2024年09月12日

ゴルゴ13と・・・

前回記事からの続きつーか、むしろ前々回記事からの続きつーか・・・

9月7日、堺市役所展望ロビー南側で開催されたマレーシアごはんトークイベント終了後は、

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ハニワ部長の案内で百舌鳥古墳群を!!!

ではなく・・・


展望ロビー北側に廻って・・・

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98k部長???の案内でゴルゴ13をば!!!

そう、こちらでは、ゴルゴ13×堺市~さいとう たかを 劇画の世界~
とゆーパネル展示が開催中(2年前から常設展示)なのでありますね

さいとう・たかを・・・ゴルゴ13・・・
わたくし世代にはまさにバイブルで前々回記事も、前々前回記事もその延長上かもです



と、さっそく展示会場へ・・・

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入ってすぐ左の展示スペースには、もともと鉄砲(火縄銃)や刃物類が展示されてましたが、
今回は何とゴルゴ13のウェポン・コレクション展示に!!! さすが鉄砲町だった堺です

もちろん劇画作品などは著作物なんですが、撮った画像に「#ゴルゴ13堺市」をつければ、
SNSなどにも投稿可能とありましたので、以下の画像につけさせていただいてます

さいとう・たかを・・・

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#ゴルゴ13堺市

堺のご出身で2021年に亡くなられたんですね
ちなみに
デューク「東郷」は、子どものころ可愛がってくれた先生の名前からとありました


会場にはゴルゴ13だけでなく・・・

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#ゴルゴ13堺市



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#ゴルゴ13堺市

サバイバルなどの作品も展示されてましたが、メインはやはりゴルゴ13・・・
中でも、わたくしが惹かれたのは作品でデューク東郷が使った
銃の一部を展示する、
ウェポン・コレクションのコーナーでした


で、最初に展示されてた銃はアーマライトM16A2カスタム

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#ゴルゴ13堺市




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#ゴルゴ13堺市



中央の赤い弾痕から展示スペースを覗けば・・・

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#ゴルゴ13堺市





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#ゴルゴ13堺市

(超広角レンズを持ってないので長物は分割撮影に)



で、二丁めの銃は同じくアーマライトM16の変形銃


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#ゴルゴ13堺市




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#ゴルゴ13堺市

やはり銃を構えるときの効果音は「チャッ」でキマリですね




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#ゴルゴ13堺市




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#ゴルゴ13堺市




三丁めの銃はAK-47


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#ゴルゴ13堺市

で、「チャッ」のあとの効果音は「ズ
キュウーン」でキマリ



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#ゴルゴ13堺市


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#ゴルゴ13堺市

ジョシュ・ダフィーは短銃身・折りたたみ銃床タイプを選択してましたね


で、展示最後の銃がS&W M36チーフス・スペシャル

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#ゴルゴ13堺市


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#ゴルゴ13堺市

M16、AK47、SWチーフは、わたくしでも昔トイガンを買って夢中で遊んでたぐらいで、
アクション映画などではおなじみの銃ですね

西部劇ならウィンチェスターM73とコルト・ピースメーカー、第二次世界大戦を描いた映画なら、
サブマシンガンはMP38/40対トンプソン、拳銃はルガーP08やワルサーP38対コルト・ガバメント、
小銃はモーゼル98k対MIガーランド、機関銃はMG34やMG42対ブローニングM2、さらに
米軍対ドイツ軍以外になるとですね・・・くどくど

(キリがないので閑話休題)


以下はゴルゴ13のパネル展示からランダムに一部を紹介・・・

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#ゴルゴ13堺市



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#ゴルゴ13堺市




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#ゴルゴ13堺市





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#ゴルゴ13堺市





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#ゴルゴ13堺市




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#ゴルゴ13堺市




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#ゴルゴ13堺市




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#ゴルゴ13堺市





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#ゴルゴ13堺市





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#ゴルゴ13堺市





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#ゴルゴ13堺市




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#ゴルゴ13堺市

そう、わたくしも日本を代表するハードボイルドらしく「俺は一人の呑んだくれだ」

つーことで、気分はすっかりマレーシアのデューク東郷???になりきって???


堺東の駅前商店街をふらふらと・・・

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こんな看板があれば、ついつい・・・



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そう、看板メニューの浜焼セットなんぞで・・・

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この日、楽しませてもらった音さん熊さん、故さいとう・たかをさんに感謝を込めて






m98k at 12:35|PermalinkComments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック カメラ・映像・音楽 | ミリタリーグッズ

2024年09月09日

マレーシアごはん紀行展&トークイベントに!!!

とーとつですが・・・

堺市役所で開催されてた「マレーシアごはん紀行展&トークイベント」に行ってきました!!!

