2022年11月
2022年11月29日
コウノトリtoプチOFF会de基地祭へ!!!
コウノトリを見て、プチ・ライトOFF会で飲んで食べて、陸自の基地祭へ・・・
ええ、先週の土日に楽しんできましたので、さくさくっとご紹介!!!
土曜日の朝10時に神戸でwingさんをピックアップ・・・
「明石の溜池にコウノトリさんがいるとの情報なので、まずは寄ってみましょう」
とのことで明石西インターで下りて、とある溜池近くの駐車場へ・・・
一羽ぐらいは他のトリさんに混じっているのか、他の溜池も探さないと見れないのか・・・
と、心配しつつクルマを降りた途端、目の前に・・・
「あははは、いっぱいいましたね。ぱしゃぱしゃ」
「でも、あっけなく見つかると感動が少ないですね・・・ぱしゃぱしゃ」
と、しばらく撮影してたのですが他に望遠レンズや双眼鏡を持った人はいませんでした。
ここでは特に珍しくもない光景になってるんでしょうね・・・
ここは市街地の真ん中なんですが、湿地もあって餌も多いので集まってるのか・・・
それともしっかりした柵で保護されてて安全なので集まってるのか・・・
営巣地はどのあたりで、どこから飛来してくるのか・・・
ま、素人にはわかりませんでしたが、脚環があり大事に保護されているのは確かなようです
少し前までは絶滅寸前だったコウノトリさんが、豊岡はじめ各地での保護活動により、
こんなに身近に見られるようになったのは、まさに努力の賜物なんですね・・・
農薬や化学肥料を減らすなど里山の生態系を取り戻すことはコウノトリさんだけでなく、
そこに暮らす人々にとってもプラスがあることを信じて頑張ってこられた結果・・・
ちなみに・・・
カワウさん?もいっぱいでした・・・
と、探鳥会???は(探すまでもなく)無事に終了したので早めの昼食・・・
だから食べる前に撮ればよいものを・・・
ま、仕上げは・・・
天ぷらそばと・・・
季節のマロンちゃんで〆ました・・・
と、食後はいつもの姫路wing別邸(アジト)でred-bicycle(赤チャリ)さんと合流・・・
じつはアジトが蔓に覆われ、まるでラピュタさながらの状態になってたので、わたくしが
玉座に辿り着くまでに紆余曲折があったのですが、ま、最後は飛行石により・・・(以下略)
例によって飲みつつ食べつつダベり続け、夕方には仕事を終えたbullittさんと某SAで合流し、
以前お気に入りになった中華飯店へ・・・
そう、
ここの「日本最強焼餃子」をもう一度食べたいなあとwingさんが何度か呟いてて、それなら
陸自の基地祭に合わせて集まりましょう、となったのが今回プチOFF会の発端・・・
今回はじめてお会いしたbullittさんですが、以前から当ブログサイトをご愛読いただいており、
リアルでお話しできたのはじつに嬉しい限りで、さっそくwingさんや赤チャリさんとは
ライト談義に花を咲かせておられました。
ま、わたくしはひたすら・・・
ばくばく、もぐもぐ、ごくごく、んぐんぐ、ぷはあ
ま、飲まない赤チャリさんは・・・
お気に入りの回鍋肉定食でしたし、好きだけど運転で飲めないbullittさんには気の毒でしたが・・・
最後は胡麻団子で〆たものの、さらに話は盛り上がりコンビニに寄ってからアジトへ・・・
みなさんは甘味なんぞでひたすらライト談義・・・
ま、わたくしはハイボールなんぞを飲みつつ、ぼーっとしてただけですが・・・
と、翌日も朝からお仕事が入ってたbullittさんは、日付が変わる前には帰宅されましたが、
コンビニ支払いから稀少な日本酒の差し入れまで、いろいろとありがとうございました。
ま、その後も3人は天空の城ラピュタなんぞを観つつ・・・
「あははは、中に入れず騒いでる兵隊たち、まるで昼間の我々みたいやな・・・」
「そうか、ロボットの射出口からなら内部に侵入できたのか・・・」
「でも内部の蔓はグレネードガンで破壊しないとシータから飛行石を受け取れないな」
「そう、それで3人一緒に滅びの言葉を唱えれば一気に・・・」
「って、アジトが一気に崩れたら困るやないかっ!!!」
とか、例によって延々ヲタ話が続き、結局この夜の就寝は午前3時過ぎ・・・
翌朝は9時過ぎに起床してコーヒーと甘味だけで、いそいそと陸上自衛隊姫路駐屯地へ
ちょうど始まってた観閲式なんぞには目もくれず・・・
御一行は・・・
厚生センターにあるPX(売店)の自衛隊グッズ売り場を目指して・・・ひいひい
ま、売り場はすでに長蛇の列だったので、あらためて訓練展示なんぞを見学・・・
以下、さくさくっと・・・
94式水際地雷敷設車・・・これははじめて見ました
スクリュー付きの巨大な水陸両用車なんですね・・・
こちらは・・・
基地内で最も活躍してた主力輸送車両・・・ちなみにこれは旧型・・・
昔から残る古い兵舎・・・
わたくしの通った中学校は旧高射砲陣地だったので同じような兵舎が残ってました
懐かしいなあ・・・夏は暑かったなあ・・・
で、隊員に次々と装備品が支給されて・・・
実戦訓練展示へ・・・
ラペリング降下訓練展示とか・・・
展開射撃訓練展示とか・・・
敵の侵入をレーダーやドローンで察知し緊急展開して制圧するという想定の訓練なんですね
で、
格闘訓練展示
最後は、
素手で・・・
ばったばったと敵をなぎ倒して無事に制圧・・・
ロシア軍のハイテク兵器不足とかが話題になってますが、最終的に陸上を制圧するのは
やはり(旧式のAK47であれモシンナガンであれ)銃を持った生身の兵士なんですね・・・
と、女性自衛官のコスプレで記念写真を撮ろうと・・・
・・・思ったけど裏に子供用の台があったのであきらめ・・・
せっかくなので資料館をさくさくっと・・・
おおっ、98kも・・・
西ドイツになってからもリボンは黄色ではなく白色のままだったんですね・・・
じゅるじゅるじゅる
ちなみに資料館を出たら、ちょうど・・・
レンジャーの訓練展示をやってました
こんなのキャンプ用に欲しいなあ・・・
と、駐屯地を出て遅めの昼食は、3人ともひさしぶりだったモスバーガーで・・・
軽く済ませ、3時にはアジトまで何とか戻りました。ひいひい
赤チャリさんのハイテク歩数計によると、この日の歩数は12000歩ほどだったそうです。
わたくし1日に1000歩以上も歩くのはじつにひさしぶりで、着くなりぐったりと倒れ込み、
そのまま夕方までぐだぐだして姫路を出たのは5時前、神戸でwingさんを降ろして大阪に
無事に帰り着いたのは日曜日の8時半過ぎでした。
恒例により翌々日の本日朝から足腰が痛くなってきてましゅが・・・
いやあ、今回もじつに楽しかったです。皆さんありがとうございました。
特にはじめてお会いしたbullittさんには、お土産までいただき恐悦至極です。
だからOFF会参加はやめられない・・・げひげひ
次回お会いした際は大いに飲んでアクション映画話とかで朝まで盛り上がりましょう!!!
ええ、先週の土日に楽しんできましたので、さくさくっとご紹介!!!
土曜日の朝10時に神戸でwingさんをピックアップ・・・
「明石の溜池にコウノトリさんがいるとの情報なので、まずは寄ってみましょう」
とのことで明石西インターで下りて、とある溜池近くの駐車場へ・・・
一羽ぐらいは他のトリさんに混じっているのか、他の溜池も探さないと見れないのか・・・
と、心配しつつクルマを降りた途端、目の前に・・・
「あははは、いっぱいいましたね。ぱしゃぱしゃ」
「でも、あっけなく見つかると感動が少ないですね・・・ぱしゃぱしゃ」
と、しばらく撮影してたのですが他に望遠レンズや双眼鏡を持った人はいませんでした。
ここでは特に珍しくもない光景になってるんでしょうね・・・
ここは市街地の真ん中なんですが、湿地もあって餌も多いので集まってるのか・・・
それともしっかりした柵で保護されてて安全なので集まってるのか・・・
営巣地はどのあたりで、どこから飛来してくるのか・・・
ま、素人にはわかりませんでしたが、脚環があり大事に保護されているのは確かなようです
少し前までは絶滅寸前だったコウノトリさんが、豊岡はじめ各地での保護活動により、
こんなに身近に見られるようになったのは、まさに努力の賜物なんですね・・・
農薬や化学肥料を減らすなど里山の生態系を取り戻すことはコウノトリさんだけでなく、
そこに暮らす人々にとってもプラスがあることを信じて頑張ってこられた結果・・・
ちなみに・・・
カワウさん?もいっぱいでした・・・
と、探鳥会???は(探すまでもなく)無事に終了したので早めの昼食・・・
だから食べる前に撮ればよいものを・・・
ま、仕上げは・・・
天ぷらそばと・・・
季節のマロンちゃんで〆ました・・・
と、食後はいつもの姫路wing別邸(アジト)でred-bicycle(赤チャリ)さんと合流・・・
じつはアジトが蔓に覆われ、まるでラピュタさながらの状態になってたので、わたくしが
玉座に辿り着くまでに紆余曲折があったのですが、ま、最後は飛行石により・・・(以下略)
例によって飲みつつ食べつつダベり続け、夕方には仕事を終えたbullittさんと某SAで合流し、
以前お気に入りになった中華飯店へ・・・
そう、
ここの「日本最強焼餃子」をもう一度食べたいなあとwingさんが何度か呟いてて、それなら
陸自の基地祭に合わせて集まりましょう、となったのが今回プチOFF会の発端・・・
今回はじめてお会いしたbullittさんですが、以前から当ブログサイトをご愛読いただいており、
リアルでお話しできたのはじつに嬉しい限りで、さっそくwingさんや赤チャリさんとは
ライト談義に花を咲かせておられました。
ま、わたくしはひたすら・・・
ばくばく、もぐもぐ、ごくごく、んぐんぐ、ぷはあ
ま、飲まない赤チャリさんは・・・
お気に入りの回鍋肉定食でしたし、好きだけど運転で飲めないbullittさんには気の毒でしたが・・・
最後は胡麻団子で〆たものの、さらに話は盛り上がりコンビニに寄ってからアジトへ・・・
みなさんは甘味なんぞでひたすらライト談義・・・
ま、わたくしはハイボールなんぞを飲みつつ、ぼーっとしてただけですが・・・
と、翌日も朝からお仕事が入ってたbullittさんは、日付が変わる前には帰宅されましたが、
コンビニ支払いから稀少な日本酒の差し入れまで、いろいろとありがとうございました。
ま、その後も3人は天空の城ラピュタなんぞを観つつ・・・
「あははは、中に入れず騒いでる兵隊たち、まるで昼間の我々みたいやな・・・」
「そうか、ロボットの射出口からなら内部に侵入できたのか・・・」
「でも内部の蔓はグレネードガンで破壊しないとシータから飛行石を受け取れないな」
「そう、それで3人一緒に滅びの言葉を唱えれば一気に・・・」
「って、アジトが一気に崩れたら困るやないかっ!!!」
とか、例によって延々ヲタ話が続き、結局この夜の就寝は午前3時過ぎ・・・
翌朝は9時過ぎに起床してコーヒーと甘味だけで、いそいそと陸上自衛隊姫路駐屯地へ
ちょうど始まってた観閲式なんぞには目もくれず・・・
御一行は・・・
厚生センターにあるPX(売店)の自衛隊グッズ売り場を目指して・・・ひいひい
ま、売り場はすでに長蛇の列だったので、あらためて訓練展示なんぞを見学・・・
以下、さくさくっと・・・
94式水際地雷敷設車・・・これははじめて見ました
スクリュー付きの巨大な水陸両用車なんですね・・・
こちらは・・・
基地内で最も活躍してた主力輸送車両・・・ちなみにこれは旧型・・・
昔から残る古い兵舎・・・
わたくしの通った中学校は旧高射砲陣地だったので同じような兵舎が残ってました
懐かしいなあ・・・夏は暑かったなあ・・・
で、隊員に次々と装備品が支給されて・・・
実戦訓練展示へ・・・
ラペリング降下訓練展示とか・・・
展開射撃訓練展示とか・・・
敵の侵入をレーダーやドローンで察知し緊急展開して制圧するという想定の訓練なんですね
で、
格闘訓練展示
最後は、
素手で・・・
ばったばったと敵をなぎ倒して無事に制圧・・・
ロシア軍のハイテク兵器不足とかが話題になってますが、最終的に陸上を制圧するのは
やはり(旧式のAK47であれモシンナガンであれ)銃を持った生身の兵士なんですね・・・
と、女性自衛官のコスプレで記念写真を撮ろうと・・・
・・・思ったけど裏に子供用の台があったのであきらめ・・・
せっかくなので資料館をさくさくっと・・・
おおっ、98kも・・・
西ドイツになってからもリボンは黄色ではなく白色のままだったんですね・・・
じゅるじゅるじゅる
ちなみに資料館を出たら、ちょうど・・・
レンジャーの訓練展示をやってました
こんなのキャンプ用に欲しいなあ・・・
と、駐屯地を出て遅めの昼食は、3人ともひさしぶりだったモスバーガーで・・・
軽く済ませ、3時にはアジトまで何とか戻りました。ひいひい
赤チャリさんのハイテク歩数計によると、この日の歩数は12000歩ほどだったそうです。
わたくし1日に1000歩以上も歩くのはじつにひさしぶりで、着くなりぐったりと倒れ込み、
そのまま夕方までぐだぐだして姫路を出たのは5時前、神戸でwingさんを降ろして大阪に
無事に帰り着いたのは日曜日の8時半過ぎでした。
恒例により翌々日の本日朝から足腰が痛くなってきてましゅが・・・
いやあ、今回もじつに楽しかったです。皆さんありがとうございました。
特にはじめてお会いしたbullittさんには、お土産までいただき恐悦至極です。
次回お会いした際は大いに飲んでアクション映画話とかで朝まで盛り上がりましょう!!!
