映画
2021年07月01日
ボルネオの白きラジャ・・・
三浦暁子著 NTT出版 2006年10月3日 初版第1刷発行
著者の略歴であります。
文化人類学者の夫と息子とのボルネオ家族旅行など何度かの訪問で、サラワクのラジャだった
ジェームス・ブルックにすっかり魅せられ、生涯を追ってみたとプロローグにありました。
例によって目次のみのご紹介。
目次だけでも、おおよその生涯が推察できますが、主人公は19世紀半ばに現在のサラワク州の
ラジャとなった英国人で、20世紀半ばの日本軍侵攻による戦後のイギリス直轄植民地化まで、
約100年間で三代も続いた、アジアで唯一の白人による王朝の開祖であります。
ちなみにラジャはスルタン公認の領主で、日本なら徳川幕府公認の藩主つーところでしょうか?
現地サラワク州クチンで何度か話を耳にして興味はあったのですが、たまたま新作の伝記映画
(Edge of the world)をネットで観る機会があり、あらためてその生涯に興味を持った次第です。
著者によれば主人公は「典型的な植民地主義者」で、当時のサラワクはマレー系や中国系と
ダヤク(イバン)系の間に争いが絶えず、一刻も早くイギリスの保護領にして、強大な帝国の
庇護のもとに、ダヤク系の人たちも平和に豊かに暮らして行けるようにと・・・
ま、その是非はさておき、海ダヤクの海賊行為に悩まされてたサラワクを平定したわけですが、
海賊行為が盛んになるのは、周辺でオランダやイギリスが覇権を争いだしてからなので、
やはり西洋による介入がそれまでの暮らしを一変させたとも言えるのでしょうね。
ともかく波乱万丈の人生なので、本書はその軌跡を丹念に追いつつ、(わかりにくい性格の)
主人公の内面への著者の感想や思い入れも書かれてて、一晩で一気に読みました。
ま、徹夜で読破した翌日にwingさんと神戸を歩いてへろへろになったのですが・・・
主人公が生きたのは1803年から1868年で、最初にサラワクのクチンに上陸したのは1839年、
アジアでは西洋列強による激動の時代で、ちょうど明治維新の年に生涯を終えてるんですね。
いっぽう映画「ラスト サムライ」でトムクルーズが演じたオルグレン大尉のモデルとなった、
フランスのジュール・ブリュネが生きたのは1838年から1911年で、活躍した時代には
約30年のズレがありますが、どちらも映画を見たことだし(ヒマなので)比較してみました。
第一次ビルマ戦争で重傷を負いイギリス陸軍中尉で除隊、親の遺産が入ったので船を購入し、
冒険の旅に出てクチンに上陸、ダヤクの海賊と戦いサラワクのラジャとなり、その王朝が
約100年間、三代も続いたジェームス・ブルック・・・
いっぽう江戸幕府へのフランス軍事顧問団の副隊長(砲兵大尉)として1867年に横浜に上陸し、
軍事訓練を指揮していたものの翌年には幕府が敗北、明治政府から出た国外退去命令に背き、
軍籍を離脱して旧幕府軍とともに函館戦争を戦い、戦後フランス当局に逮捕され裁判のため
本国送還されたものの普仏戦争などで名誉回復し、やがて明治政府からも日清戦争への貢献で
勲章を授与され、最後は陸軍参謀総長まで昇りつめたジュール・ブリュネ・・・(ウィキより)
どちらも19世紀の激動するアジアへやってきて、異人種の中で孤軍奮闘した波乱万丈の生涯、
確かに映画の主人公としては話題に事欠かない人生ですね。
映画の中でも村人の中に入って異文化に馴染んでいくシーンや、現地の勇猛な戦士たちと、
お互いの心を通じ合わせるシーンなど、共通点も多かったです。
ええ、ジェームス・ブルックを演じた俳優はラスト サムライにも出てたそうだし・・・
ちなみに両者を隔てる30年つーのは、ちょうど銃器類の大変革期で、ブルックの時代は前装式の
フリントロックからパーカッションロックへの移行時期だったし、30年後のブリュネの時代は、
前装式のパーカッションロックから薬莢を使う後装式への移行時期、さらに1850年前後より
フランス、イギリス、プロイセン、アメリカの各軍がライフリングの施された、いわゆる
「ライフル銃」を正式採用してますが、ブルックの時代は各軍とも、まだまだ滑腔式が主流、
そう、この30年の違いを味わうのが・・・って、わたくし映画のどこを観てたんだか・・・
2021年01月07日
マンダロリアン新年OFF会???
???