マレーシア料理フードライター古川音さんの「ごはん紀行パネル展示」とトークイベントで、
ボルネオ島サラワク州クチンのN嶋さんからイベント情報を教えていただいてた次第

事前申し込み(定員50名)には多くの応募者があったようで、抽選の結果めずらしく当選、
9月7日の昼過ぎに(植林ボランティアツアーでは酒類調達担当の)H田さんと合流し堺東駅前へ

まずはマレーシア料理・・・ではなく15年前に堺エリアを担当されてたH田さんオススメの・・・

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裏通りにあるカウンター7席だけの小さな「かつ丼専門店」へ


すでに1時を過ぎてましたが満席で20分ほど待ってから中に入れば・・・

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メニューは3種類のみでオススメのかつ丼に玉子追加50円、味噌汁50円を注文



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食通のH田さんが通い詰めてただけあって確かに絶品でした


で、会場の堺市役所21階展望ロビーで受付を済ませ・・・

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60mほどの高さでは、まだまだ世界遺産になった前方後円墳の全容までは分かりませんね


と、まずは豊富なパネル展示を一巡したのですが・・・

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詳しくは古川音さんの上記リンク先や「マレーシアごはんの会」サイトをご覧いただくとして、


当サイトではおなじみのサバ州コタキナバルとサラワク州クチンのコーナーのみご紹介・・・

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わたくし憧れのサゴヤシ・ゾウムシ幼虫の生食も試されたとか・・・




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コタキナバル⇔クチン間は何度か行き来してるのですが、どちらでもまだ食べてません




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ええ、クチンのパネル展示には・・・



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大好きなサラワク・ラクサやコロミーついでにN嶋さんも紹介されてました


で、定刻の2時になり音さんのスライド・トークがはじまりました

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以下、おさらいの意味で基本情報のスライドのみご紹介・・・

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マレーシアはマレー半島南部(西マレーシア)とボルネオ島北部(東マレーシア)にまたがる
12州による連邦国家・・・(シンガポールとブルネイは連邦に加盟してません)



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まさに多民族国家であります




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そう、ボルネオ島は本州の4倍近い世界3位の大きな島(本州は7位)ですが大部分はインドネシア領で
(インドネシア語ではボルネオ島はカリマンタン島、ジャカルタからの首都移転計画が進行中です)、
マレーシア領は島の北部サバ州とサラワク州(東マレーシア)だけになるので、マレー半島南部
(西マレーシア)とあわせても、国の面積としては日本の0.9倍なんですね



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35日間ずっと現地のマレーシア料理を食べ続けてたのね・・・
で、終着地サラワク州クチンでは我々が4か月後に食べた、あの絶品サラワク・ラクサ



以下は事前の質問に対する回答スライドの一部・・・

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ナシチャンプルはマレー語、経済飯は中国語、ナシカンダーはヒンドゥー語・・・
どれもワンプレートですが民族宗教でおかずの素材や味付けが異なるのが嬉しいです




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そう、付いてる小皿の激辛ソースを全量入れると、たいてい悲惨な結果になりました



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確かに慣れれば手食のほうが骨を取り分けたり、ご飯と混ぜたりしやすそうですね
でも麺はすするほうが美味しいと思うのですが・・・
わたくしがご飯の誘いを断ることはまずないけど、お腹がいっぱいでも断るよりは一口でも
一緒に食べた方がいいそうです

民族や宗教や言語が違っても一緒に暮らせるなら個人の違いも認めて尊重しあえるだろうし
ご飯を一緒に食べるというのはイタリア人も一番大事にしてます


と、最後に(たまさんも好きそうな)マレーシアのおやつ一覧

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と、音さんのマレーシアとマレーシア料理に対する情熱と愛情がひしひしと伝わってくる、
じつに楽しくて興味深いスライド・トークで、2時からの50分があっとゆー間に過ぎて、
その後は10分間の休憩・・・


ま、せっかくなので・・・

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音さんとのスリーショットをサバ州サラワク州パネルの前でお願いしたりして・・・


で、3時からは音さんと在日マレーシア人の熊さんとの二人トークでした

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以下、うろ覚えの熊さんのお話を中心に、忘れないうちにメモ・・・

・熊さんはマレーシア北部ペラ州の州都イポー出身で、日本に来られて30年以上になるとか
(音さんとの二人トークは10年ぶりだそうです)

・イポーに多い中華系マレーシア人で漢字の「熊」が本名、日本語では「クマさん」だけど、
客家語、広東語、福建語、マレー語で「わたしの名前は熊です」と話してくれましたが、
まったく異なる発音になるんですね

・自宅では親同士は客家語で話し、子どもたちには地域で使う広東語で話しかけ、小学校では
北京語とマレー語と英語が必須科目、中華系の小学校だったので習うのは3言語だったけど
マレー系の小学校はマレー語と英語だけだった(マハティール政策の頃?)