2022年11月18日
家族システムの起源~Ⅰユーラシア下巻~
奇跡的に!!!前回記事からの続き・・・
「家族システムの起源~Ⅰユーラシア~下巻」の読書メモであります
ええ、上巻よりさらに読み飛ばしが多くなっております・・・
著者・出版社・発行年月日などは前回の上巻メモ記事をご覧くださいね
下巻の目次
下巻はユーラシア周縁部のヨーロッパと、中央部中東の家族システムについて・・・
(てきとーメモなので正しくは本書の熟読をお願いします)
第7章「ヨーロッパ~序論~」より
・ヨーロッパは(ユーラシアの)一つの周縁地域の実例
→シベリア北東部や東南アジアと同様の後進地域が農業・文字・国家観念を外部から授かり
科学技術と経済の面でテイクオフを遂げ、しばらくは旧世界の中心部を追い越した
(やがて家族システムにも父系原則の侵入が及ぶことになる)
→直系家族の歴史は中国から2000年遅れで日本と似通っているが規模が大きく多様性が大きい
・ヨーロッパ48の集団サンプルの中で起源的な家族・親族形態はラップ人のみで、
→ユーラシア周縁の反対側フィリピンのシステムそのまま
→ただし、それ以外にも核家族形態が多い
→起源的形態である双方的親族集団に統合された核家族からの分岐過程を見ることは可能
・ヨーロッパの地理は狭い範囲だが複雑、農業など外部文明の影響は直線的ではない
・中東の新石器革命は二つの軸でヨーロッパに伝播、その一つは、
→BC6800~6100にクレタ島とギリシャ半島に、
→BC6100~5800にバルカン半島を北上、ドナウ川を進んだ
→BC5500~5300にライン川とヴィスワ川の間の平原に到達
・もう一つの軸は横方向で、BC5800~5500までに東から地中海沿岸を西部へ伝播
・この二つの軸が大陸西部、特にフランスで合流し、イングランドにはBC4000頃に、
→BC3500頃にはアイルランドとおそらくブルターニュ、少しあとにスカンディナヴィアへ
→BC2000頃に新石器革命はヨーロッパ征服を完了した
・初期の農業は粗放・移動型で安定化には数千年を要した
→西ヨーロッパで安定化が完成するのは10世紀~13世紀
・この二つの浸透軸は文字についても同じ
→フェニキア文字→ギリシャ文字→ローマ文字(ヨーロッパの西部と中央部)
→東部ではギリシャ文字→キリル文字・・・
→文字伝播の過程に2000年を要しているので北東ヨーロッパの歴史は短い(以下略)
・父系性は四つの軸で伝播
→中東の父系性は地中海を東から西へ、ギリシャ、ローマへ
→フン人(ステップの遊牧民)の父系原則(おそらく中国起源)の侵入(5世紀)は北方で東から
→アラブの父系性も中東由来だが、7世紀から南経由でスペイン、地中海西部諸島へ
→トルコ人の侵入は15世紀からで南東から北西へ、これが4番目の父系性伝播
→東南からなので北西部に核家族的・女性尊重的な家族システムが存在するのは理の当然
・都市化直前の家族システムがどのようなものであったのか、地図を検討し歴史を検討する
・48の類型サンプルは東部では同質的で西部では錯綜している・・・
・父方居住(共同体家族、一時的同居、近接居住を伴う核家族)が東部を覆い、バルカン諸国から
北部中部イタリアまで伸びている
・フランス中央山塊、ギリシャ島嶼部の少数・特殊なケースなど・・・(略)
・古代ギリシャ・ローマの読み直し情報が大量にあり、ヨーロッパだけ三章になった
→8章はロシアから中部イタリアまで広がる父方居住と、少し南の古代ギリシャ・ローマの
父系制時代について
→9章は西・中央ヨーロッパの最終局面における家族類型の地理的分布
→10章はその歴史の記述
第8章「父系制ヨーロッパ」より
・フィンランドからバルカン半島、アドリア海からイタリア北部・中部までの広大な空間
→父方居住・父系制の家族システムが優位
→直系家族の空間はこの地帯より西に位置し、双処居住と混じり合っている
→父系制の伝播メカニズムとは無関係でヨーロッパの直系家族は内因的生産物
・ロシアの農民→父方居住・共同体家族→バルト諸国に近づくにつれ明瞭になる
・フィンランド内陸部・バルト諸国→共同体家族が支配的
・ウクライナとルーマニア→共同体家族が徐々に消えて一時的父方同居を伴う核家族へ
・バルカン半島、ハンガリー(略)
・イタリア中部は父方居住共同体家族が支配的
→北部ヴェネト州は不完全な直系家族で・・・(以下略)
・エーゲ海の母方居住と長子相続(略)
・アジアの父系制の影
→ヨーロッパ東部に分布しているのでアジアからの伝播は明らか
→東から南西へ、イタリアを到達点としているが、古代ヨーロッパの父系制とは全く別
→古代ヨーロッパの父系制はギリシャ・ローマの都市国家から・・・(略)
・古典ギリシャ・古典期ローマの家族・・・(略)
→圏外(ケルト、ゲルマン、スラヴ)では未分化
・ローマの進化の重要性、帝国期の変動、核家族の新たな類型、晩期・・・(略)
・古代父系制から近年の父系制へ
→未分化状態→地中海への最初の到来→極みの自己破壊→ステップから来た新しい父系制の波
→古代は南、近年は北
・父方居住・外婚制・共同体家族は自然ではなく特別な条件による拘束的システム
→都市、小作制、交易、戦争・・・(略)
・母系制、父系制の幻想(略)
→インド・ヨーロッパ語族の父系制は、セム人さらに遡ればシュメール人が起源
第9章「中央および西ヨーロッパ~1記述~」より
(家族上の西欧にゲルマン世界と南イタリアは含むが共同体の北部中部イタリアは含まない)
1直系家族はゲルマン系集団が中心でスラヴ、スカンディナヴィアを周縁部として含む
→第二の集団はカタルーニャ、バスクからポルトガル北部まで延びる
→第三のケルト・グループはアイルランド、スコットランド西部、ブルターニュ海岸部、
ノルマンディー、ピカルディ、バルト海の海岸部、フィンランドのスウェーデン影響部分
2平等主義核家族はアンダルシアに至るカスティーリャ語圏スペイン、中部ポルトガル、
南イタリア、フランス中心部のパリ盆地→これらは完全にラテン圏に収まる
3絶対核家族はイングランド、デンマーク、ノルウェーのオスロ地方、オランダの沿岸部
(他の地域、各類型の詳細記述などは略)
第10章「中央および西ヨーロッパ~2歴史的解釈~」より
・中世の歴史的データから類型分化した原因を解釈(略)
・中世初期→未分化親族集団の中の近接居住、同居を伴う核家族
・純粋な核家族の出現
→貨幣経済が戻りカロリング期の荘園は大規模農業経営に
→農民は庭を持つ農業労働者に
→小さな家と庭では分割不可能性のみが必要で直系家族による不分割の規則は不要
→子供たちは早い時期に召使(労働者)として外に出ることができ一時的同居も不要
→最終的に平等主義核家族が北フランス、南イタリア、中部南部スペインを支配し、
→絶対核家族がイングランド、デンマーク、オランダを支配したのはなぜか・・・
・平等主義核家族の空間は、かつてのローマ帝国の空間に収まる
→貨幣経済への回帰、都市の再生、大規模農業経営、労働者の再確立
・財産が大してないイングランドの農民にノルマンの長子相続の仕組みは無用の長物
→貴族や中農層には深い影響があったが中農層が消滅、長子相続の弱体化と遺言の浮上
→イングランド核家族の個人主義急進性は世帯分離に固執するが貴族の直系家族への反動?