ま、いつもの関西のライト仲間4人が、ひっそりと集まった新年OFF会だったんですが、
スターウォーズ・フリークでもある川端さんが年末にディズニープラスに加入されてて、
「今ならマンダロリアン・シリーズがオススメですよ!!!」
とのことだったので、ならば今回はマンダロリアンにどっぷりと浸る新年OFF会!!!
にしようではないかと・・・じゅるじゅる
マンダロリアン・・・詳細は検索いただくとして・・・
スターウォーズ・シリーズ初の実写ドラマで、スピンオフ作品の中では大人気だそうで、
ディズニープラスでシーズン1とシーズン2の各8話、全16話が鑑賞できるようです。
ちなみにシーズン3は2021年12月から配信開始予定だとか・・・
つーことで今回も川端号が大阪で98k、神戸でwingさんをピックアップ、姫路のwing別邸に
3人が着いたのは1月2日の午後1時過ぎでした。
遅めの昼食はコンビニのパスタなんぞで軽く済ませ・・・
って、約1名は大盛りパスタをばくばく、wingさんは助六寿司をばくばく食べつつ、
ビール(ロング缶)をかぱかぱ飲んでましたが・・・
とーぜん、昼食後も・・・
川端さんの主食、おにぎりせんべいを皮切りに・・・
辛子明太子入りさきいかや健康そうなチョコ各種で・・・
テキーラなんぞをかぱかぱ飲みつつ、川端さんの解説を拝聴しつつ・・・
シーズン1の第1話から楽しんでると、やがて地元のred-bicycle(赤チャリ)さんも到着。
ちなみに川端さんは年末にシーズン1と2をそれぞれ2回ずつ、つまり全16話を2回ずつ、
全編通しで観られたそうで、今回が3周目だそうです・・・
ライトセーバー(サーベル)コレクションといい、やはりS.Wフリークですねえ。
と、4人揃ったところで、ようやく鍋宴会に突入であります。
飲み物もわたくしとwingさんは熱燗にかわりました。ぐびぐび
ちなみに画像にあるハードタイプのクーラーボックスはwingさんのライト専用ボックス???で、
鍋具材はわたくしが午前中に買い出しして、前回記事のソフトタイプで運んできました。
画像にある4人分の鍋具材とロング缶2本が収まり、持ち運びもお手軽でした。
で、途中でマンダロリアン鑑賞をいったん中断して・・・
川端さんが、
ネット上で開催されてた「ライト沼の新春忘年会」つーのに参加されました!!!
フラッシュライト好きのみなさんが、SNSでリモート新年会を楽しんでおられたようで、
わたくしもひさしぶりにhiguさんとお話させていただきました。
higuさん、個人的にも世間的にも落ち着いたら、またご一緒しましょうね!!
で、ライト沼のみなさんとは数時間でお別れし、マンダロリアン鑑賞を再開したものの、
ライト話やヲタ話での一時停止がますます多くなってきたし、わたくしも意識は朦朧、
ストーリーを追うことさえできなくなってきたので・・・
午前4時ごろにようやく鑑賞を切り上げ、就寝準備に入りました。
奥から川端さんとwingさんはソロテントの中にマットとダウンシュラフ、赤チャリさんは
コット上のマットに新調された「ダウン1.5kgが入って4980円!!!」とゆー謎のダウンシュラフ・・・
ちなみに手前のわたくしは米軍ビビィカバーの中にエアマットを敷いて化繊シュラフでした。
そう、何せカバーがでかいので厚いエアマットとシュラフを内蔵できるのでありますね。
瀬戸内海性気候のわりに寒い姫路の外気温はおそらく氷点下、屋内でも座敷側には暖房がなく、
かなり寒かったはずですが、みなさんキャンプ用の完全装備だったので熟睡・・・
ま、誰かさんのいびきで眠れなかった方もおられたようですが・・・
と、6時間後の10時に起きたわたくしは、先に起きててアニメ「ソウルフル・ワールド」を
楽しまれてた川端さんとサンドイッチとコーヒーの軽い朝食・・・
昼前にはようやくwingさんと赤チャリさんも起きてきて・・・
昼過ぎにあらためて4人で食べた・・・朝食???
昨夜の寄せ鍋の出汁に残った食材と煮込みうどんを追加して・・・はふはふ、ずるずる
食後もマンダロリアンの続きとヲタ話が続いてたのですが、wingさんと赤チャリさんが、
「やはり映画鑑賞にはポテチでしょう。じゅるじゅる」
「甘いデザートも食べたいな。じゅるじゅる」と追加の買い出しに・・・
で、日暮れ前に食べた・・・朝食後のデザート???
wingさん憧れの巨大プッチンプリンをはじめ、けっこうなボリュームでしたが、
シーズン1の全8話を見終わる頃には完食してましたねえ。ばくばく
ま、シーズン2まで全制覇するのは、さすがに一泊では無理でしたが・・・
すっかり暗くなってから、次回こそ本編9作品とスピンオフ全作品の完全制覇じゃあ!!!