・習う北京語は小学校4年生の時に繁体字から簡体字に変わったので、どちらも読める

・街で人と話すときも通じなければ別の言語で、または顔を見てインド系なら英語とか・・・
(インド系の小学校ならヒンドゥー語と
マレー語と英語の3言語なんでしょうね)

・熊さんの親の世代ぐらいまではマレー語の読み書きができない人も多く、
出生届に行っても、
公務員はマレー系が多いので、漢字の発音を聴いて適当なマレー語で登録されてたとか・・・

・公務員にマレー系が多いのは政府の優遇政策もあるけど、中華系は公務員を目指すより
自分で起業を目指す人が多いから、とも質問に答えておられました

・大学を出て2年間は東京にいたけど大阪の方が親しみやすくて、こちらで暮らすようになった

・今は奥さんの出身地の神戸に住んでるけど大阪の方がイポーに似ていて好き
(昔、企業で東南アジア勤務が長かった社員は、いきなり東京本社に戻さず似た雰囲気の
大阪支社で日本の仕事ぶりに慣らしてから戻していたとか・・・
都市伝説かもですが)

・日本人の奥さんはマレーシア料理が好きだけど自分も作れないので教えられない

・・・

で、音さんが紹介を忘れててトーク終了後に追加されてた関西のマレーシア料理店
(わたくしも記事アップを忘れてて追加しました)

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「マレーシア ボレ」には4年前に行って飲み過ぎたなあ・・・懐かしいなあ

音さんも人と同調するのがつらかったけど、マレーシアに行ってからは「違っていいんだ」
「違うことが当たり前で暮らしていけるんだ、付き合っていけるんだ」と大好きになって、
それ以来マレーシアとマレーシア料理にハマっておられるとか・・・

美味しい料理も多民族の人たちの暮らしも、本来はマレー半島とボルネオ島の豊かな自然が
あってこそ持続可能なハナシなのですが、熱帯雨林の減少は今も続いています
本当の豊かな暮らしのために、できることを今後も考えていきたいと思いました

と、じつに有意義で楽しい時間を過ごせて、しかも予約していた参加者全員には、お土産に
ハニー・ジャックフルーツ・チップスまでいただきました・・・

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ええ、もう食べてしまったので空き袋の画像でしゅが・・・

音さん熊さん、イベントを開催いただいた堺・アセアン交流促進委員会事務局のみなさん、
イベント情報を教えてくれたクチンのN嶋さん、ありがとうございました

(当記事への画像掲載については関係者の同意をいただいています)



m98k at 13:22|PermalinkComments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 糧食、飲料 | 沙漠緑化・熱帯雨林再生

2024年09月07日

アーマード 生還不能

ま、前回記事からの銃器つながりつーか・・・

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アーマード 生還不能(上下巻)であります

そう、グレイマンなどの
マーク・グリーニーによる新シリーズ第一作!!!



下巻の奥付

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昨年6月の発行で12月発行のゲレイマン最新作(最終作?)より以前なんですね
わたくしは発行順ではなく図書館の予約順で読んでるので前後してます


で、物語は裏表紙カバーにある惹句のとおり・・・

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・・・と展開していくのですが、このミッションのウラに大きな策謀があって事態は二転三転、
やがてとんでもない展開に・・・わくわく、はらはら、どきどき

と、ハードなアクションシーンは大好きな
グレイマンシリーズと同じように楽しめましたし、
グレイマンは基本一匹狼でしたが、新主人公は家族持ちで経歴や個性もグレイマンとは異なり、
さらにリーダーとしてチームをまとめた経験がなく最初は苦労するのですが、その人間性から
徐々に信頼されていく過程も面白く、現地の麻薬栽培や貧困や搾取の実情もリアルで迫力があって、
最後まで一気に読んでしまいました

小説なので迫力あるシーンやストーリーは紹介できませんが、上巻の惹句の末尾にある、
「ひとくせあるメンバーばかりのチームを率いて出発する」際に、銃器を選択するシーンのみ

登場人物の
一番上ジョシュ・ダフィーが主人公で、以下の5人が彼のメンバーになります

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で、下巻の表紙絵にある装甲人員輸送車(インターナショナル・アーマード・グループIAG製
ガーディアン・モデル)
車列5台中、最後尾車両を担当するCチームのリーダー(チャーリー1)
になった
主人公が現地の武器庫で、今回の作戦(移動警護の最中に麻薬カルテルに襲撃される
可能性が極めて高い)に応じて、メンバーに指示した銃器とメンバーたちの選択・・・

・狙撃手ウルフソンにはサブマシンガンとスナイパーライフルを指示
ライフルは10倍可変倍率スコープ付きHK417、サブマシンガンはスコーピオンを選択

・衛生担当フレンチーにはスコープ付きのカービンを指示
→(フランス海軍コマンドと外人部隊の将校だったので)扱いなれたFA-MASを選択

・後部銃手クルーズはベルト給弾式のMk48軽機関銃を要求
→銃塔を後方に旋回するまでの時間稼ぎをするよう指示して
Mk48軽機関銃承認

・運転手ナスカーには銃身の短いライフル(サブマシンガンではなくカービン)を指示
(運転しながら
銃眼から突き出して遠くを撃てるもの)
→10.5インチ銃身のAR-15を選択

