2023年06月
2023年06月30日
定吉七番の復活!!!
とーとつですが・・・
表表紙
裏表紙
帯の惹句
そう、わたくしが愛したスパイ定吉七番(セブン)の最新刊であります!!!
ま、最新刊とはいっても・・・
13年前に小説現代に連載され、10年前に刊行されてた本なんでしゅが・・・
定吉七番(セブン)シリーズ・・・
わたくしは1作目(1985年)から5作目(1986年)まで愛読してましたが、6作目7作目(1988年)は、
仕事が多忙な時期だったので刊行も知らないまま絶版となってたようで、8作目(1994~5年)は
小説現代に連載されたものの当時のサリン事件の影響により単行本化されなかったとのことで、
やはり知りませんでした
著者の作品では、実家に少なくとも文庫版4冊5作と単行本「戦場は僕らのオモチャ箱」が
あるのは覚えてた(著者の作品リストを見ると他にもけっこう読んでた)のですが・・・
最近、NATO東京事務所設置に関するnon☆postさんのツイートをきっかけに、懐かしくて
検索したところ、何と二十数年の時を経て!!!2013年に続編が刊行されていたことを知り、
思わず図書館に予約していた次第・・・(ちなみに本書の文庫版も刊行されてます)
閑話休題
例によって目次のみ・・・
目次にある著者の前口上によれば・・・
定吉七番が誕生したのはちょうど関西バブルの絶頂期で、その後は「アホな現実が小説世界を
はるかに凌駕する状況となり、いまさら東西摩擦でもあるまい」と、ずっと続編の執筆依頼を
断り続けていたところ、最近、大阪府を都にするとかを叫ぶ法律家の市長が現れたりして、
新秩序やら事業仕分けやらリストラやら文化補助削減やらで、人々が閉塞して混乱する中、
「古きに復し廃れたるを興さんとするも、また一興なり」と、定吉の復活を決意されたそうです
(そーいや文化財が行政で保管できずOSKの秘密基地に積み上げられてる場面もありました)
2010年頃の雑誌初出なので(2013年の単行本化時点では)時事ネタが若干古いけど御容赦を、
ともありましたが、今回はじめて読んだわたくしには、2010年頃の大阪どころか世界中の
世相が詳しく盛り込まれてて、じつに懐かしく貴重な一冊となりました
で、オハナシは・・・
帯の惹句にもあるとおり、二十数年前にNATTO幹部を追っていたスイス・アルプス山中で
返り討ちに遭い、氷河クレバスの底深くに落ちて死んだと思われていた定吉七番(セブン)が、
2010年に偶然、氷河の温暖化調査団によって冷凍保存状態で発見され、世界各国が稀少な
研究材料として奪い合う中、OSK(大阪商工会議所秘密会所)が、大阪オリンピック辞退の
見返りとして(それで東京になったんやっ!)密かに入手、南港WTC地下にある(あったのかっ!)
OSKの秘密基地で培養液の中から蘇る・・・あたりまでがプロローグ・・・
で、舞台は本町のレトロビルから枚方の古いアパート、淀川河川敷のホームレス小屋、
スイス国境付近の旧ドイツ要塞跡にあるナチス残党の秘密基地などなどから、やがて、
福島県境の新潟県側にある、田長巻子率いるNATTO過激派の秘密基地へ・・・
小説なので驚愕の展開には触れませんが1980年代のシリーズにさらに磨きがかかったとゆーか、
さらにハチャメチャになったとゆーか、雑誌連載されていた2010年までの007シリーズはじめ
あらゆる映画、小説、コミックス、アニメ、TV番組などのパロディが、これでもかとばかり
盛り込まれてて、1頁ごとに何度も抱腹絶倒しました
例えば・・・
・リクルートスーツ姿でビシッと決めているOSKの美人エージェント岡田真弓が、
初対面の際には「私の名前は真弓、岡田真弓・・・」と名乗るとか
(その名前で往年の阪神ファンからは必ず昔話を聞かされ辟易してるのですが)
・経費削減でリストラされた定吉七番の元上司が、淀川河川敷の小屋でアルミ缶収集しながら、
自然繁殖した巨大アリゲーターやアナコンダらと仲良く暮らしているとか
・スイスの草原から村の集積所へミルク缶を運ぶハイディの、祖父譲りのケッテンクラートとか