との固い約束を交わし3日の夜8時に姫路を出発、再び川端号で送っていただいた次第。
ま、次回の完全制覇OFF会は何日かかることだか・・・わくわく
いやあ、今回もじつに楽しかったです。
少人数でも会ってヲタ話をする時間つーのは、今のわたくしにはとても貴重ですね。
さらに恒例によりわたくしの100均商品が、様々な高級品やレア品に化けたことだし、
やはり、わらしべ長者OFF会はやめられまへんなあ・・・げひげひ
2020年06月02日
ひさしぶりのフラッシュライトOFF会!!!
じつにひさしぶりのフラッシュライトOFF会に参加してきました。
ま、いつもの関西のライト仲間が、ひっそりと集まっただけなんですが・・・
川端号がわたくしとwingさんを次々と
じつにひさしぶりだったのでありますね。
で、3人が姫路に着いたのはちょうど土曜日の昼時、飲食店は以前のような盛況になってて、
感染対策もされてるんでしょうが、ま、今回は軽くコンビニで買い出しを済ませ・・・
まずは姫路wing邸での再会を祝して乾杯であります。
できるだけ三密を避け・・・
感染対策も各自それなりに・・・
と、昼食宴会後は自粛期間中に自然増殖してたとゆーライトが次々と並べられました。
ちなみに右の3本だけは、わたくしの以前からの愛用品でしゅが・・・
お二人ともこの数ヶ月間、自宅に籠ってひたすらライト類を増殖されてたんですね・・・
こちらは昨年の「チームフラッシュ光・ボルネオ照射ツアー」用にwingさんが作られたもの・・・
ま、「98k様ご愛用」は一時行方不明になっててツアーには参加できなかったんですが・・・
それぞれのライトの詳細はwingさんや川端さんのTwitterとかでご覧いただくとして・・・
わたくしがなんとなくわかったのは・・・
蛍光の違いぐらいでした。モノによって随分と蛍光量や蛍光時間が異なるんですね。
とかやってると、やがて仕事を終えた赤チャリさんも到着、さっそく・・・
甘味を挟み、三人で延々とライト談義をされてましたが、わたくしはひたすらかぱかぱ・・・
で、赤チャリ号でうどんファストフード店に行って軽く夕食、帰りにスーパーに立ち寄って
軽く夜食と朝食の買い出しをして戻り・・・
スターウォーズごっこのお時間であります。
彼はフォースが強いので目隠してても安心なんですね・・・
このライトセーバーのグリップ、マグ3Cの躯体からwingさんが制作されたもので、
剣戟の衝撃にも耐えられるようになってるとか・・・
ちなみにブレードを通常ヘッドに交換すれば4色18650仕様LEDマグライトになるそうです。
その後も川端さんのスターウォーズ・ランタンコレクションとか・・・
さらに映画談義から国防総省UFO動画公開談義からウィルスと人類の歴史から・・・
さらさらにガルパンからコトブキから64式から89式から20式から壱式から宇宙創成から・・・
と、延々とヨタ話は続き・・・
ワイン後のバーボンを空ける頃には午前3時となり、ようやく各自就寝・・・
翌朝は9時過ぎにまったりと起床、前夜買い出しのパンやコーヒーや甘味やバナナでの朝食後も、
さらに延々とダベり続け、2時過ぎに再度コンビニまで買い出しに行って・・・
かなり遅めの昼食宴会・・・
その後も延々ダベってたのですが、わたくし以外は翌日からお仕事つーことだったので、
日没前には、いちおー解散して神戸wing邸へ・・・
まあ、こちらでも延々とライト談義は続いてましたが・・・
って、お二人のライト類は古い型番のも含めて、この間さらに増殖してたのね・・・
今回のOFF会も含め、この間の
2020年03月10日
南ドイツからライトセーバー対決へ???
今回は南ドイツからライトセーバー対決へ!!!記事であります。
??????