・上部銃手スクイーズには銃塔へのMk48軽機関銃の取付けとルーフハッチ下部へのM32
グレネネードランチャーのセット、折りたたみ銃床サブマシンガンの所持を指示


・全員の拳銃にはサブマシンガンと同じ9mm弾を使うグロックかS&WかHK製を指定

・助手席に座る自分は最も信頼できる
AK-47(折りたたみ銃床・短銃身タイプ)と、移動中は
股に挟んで所持するポンプアクションのショットガンを選択

で、出発前夜に医療品や予備の水や弾薬など、あらゆる装備の車内での置き場を工夫して、
「ひとくせあるメンバー」のチームリーダーとして少しは認められるようになるのですが・・・



m98k at 11:07|PermalinkComments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 書斎 | ミリタリーグッズ

2024年09月03日

世界映画・拳銃大図鑑

とーとつですが・・・

過日、Bullittさんが某SNSでバイブルとして紹介されてて、まだ読んでなかったもので、
いそいそと図書館で借りてきた・・・

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世界映画・拳銃大図鑑~小林弘隆ベストワーク集~であります

イラストレーターの故・小林弘隆(イラコバ)さんの作品集で、作品の本人コメントをはじめ、
他のガンフリークや映画フリークの方々が、思い出やウンチクを書き綴られた本でした

で、表紙イラストはテレビドラマ拳銃無宿のスティーブ・マックイーンとウィンM73ランダル
イラストにあった本人コメントには「(ドラマの設定時代には存在しない)M92だし、しかも
ベルトのカートはウィンチェスター弾ではなくスプリングフィールド弾だし、ここまでくれば
嘘も完璧」とか・・・他の映画やテレビドラマの嘘紹介もいっぱいでした

(ちなみにわたくしが当時の西部劇番組で僅かでも覚えてるのはローハイドと
ララミー牧場で、
なぜか
拳銃無宿を観た記憶がないのですが・・・)


で、
裏表紙のイラストはハンフリー・ボガート

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カサブランカのリックでしょうか・・・ポケットにはM1903だったか・・・


奥付

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著者が1994年に亡くなられてから故人と繋がりのあった有志らが3年がかりで資料を集めて
1997年に発行された本であります


で、その企画・編集が当時の「映画秘宝」編集部にいた町山智浩さんだったんですね・・・

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例によって目次のみの紹介

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名作、名優、名銃からマイナーな作品、俳優、珍銃まで、まさにマニアックな世界でした

イラスト作品にある本人の手書きコメントも、他の執筆者による思い出話やウンチク話も、
どれもが懐かしくて嬉しくて、隅々までじっくりと楽しめました

で、末尾にあった本書で紹介されてた映画ドラマ作品(もちろん1997年まで)
の索引
(著作物なので公開に問題があるようなら非公開設定にします)

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ええ、これら全作品に出てくる拳銃すべてのウンチクがたっぷりと・・・
まさにバイブルですね・・・うるうるうる


思い出のP.S
わたくしがはじめて買ったモデルガンはMGCのワルサーP38アンクル・タイプでした
中学生の頃はテレビドラマ「0011ナポレオン・ソロ」に夢中で(コンバットにも夢中でしたが)
タカラモノにしてたのですが、友人に貸したら夜中に屋外で発火させて遊んでたようで、
警察に補導されて翌日にはわたくしも職員室に呼ばれ、結局モデルガンもそれっきり・・・

で、社会人になってはじめて(初任給で)買ったのがMGCのM16で、こちらは当ブログサイトの
記念すべき第1号記事になってます 
記事にしてからでも、もうすぐ20年か・・・うるうるうる




m98k at 21:25|PermalinkComments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 書斎 | ミリタリーグッズ

2024年08月30日

戦争と交渉の経済学

とーとつに前回記事までとは真逆の世界・・・じつは同じ世界でもあるわけですが・・・

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Why We Fight  ~The Roots of War and the Paths to Peace~

戦争と交渉の経済学~人はなぜ戦うのか~とゆー本の(部分)紹介であります



表紙カバー裏にあった惹句

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そう、この数十年間の経済学・政治学・心理学の研究結果は、これまでの直感とは異なり、
「人々はめったに戦わない」、「戦争の原因は少なくたった5つしかない」ということだった、
で、この5つの原因に取り組むことで暴力の動機を減らし取引に向かう動機を増やせることを
実例とともに明らかにする・・・という内容の本でした


裏表紙カバー裏にあった著者・翻訳者紹介

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奥付

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例によって目次のみ

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本文だけでも450頁、原注や参考文献も含めると550頁ちかい大著でした

理屈だけでなく実際に現地で取材した事例が各章に出てくるので説得力がありましたが、
古今東西の戦争理論や経済理論の嚙み砕いた解説もあって、ともかく膨大な情報量・・・

つーことで・・・図書館への返却期限もあることだし・・・

第1部メインの2章から6章は飛ばし読み、第2部はキーワードのみ拾い読みしましたので、
以下はごく一部の読後メモになります
例によって読み違いも多いので、興味を持たれた方は本書の熟読をお願いしますね
(著作物からの自分用メモなので公開に問題があれば非公開設定にします)