(ハイディの幼馴染の恋人がペーテルで、今は都会に住む友人がクララとか)
・新潟の秘密道路に突如現れるM1エイブラムズ(しかも105mm砲搭載の初期型)とか・・・
・それをRPG7で攻撃し軽微な損害しか与えられなかったものの、両者の原価を計算して
損得勘定だけで成果に満足しているOSK美人エージェント岡田真弓とか・・・
・駅弁鉄でもある定吉七番が大阪から新潟まで在来線を遠回りして全駅弁を制覇したため、
NATTOの待ち伏せチームが大混乱に陥るとか・・・
・新潟名物「イタリアン」の北越地方での評価やスイスのパンが不味い理由などなど・・・
映画「裸の銃を持つ男」を遥かに凌ぐコテコテのパロディやギャグが全頁に満載のうえ、
著者は上記ウィキにある経歴のとおり、博物館学の助手からコンバットマガジン編集部を経て
作家になり、真面目な歴史小説では数々の大賞も受賞されてますから博識も相当なもので、
世界の兵器、料理、歴史から古い吉本ギャグにいたるまで、じつに詳細に描かれており、
トリビアの泉としても興味深く読めました
前作までの作品を知らなくても充分に楽しめますので、未読の方には一読をオススメします
それにしても・・・
わたくしシリーズの第一作目から、ずっと感じていたことなんですが、
著者は大阪人でも関西人でもないのに、土地勘にしても言葉の使い方にしても、
なにゆえ、ここまで詳しいのだろうか???
表表紙
裏表紙
帯の惹句
そう、わたくしが愛したスパイ定吉七番(セブン)の最新刊であります!!!
ま、最新刊とはいっても・・・
13年前に小説現代に連載され、10年前に刊行されてた本なんでしゅが・・・
定吉七番(セブン)シリーズ・・・
わたくしは1作目(1985年)から5作目(1986年)まで愛読してましたが、6作目7作目(1988年)は、
仕事が多忙な時期だったので刊行も知らないまま絶版となってたようで、8作目(1994~5年)は
小説現代に連載されたものの当時のサリン事件の影響により単行本化されなかったとのことで、
やはり知りませんでした
著者の作品では、実家に少なくとも文庫版4冊5作と単行本「戦場は僕らのオモチャ箱」が
あるのは覚えてた(著者の作品リストを見ると他にもけっこう読んでた)のですが・・・
最近、NATO東京事務所設置に関するnon☆postさんのツイートをきっかけに、懐かしくて
検索したところ、何と二十数年の時を経て!!!2013年に続編が刊行されていたことを知り、
思わず図書館に予約していた次第・・・(ちなみに本書の文庫版も刊行されてます)
閑話休題
例によって目次のみ・・・
目次にある著者の前口上によれば・・・
定吉七番が誕生したのはちょうど関西バブルの絶頂期で、その後は「アホな現実が小説世界を
はるかに凌駕する状況となり、いまさら東西摩擦でもあるまい」と、ずっと続編の執筆依頼を
断り続けていたところ、最近、大阪府を都にするとかを叫ぶ法律家の市長が現れたりして、
新秩序やら事業仕分けやらリストラやら文化補助削減やらで、人々が閉塞して混乱する中、
「古きに復し廃れたるを興さんとするも、また一興なり」と、定吉の復活を決意されたそうです
(そーいや文化財が行政で保管できずOSKの秘密基地に積み上げられてる場面もありました)
2010年頃の雑誌初出なので(2013年の単行本化時点では)時事ネタが若干古いけど御容赦を、
ともありましたが、今回はじめて読んだわたくしには、2010年頃の大阪どころか世界中の
世相が詳しく盛り込まれてて、じつに懐かしく貴重な一冊となりました
で、オハナシは・・・
帯の惹句にもあるとおり、二十数年前にNATTO幹部を追っていたスイス・アルプス山中で
返り討ちに遭い、氷河クレバスの底深くに落ちて死んだと思われていた定吉七番(セブン)が、
2010年に偶然、氷河の温暖化調査団によって冷凍保存状態で発見され、世界各国が稀少な
研究材料として奪い合う中、OSK(大阪商工会議所秘密会所)が、大阪オリンピック辞退の
見返りとして(それで東京になったんやっ!)密かに入手、南港WTC地下にある(あったのかっ!)
