

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トイレもきれいになってて、水もスムーズに流れましたが、やはりトイレットペーパーは流さないように、
とのことでした。確かに備え付けのペーパーはなかなかちぎれない「とても丈夫なもの」で繊維が長く、
錆びた鉄の排水管に引っかかるのは明らか、もともと流す前提ではないんですね。
日本から持ち込んだペーパーはすぐに水に溶けるので多分大丈夫だろうけど、万一詰まった場合は、
とんでもない悲劇になるので、やはり備え付けのごみ箱へ。

シャワーも各室に小型の電気給湯器が設置されてて、配管もシャワーノズルも新旧2種類があり、
新しいほうを使うようにとの指示がありました。いつでもシャワーが使えるのは有難いですね。
水温調節も快適でしたが、使い過ぎると次に温水が使用できるまで2時間かかるとのことでした。

昔と比べて設備はずいぶんよくなってましたが、ここはグーグルでは「ユースホステル」になってて、
やはり大都市のホテルとはレベルが異なります。

ええ・・・

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ドアロックどころか、ドアノブそのものがなかったし・・・

他にも窓の網戸が壊れててフロントに知らせましたが滞在中はそのままでした。
それでも昔よりはるかに快適、昔の北京の一般ホテルのレベルになったとゆー感じでしょうか。
まだ何とか、都会から沙漠緑化の最前線に来た気分も味わえました。

と、同室のO日向さんとまったりとお話・・・

植林の初期に沙漠緑化実践協会の長期ボランティアとして滞在されてて、その後はN.GKS隊にも
何度か参加され、今回澤井代表の誘いもあって、ひさしぶりに恩格貝に来られたとのこと。

協会の数次隊を指導してみんなで植林、その時たまたま3本の苗木が余って、作業が終わってから
宿舎の近くに一人で植えておいたら、後になってその植林地は全滅したけど、近くのポプラだけは
残ってたので、今回、早朝に歩いて確認に行ったところ、さらに大きく育ってたそうです。
「わたしにとっては奇跡の3本ポプラです。」と、嬉しそうに語ってくれました。

過去の植林地を確認に行って、自分のプレートを付けたポプラが無事に育っているのを発見して、
思わず涙を流している人を毎回必ず見ますが、(じつはわたくしもその一人なんですが・・・)
自分で植えた苗木が砂や洪水や乾燥に耐えて一生懸命に大きく育っているのを見るのは、
本当に涙が出るほど嬉しいものです。

と、自室でまったりした後は、とーぜん宴会・・・なんですが・・・なんとこの夜は・・・

恩格貝の行政責任者(管理委員長・周書記)が王明海氏から澤井代表の恩格貝訪問を知り、それなら全員を夕食に
招待したいとゆーことになり、そのお招きを受けての宴会となった次第。

恩格貝は最近ひとつの行政単位に昇格したそうで、そこの書記といえぱ、いわば官選市長ですから、
その招待を受けるというのは、とても光栄なことなのであります。

いつもの宴会場の奥にある特別室へ・・・

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最上座にあたる額縁の下が主催者の周書記、その右(向かって左)に主賓のN.GKS澤井代表、
主催者の左(向かって右)に陪賓のY崎隊長、主賓の右(向かって左)に陪賓の王明海氏と通訳・・・
と続く、中国式宴会の正式な席順になってました。

テーブルも料理もさらに高級になってて、パイチュウもさらに高級に・・・

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って、飲む前に撮ればいいものを・・・と、両者挨拶の後は書記の発声でまずは乾杯!!!


テーブルには高級煙草も並んでて、まずはゲストに煙草をすすめるのが昔ながらの伝統・・・
ま、わたくしも(断るのは失礼なので)ひさしぶりに一服、お礼に王明海氏に「グロー」をすすめると、

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「うえっ、まっ、まずい・・・」




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「最近の日本人はとんでもないものを吸ってますよ!!!」とか書記に報告してました。あははは


と、周書記は・・・

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何度も主賓・陪賓と乾杯した後はパイチュウを秘書に持たせて席を廻り・・・



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一人一人と何度も乾杯・・・


続いては「自分は心臓が悪く飲めないのですが・・・」とゆー、随行の外交部長も、

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ビールを持ったまま、やはり一人一人を廻って乾杯・・・

次は王明海氏が年代別に隊員を立たせて、次々と乾杯!!!
年代別が終わると、今度は性別、国別と次々と乾杯!!!