第1部の序章より

・シカゴの若者グループ同士の殺し合い、北部ウガンダの暴力で学んだこと
→社会の成功とは、単なる富の拡大ではなく、
→自分の11歳の娘が反政府組織によって奴隷にされないこと
→通り過ぎる車からの銃撃や流れ弾に怯えず家の前に座っていられること
→警察や裁判所や市役所に行けば曲がりなりにも正義を求められること
→政府に住んでいる場所から追い出されて強制収容所に押し込められないこと
→これが「自由としての開発」(アマルティア・セン)→暴力からの自由は重要

・武力紛争は人々を貧困に追い込み社会の発展を損なう
→これは国にも都市にも当てはまる
→「国家を最も野蛮な段階から最も豊かな段階に引き上げるのに必要なのは、
平和と安い税金と反発を招かない司法の運営だけである」アダム・スミス1755年
→繁栄と平等な権利と正義の実現には必然的に戦争について考えなければならない

・本書における戦争の意義(定義)
→「集団の間での、長期にわたる、あらゆる種類の暴力的な争い」
(集団には村、氏族、ギャング、民族、宗派、政治的党派、国家などを含む)
(個人の争い、短期間の小競り合い、暴力的ではない熾烈な競争などは含まない)

・具体的に考察するのは、
①北アイルランドの過激派
②コロンビアの麻薬カルテル
③ヨーロッパの専制君主
④リベリアの反乱軍
⑤古代ギリシャの寡頭政治家
⑥シカゴのギャング
⑦インドの暴徒
⑧ルワンダの大量虐殺者
⑨イギリスのサッカーのフーリガン
⑩侵略者としてのアメリカ

・戦争は例外であり通常は選択されない
→現実には最も激しく対立する敵同士でも非暴力的に争う方を選ぶ
→この事実は忘れられがちで回避された無数の衝突について書かれた本は少ない

・近接して対立する2つの集団で、実際に武力衝突が起きた組み合わせの数
→アフリカの民族抗争では2000組で年間1組
→インドの宗派衝突では年間1000万人あたり1件未満で死亡率はせいぜい16人
(アメリカ大都市の殺人発生率は少なくとも10万人あたり16人でインドの100倍)

・国家間レベルでも同じ
→アメリカとソ連、パキスタンとインド、南北朝鮮、南シナ海、アフリカ植民地・・・
→回避された武力衝突は無数にあるのに失敗だけに注目する選択バイアス
→この
選択バイアスでは戦争の原因と平和への道筋を誤解してしまうことになる
→成功例にも失敗例にも見られる要素はおそらく戦争の原因ではない

統計学者エイブラハム・ウォルドによる大戦中のB17爆撃機の補強への指摘
→帰還したB17の胴体と翼への弾痕が多かったので軍はその部分の補強を命じた
→ウォルドは逆に弾痕の少なかった操縦席やエンジンへの補強を主張した
操縦席やエンジンへの被弾で撃墜されているのに軍が生存者バイアスで選択していたから

・戦争に関しては逆の失敗バイアスで選択しがち
→武力衝突の回避に失敗した(撃墜された)弾痕(貧困・不満・銃など)だけに注目している
→実際には虐げられた者が蜂起することはめったになく、若く貧しい民衆煽動家のほとんどは
反乱を起こさず、重武装した集団でも武力衝突より冷戦を選んでいることに注目すべきなのに
失敗バイアスで選択している→回避に成功した要因にも注目すべき

・重武装している集団が非難し合い、脅し合い、武器をひけらかすのは普通のことだが、
流血や破壊は普通のことではない

・私が望むのは、読者があらゆる場面でこの事実に注目することで、(それにより)
→多くの大言壮語や好戦的な言説の中に講和を主張する政治家の意見があることに気づくかも
→敵対する集団同士が短期間ミサイルを撃ち合ってから攻撃を止めた事例に目がとまるかも
→「陛下、和平です」と耳元でささやく顧問官、老練な将軍が若く血気はやる将校にどんな
悲惨な事態が待ってるかを気付かせるシーンにハッとするかも・・・
→一番わかりやすいのは「戦費が賄えません」と冷静に指摘する財務担当者や金庫番の姿かも
→こうした葛藤やコストが敵対し合う集団を妥協へと向かわせる

・殆どの状況で講和を求める声が勝るのは戦争が破滅を招くから
→互いにヒートアップして小競り合いが起きても殆どは冷静な判断が優勢になる
(1つの戦争の裏では1000の戦争が話し合いと譲歩で回避されてきた)
→戦争を長引かせて国の利益になったことはない(孫子)
→長い議論の方が
長い戦争よりまし(戦前のウィンストン・チャーチル)
→政治は流血のない戦争で戦争は流血を伴う政治(毛沢東)
→戦争は他の手段による政治の継続(毛沢東が読んでいたカール・フォン・クラウゼヴィッツ)

・7000年前の都市文明では戦う騎馬遊牧民を常に金で追い払い略奪から都市を守っていた
→多くの帝国は戦うか服従して貢物を差し出すかの選択肢をまず小国に示した
→町や村で殺人を犯した者の一族は被害者の遺族に賠償金を払い報復の連鎖を避けた