(以下略)
第11章「中東~近年~」より
・歴史(文字による記録)は中東で始まった(略)
・中東の定義(略)
→現在はほぼ全面的にイスラム教で1250年続いているが5300年の歴史の23%に過ぎない
・遊牧民の核家族性と共同体主義、定住民の穏健な共同体主義(略)
・長子相続、末子相続の痕跡、内婚、シーア派、スンニ派、キリスト教徒・・・
(民族や宗教の変遷など、じつに詳細でしたが以下略)
第12章「中東~古代~メソポタミアとエジプト~」より
・シュメール文明→セム系集団アッカド帝国による権力奪取→シュメール復興→ウル第三王朝
→ウルの崩壊→セム人の支配→アムル遊牧民の支配→ハンムラビ王バビロニアによる
メソポタミアの統一→政治構造の分解→ヒッタイト帝国の侵入→国際化→各国との複雑な関係
→アッシリア帝国がバビロニアからエジプトまで広がる→崩壊→新バビロニアの短い時代
→ペルシャ人、ギリシャ人、パルティア人の征服によりメソポタミアの歴史消滅・・・
・このメソポタミアの歴史の長さと複雑さから、安定的な家族形態の発見などは論外
→しかし中国の家族システムとの類似点がある(略)
・明白な核家族性、共同体家族とする仮説(略)
・周縁部の周縁部イスラエル
→ヘブライ民族の聖書にある長子相続制→カインとアベル、エサウとヤコブ・・・
→エジプトの伝統、アッシリア法から・・・(略)
・女性、古代の親族集団・・・(略)
・メソポタミアの家族の発展三段階は中国と同一?
1出発は夫婦家族の優勢と男女の平等→双処居住核家族類型で未分化な親族集団の中に
→シュメール・ルネサンスにかけて衰退
2シュメールに長子相続の規則が台頭→三世代を含む直系家族世帯は検出されていない
3兄弟間の平等と家族集団の共同化が明確に→縦型構造化は不明確
→家族は稠密化し女性のステータスは低下、共同体家族の出現後も続く
・中国の段階では侵入した遊牧民の父系原則が関わるがメソポタミアでの侵入は後・・・
・エジプト
→第1巻の最後をエジプトで終えるのは皮肉だが・・・
→第一サイクル(統一以前から王国の解体まで)BC3400~2475
→第二サイクル(王政の再建から解体、封建制まで)BC2475~663
→第三サイクル(王政の再建→プトレマイオス王国→ローマによる征服まで)BC663~325
・古王国第三王朝の核家族、Z型継承、長子相続制、女性・・・(略)
・ギリシャ人のエジプト幻想→ヘロドトスの物語から(略)
→ギリシャ人には奇異な社会であったことは事実
・エジプトはメソポタミアより早く完全統一され、戦争による男性原則から免れていた
→父系原則発達の戦争と軍事的機能での重要性がわかる→これは不可避的なものではない
→エジプトがイスラムに征服されたのは640年だがキリスト教徒が多数派でなくなったのは
9世紀ごろになってから→1970年でも10%はコプト教徒→親族の未分化性、母方居住
・父系制はメソポタミアに出現し広がったが退行もあった(略)
・内婚、未分化の持続、ナバテアの痕跡・・・(略)
「第Ⅱ巻に向けて~差し当たりの結論~」より(一部)
・内婚は女性を生まれ育ったところから暴力的に引き抜くことを廃止し父系性を緩和する装置
・穏健外婚はイトコ婚を受け入れる余地のある外婚制
・キリスト教圏の体系化された外婚を、アラブないし南インドの強力な内婚革新と対称をなす
絶対的外婚への進化と思い描くことも可能?
・アメリカ、アフリカ、オセアニアのデータがなければ、このモデルは国家と文字を持つ
定住農民社会とその周縁部との検討にとってしか、役に立ちそうにない・・・
云々・・・
ええ、わたくしには末尾の「差し当たりの結論」さえ、よくわかりませんでしたが・・・
まあ「起源的家族は夫婦を基本的要素とする核家族型で、国家と労働による社会的分化までは、
複数の核家族からなる親族現地バンドに包含されていた」
つーのには納得しましたし、各地の歴史や地理、民族分布のおさらいもできました
ともかく40年かけてユーラシア大陸とその周縁部の住民集団を民族サンプルとして214に分類、
その家族システムを15の類型にまとめる能力と作業量に、まずは感服しました
わたくし文明史を読み漁るのも好きなんですが、家族システムという観点からははじめてで、
文明の栄枯盛衰やその伝播、異民族の侵入なども家族変化の根拠として詳しく調べて解説、
分かりやすく地図上にまとめた図版もいっぱいでした
ただまあ、上下巻の本編だけで800頁ある大著で、わたくしには読みづらい部分も多く、
かなりの部分を読み飛ばしてしまいましたが・・・ひいひい
(参考)
本書の著者による「現在の国際紛争は消費大国と産業大国の争いで、根底は経済構造と
家族構造の一致にある」といった内容の記事が文春オンラインで公開されています
家族構造から見れば「双系制(核家族)社会」と「父系制(共同体家族)社会」の対立で、
一方は「消費」に特化、他方は「生産」に特化というかたちで2つの陣営に分かれている、
しかもグローバリゼーションのなかで、2つの陣営が極度に相互依存関係にある、
これがわれわれが生きている世界の構造・・・とゆー観点はじつに興味深いです
「家族システムの起源~Ⅰユーラシア~下巻」の読書メモであります
ええ、上巻よりさらに読み飛ばしが多くなっております・・・
著者・出版社・発行年月日などは前回の上巻メモ記事をご覧くださいね
下巻の目次
下巻はユーラシア周縁部のヨーロッパと、中央部中東の家族システムについて・・・
(てきとーメモなので正しくは本書の熟読をお願いします)
第7章「ヨーロッパ~序論~」より
・ヨーロッパは(ユーラシアの)一つの周縁地域の実例
→シベリア北東部や東南アジアと同様の後進地域が農業・文字・国家観念を外部から授かり
科学技術と経済の面でテイクオフを遂げ、しばらくは旧世界の中心部を追い越した
(やがて家族システムにも父系原則の侵入が及ぶことになる)
→直系家族の歴史は中国から2000年遅れで日本と似通っているが規模が大きく多様性が大きい
・ヨーロッパ48の集団サンプルの中で起源的な家族・親族形態はラップ人のみで、
→ユーラシア周縁の反対側フィリピンのシステムそのまま
→ただし、それ以外にも核家族形態が多い
→起源的形態である双方的親族集団に統合された核家族からの分岐過程を見ることは可能
・ヨーロッパの地理は狭い範囲だが複雑、農業など外部文明の影響は直線的ではない
・中東の新石器革命は二つの軸でヨーロッパに伝播、その一つは、
→BC6800~6100にクレタ島とギリシャ半島に、
→BC6100~5800にバルカン半島を北上、ドナウ川を進んだ
→BC5500~5300にライン川とヴィスワ川の間の平原に到達
・もう一つの軸は横方向で、BC5800~5500までに東から地中海沿岸を西部へ伝播
・この二つの軸が大陸西部、特にフランスで合流し、イングランドにはBC4000頃に、
→BC3500頃にはアイルランドとおそらくブルターニュ、少しあとにスカンディナヴィアへ
→BC2000頃に新石器革命はヨーロッパ征服を完了した
・初期の農業は粗放・移動型で安定化には数千年を要した
→西ヨーロッパで安定化が完成するのは10世紀~13世紀
・この二つの浸透軸は文字についても同じ
→フェニキア文字→ギリシャ文字→ローマ文字(ヨーロッパの西部と中央部)
→東部ではギリシャ文字→キリル文字・・・
→文字伝播の過程に2000年を要しているので北東ヨーロッパの歴史は短い(以下略)
・父系性は四つの軸で伝播
→中東の父系性は地中海を東から西へ、ギリシャ、ローマへ
→フン人(ステップの遊牧民)の父系原則(おそらく中国起源)の侵入(5世紀)は北方で東から
→アラブの父系性も中東由来だが、7世紀から南経由でスペイン、地中海西部諸島へ
→トルコ人の侵入は15世紀からで南東から北西へ、これが4番目の父系性伝播
→東南からなので北西部に核家族的・女性尊重的な家族システムが存在するのは理の当然
・都市化直前の家族システムがどのようなものであったのか、地図を検討し歴史を検討する
・48の類型サンプルは東部では同質的で西部では錯綜している・・・
・父方居住(共同体家族、一時的同居、近接居住を伴う核家族)が東部を覆い、バルカン諸国から
北部中部イタリアまで伸びている
・フランス中央山塊、ギリシャ島嶼部の少数・特殊なケースなど・・・(略)
・古代ギリシャ・ローマの読み直し情報が大量にあり、ヨーロッパだけ三章になった
→8章はロシアから中部イタリアまで広がる父方居住と、少し南の古代ギリシャ・ローマの
父系制時代について
→9章は西・中央ヨーロッパの最終局面における家族類型の地理的分布
→10章はその歴史の記述
第8章「父系制ヨーロッパ」より
・フィンランドからバルカン半島、アドリア海からイタリア北部・中部までの広大な空間
→父方居住・父系制の家族システムが優位
→直系家族の空間はこの地帯より西に位置し、双処居住と混じり合っている
→父系制の伝播メカニズムとは無関係でヨーロッパの直系家族は内因的生産物
・ロシアの農民→父方居住・共同体家族→バルト諸国に近づくにつれ明瞭になる
・フィンランド内陸部・バルト諸国→共同体家族が支配的
・ウクライナとルーマニア→共同体家族が徐々に消えて一時的父方同居を伴う核家族へ
・バルカン半島、ハンガリー(略)
・イタリア中部は父方居住共同体家族が支配的
→北部ヴェネト州は不完全な直系家族で・・・(以下略)
・エーゲ海の母方居住と長子相続(略)
・アジアの父系制の影
→ヨーロッパ東部に分布しているのでアジアからの伝播は明らか
→東から南西へ、イタリアを到達点としているが、古代ヨーロッパの父系制とは全く別
→古代ヨーロッパの父系制はギリシャ・ローマの都市国家から・・・(略)
・古典ギリシャ・古典期ローマの家族・・・(略)
→圏外(ケルト、ゲルマン、スラヴ)では未分化
・ローマの進化の重要性、帝国期の変動、核家族の新たな類型、晩期・・・(略)
・古代父系制から近年の父系制へ
→未分化状態→地中海への最初の到来→極みの自己破壊→ステップから来た新しい父系制の波
→古代は南、近年は北
・父方居住・外婚制・共同体家族は自然ではなく特別な条件による拘束的システム
→都市、小作制、交易、戦争・・・(略)
・母系制、父系制の幻想(略)
→インド・ヨーロッパ語族の父系制は、セム人さらに遡ればシュメール人が起源
第9章「中央および西ヨーロッパ~1記述~」より
(家族上の西欧にゲルマン世界と南イタリアは含むが共同体の北部中部イタリアは含まない)
1直系家族はゲルマン系集団が中心でスラヴ、スカンディナヴィアを周縁部として含む
→第二の集団はカタルーニャ、バスクからポルトガル北部まで延びる
→第三のケルト・グループはアイルランド、スコットランド西部、ブルターニュ海岸部、
ノルマンディー、ピカルディ、バルト海の海岸部、フィンランドのスウェーデン影響部分
2平等主義核家族はアンダルシアに至るカスティーリャ語圏スペイン、中部ポルトガル、
南イタリア、フランス中心部のパリ盆地→これらは完全にラテン圏に収まる
3絶対核家族はイングランド、デンマーク、ノルウェーのオスロ地方、オランダの沿岸部
(他の地域、各類型の詳細記述などは略)
第10章「中央および西ヨーロッパ~2歴史的解釈~」より
・中世の歴史的データから類型分化した原因を解釈(略)
・中世初期→未分化親族集団の中の近接居住、同居を伴う核家族
・純粋な核家族の出現
→貨幣経済が戻りカロリング期の荘園は大規模農業経営に
→農民は庭を持つ農業労働者に
→小さな家と庭では分割不可能性のみが必要で直系家族による不分割の規則は不要
→子供たちは早い時期に召使(労働者)として外に出ることができ一時的同居も不要
→最終的に平等主義核家族が北フランス、南イタリア、中部南部スペインを支配し、
→絶対核家族がイングランド、デンマーク、オランダを支配したのはなぜか・・・
・平等主義核家族の空間は、かつてのローマ帝国の空間に収まる
→貨幣経済への回帰、都市の再生、大規模農業経営、労働者の再確立
・財産が大してないイングランドの農民にノルマンの長子相続の仕組みは無用の長物
→貴族や中農層には深い影響があったが中農層が消滅、長子相続の弱体化と遺言の浮上
→イングランド核家族の個人主義急進性は世帯分離に固執するが貴族の直系家族への反動?