ま、いつものライト仲間が先週末に神戸で南ドイツ料理を味わいライトセーバーで遊んだ・・・
とゆーハナシなんですが・・・
川端さんから「土曜日の午後ヒマになったので遊びませんか?」と声がかかり、red-bicycleさんは
お仕事で、今回はわたくしとwingさんと川端さんの3人が神戸wing邸に集合・・・
まずは、わたくしが以前から行ってみたかった、ご近所にある南ドイツ料理のお店へ・・・
南ドイツ料理とドイツ樽生ビールの「エルナ・アドリアーン」であります。
wingさんによると「何度か来てますが、なかなか予約が取れないお店です。」とのことでしたが、
昨今のご時世で、昼食にはやや遅い時間だったこともあり、当日でも何とか予約できた次第。
メインフロアは4人掛け8テーブルなんですが、昨今のご時世で使うのは3テーブル3組だけにして、
空間を充分に確保しているとのことで、テーブルは空いてるのに、先客の1組が食べ終わるまで
少し待つことになりました。
ふだんなら予約で満席、予約もなかなか取れない人気店なのに、じつにご苦労なことです。
と、我々は昨今のご時世にも感謝しつつ・・・
とりあえずオススメの南ドイツ料理ランチセットを注文、飲まない川端さんを差し置いて・・・
「さてさて、どうしましょうかね、じゅるじゅる」と二人で相談してると、
「2杯以上飲まれるなら飲み放題がお得ですよ。」とアドバイスをいただいたのですが、
「いやあ、お昼から2杯も飲むなんて、そんな大それたことは・・・」
「では、当店オススメのイルルバッハはいかがでしょう。」
「はいはい、それを1杯ずつでいいです。なにせお昼ですしね・・・ま、大きい方で・・・」
と、まずは二人で・・・
ざっはぁ、ぷろーすとぉ!!!
あいんぷろーじっと、あいんぷろーじっと、でみゅーとりっひ、かいと・・・
と、今回は南ドイツ料理を詳しく?ご紹介・・・
ジャガイモのスープ・・・
パン・・・
生ハムとコロッケ・・・
ソーセージとザワークラウト・・・
ハンバーグ・・・って、わたくし2杯目にアインベッカーを飲んでますね・・・
お向かいのwingさんは・・・
オススメのドイツ赤ワインなんぞを・・・誰だっ、一杯だけとか言ってた輩は・・・
とまあ、
詳しい料理の解説もあったのですが、まあ飲食に夢中だったもので・・・
ともかくおいしい南ドイツ料理とドイツビールでした・・・げふっ
と、お腹いっぱいになってwing邸に戻り、いつものようにダベりつつ・・・
なんと今回は・・・
川端さんがライトセーバーを5本も持参されてました!!!
ええ、wingさんに再度のMODなんぞをお願いするとかで・・・
川端さんがスター・ウォーズのライトセーバーにハマっておられるのは知ってましたが、
これだけ並んだのを見ると、ライト好きがライトセーバー好きになるのも分かりますねえ・・・
スター・ウォーズ第一作の日本公開前から、当時のSF研などはすっかり盛り上がってて、合宿や
SF大会では手作りのライトセーバーで遊んでたのですが、当時はとーぜんLEDなんかはなく、
発光ギミックさえまず不可能でしたが、今は本体も光刃も各作品のモデルが正確に再現されてて、
ギミックも満載、様々な音や光を楽しめるだけでなく、重力センサーやタッチセンサーが付いてて、
それなりの強度があるタイプ同士なら、映画のシーンさながらの戦いも楽しめるようです。
で、実際に触らせてもらうと、これがほんとによくできてるんですね。
起動するとシュイーンとゆーサウンドとともに光刃が出てくるし(そのスピードも可変だそうです。)、
振り回せばヴォン、ヴォンと鳴るし、切り結べばバチッ、ジジジジと鳴って光色が変わるし・・・
さらに本体からメインテーマやダースベイダーマーチなどが流れる設定にもできるそうです。
ま、川端さんは練習用とギミック楽しみ用と実戦用?とかで使い分けておられるそうですが・・・
特にわたくしが感動したのが、上の画像の中央にあったこちら・・・
そう、映画第一作でルーク(アナキン)のライトセーバーとして使われた・・・
カメラ用グラフレックス・フラッシュの実物で、極めてレアな骨董品であります!!!