・ヨーロッパの平民と貴族の何世紀にもわたる闘争
→歴史家は農民の反乱に注目しがちだが、それは貴族が譲歩を拒んだ僅かな事例にすぎない
→ヨーロッパのゆっくりした民主化は、反乱を伴わない長期にわたる革命の連続と言える

・各国は戦争より相手を懐柔することを選んだ
→しばしば強い国は弱い国の領土を銃を撃たずに奪ったが弱い国は不本意ながらも従った
→ヨーロッパでは植民地を巡る戦争を避けるため会議で穏便に分割した
→アメリカはロシアからアラスカ、フランスから中西部を買収して、スペインからキューバも
買収しようとしたけど・・・

・現代の領土問題はさらに微妙→埋蔵資源、水資源、海洋など・・・
→アメリカ・ロシア・中国などの覇権国家が弱小国に様々な圧力をかけている
→不公正だが弱小国の選択が武力行使であることは殆どない
→国内では政治的党派が巧妙な手段で
不公正に再分配しているがこれも平和的な取引

・残念なことだが平和は必ずしも平等や公正を意味しない
→世界は残酷だが平和な不公平にあふれている
→軍と政府を掌握する少数民族による多数民族の支配、上流階級による生産設備などの独占、
軍事的超大国による他国への自国世界秩序の押し付け・・・
→それでも革命の犠牲とリスクは大きすぎるので反乱より妥協を選択している

・殆どの場合に妥協が選択されるのは双方の集団が戦略的に行動するから
→先を読み、相手を見極め、予測して行動を決める→ゲーム理論→
完全ではない
(特殊な状況においては戦うことが最善の戦略になる→後述)
→本書の枠組みは基本的にシンプルな戦略ゲーム
→どんな事例にも根本には自分たちの利益を追求する人間の衝動があるから

・政治的解決が失敗する理由は5つに限られる(第1部の2章~6章で証明→略)

第1の理由 抑制されていない利益
→和平へのインセンティブは戦争による犠牲だが、それを決定する人々が集団の他の人々に対して
責任を負わない場合は、犠牲や苦難をある程度は無視できる
→彼らが武力衝突で利益を得ようとしている可能性もある
→このような
抑制されていない支配者(の利益)が武力紛争の最大原因の1つ

第2の理由 無形のインセンティブ
→暴力により、復讐・地位の獲得・支配など「無形の目的」を達成できる場合がある
→神の栄光・自由・不正との戦いなど「
無形の目的」を達成する手段が暴力の場合もある
→一部の集団にとって無形の報酬は戦いから苦しみや損失を取り除くものになる
→この
無形の報酬を最優先する集団は戦争の犠牲をいとわず妥協を拒否する

第3の原因 不確実性
→敵の戦力や戦意の程度が分からない場合や、自分が相手と同じ情報を持っていない場合は
不利益であっても攻撃が最善の戦略になる場合がある(ポーカーのブラフで降りないのと同じ)

第4の原因 コミットメント(確約や公約)の問題
→双方が戦争による破滅を避けるための政治的取引を望んでいるが、その取引がまったく
信用できない状況
(こちらが攻撃しなければ敵は何を約束するか、敵とは約束できないし、たとえ約束しても、
それが信用できないことを、双方がわかっている場合)

第5の原因 誤認識が妥協の邪魔をする
→人間は自信過剰な生き物で、他の人々も自分と同じ考え、価値、世界だと決めつける
→大きな集団でも様々な誤った信念を持ってるので合意を見いだす能力を誤認識に奪われる
→敵を悪魔のように捉え邪悪な動機を持っていると決めつける
→競争や対立はこうした誤った判断をさらに悪化させる

・戦争に対する説明の殆どは、これら5つが姿を変えたもので、5つの分類は類型論
→すでに存在する膨大な理論や学説を整理したもの
→これら5つのいくつかが重なることで、平和の維持がますます困難になる
→脆弱なコミュニティや都市や国家で暮らすというのはそういうことなのだ

・原因ではないものを見分ける能力も必要
→貧困、資源、気候変動、民族分断、分極化、為政者の不正、武器拡散などは、少なくとも
それだけで平和インセンティブを阻害することはなく、武力衝突の火種はおそらく別にある
→戦争の回避に成功した例と失敗した例の両方に注目して戦略的思考を少し働かせる
(どの弾痕が生還した飛行機にあったもので、どの弾痕が撃墜された
飛行機にあったものか)
→5つの基本原因に焦点を絞ること

・5つの論理について検討する最大の目的は、なぜ安定して平和で繁栄した社会が存在するのか
を理解し、どうすれば暴力的な社会をそうした社会に変えられるかを考えだすこと
→それが第2部のテーマで
第2部のメッセージはシンプル
→「安定した社会の集団は激しく敵対していても武力衝突を起こさない」ということ
→村、ギャング、民族集団、都市、国家、世界は、武力衝突インセンティブを無効にする方法を
数えきれないほど編み出してきた・・・