(以下略)
第11章「中東~近年~」より
・歴史(文字による記録)は中東で始まった(略)
・中東の定義(略)
→現在はほぼ全面的にイスラム教で1250年続いているが5300年の歴史の23%に過ぎない
・遊牧民の核家族性と共同体主義、定住民の穏健な共同体主義(略)
・長子相続、末子相続の痕跡、内婚、シーア派、スンニ派、キリスト教徒・・・
(民族や宗教の変遷など、じつに詳細でしたが以下略)
第12章「中東~古代~メソポタミアとエジプト~」より
・シュメール文明→セム系集団アッカド帝国による権力奪取→シュメール復興→ウル第三王朝
→ウルの崩壊→セム人の支配→アムル遊牧民の支配→ハンムラビ王バビロニアによる
メソポタミアの統一→政治構造の分解→ヒッタイト帝国の侵入→国際化→各国との複雑な関係
→アッシリア帝国がバビロニアからエジプトまで広がる→崩壊→新バビロニアの短い時代
→ペルシャ人、ギリシャ人、パルティア人の征服によりメソポタミアの歴史消滅・・・
・このメソポタミアの歴史の長さと複雑さから、安定的な家族形態の発見などは論外
→しかし中国の家族システムとの類似点がある(略)
・明白な核家族性、共同体家族とする仮説(略)
・周縁部の周縁部イスラエル
→ヘブライ民族の聖書にある長子相続制→カインとアベル、エサウとヤコブ・・・
→エジプトの伝統、アッシリア法から・・・(略)
・女性、古代の親族集団・・・(略)
・メソポタミアの家族の発展三段階は中国と同一?
1出発は夫婦家族の優勢と男女の平等→双処居住核家族類型で未分化な親族集団の中に
→シュメール・ルネサンスにかけて衰退
2シュメールに長子相続の規則が台頭→三世代を含む直系家族世帯は検出されていない
3兄弟間の平等と家族集団の共同化が明確に→縦型構造化は不明確
→家族は稠密化し女性のステータスは低下、共同体家族の出現後も続く
・中国の段階では侵入した遊牧民の父系原則が関わるがメソポタミアでの侵入は後・・・
・エジプト
→第1巻の最後をエジプトで終えるのは皮肉だが・・・
→第一サイクル(統一以前から王国の解体まで)BC3400~2475
→第二サイクル(王政の再建から解体、封建制まで)BC2475~663
→第三サイクル(王政の再建→プトレマイオス王国→ローマによる征服まで)BC663~325
・古王国第三王朝の核家族、Z型継承、長子相続制、女性・・・(略)
・ギリシャ人のエジプト幻想→ヘロドトスの物語から(略)
→ギリシャ人には奇異な社会であったことは事実
・エジプトはメソポタミアより早く完全統一され、戦争による男性原則から免れていた
→父系原則発達の戦争と軍事的機能での重要性がわかる→これは不可避的なものではない
→エジプトがイスラムに征服されたのは640年だがキリスト教徒が多数派でなくなったのは
9世紀ごろになってから→1970年でも10%はコプト教徒→親族の未分化性、母方居住
・父系制はメソポタミアに出現し広がったが退行もあった(略)
・内婚、未分化の持続、ナバテアの痕跡・・・(略)
「第Ⅱ巻に向けて~差し当たりの結論~」より(一部)
・内婚は女性を生まれ育ったところから暴力的に引き抜くことを廃止し父系性を緩和する装置
・穏健外婚はイトコ婚を受け入れる余地のある外婚制
・キリスト教圏の体系化された外婚を、アラブないし南インドの強力な内婚革新と対称をなす
絶対的外婚への進化と思い描くことも可能?
・アメリカ、アフリカ、オセアニアのデータがなければ、このモデルは国家と文字を持つ
定住農民社会とその周縁部との検討にとってしか、役に立ちそうにない・・・
云々・・・
ええ、わたくしには末尾の「差し当たりの結論」さえ、よくわかりませんでしたが・・・
まあ「起源的家族は夫婦を基本的要素とする核家族型で、国家と労働による社会的分化までは、
複数の核家族からなる親族現地バンドに包含されていた」
つーのには納得しましたし、各地の歴史や地理、民族分布のおさらいもできました
ともかく40年かけてユーラシア大陸とその周縁部の住民集団を民族サンプルとして214に分類、
その家族システムを15の類型にまとめる能力と作業量に、まずは感服しました
わたくし文明史を読み漁るのも好きなんですが、家族システムという観点からははじめてで、
文明の栄枯盛衰やその伝播、異民族の侵入なども家族変化の根拠として詳しく調べて解説、
分かりやすく地図上にまとめた図版もいっぱいでした
ただまあ、上下巻の本編だけで800頁ある大著で、わたくしには読みづらい部分も多く、
かなりの部分を読み飛ばしてしまいましたが・・・ひいひい
(参考)
本書の著者による「現在の国際紛争は消費大国と産業大国の争いで、根底は経済構造と
家族構造の一致にある」といった内容の記事が文春オンラインで公開されています
家族構造から見れば「双系制(核家族)社会」と「父系制(共同体家族)社会」の対立で、
一方は「消費」に特化、他方は「生産」に特化というかたちで2つの陣営に分かれている、
しかもグローバリゼーションのなかで、2つの陣営が極度に相互依存関係にある、
これがわれわれが生きている世界の構造・・・とゆー観点はじつに興味深いです
2022年11月15日
家族システムの起源~Ⅰユーラシア上巻~
とーとつですが・・・
「家族システムの起源~Ⅰユーラシア上巻~」とゆー本のご紹介であります
表紙カバー裏にあった惹句
わたくし以前、日本の農村とゆー本や、東アジアの農村とゆー本を読んでて、家族の仕組み
についても、いつかはまとまった本を読んでみたいと思ってました
で、TV番組「欲望の資本主義」にも登場されてたエマニュエル・トッド氏の本書を知り、
上下巻をあわせて借りてみた次第・・・
ただし上下巻あわせると本編だけで800頁以上ある大著で内容も濃く、門外漢のわたくしが
(図書館の返却期限までに)下巻の最終章まで辿り着けるのか・・・おろおろ
つーことで、とりあえず・・・
上下巻の表紙と、
上下巻通しの目次も(念のため)アップしておきます
ちなみに左端に(未完の)「第Ⅱ巻に向けて」とゆー項がありますが、執筆予定の第Ⅱ巻では
第Ⅰ巻以外の地域も全て網羅して人類の再統一(再単一化)を促進する本にする・・・
とありました
で、裏表紙カバー裏にあった著者紹介
監訳者、訳者、発行所、発行年月日などは奥付のとおり
(左親指の爪が黒ずんでますが先月はじめに爪の根元をクルマのドアに挟んだもの、生え変わるのに時間がかかるのね)
とりあえず上巻の目次であります
以下、難解な部分は読み飛ばしつつ、目についた部分のみの読書メモ・・・
序説「人類の分裂から統一へ、もしくは核家族の謎」より
・以下は40年に及ぶ家族構造の研究成果と20年以上に及ぶ調査結果
→近代化の軌道の多様性は伝統的家族構造の多様性によるという仮説の証明
(例)
・共産主義イデオロギーの地理的分布
→伝統的農民層の「共同体家族」分布と重なる
・イングランドの「絶対核家族」(親子関係は自由で平等には無関心)
→アングロ・サクソンの個人主義と政治的自由主義へ
・パリ盆地の「平等主義核家族」(子供たちは自由で兄弟間は平等)
→1789年フランス革命の承認→普遍的人間の観念へ
・ドイツと日本で支配的な「直系家族」(父親の権威と兄弟間の不平等)
→近代化移行期での民族中心主義・権威主義的イデオロギーと運動の促進へ
・ただし過去の諸価値はイデオロギーの混乱で一時的に具現化されるに過ぎない
→イスラム圏(共同体型)は家族の解体から原理主義という別のイデオロギーを生み出した
・人類共通の起源的家族形態は、定義して、離脱過程を復元することができる
→ヨーロッパが短期であれ発展トップになれたのは家族システムの変遷を経験しなかったから
→だがルソン島アグタ人、フエゴ島ヤーガン人、ロッキー山脈ショショニ人なども同じ核家族型
→この事実は構造主義的思考では説明できない
→周辺地域の保守性原則(PCZP)、木骨造家屋の分布、アメリカ大陸文化の間歇的分布から
・核家族を包含するバンド(ホルド・現地集団)→双方核家族
→大家族制・直系家族制・一夫多妻制・一妻多夫制などは後の発明物
→親族集団(バンド)の役目が、やがて国家に変わったのか?
・農耕民族は文明(農耕・都市・冶金・文字)の犠牲者なのか?
→1960年代半ばから食物と健康に優れ余暇が多い狩猟採集民が称揚されているが、
→文明は拡大の潜在力を秘めており、技術的・軍事的に強力になる
→父系原則は組織編制力を持ち軍事化を容易にする(尊属への帰属)
・中東での農耕の発明はBC9000年頃でほぼ確定している
→父系原則は農耕より後で、さらに文字よりも後→歴史時代以降
(本書で証明する仮説)
1起源的家族は夫婦を基本的要素とする核家族型で、
2国家と労働による社会的分化までは複数の核家族からなる親族現地バンドに包含されていた
3この親族集団は男系女系いずれを介するかは未分化であり双方的で、
4女性のステータスは高かったが男性と同じ職務を持つわけではない
5直系家族、共同体家族、複合的な家族構造はこれより後に出現した
(イトコ婚の研究等・・・以下略)
第1章「類型体系を求めて」より
・核家族→直系家族→共同体家族へと移行したのか?