書記も外交部長も、発展する恩格貝へ赴任してきたばかりだそうですから、おそらくは中央政府か
地方政府のエリートなんでしょうが、まあ、よく乾杯すること・・・

中国のエリート社会では、毎晩の宴会で強いパイチュウで乾杯を続けて、生き残って出世するか、
身体を壊してリタイアするかの二者択一、最近の北京あたりでは健康のため、乾杯はパイチュウから
ワインに変わってきているようですが、内モンゴルではまだまだパイチュウが主流でした。
ただし高齢者や飲めない人には、きちんと配慮もされてて、さすがにエリート・・・

ちなみに北京などでは乾杯がパイチュウからワインに変わりつつあるため、ワインの需要が激増、
国産ワインの生産も激増し、内モンゴルでも最近は葡萄園が激増しているそうです。

遠山先生がこのクブチ沙漠・恩格貝に来る以前、トングリ沙漠で葡萄園の開発に何年も苦労されてて、
何度か黄河に飛び込もうと考えたこともある、と澤井代表に漏らしてたそうですが、今の葡萄園の
激増ぶりを見たら、なんとおっしゃるんでしょうね・・・
そーいや、先生の開発したトングリ沙漠の葡萄園も見学したことがありますが、今はさらに大規模に
なってるんでしょうか・・・と、へろへろになった頭で感慨に耽りながら・・・


料理もどれもが上品でとても美味しかったのですが、特筆すべきは、

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まずはこちらの恩格貝で飼育されてるダチョウのタマゴ・・・
これで1個の半分、しかもすでに白身は取り分けた後・・・
ダチョウは肉もタマゴも羽も皮も無駄なく売れるので、一時期は恩格貝でもブームでしたが、
今はどの程度が飼育されてるんでしょうね・・・
白身が半透明で独特の食感でしたが、ま、ふつーの茹で卵・・・が20個分ぐらいでした・・・


で、わたくしの一番お気に入りで、恩格貝では今回はじめて食べたのが・・・

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羊肉の蒸し焼きでした・・・
モンゴル(外モンゴル)のキャンプ場で食べた蒸し焼きよりは、やや羊肉の匂いが強かったですが、
塩以外の味付けもしてあり、あっさりした中華風というのでしょうか、岩塩だけのシンプルさとは
また違った味わいで、一人でけっこうな量を食べてしまいました。げふっ


その後は王明海氏から署名入り恩格貝書籍のプレゼント・・・

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隊員一人一人の宛名まで自筆されたものでした。

通訳ガイドのバヤンさんからは「北国の春」の絶唱、こちらからも謡曲や百人一首の朗詠などで
さらに次々と乾杯が続いてたのですが、この夜の書記は宴席が三つ入っていたそうです。

と、この夜も前夜以上にへろへろになったのですが、前夜同様の二次会も懲りずにやりました。

ええ、さすがにこの夜の二次会画像は撮れませんでしたが・・・ひっく

(次号に続きます。)



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2018年06月04日

2018・内モンゴル紀行7・沙漠科学館

前回記事からの続きであります。

午前中に植林などを終えた恩格貝2日目の昼食後は、新しくできた「沙漠科学館」へ向かいます。

ちなみにこの日の午後は沙漠ではめずらしい・・・

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雨でした・・・

沙漠の雨は幸せを運んでくるものだし、植林など野外スケジュールは午前中で終わってたので、
まさに絶妙のタイミングでした。
恩格貝では年間300mm程度の降水量はあるものの人類が砂漠化してからは全く保水できず、
毎年、大洪水と極度の乾燥の繰り返しだったのであります。


宿舎からバスで15分ほど・・・

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こちらは帰りがけに撮った画像ですが、けっこう大きな施設でした。



正面ロビー

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以下、展示をさくさくっと・・・

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世界の乾燥荒漠地・・・といった意味でしょうか・・・

わたくし、これまでの記事でも「沙漠」と「砂漠」の文字を使ってますが、乾燥荒漠地の中でも、
雨の少ない荒漠地が沙漠、その中でも砂の沙漠を指すのが「砂漠」なのでありますね。

日本では沙漠といえば砂漠のイメージしかありませんが、他にも岩石沙漠の礫漠(中国語でゴビ)や
塩分などが多い土の沙漠の土漠などがあり、わたくしは雨の少ない荒漠地全体を指す場合に、
「沙漠」の文字を使うことがあります。ま、今回のツアーでは殆どが「砂漠」でしたが・・・

そう、前回記事で紹介した遠山先生の沙漠講座の中で、「沙漠にも水はある!!! 沙漠の沙の字は、
サンズイに少ないと書く!!! すなわち水の少ない荒れ地が沙漠!!!」と大声で教えられましたから・・・

最近では雨の全く降らない昔からの極沙漠も緑化しようという動きがあるようですが、地下水や
雪解け水などの使用量は莫大になり地下水脈や河川の流量を激減させ、土中の塩分濃度も
急上昇させますから、一口に沙漠緑化といっても持続可能な方法が重要で今後も注視が必要です。


恩格貝の土地利用規制計画図でしょうか・・・

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よく分かりませんが、「国際生態城建設区」つーのもありますね・・・
中国やヨーロッパでは城は都市と同じ意味ですから、国際生態(エコ)都市???