OSKの秘密基地で培養液の中から蘇る・・・あたりまでがプロローグ・・・
で、舞台は本町のレトロビルから枚方の古いアパート、淀川河川敷のホームレス小屋、
スイス国境付近の旧ドイツ要塞跡にあるナチス残党の秘密基地などなどから、やがて、
福島県境の新潟県側にある、田長巻子率いるNATTO過激派の秘密基地へ・・・
小説なので驚愕の展開には触れませんが1980年代のシリーズにさらに磨きがかかったとゆーか、
さらにハチャメチャになったとゆーか、雑誌連載されていた2010年までの007シリーズはじめ
あらゆる映画、小説、コミックス、アニメ、TV番組などのパロディが、これでもかとばかり
盛り込まれてて、1頁ごとに何度も抱腹絶倒しました
例えば・・・
・リクルートスーツ姿でビシッと決めているOSKの美人エージェント岡田真弓が、
初対面の際には「私の名前は真弓、岡田真弓・・・」と名乗るとか
(その名前で往年の阪神ファンからは必ず昔話を聞かされ辟易してるのですが)
・経費削減でリストラされた定吉七番の元上司が、淀川河川敷の小屋でアルミ缶収集しながら、
自然繁殖した巨大アリゲーターやアナコンダらと仲良く暮らしているとか
・スイスの草原から村の集積所へミルク缶を運ぶハイディの、祖父譲りのケッテンクラートとか
(ハイディの幼馴染の恋人がペーテルで、今は都会に住む友人がクララとか)
・新潟の秘密道路に突如現れるM1エイブラムズ(しかも105mm砲搭載の初期型)とか・・・
・それをRPG7で攻撃し軽微な損害しか与えられなかったものの、両者の原価を計算して
損得勘定だけで成果に満足しているOSK美人エージェント岡田真弓とか・・・
・駅弁鉄でもある定吉七番が大阪から新潟まで在来線を遠回りして全駅弁を制覇したため、
NATTOの待ち伏せチームが大混乱に陥るとか・・・
・新潟名物「イタリアン」の北越地方での評価やスイスのパンが不味い理由などなど・・・
映画「裸の銃を持つ男」を遥かに凌ぐコテコテのパロディやギャグが全頁に満載のうえ、
著者は上記ウィキにある経歴のとおり、博物館学の助手からコンバットマガジン編集部を経て
作家になり、真面目な歴史小説では数々の大賞も受賞されてますから博識も相当なもので、
世界の兵器、料理、歴史から古い吉本ギャグにいたるまで、じつに詳細に描かれており、
トリビアの泉としても興味深く読めました
前作までの作品を知らなくても充分に楽しめますので、未読の方には一読をオススメします
それにしても・・・
わたくしシリーズの第一作目から、ずっと感じていたことなんですが、
著者は大阪人でも関西人でもないのに、土地勘にしても言葉の使い方にしても、
なにゆえ、ここまで詳しいのだろうか???
2023年06月23日
令和その他のレイワにおける健全な反逆に関する架空六法
ええ、
「令和その他のレイワにおける健全な反逆に関する架空六法」のご紹介!!!