→国王(父親)権力の正当性のための説?→聖三位一体説
・父系、母系、直系、一時的同居、末子相続、長子相続、近接居住、囲い地内集住・・・(略)
(家族の類型体系)
・父方居住・母方居住・双処居住
×
・共同体家族・直系家族・結合核家族
=9
+
・一時的同居もしくは近接居住を伴う核家族
×
・父方・母方・双居
=3
+
・平等主義核家族
・絶対的核家族
・追加的な一時的同居を伴う直系家族
→合計15の類型に分類できる(説明は略)
第2章「概観」~ユーラシアにおける双処居住、父方居住、母方居住~より
・ユーラシアの民族サンプル214(興味ある膨大な地図と説明でしたが略)から
→双処居住システム、核家族システム、母方居住は周縁部に存在する
→父方居住の中央部性と複合性
・中国、日本、インド、東南アジア、ヨーロッパ、アラブ・ペルシャと各圏ごとに検討する
(アラブ・ペルシャ圏は古くはメソポタミアとエジプトの領域)
第3章「中国とその周縁部」~中央アジアおよび北アジア~より
・中国文化が出現・確定化した中枢部は父方居住共同体家族地帯
・一番目の同心円上には直系家族形態がチベット、北部ベトナム、中国南部、台湾、朝鮮を通って
日本へ至る地理的な弧を描いており、一時的父方同居を伴う核家族ケースを含んでいる
→この核家族ケースは北東側ではウクライナ、ルーマニアにまで達している
・二番目の同心円上では母方居住・核家族類型が南から東への弧を描いている
→西側部分では一時的父方同居を伴う核家族が支配的
・三番目の同心円上では双処居住核家族システムがフィリピン諸島からベーリング海峡まで
東の弧を描き、西側は遊牧民の一時的父方同居を伴う核家族形態
(各地域形態の詳細、歴史などは略)
・拡張農業文明の中心部では土地は希少になり移住が困難になって集約化へ
→土地相続の問題→直系家族の仕組みを発明(後のヨーロッパでは王による長子相続)
・末子相続と長子相続の前後(略)
・遊牧民の家族・親族類型、父方居住共同体・・・(以下略)
第4章「日本」より
・日本の歴史時代は短く古事記が712年で、ゲルマン圏(ザクセンに文字が785年)に近い
→文字からは1400年で農業からは2500年しかない(中国では3300年と8500年)
→ただし稲作以前の独自の狩猟採集時代が1万年以上続いていた
→狩猟採集で支えられる人口としては相対的に密度が高かった
→豊富な狩猟採集(特に他の地域に類を見ない魚介海産物)は安定的な共同体の出現をもたらし、
その稠密性により一定程度の複合性を持つ技術と社会形態の形成が可能だった
・縄文末期の婚姻後夫婦の居住は(遺伝子分析により)双処居住
→これは双方的親族システムで、我々が近代的と信じているもの
・日本は侵略されずに歴史が続いた稀なケース
→家族形態の伝播と普及は軍事的征服ではなく自発的に模倣した結果
・北東部と南西部に分類できる
(残留末子相続と絶対長子相続の類型では北東部をさらに3分類できる)
→北東部では直系家族より複合的な家族形態が存在する(隠居など?)
→南西部より貧弱な農業と低い人口密度から巨大労働集団に?
・日本の直系家族(イエ・分家?)についての近年の論争
→男性長子相続と直系家族の制度化は19世紀末から
→普遍的ではなく(妻の親族を含む)養子を相続人とすることも頻繁に行われていた
→多様性・複合性はあるが古典的直系家族モデルが君臨
・(文字資料では社会構造の高い層しか見えないが・・・)
→中国的父系原則と日本的双方基底の二元性文化→平安時代まで
→長子相続の台頭→鎌倉時代から→父方居住と女性ステータスの低下へ
・日本型直系家族の発明
→日本の直系家族・封建時代は中国で消滅してから1000年後
→両国の最初の緊密接触時には、中国ではすでに共同体家族化されていた
→直系家族への移行は漸進的であり北東部では(必要なかった社会に)輸入された結果?
・沖縄の家族類型(略)
・アイヌ人の家族類型(略)
・日本南西部、沖縄、済州島を包括する古い文化圏(略)
・イトコ婚(略)
・朝鮮に関するメモ(略)
第5章「インド亜大陸」より
・農耕も文字も極めて早いが歴史の長さが同一ではなく不連続
・現在のパキスタン中心部ではインダス文明が出現し(BC2800)消滅した(BC1700)
→豊かな農耕とメソポタミアに繋がる通商で繁栄していた
→文字が解読不可能なことから完全に独立した文明だった?
→ペルシャ湾奥のメソポタミアには海路で近いので影響はあったはず
→アーリア人の侵略だけでなく灌漑により衰退した
・インド亜大陸は地理・言語・ヒンズーのカースト・部族・民族により分断される
→サンプルではインドを代表する住民集団は38としたが、この章では11追加して49に(略)
→北部と西部は世帯の複合性が最大の地帯
→南部と東部は最小の地帯
→中央部はその中間地帯
→革新と侵略の大部分は北西部からで、複合性の伝播と一致する
→オリッサの地図上では共同体家族空間と核家族空間の切れ目が明瞭で、共同体家族が
陸路でも海路でも交通が単純な地帯を経由して伝播したことがわかる
・49のサンプルは多様でインドで主張されている「合同家族」優位というわけではない
→周辺地域の保守性はあり核家族と共同体家族の中間局面である直系家族
・ヒマラヤの直系家族、その南部での痕跡、末子相続の周縁性・・・(略)
・直系家族登場の原因は稠密性か伝播か(略)
・古代の直系家族と初期のカースト(略)
・遊牧民の侵略と共同体家族への移行→スキタイ人の侵略(略)
・空間的分化の起源、性行為礼賛、女性のステータス、中世の移行・・・(略)
・イトコ婚、ヒンズーの外婚制とイスラムの内婚制、周縁部の婚姻・・・(略)
第6章「東南アジア」より
・広大な半島と島々はユーラシアの周縁部だがユーラシアの農業・文字・家族の起源に重要
→ただしチモール島とマラッカ諸島から向こうは家族も農業もニューギニア世界に入る
→ニューギニアは独自の菜園耕作と森林管理で人口密度が高くユーラシアとは別世界→別項で
・東南アジアの農業はBC3000年から段階的に到来
→ベトナムだけが中国から、それ以外の文化的影響はインドから→農業革新の第二波
→高地ではいまだ中国で栽培化されたジャポニカ米だが平野部ではインディカ米
・文字、宗教、言語、国家・・・(略)
→集約農業と粗放空間の共存→帝国は固定化(奴隷化)に努めたが移動耕作を放棄していない
→1800年頃の人口→中国3億3千万人、日本3千万人、東南アジアは全体で2800万人だった
→2005年の人口→中国は4倍、日本は4.2倍になったが東南アジア9ヶ国では20倍に
→なので家族システムは、この間に大きく変化した可能性もある
・サンプル分布、類型分布・・・(略)
→家族類型総計の82%は核家族の変種→核家族は周縁部で古代的という仮説に完全に一致する
→中央部では母方居住で一時的居住を伴う核家族と結びつく→国家を持つ民族との一致
・ボルネオ島の四つの住民集団
・イバン人
→長大なアパルトマン(分割不可能)に三世代を連合させる規則的発展サイクル
→焼畑に加え米・漁労・狩猟・採集で生活し世代の単線的な継承
→これらから土地の実際の所有権は長大な家屋に住む集団にあり各世帯は使用権のみ
→直系的世帯は双方的な親族の絆で互いに繋がっている
→同居する既婚の子どもは息子でも娘でもいいが大抵は長子→双処居住直系家族
・陸ダヤク人、マロー人、プナン人も双処居住直系家族に分類されるがデータ不足
(ボルネオ島はあまり民俗誌化されていない)
・歴史
→フィリピン、ボルネオ北部、セレベス(スラウェシ)の核家族システムと双処居住直系家族の
システムは明快な組織編制原則を持たないことからも、人類の起源的な類型に近い残存システム
→フィリピン諸島やボルネオ島の男女系統を区別することのない用語体系の絶対的な優位性
→双処居住性と親族用語体系の未分化性は古代的であり、いまだに調和を保っている
・父方居住、母方居住、家族と人口密度、長子相続、外婚制・・・(略)
云々・・・
と、いつかは下巻メモに続く・・・のだろうか・・・ひいひい
「家族システムの起源~Ⅰユーラシア上巻~」とゆー本のご紹介であります
表紙カバー裏にあった惹句
わたくし以前、日本の農村とゆー本や、東アジアの農村とゆー本を読んでて、家族の仕組み
についても、いつかはまとまった本を読んでみたいと思ってました
で、TV番組「欲望の資本主義」にも登場されてたエマニュエル・トッド氏の本書を知り、
上下巻をあわせて借りてみた次第・・・
ただし上下巻あわせると本編だけで800頁以上ある大著で内容も濃く、門外漢のわたくしが
(図書館の返却期限までに)下巻の最終章まで辿り着けるのか・・・おろおろ
つーことで、とりあえず・・・
上下巻の表紙と、
上下巻通しの目次も(念のため)アップしておきます
ちなみに左端に(未完の)「第Ⅱ巻に向けて」とゆー項がありますが、執筆予定の第Ⅱ巻では
第Ⅰ巻以外の地域も全て網羅して人類の再統一(再単一化)を促進する本にする・・・
とありました
で、裏表紙カバー裏にあった著者紹介
監訳者、訳者、発行所、発行年月日などは奥付のとおり
(左親指の爪が黒ずんでますが先月はじめに爪の根元をクルマのドアに挟んだもの、生え変わるのに時間がかかるのね)
とりあえず上巻の目次であります
以下、難解な部分は読み飛ばしつつ、目についた部分のみの読書メモ・・・
序説「人類の分裂から統一へ、もしくは核家族の謎」より
・以下は40年に及ぶ家族構造の研究成果と20年以上に及ぶ調査結果
→近代化の軌道の多様性は伝統的家族構造の多様性によるという仮説の証明
(例)
・共産主義イデオロギーの地理的分布
→伝統的農民層の「共同体家族」分布と重なる
・イングランドの「絶対核家族」(親子関係は自由で平等には無関心)
→アングロ・サクソンの個人主義と政治的自由主義へ
・パリ盆地の「平等主義核家族」(子供たちは自由で兄弟間は平等)
→1789年フランス革命の承認→普遍的人間の観念へ
・ドイツと日本で支配的な「直系家族」(父親の権威と兄弟間の不平等)
→近代化移行期での民族中心主義・権威主義的イデオロギーと運動の促進へ
・ただし過去の諸価値はイデオロギーの混乱で一時的に具現化されるに過ぎない
→イスラム圏(共同体型)は家族の解体から原理主義という別のイデオロギーを生み出した
・人類共通の起源的家族形態は、定義して、離脱過程を復元することができる
→ヨーロッパが短期であれ発展トップになれたのは家族システムの変遷を経験しなかったから
→だがルソン島アグタ人、フエゴ島ヤーガン人、ロッキー山脈ショショニ人なども同じ核家族型
→この事実は構造主義的思考では説明できない
→周辺地域の保守性原則(PCZP)、木骨造家屋の分布、アメリカ大陸文化の間歇的分布から
・核家族を包含するバンド(ホルド・現地集団)→双方核家族
→大家族制・直系家族制・一夫多妻制・一妻多夫制などは後の発明物
→親族集団(バンド)の役目が、やがて国家に変わったのか?