第1部の第1章より(ガイダンス部分のみのメモ)

・コロンビア・メデジンの例(略)
→普通の本ならギャング抗争の流血の実態と原因を描くだろう
→公民権なき若者、銃、政治腐敗、秩序崩壊・・・
→実際には小競り合いが戦争にはならず99.9%をグループ間の交渉と取引で回避している
(殺人事件の発生率は多くのアメリカ大都市より低い)

・戦争より
交渉と取引、長期ストライキより譲歩、訴訟より和解→これがゲーム理論だが、
→「戦争の5つの原因」がそれぞれ別の形で平和的なパイの分割を阻害している

・第2章から第6章は「戦争の5つの原因」の解説(略)回避の失敗例を見ていくが、
①戦争は例外であって通常は選択されないこと
②悲惨な出来事ばかりが語られるが世界は意外に頑丈にできていること
③私たちの手には頼もしいツールがあり常に平和への引力が働いていること
→常にこれらを覚えていてほしい・・・


第2部からはキーワードのみランダムにメモ

・成功した社会が競争を平和裏に処理するために用いた方法
→①相互依存 ②抑制と均衡 ③規則の制定と執行 ④介入

①経済的、社会的、文化的に絡み合った「相互依存」(略)

②制度による「抑制と均衡」を通じた権力の分散
→選挙・多数決の民主主義国家でも権力集中の可能性はあり、非民主主義国家でも党組織、
地域の政治家、独立した軍部、大物資産家、巨大な官僚組織などによる権力分散もある
→制度による
抑制と均衡が重要
→事実上の権力の源泉は軍事力・動員力・物資力→この
抑制と均衡

③法、国家、社会規範といった「規則の制定と執行」のための制度
・メデジンの各ギャングは協定を制定して破った者に介入した→マシンガン協定
・人類最初の政府は、秩序を維持することで経済的利益を得る犯罪者の組織だった
→いずれも不平等で抑圧的だが有効性があり、秩序がないよりはましだった

・国連の安保理も
不平等で一貫性がなく偏向しているが、あるからより平和になっている
(国連の人権に関する法と規範、妥協成立に向けての支援、制裁、調停、平和維持・・・)

・「国連が作られたのは人類を天国に連れていくためではなく、地獄から救うためだ」
(国連事務総長だったダグ・ハマーショルドの好んだ言い方)

・階層的な同盟の集合である世界の国際システムはメデジンのギャング組織と同じ
→無政府状態ではなく地域的に平和と協力が実現されていると考えるべき

④5つの原因を無効にする「介入」のためのツールセット(暴力が発生しても止められる準備)
・戦争に介入する5つの手段(懲罰、執行、調整、インセンティブ、社会化)→略
→効果は期待より小さいが一つ一つの動きが少しずつ平和へ近づけていく

・内戦の鎮静化は大量殺戮の阻止・クーデターの封殺・独裁政権の転覆などとは目的が異なる
内戦の鎮静化に限れば、多くの場合は大規模な平和維持部隊が状況を改善する

・信頼とは裏切っても利益にならないと互いにわかること→信頼の醸成が調停者の役割

・腐敗した権力を取り込み新たな武力蜂起を防ぐ介入→平和の負の側面だが、
→腐敗の撲滅や民主化を急いで追求すれば、戦争に逆戻りする可能性もある
→短期的には武力抗争の終結を金で買うことができるが、それが安定して持続するかは不明
→レアルポリティークと理想主義のバランスが必要で、教育や小さな規則変更と並行して、
漸進的に改善していくことも・・・

・なぜ戦うのかを考える際に失敗に注目してはいけない(具体例は略)
→「○○が戦争を起こす」→それが妥協へのインセンティブになり得るかを考える
→貧しい人々が戦争を起こすのではなく、起きている戦争に加わって死傷者が増加する
→平和なときは飢えた人々を喜んで軍事組織に入れるが、行うのは戦闘ではなく訓練
→貧困の根絶などは戦争の終結には有効だが平和構築への効果は薄い→目的は暴力の回避

・武装勢力同士を戦わせて解決させる「決定的勝利説」には重要な視点が抜け落ちている
→解決までに果実を享受できず死んでいく人を無視している→生存者バイアスの一例
→戦争が平等社会、強い国家、技術革新を実現した時代だけに焦点をあてており、
それらに失敗した戦争は見過ごされている

・「戦争が国家を作る」説の対象は1400年代から1814年までの西ヨーロッパのみ
→それ以外の地域でも戦乱から、より適した政府やより平等な社会が生まれることもあったが、
殆どの長期間の戦争は、破壊により社会を脆弱にして没落や侵略を招き、一体性を崩壊させ
経済発展を遅らせただけ

・技術の進歩や強い国家など殆どの利益は実際の戦争ではなく(冷戦のような)激しい競争から
・戦争とは関係なく実現した安定性、平等、国家建設は膨大にある(特に戦後の平和な時代)