まあ・・・

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こんな感じのパネル展示が殆どでしたが・・・


一部には・・・

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ジオラマなんぞもありました。


もちろん太陽光や風力も・・・

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風力発電も内モンゴル自治区が圧倒的に多いんですね・・・メンテや送電が大変でしょうね・・・


と、みなさん、真剣にT橋さんの説明を聴いておられました。

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こちらはシルクロードをあらわした地図の一部ですが・・・

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この辺りはN.GKSのツアーで概ね廻りましたねえ・・・



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西夏王国跡とかも行きましたし・・・当時はけっこう自由に入れましたね・・・





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アラル海までは行ってませんが、現在では右端2004年の半分以下になってるそうです。
(減少が続いているのはカスピ海ではなくアラル海、訂正しました。)




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この人が張本人???



地下水の汲み上げセンタービボットによる大規模農業の航空写真・・・

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その中で・・・

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地下水が枯れて放棄され、砂漠化してしまった部分の画像・・・



いっぽう、窓から外を見れば・・・

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雨に濡れる恩格貝の緑が一面に広がってますが・・・

ここにも地下水の汲み上げセンタービボットによる大規模な農場が17基あるそうです。
何せ半径100m以上の農地の上から自動回転する巨大なアームで、汲み上げた地下水を24時間
撒き続けるのですから地下水脈が枯れるのも時間の問題、しかもトウモロコシなどの畑ですから、
樹木と違って保水も砂の固定もせず収穫すればおしまい、水は土壌には一切戻ってきません。

T橋さんによると、少し前は地下水脈のある場所なら5mか10mも掘ればポンプ小屋ができたけど、
今は80mから100m掘らないと汲み上げられないそうで、やはり大規模センタービボット農業の
影響が大きいのではないかとのことでした。


いっぽうこちら・・・

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清水建設の海水沙漠導入計画??? 知りませんでしたが、どうなったんでしょう???
確かに淡水ではなく海水ならいっぱいありますが・・・

ちなみにネットで知った知識ですが、地球の水の内訳は海水97%、淡水3%だそうです。
さらに、その3%の淡水の内訳は氷河・氷床77%、河川水・地下水23%で、
河川水・地下水のうち使えない水が97%、使える水は3%つーことですから、
我々が使える淡水は地球の水の僅か0.02%(100x3%x23%x3%≒0.02%)だそうです。        



恩格貝のビニールハウス栽培

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こちらも以前のN.GKSツアーで見学しましたね。


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クロレラ栽培も盛んなようですが、これらもすべて地下水の汲み上げでやってるんですね。


とまあ、様々なパネル展示がありましたが、何といっても特筆すべきは・・・

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こちらのコーナー・・・


そう、

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日本大使館の20周年で各国大使館に配布した記念誌で日中の懸け橋として紹介されてた中で
唯一の民間人だった二人・・・




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遠山正瑛先生と王明海氏のコーナーでした。




中でも特筆すべきなのは・・・

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ガラスケースに収められ展示されていた・・・




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N.GKS(当時は緑の協力隊・関西澤井隊)第1次隊の記録誌!!!  
いやあ、これは嬉しかったですね・・・わたくしも表紙写真に写ってるし・・・



愛用品や賞状トロフィーもいくつか展示されてました・・・

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2004年ノーベル平和賞の受賞直前に亡くなられたのは本当に残念ですが、同じ環境保護活動家として
先生の代わりにケニアのワンガリ・マータイさんが受賞されましたから、先生も草葉の陰で喜んで
おられたことでしょう。今は二人で仲良く植林議論をされてるかも知れません。

先生が率いた日本人によって植えられた恩格貝の森は現在500万本だそうですが、その活動に
賛同して中国人が植えた森は何千万本にもなり、さらに中国全土では今では何億本、何十億本にも
なって増え続けています。やはり偉大な先駆者だったんですね・・・





と、このコーナーの結束語であります。

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あとの展示は大胆に省略して・・・

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正面ロビーへの出口・・・


正面ロビーには・・・

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大きな横断幕に記名するコーナーがありました。これもいずれ展示品になるんでしょうね。

T橋さんによると、当初は「遠山正瑛博物館」になる予定だったけど紆余曲折を経て「沙漠科学館」
になったとかで遠山先生のコーナーもごく一部になり、殆どがパネル展示だけで、中身はまだまだ
科学館とか博物館とかいえるレベルではありませんでしたが、ま、こちらも今後に期待しましょう。

と、一行はふたたび宿舎に戻ります。

(次号に続きます。)



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