・農耕民族は文明(農耕・都市・冶金・文字)の犠牲者なのか?
→1960年代半ばから食物と健康に優れ余暇が多い狩猟採集民が称揚されているが、
→文明は拡大の潜在力を秘めており、技術的・軍事的に強力になる
→父系原則は組織編制力を持ち軍事化を容易にする(尊属への帰属)
・中東での農耕の発明はBC9000年頃でほぼ確定している
→父系原則は農耕より後で、さらに文字よりも後→歴史時代以降
(本書で証明する仮説)
1起源的家族は夫婦を基本的要素とする核家族型で、
2国家と労働による社会的分化までは複数の核家族からなる親族現地バンドに包含されていた
3この親族集団は男系女系いずれを介するかは未分化であり双方的で、
4女性のステータスは高かったが男性と同じ職務を持つわけではない
5直系家族、共同体家族、複合的な家族構造はこれより後に出現した
(イトコ婚の研究等・・・以下略)
第1章「類型体系を求めて」より
・核家族→直系家族→共同体家族へと移行したのか?
→国王(父親)権力の正当性のための説?→聖三位一体説
・父系、母系、直系、一時的同居、末子相続、長子相続、近接居住、囲い地内集住・・・(略)
(家族の類型体系)
・父方居住・母方居住・双処居住
×
・共同体家族・直系家族・結合核家族
=9
+
・一時的同居もしくは近接居住を伴う核家族
×
・父方・母方・双居
=3
+
・平等主義核家族
・絶対的核家族
・追加的な一時的同居を伴う直系家族
→合計15の類型に分類できる(説明は略)
第2章「概観」~ユーラシアにおける双処居住、父方居住、母方居住~より
・ユーラシアの民族サンプル214(興味ある膨大な地図と説明でしたが略)から
→双処居住システム、核家族システム、母方居住は周縁部に存在する
→父方居住の中央部性と複合性
・中国、日本、インド、東南アジア、ヨーロッパ、アラブ・ペルシャと各圏ごとに検討する
(アラブ・ペルシャ圏は古くはメソポタミアとエジプトの領域)
第3章「中国とその周縁部」~中央アジアおよび北アジア~より
・中国文化が出現・確定化した中枢部は父方居住共同体家族地帯
・一番目の同心円上には直系家族形態がチベット、北部ベトナム、中国南部、台湾、朝鮮を通って
日本へ至る地理的な弧を描いており、一時的父方同居を伴う核家族ケースを含んでいる
→この核家族ケースは北東側ではウクライナ、ルーマニアにまで達している
・二番目の同心円上では母方居住・核家族類型が南から東への弧を描いている
→西側部分では一時的父方同居を伴う核家族が支配的
・三番目の同心円上では双処居住核家族システムがフィリピン諸島からベーリング海峡まで
東の弧を描き、西側は遊牧民の一時的父方同居を伴う核家族形態
(各地域形態の詳細、歴史などは略)
・拡張農業文明の中心部では土地は希少になり移住が困難になって集約化へ
→土地相続の問題→直系家族の仕組みを発明(後のヨーロッパでは王による長子相続)
・末子相続と長子相続の前後(略)
・遊牧民の家族・親族類型、父方居住共同体・・・(以下略)
第4章「日本」より
・日本の歴史時代は短く古事記が712年で、ゲルマン圏(ザクセンに文字が785年)に近い
→文字からは1400年で農業からは2500年しかない(中国では3300年と8500年)
→ただし稲作以前の独自の狩猟採集時代が1万年以上続いていた
→狩猟採集で支えられる人口としては相対的に密度が高かった
→豊富な狩猟採集(特に他の地域に類を見ない魚介海産物)は安定的な共同体の出現をもたらし、
その稠密性により一定程度の複合性を持つ技術と社会形態の形成が可能だった
・縄文末期の婚姻後夫婦の居住は(遺伝子分析により)双処居住
→これは双方的親族システムで、我々が近代的と信じているもの
・日本は侵略されずに歴史が続いた稀なケース
→家族形態の伝播と普及は軍事的征服ではなく自発的に模倣した結果
・北東部と南西部に分類できる
(残留末子相続と絶対長子相続の類型では北東部をさらに3分類できる)
→北東部では直系家族より複合的な家族形態が存在する(隠居など?)
→南西部より貧弱な農業と低い人口密度から巨大労働集団に?
・日本の直系家族(イエ・分家?)についての近年の論争
→男性長子相続と直系家族の制度化は19世紀末から
→普遍的ではなく(妻の親族を含む)養子を相続人とすることも頻繁に行われていた
→多様性・複合性はあるが古典的直系家族モデルが君臨
・(文字資料では社会構造の高い層しか見えないが・・・)
→中国的父系原則と日本的双方基底の二元性文化→平安時代まで
→長子相続の台頭→鎌倉時代から→父方居住と女性ステータスの低下へ
・日本型直系家族の発明
→日本の直系家族・封建時代は中国で消滅してから1000年後
→両国の最初の緊密接触時には、中国ではすでに共同体家族化されていた
→直系家族への移行は漸進的であり北東部では(必要なかった社会に)輸入された結果?
・沖縄の家族類型(略)
・アイヌ人の家族類型(略)
・日本南西部、沖縄、済州島を包括する古い文化圏(略)
・イトコ婚(略)
・朝鮮に関するメモ(略)
第5章「インド亜大陸」より
・農耕も文字も極めて早いが歴史の長さが同一ではなく不連続
・現在のパキスタン中心部ではインダス文明が出現し(BC2800)消滅した(BC1700)
→豊かな農耕とメソポタミアに繋がる通商で繁栄していた
→文字が解読不可能なことから完全に独立した文明だった?
→ペルシャ湾奥のメソポタミアには海路で近いので影響はあったはず
→アーリア人の侵略だけでなく灌漑により衰退した
・インド亜大陸は地理・言語・ヒンズーのカースト・部族・民族により分断される
→サンプルではインドを代表する住民集団は38としたが、この章では11追加して49に(略)
→北部と西部は世帯の複合性が最大の地帯
→南部と東部は最小の地帯
→中央部はその中間地帯
→革新と侵略の大部分は北西部からで、複合性の伝播と一致する
→オリッサの地図上では共同体家族空間と核家族空間の切れ目が明瞭で、共同体家族が
陸路でも海路でも交通が単純な地帯を経由して伝播したことがわかる
・49のサンプルは多様でインドで主張されている「合同家族」優位というわけではない
→周辺地域の保守性はあり核家族と共同体家族の中間局面である直系家族
・ヒマラヤの直系家族、その南部での痕跡、末子相続の周縁性・・・(略)
・直系家族登場の原因は稠密性か伝播か(略)
・古代の直系家族と初期のカースト(略)
・遊牧民の侵略と共同体家族への移行→スキタイ人の侵略(略)
・空間的分化の起源、性行為礼賛、女性のステータス、中世の移行・・・(略)
・イトコ婚、ヒンズーの外婚制とイスラムの内婚制、周縁部の婚姻・・・(略)
第6章「東南アジア」より
・広大な半島と島々はユーラシアの周縁部だがユーラシアの農業・文字・家族の起源に重要
→ただしチモール島とマラッカ諸島から向こうは家族も農業もニューギニア世界に入る
→ニューギニアは独自の菜園耕作と森林管理で人口密度が高くユーラシアとは別世界→別項で
・東南アジアの農業はBC3000年から段階的に到来
→ベトナムだけが中国から、それ以外の文化的影響はインドから→農業革新の第二波
→高地ではいまだ中国で栽培化されたジャポニカ米だが平野部ではインディカ米
・文字、宗教、言語、国家・・・(略)
→集約農業と粗放空間の共存→帝国は固定化(奴隷化)に努めたが移動耕作を放棄していない
→1800年頃の人口→中国3億3千万人、日本3千万人、東南アジアは全体で2800万人だった
→2005年の人口→中国は4倍、日本は4.2倍になったが東南アジア9ヶ国では20倍に
→なので家族システムは、この間に大きく変化した可能性もある
・サンプル分布、類型分布・・・(略)
→家族類型総計の82%は核家族の変種→核家族は周縁部で古代的という仮説に完全に一致する
→中央部では母方居住で一時的居住を伴う核家族と結びつく→国家を持つ民族との一致
・ボルネオ島の四つの住民集団
・イバン人
→長大なアパルトマン(分割不可能)に三世代を連合させる規則的発展サイクル
→焼畑に加え米・漁労・狩猟・採集で生活し世代の単線的な継承
→これらから土地の実際の所有権は長大な家屋に住む集団にあり各世帯は使用権のみ
→直系的世帯は双方的な親族の絆で互いに繋がっている
→同居する既婚の子どもは息子でも娘でもいいが大抵は長子→双処居住直系家族
・陸ダヤク人、マロー人、プナン人も双処居住直系家族に分類されるがデータ不足
(ボルネオ島はあまり民俗誌化されていない)
・歴史
→フィリピン、ボルネオ北部、セレベス(スラウェシ)の核家族システムと双処居住直系家族の
システムは明快な組織編制原則を持たないことからも、人類の起源的な類型に近い残存システム
→フィリピン諸島やボルネオ島の男女系統を区別することのない用語体系の絶対的な優位性
→双処居住性と親族用語体系の未分化性は古代的であり、いまだに調和を保っている
・父方居住、母方居住、家族と人口密度、長子相続、外婚制・・・(略)
云々・・・
と、いつかは下巻メモに続く・・・のだろうか・・・ひいひい
2022年11月09日
ヒトコブラクダ層ぜっと!!!