「結論」→すべての人のための原則として・・・私の「十戒」

①容易な問題と厄介な問題を見分けなさい
→天然痘の大規模予防接種は手順・成否・測定・追跡が容易だったが平和の創造は厄介な問題
→それをすぐに解決すると言う候補者には投票しない、性急な解決を求めない

②壮大な構想やベストプラクティスを崇拝してはならない
大規模予防接種など定型的手法が功を奏するので、それらのベストプラクティスに幻惑され
あらゆる状況に適合するスキームがあると思ってしまいがち
→カスタマイズせずコピーしただけの憲法・法規・制度は身の丈に合わず機能しない

③すべての政策決定が政治的であることを忘れてはならない
→官僚が賞賛され正当性を保つのは中立的に規則に従うときだが、政治に無縁な計画はない
→どんな政策でも必ず利害が生じ、新しい規則や介入はパワーバランスを変化させる
→多くの計画立案者がそのことを忘れ技術的な側面だけで最適な解決策を見つけようとしている

④限界を重視しなさい
→単に徐々に進めるのではなく「限界主義者」になること(老子・道徳経)
→投入リソース全体と得られる成果全体を比べるのではなく、リソースを僅かに投入した際に
どれだけの成果が得られるかに注目する人に
→小規模であまり効果がなければ大規模に、小規模でも何も変わらないよりはまし・・・

⑤目指す道を見つけるためには、多くの道を探索しなければならない
→探索し実験すること
→ミズーリ州セントルイスからオレゴン州ポートランドに行くのに必要なものは?
→今なら答えは簡単だが1804年に大統領トマス・ジェファーソンが探検家に命令した時点では
試行錯誤を伴ういくつかのチーム・ルート・装備・スキル・計画の検討が必要だった
→これが厄介な問題に取り組むときのアプローチ

⑥失敗を喜んで受け入れなさい(漸進的な試行錯誤の繰り返し)
→公共政策の失敗プロジェクトは無数にあるが無難な政策がいいわけではない
→試行と失敗の繰り返しを定型化して実行し無効なアイデアをふるい落とす(イテレーション)

⑦忍耐強くありなさい
→プログラムが簡潔で結果が得られる災害救援や選挙監視は短期間でイテレーションができる
→統治能力の構築やギャング殺人の低減といった分野で短期間で実験を行うのは不可能
→現実にはあり得ない短期間を期待する集団妄想では平和への歩みは速まらない

⑧合理的な目標を立てなければいけない
・南スーダン自治政府の例(2008年)
→有権者が政府に望むのは小学校の運営、村の診療所、道路の修復だった
→政治家は電力事業の経営、港の再建など10以上の部門の整備を考えていた
→国際的な寄付団体は2年以内に貧困・栄養不良・汚職を半減させるよう求めていた

・非現実的な目標を設定すれば成功した改革にも失敗の烙印が押され、国家に対する集団的な
信頼は確実に削り取られる
→すべてを優先するのは何も優先しないのと同じ
→学校や診療所の運営は非営利団体でもできるが治安維持、裁判制度、財産保護、暴力制御は
政府にしかできない
→政府の守備範囲と能力を考慮し、試行錯誤に寛容になり軌道修正を非難せず称賛すること

⑨説明責任を負わなければならない
・なぜ官僚機構はベストプラクティスにはまるのか、なぜ実験やインテレーションが少ないのか、
なぜ月並みな成果で満足する組織が多いのか→説明責任が少なすぎるから
・説明責任は分散させることでも生じる→多中心主義(エリノア・オストロム)
→平和のような厄介な問題ほど、一番近くで実験している者の判断が重要になる
→成功している援助組織は意思決定をできるだけ中心から遠ざけている
→優れた組織は下部に権限を委譲し重要な説明責任は上部が負う
(国連やアメリカなどと援助を受ける側の中央政府との関係は逆で、
中央政府の説明責任を
低減しており、地方政府への直接援助もできない仕組みになっている)

⑩限界を見つけなさい
→自分が影響を与えられる領域を見つけ、そこで世界に少しずつ働きかける
→次にどんな本を読むか、誰に投票するか、何に寄付するか、どこでボランティア活動するか、
あるいは政府や援助組織で働いているのなら、この「十戒」を取り入れて改善するか・・・
→あなたが踏み出すのは試行錯誤に満ちた自己発見の旅である
→あなたは自分で限界を見つけなければならない
→旅の幸運を祈る。そして、漸進的に平和を目指すことを忘れないように・・・

さてさて、この本を飛ばし読みした今の自分に何ができるか・・・
次にどんな本を読むか、誰に投票するか、何に寄付するか、どこでボランティア活動するか、
まずはそのあたりでしょうが、この選択を誤らないようにするためには氾濫する情報の中から
自分の選択バイアスをできる限り排除して冷静に取捨選択していかないといけませんね
判断できない場合は、とりあえず当サイトの読書メモのように並列しておくとか・・・




m98k at 18:05|PermalinkComments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 書斎 | 災害避難とか