そう、映画第一作では、これを少し加工しライトセーバーにして撮影してたのでありますね。
デジタル世代は知らないでしょうが、使い切りマグネシウム・バルブを電気発火させるフラッシュは
ストロボ(スピードライト)が出てからも、大光量を必要とするプロカメラマンが使ってましたので、
低予算の中、当時はジャンク品とかを安価に入手できたんでしょうね。今は稀少な骨董品ですが・・・
で、wingさんの磨き技とMODにより骨董品が見事に再生したとのことで・・・
本来の単2乾電池3本(3C)だけでなくリチウム18650電池でもLED電球が発光するのですが・・・
「あとは右端のレプリカ品と同じ外観にしてもらって・・・まあ、カメラマニアは貴重なグラフレックスが
次々とライトセーバーマニアに改造されるのを嘆いておられるようですが・・・むひひひ
それとマグライトの3C新品も置いていきますので、こちらは光刃をRGB切り替え仕様に・・・」
「忙しいwingさんになんとゆー無理難題を・・・といいつつ、わたくしが森のプーさんに改造してもらった、
ストリームライトのサイクロンも、最新の仕様にしておいてね!!! げひげひ」
と、自室で悩み続けるwingさんを残し、わたくしと川端さんはそそくさと退散した次第。げひひひ
いやあ、今回もじつに楽しかったです。
送迎いただいた川端さん、無理難題を引き受けていただいたwingさん、ありがとうございました。
あっ、サイクロンのリニューアルは春のキャンプまでにお願いしますね!!! べひべひ
2020年02月14日
千の顔をもつ英雄
とーとつですが「千の顔をもつ英雄」上下巻であります。
ジョゼフ・キャンベル著 平田武靖/浅輪幸夫監訳 人文書院 1984年初版発行、であります。
そう、ジョージ・ルーカスはじめ、様々なクリエーターに大きな影響を与えたといわれている本で、
最近では早川書房から新訳版も出てるようですが、わたくしが借りたのは旧訳版でした。
例によって目次だけ・・・
訳者あとがきによると、
「さまざまな英雄伝説でしめされたプシュケの運動を深層心理学とくにユング派心理学の立場を
援用しながらあきらかにしようとし、あわせて衰弱した現代文明の再生原理の提示を試みた野心的な労作」
だそうです。ええ、わたくしにはけっこう難解でした。
第一部は「英雄の冒険」・・・
世界各地の神話や伝承にある英雄伝説は、目次にあるとおりの順番で(もちろん一部が省略されたり
強調されたりはしてるものの)ストーリーが構成されているというもの。
ま、各章で実例として知らない神話や伝承が紹介されてましたが、例示としての部分的な紹介で、
ひとつの物語として楽しむこともできず、通しで読むのに疲れてしまったのですが・・・
第四章にまとめ部分があったので、その一部をわたくしなりにメモしておきます。
・英雄は小屋や城から抜け出し、
・冒険に旅立つ境界へ誘惑されるか拉致される。
・道中を固めている陰の存在に出会う。
・これを打ち負かすか宥めるかして、
・生きて闇の王国へ赴くか、殺されて死の世界へ降りていく。(境界を越える。)
・未知だけど奇妙になじみ深い(超越的な)力の支配する世界を旅する。
・様々なおびやかし(テスト)と援助(救いの手)がある。
・最低部に至ると、もっともきびしい試練を受け、その対価を克ちとる。
・勝利は母なる女神と英雄との結合(聖婚)であり、
・父なる創造主による承認(父親との一体化)であり、
・聖なる存在への移行(神格化)であるが、
・逆にその力が敵意を持ったままであれば、その力や恩恵を奪い取る。
・もし祝福されていたのなら、その力の特使となって帰還するが、
・逆ならば、追跡を受けながら変身したり障害を設けたりして逃走する。
・帰還の境界では超越的な力は背後に残る。
・こうして英雄は帰還または復活する。
・英雄が持ち帰った恩恵が、この世を復活させる。霊薬(エリクシール)
いかがでしょうか?
そう、さまざまな物語やロールプレイングゲームなどの基本がここにあるんですね。
これが旧約聖書やギルガメシュ、ギリシャ神話、古事記ほか様々な民族の神話に共通する英雄伝説
であるということが、古今東西の膨大な例から述べられています。
ちなみに第二部は神話や伝承における宇宙の誕生と消滅、英雄の立場などが詳述されてましたが、
門外漢にはイマイチでしたし、エピローグもわたくしにはあまり理解できませんでした。
ま、1948年の出版物という社会的な背景もあるんでしょうが・・・
前回紹介したスターウォーズ・シリーズにせよ、はたまた前々回紹介した風の谷のナウシカにせよ、
ついつい、わたくしが引き込まれる世界つーのは、作者が意図していたか否かにかかわらず、
このストーリーか、その一部を強調したものが多いです。
そう、この本は映画「スカイウォーカーの夜明け」公開記念のテレビ番組で紹介されてたもので、
その魅力を探ってみようと読んだ次第ですが、以前紹介した「古代の鉄と神々」も神話が中心ですから、
わたくし最近は神話の世界にハマって、不摂生な現実から逃避しようとしているのかも・・・