とーとつですが・・・
「ヒトコブラクダ層ぜっと」とゆー小説のご紹介
ま、メソポタミアつながりとゆーか、ひさしぶりに読んだ万城目学作品であります
著者紹介・発行所・発行年月日などは奥付のとおりですが、こちらの著者や原案者と
ほぼ同時期に京都で学生時代を過ごされてたんですね・・・
惹句にもありましたが、まさにローラーコースター小説で、舞台は日本からイラクへ、
現代からメソポタミア期へと、時空を超えて行ったり来たりで大いに楽しめました。
ちなみにわたくし、著者の大阪、京都、奈良が舞台の作品は殆ど読みましたが、
海外が舞台の作品を読むのは今回がはじめてでした。
で、オハナシは・・・
幼い頃、自宅を謎の隕石が直撃して両親が亡くなった、三つ子の兄弟の物語で、三人が別々の
超能力を持ってたものの、ずっと隠して暮らしてきたのが20歳の誕生日に偶然火災に出会い、
三人がそれぞれの超能力を使って他人を無事に救出したことから、それ以降は困っている人を
こっそり・ひっそりと助けるため、協力して超能力を使うようになり・・・
ただし超能力といっても大きな力ではなく「3秒ルール」という限界もあって・・・
(と、この辺りはミュータントSFのパターンですね)
やがて謎の女性が現れ三人に「ヒトコブラクダ層を見つけて欲しい」という謎の依頼をして、
「成功すれば三人の夢を叶えてあげます」と約束します
で、謎の女性の強大な権限で三人は自衛隊に入隊、PKOでイラクへ派遣されることになり・・・
(この辺りは英雄冒険譚SFの召命・旅立ち・越境ですね)
・・・と、オハナシは中東の砂漠へと展開して行きます
ちなみに長男の夢は巨大肉食恐竜の化石を日本で発見すること、
中兄の夢はメソポタミアで未発見の都市遺跡を発掘すること、
末弟の夢はズルしない本物の戦いを体験すること、
とゆー設定なので、三兄弟それぞれが恐竜・メソポタミア・戦いの面白さを語るシーンが
たっぷりとあり、さらにイラク情勢や世界情勢のシビアな現状も、民族史や文明史に関する、
仮説も含む持論展開もあって、広い分野の最新情報を分かりやすく紹介されてることからも、
著者は正統派のSF作家でもあると、あらためて感じました
と、イラクでは自衛隊、米軍、政府軍から古代戦士まで入り乱れての戦いに・・・
(こうなるとタイムスリップモノつーかアクションモノつーか戦場モノつーか・・・)
舞台が沙漠なので、砂漠と礫漠の違いも水やレーションの重要性もきちんと描いてあって、
戦闘シーンではスナイパーとスポッターの連携や大口径ライフルの扱い方とかも・・・
さらに異次元空間からフォン・デニケン以来の「古代の神々は宇宙から」説まで出てきて、
わたくしの好きな分野を総ナメしてくれるような展開になってですね・・・
ま、これ以上書くと物語のネタバレになるので我慢しますが、ともかく・・・
恐竜とメソポタミアと戦闘に興味をお持ちの方!!!にはオススメの作品です きっぱりと
「ヒトコブラクダ層ぜっと」とゆー小説のご紹介
ま、メソポタミアつながりとゆーか、ひさしぶりに読んだ万城目学作品であります
著者紹介・発行所・発行年月日などは奥付のとおりですが、こちらの著者や原案者と
ほぼ同時期に京都で学生時代を過ごされてたんですね・・・
惹句にもありましたが、まさにローラーコースター小説で、舞台は日本からイラクへ、
現代からメソポタミア期へと、時空を超えて行ったり来たりで大いに楽しめました。
ちなみにわたくし、著者の大阪、京都、奈良が舞台の作品は殆ど読みましたが、
海外が舞台の作品を読むのは今回がはじめてでした。
で、オハナシは・・・
幼い頃、自宅を謎の隕石が直撃して両親が亡くなった、三つ子の兄弟の物語で、三人が別々の
超能力を持ってたものの、ずっと隠して暮らしてきたのが20歳の誕生日に偶然火災に出会い、
三人がそれぞれの超能力を使って他人を無事に救出したことから、それ以降は困っている人を
こっそり・ひっそりと助けるため、協力して超能力を使うようになり・・・
ただし超能力といっても大きな力ではなく「3秒ルール」という限界もあって・・・
(と、この辺りはミュータントSFのパターンですね)
やがて謎の女性が現れ三人に「ヒトコブラクダ層を見つけて欲しい」という謎の依頼をして、
「成功すれば三人の夢を叶えてあげます」と約束します
で、謎の女性の強大な権限で三人は自衛隊に入隊、PKOでイラクへ派遣されることになり・・・
(この辺りは英雄冒険譚SFの召命・旅立ち・越境ですね)
・・・と、オハナシは中東の砂漠へと展開して行きます
ちなみに長男の夢は巨大肉食恐竜の化石を日本で発見すること、
中兄の夢はメソポタミアで未発見の都市遺跡を発掘すること、
末弟の夢はズルしない本物の戦いを体験すること、
とゆー設定なので、三兄弟それぞれが恐竜・メソポタミア・戦いの面白さを語るシーンが
たっぷりとあり、さらにイラク情勢や世界情勢のシビアな現状も、民族史や文明史に関する、
仮説も含む持論展開もあって、広い分野の最新情報を分かりやすく紹介されてることからも、
著者は正統派のSF作家でもあると、あらためて感じました
と、イラクでは自衛隊、米軍、政府軍から古代戦士まで入り乱れての戦いに・・・
(こうなるとタイムスリップモノつーかアクションモノつーか戦場モノつーか・・・)
舞台が沙漠なので、砂漠と礫漠の違いも水やレーションの重要性もきちんと描いてあって、
戦闘シーンではスナイパーとスポッターの連携や大口径ライフルの扱い方とかも・・・
さらに異次元空間からフォン・デニケン以来の「古代の神々は宇宙から」説まで出てきて、
わたくしの好きな分野を総ナメしてくれるような展開になってですね・・・
ま、これ以上書くと物語のネタバレになるので我慢しますが、ともかく・・・
恐竜とメソポタミアと戦闘に興味をお持ちの方!!!にはオススメの作品です きっぱりと
2022年11月04日
視聴メモ「欲望の資本主義・メタバースの衝撃」
NHKの「欲望の資本主義2022夏・メタバースの衝撃・デジタル経済のパラドックス」とゆー番組が、
少し前に再放送されてたので視聴、わからないまま一部をメモしました
1章 まだ見ぬ10兆ドルの夢
・ニール・スティーブンスン「スノウ・クラッシュ」1992年の作品
(ゴーグル内だけで活躍する→現実とは異なる超宇宙=メタバースでの物語)
・今はメタバース内での経済活動も可能になっている→大企業が次々と参入している
・現実世界はウクライナ侵攻、コロナ感染、インフレなどで深刻だが、デジタル世界は活況を呈している
・キャシー・ハックル
→メタバース内ではゲームのバーチャルアイテムだけでも1年間に1000億ドルが使われた
→何世紀も続いた物理的なモノの商取引は電子取引になったが、
→ゲーム世界の経済活動はバーチャルとバーチャルの取引になった
→そこに大企業が新たな市場を見出し投資している
・現実世界+仮想空間=新たなリアリティの誕生?
→乱立するプラットフォーム
・加藤直人
→誰もがクリエーターになれるプラットフォームの提供が目的
→コークとペプシでは市場シェアの少ないペプシのほうが熱狂的ユーザーが多いと思われがちだが、
マーケティングでは市場シェアの多い方が熱狂的ユーザー(の割合?)も多い
→プラットフォームでも1位が9割、2位が1割の市場構造になる
→このプラットフォームのこの機能はいいね、ではなく全てで勝たないと生き残れない
→パソコン、インターネット、モバイルではもうチャンスはないのでメタバースで勝ち残る
2章 幻想の資本主義
・ニーアル・ファーガソン
→今は資本(貯蓄)には不足はないので動かす良いアイデアさえあれば進む
・成田悠輔「22世紀の民主主義」
→過去・未来・便利さ・価値のタテヨコ軸を包括するのがメタバース
3章 すべてがバーチャルになる時
・タレントアバター→バーチャル大阪FANY(吉本興業の子会社)
→兵庫県養父町の鉱山空間「バーチャルやぶ」→行けない人も楽しめる
・三越伊勢丹のバーチャル店舗→全年代がメリットの百貨店でモノ→コト→トキ→体験へ
・三井住友海上で開発中のメタバース保険→保険会社がメタバース内での活動を担保する
・プラットフォーム乱立の中で一番うまくいった3Dコンテンツをメタバースと呼ぶようになるだろう
4章 デジタル経済は計測可能?
・森健「デジタル増価革命」
→サブスクリプションは物価か?→少なくとも需要と供給の関係ではない
→見えない資本が経済を動かす→GDPの説得力がなくなっている
→消費者余剰はGDPに計測されていないが、SNS4社の消費者余剰は日本だけで年間20兆円とも
・ごく一部の人や企業を潤しているだけ(ダイアン・コイル)
・デジタル革命が引き起こす不確実性
・全ての経済価値は本当はバーチャルで実体がないもの
→ドルや円の価値も単なる社会の構築物
→ブランド品の価値の例→原価10ドルでもブランド品なら1000ドルの価値
→ブランドもバーチャルだがGDPと同じく人にとっては価値のあるもの
5章 ビッグテックへの反乱
・GAFAが大きくなり過ぎたので逆の流れにする
→Web3で(Web1は見るだけWeb2は交流だけ)
→ブロックチェーンとNFT化によってデジタルや実物の売買が仮想空間内で可能になった
→GAFAのように市場支配することもデータや手数料を取ることもないので対等で民主的?
→中央集権国家にとっては脅威で国家通貨に対する初の競争相手になる→新たな経済圏になる?
→セカンドライフ→VR技術→現実と虚構が混ざり合うアメリカの政治と文化(Qアノンなど)へ
6章 超宇宙の外 今そこにある危機
・エマニュエル・トッド
→今こそバーチャルではなく現実に目を向けるべき
→フランスでも若者はスマホで動画を見てるがクルマを買うカネはなく家賃さえ払えない
→メタバースや仮想通貨は時代遅れ、今はこの冬のヨーロッパがどうなるかもわからない時代
・フェリックス・マーティン「21世紀の貨幣論」
→アメリカやヨーロッパのインフレ→中央銀行が市場を意識する異常な時代
→これまで20年ほどの安定は中央銀行の政策のおかげなのか、運によるものなのか・・・
・ダイアン・コイル
→中央銀行も仮想通貨を発行するようになると、人々のお金への執着や使い方がどう変わるか
・通貨が不安定になれば膨らむ仮想通貨への夢、国家通貨からの逃走
→これが社会と経済のさらなる不安定化を呼ぶのか・・・
→経済の安定とは、成長とは・・・
→70年間、GDPの成長率を基準にしてきた→そこに問題があることも知っていた
→クズネッツによる1934年の大恐慌分析時点から
→1942年のアメリカ初のGNP統計発表に対するクズネッツの不満
→経済成長の数字だけで(それが)人々の豊かさを向上させるかどうかが考慮されていない
7章 いくつもの月が幻惑する
・仮想通貨、暗号資産
→人々は貨幣という空に浮かぶ月を欲しがる(ケインズ)
→今や月を自分で作ることもできる→多くの月の中でどの月が残るのか
→パンドラの箱が開いてしまったようなもの
→資源や経済的幸福を買うための貨幣を作るという夢は、かつてないほど強力になっている
・成田悠輔
→自分の持ってる1万円札は自分が何か価値のあることをしたというデータを紙でもらったもの
→なので、いっぱい持ってる人は尊敬されたり嫉妬されたりする
→貨幣は経済活動の貧しい世界でデータの足りなさを補うために作り出したもの
→小さなローカル社会では、ほぼデータに記録できていた(経済実態とデータとの乖離が少なかった)ので、
貨幣はそれほど重要ではなかった
→近代の急激な経済成長でデータが実態に追いつかなくなり、その乖離が大きくなった
→この実体とデータとのズレが「貨幣の価値」で、近代からその重要性が急激に増していった
→今後は(成長が鈍化し?)乖離が再び縮まる(貨幣があまり重要でなくなる)世界が来るかも知れない
→それを後押しする一つがメタバース経済・・・
→いっぽうで貨幣に頼らない分散型システムには危険性もある
→さらに国家もシステムに取り込もうとするので貨幣とのせめぎ合いは続く・・・
・岩井克人
→貨幣以前の社会は共同体の顔見知りの中でしか生活できなかった
→貨幣さえ持てば小さな共同体から離れて(個人として自由な)生活ができる
→それが結果的に1人が1票を持つという(市民の間だけの)民主主義を実現させた
→全てがブロックチェーンに記録され(貨幣のような)匿名性が奪われる社会はディストピア
→貨幣は共同体の束縛から人々を解放する(アリストテレス/岩井克人)
8章 人類と個人の間に
・ブレッド・キング「テクノソーシャリズムの世紀」
→過去20年で経済の不確実性が増し不平等は広がるばかり
→資本主義に基づく今日の経済制度では解決策は存在しない
→AIも気候変動も人類の生存を揺さぶる
→対処には4つのモデルが考えられるがテクノソーシャリズムがベスト
(2030~2040には大企業だけが残り、そこでは雇用を殆ど要さなくなるから?)
・モノ→サービス→デジタルと、産業構造は急速に変化している
・エマニュエル・トッド
→メタバースにはフリードリッヒ・リスト(国家が同じ段階になれば自由貿易は有益には作用しない)を
→保護政策による製造業の再構築→国民国家→経済の本質はGDPではなく人
(デジタルは国家を超える?人間の集団の秩序のあり方(国民という存在)まで見えなくなれば・・・)
最終章 リアルVSバーチャルを超えて
・メタバースに象徴されるデジタル経済
→技術と人間、社会と個人、その関係性を複眼で思考し続けないと豊かな成長は見えてこない
→シンギュラリティのような未来を選び取るべき?
→選んだ考えに捉われ、それが群れになると社会を分断するので危険?
→テクノロジーは人類が種として団結できる手段になるかも知れないが、資本主義経済が偏重され
(テクノロジーにより)不平等が拡大するなら人類は絶滅しかねない
・人は想像力なしには生きて行けず、想像力だけでも生きていけない・・・
少し前に再放送されてたので視聴、わからないまま一部をメモしました
1章 まだ見ぬ10兆ドルの夢
・ニール・スティーブンスン「スノウ・クラッシュ」1992年の作品
(ゴーグル内だけで活躍する→現実とは異なる超宇宙=メタバースでの物語)
・今はメタバース内での経済活動も可能になっている→大企業が次々と参入している
・現実世界はウクライナ侵攻、コロナ感染、インフレなどで深刻だが、デジタル世界は活況を呈している
・キャシー・ハックル
→メタバース内ではゲームのバーチャルアイテムだけでも1年間に1000億ドルが使われた
→何世紀も続いた物理的なモノの商取引は電子取引になったが、
→ゲーム世界の経済活動はバーチャルとバーチャルの取引になった
→そこに大企業が新たな市場を見出し投資している
・現実世界+仮想空間=新たなリアリティの誕生?
→乱立するプラットフォーム
・加藤直人
→誰もがクリエーターになれるプラットフォームの提供が目的
→コークとペプシでは市場シェアの少ないペプシのほうが熱狂的ユーザーが多いと思われがちだが、
マーケティングでは市場シェアの多い方が熱狂的ユーザー(の割合?)も多い
→プラットフォームでも1位が9割、2位が1割の市場構造になる
→このプラットフォームのこの機能はいいね、ではなく全てで勝たないと生き残れない
→パソコン、インターネット、モバイルではもうチャンスはないのでメタバースで勝ち残る
2章 幻想の資本主義
・ニーアル・ファーガソン
→今は資本(貯蓄)には不足はないので動かす良いアイデアさえあれば進む
・成田悠輔「22世紀の民主主義」
→過去・未来・便利さ・価値のタテヨコ軸を包括するのがメタバース
3章 すべてがバーチャルになる時
・タレントアバター→バーチャル大阪FANY(吉本興業の子会社)
→兵庫県養父町の鉱山空間「バーチャルやぶ」→行けない人も楽しめる
・三越伊勢丹のバーチャル店舗→全年代がメリットの百貨店でモノ→コト→トキ→体験へ
・三井住友海上で開発中のメタバース保険→保険会社がメタバース内での活動を担保する
・プラットフォーム乱立の中で一番うまくいった3Dコンテンツをメタバースと呼ぶようになるだろう
4章 デジタル経済は計測可能?
・森健「デジタル増価革命」
→サブスクリプションは物価か?→少なくとも需要と供給の関係ではない
→見えない資本が経済を動かす→GDPの説得力がなくなっている
→消費者余剰はGDPに計測されていないが、SNS4社の消費者余剰は日本だけで年間20兆円とも
・ごく一部の人や企業を潤しているだけ(ダイアン・コイル)
・デジタル革命が引き起こす不確実性
・全ての経済価値は本当はバーチャルで実体がないもの
→ドルや円の価値も単なる社会の構築物
→ブランド品の価値の例→原価10ドルでもブランド品なら1000ドルの価値
→ブランドもバーチャルだがGDPと同じく人にとっては価値のあるもの
5章 ビッグテックへの反乱
・GAFAが大きくなり過ぎたので逆の流れにする
→Web3で(Web1は見るだけWeb2は交流だけ)
→ブロックチェーンとNFT化によってデジタルや実物の売買が仮想空間内で可能になった
→GAFAのように市場支配することもデータや手数料を取ることもないので対等で民主的?
→中央集権国家にとっては脅威で国家通貨に対する初の競争相手になる→新たな経済圏になる?
→セカンドライフ→VR技術→現実と虚構が混ざり合うアメリカの政治と文化(Qアノンなど)へ
6章 超宇宙の外 今そこにある危機
・エマニュエル・トッド
→今こそバーチャルではなく現実に目を向けるべき
→フランスでも若者はスマホで動画を見てるがクルマを買うカネはなく家賃さえ払えない
→メタバースや仮想通貨は時代遅れ、今はこの冬のヨーロッパがどうなるかもわからない時代
・フェリックス・マーティン「21世紀の貨幣論」
→アメリカやヨーロッパのインフレ→中央銀行が市場を意識する異常な時代
→これまで20年ほどの安定は中央銀行の政策のおかげなのか、運によるものなのか・・・
・ダイアン・コイル
→中央銀行も仮想通貨を発行するようになると、人々のお金への執着や使い方がどう変わるか
・通貨が不安定になれば膨らむ仮想通貨への夢、国家通貨からの逃走
→これが社会と経済のさらなる不安定化を呼ぶのか・・・
→経済の安定とは、成長とは・・・
→70年間、GDPの成長率を基準にしてきた→そこに問題があることも知っていた
→クズネッツによる1934年の大恐慌分析時点から
→1942年のアメリカ初のGNP統計発表に対するクズネッツの不満
→経済成長の数字だけで(それが)人々の豊かさを向上させるかどうかが考慮されていない
7章 いくつもの月が幻惑する
・仮想通貨、暗号資産
→人々は貨幣という空に浮かぶ月を欲しがる(ケインズ)
→今や月を自分で作ることもできる→多くの月の中でどの月が残るのか
→パンドラの箱が開いてしまったようなもの
→資源や経済的幸福を買うための貨幣を作るという夢は、かつてないほど強力になっている
・成田悠輔
→自分の持ってる1万円札は自分が何か価値のあることをしたというデータを紙でもらったもの
→なので、いっぱい持ってる人は尊敬されたり嫉妬されたりする
→貨幣は経済活動の貧しい世界でデータの足りなさを補うために作り出したもの
→小さなローカル社会では、ほぼデータに記録できていた(経済実態とデータとの乖離が少なかった)ので、
貨幣はそれほど重要ではなかった
→近代の急激な経済成長でデータが実態に追いつかなくなり、その乖離が大きくなった
→この実体とデータとのズレが「貨幣の価値」で、近代からその重要性が急激に増していった
→今後は(成長が鈍化し?)乖離が再び縮まる(貨幣があまり重要でなくなる)世界が来るかも知れない
→それを後押しする一つがメタバース経済・・・
→いっぽうで貨幣に頼らない分散型システムには危険性もある
→さらに国家もシステムに取り込もうとするので貨幣とのせめぎ合いは続く・・・
・岩井克人
→貨幣以前の社会は共同体の顔見知りの中でしか生活できなかった
→貨幣さえ持てば小さな共同体から離れて(個人として自由な)生活ができる
→それが結果的に1人が1票を持つという(市民の間だけの)民主主義を実現させた
→全てがブロックチェーンに記録され(貨幣のような)匿名性が奪われる社会はディストピア
→貨幣は共同体の束縛から人々を解放する(アリストテレス/岩井克人)
8章 人類と個人の間に
・ブレッド・キング「テクノソーシャリズムの世紀」
→過去20年で経済の不確実性が増し不平等は広がるばかり
→資本主義に基づく今日の経済制度では解決策は存在しない
→AIも気候変動も人類の生存を揺さぶる
→対処には4つのモデルが考えられるがテクノソーシャリズムがベスト
(2030~2040には大企業だけが残り、そこでは雇用を殆ど要さなくなるから?)
・モノ→サービス→デジタルと、産業構造は急速に変化している
・エマニュエル・トッド
→メタバースにはフリードリッヒ・リスト(国家が同じ段階になれば自由貿易は有益には作用しない)を
→保護政策による製造業の再構築→国民国家→経済の本質はGDPではなく人
(デジタルは国家を超える?人間の集団の秩序のあり方(国民という存在)まで見えなくなれば・・・)
最終章 リアルVSバーチャルを超えて
・メタバースに象徴されるデジタル経済
→技術と人間、社会と個人、その関係性を複眼で思考し続けないと豊かな成長は見えてこない
→シンギュラリティのような未来を選び取るべき?
→選んだ考えに捉われ、それが群れになると社会を分断するので危険?
→テクノロジーは人類が種として団結できる手段になるかも知れないが、資本主義経済が偏重され
(テクノロジーにより)不平等が拡大するなら人類は絶滅しかねない
・人は想像力なしには生きて行けず、想像力だけでも生きていけない・・・