(図書館予約でも)待ちに待った、新川帆立初のSF短編集であります
帯にあった惹句
初のリーガルSF短編集とあり、浮かび上がるのは社会の「ジョーシキ」とその歪みとも、
自分より大きなものに立ち向かうすべての人のための反逆本ともあります・・・
奥付であります
そう、図書館予約当時は著者の最新刊だったんですが半年待ちでした
著者紹介
詳しい経歴などについては前々回記事「先祖探偵」をご覧ください
本書の目次であります
以下、さくさくっと各話の感想などを・・・
第一話「動物裁判」
人権同様に動物の「命権」も認められるようになった世界での水戸地方裁判所を舞台にした、
ネコ側が原告、ボノボ側が被告とゆー法廷モノ・・・
男女関係(雄雌関係?)がテーマのお話ですが、ミステリーとしても大いに楽しめました
第二話「自家醸造の女」
戦後、占領軍により禁酒法が発令され家庭での酒造りが常態となり、法の廃止後も酒造りが
主婦の嗜みとなった世界で、苦手な酒造りに挑む美女のお話・・・
日本の家族関係や習俗や風俗に対する著者の愛憎が密に感じられた作品でした
第三話「シレーナの大冒険」
バーチャル・ビーイング(仮想世界の人間)とフィジカル・ビーイング(現実世界の人間)が、
一緒に暮らす近未来世界に崩壊の危機が迫るお話で、アバターやマトリックスの世界ですが
なかなか素敵な純愛物語でした
第四話「健康なまま死んでくれ」
過労死を出す企業には投資されなくなった世界の中の日本で働く非正規雇用労働者のお話
こちらもよくできた殺人ミステリで、格差社会もリアルに描かれた作品でした
第五話「最後のYUKICHI」
日本で現金が原則廃止されてから5年後のお話・・・
高度な偽造防止対策が施されたYUKICHIが世界中でマネーロンダリングに使われたり、
新型ウィルスが紙幣や硬貨で感染するとゆーデマが蔓延したりして、現金を貯め込む者や、
使おうとする者は、反社会的人物として迫害され追い詰められていきます
筒井康隆の短編「最後の喫煙者」へのオマージュでしょうか、展開もドタバタ仕立てで、
痛烈な社会風刺にもなってました
第六話「接待麻雀士」
高齢者の認知症予防を名目に賭け麻雀が合法化された社会で、プロ雀士から接待麻雀士になった、
麻雀しか知らない地味で真面目な女性が巧妙な罠に嵌められて・・・とゆーお話
雀士の世界やイカサマの手口など、さすがプロ雀士としての経歴を持つ著者の面目躍如作品
ま、麻雀をしないわたくしには麻雀シーンがよくわかりませんでしたが・・・
ご都合主義に我慢に我慢を重ねてきた純粋な主人公がとても爽やかでした
と、どのオハナシも「異なるレイワ世界」とゆー意味ではパラレル・ワールドSFですし、
法(制度)改正された近未来社会とゆー意味ではフューチャー・ポリティカル・サタイアSF、
アイデアやプロットもよくできてて、もともとSF・ファンタジー作家になりたかったとゆー
著者なので、今後のSF・ファンタジーの長編や連作が楽しみです
「令和その他のレイワにおける健全な反逆に関する架空六法」のご紹介!!!
(図書館予約でも)待ちに待った、新川帆立初のSF短編集であります
帯にあった惹句
初のリーガルSF短編集とあり、浮かび上がるのは社会の「ジョーシキ」とその歪みとも、
自分より大きなものに立ち向かうすべての人のための反逆本ともあります・・・
奥付であります
そう、図書館予約当時は著者の最新刊だったんですが半年待ちでした
著者紹介
詳しい経歴などについては前々回記事「先祖探偵」をご覧ください
本書の目次であります
以下、さくさくっと各話の感想などを・・・
第一話「動物裁判」
人権同様に動物の「命権」も認められるようになった世界での水戸地方裁判所を舞台にした、
ネコ側が原告、ボノボ側が被告とゆー法廷モノ・・・
男女関係(雄雌関係?)がテーマのお話ですが、ミステリーとしても大いに楽しめました
第二話「自家醸造の女」
戦後、占領軍により禁酒法が発令され家庭での酒造りが常態となり、法の廃止後も酒造りが
主婦の嗜みとなった世界で、苦手な酒造りに挑む美女のお話・・・
日本の家族関係や習俗や風俗に対する著者の愛憎が密に感じられた作品でした
第三話「シレーナの大冒険」
バーチャル・ビーイング(仮想世界の人間)とフィジカル・ビーイング(現実世界の人間)が、
一緒に暮らす近未来世界に崩壊の危機が迫るお話で、アバターやマトリックスの世界ですが
なかなか素敵な純愛物語でした
第四話「健康なまま死んでくれ」
過労死を出す企業には投資されなくなった世界の中の日本で働く非正規雇用労働者のお話
こちらもよくできた殺人ミステリで、格差社会もリアルに描かれた作品でした
第五話「最後のYUKICHI」
日本で現金が原則廃止されてから5年後のお話・・・
高度な偽造防止対策が施されたYUKICHIが世界中でマネーロンダリングに使われたり、
新型ウィルスが紙幣や硬貨で感染するとゆーデマが蔓延したりして、現金を貯め込む者や、
使おうとする者は、反社会的人物として迫害され追い詰められていきます
筒井康隆の短編「最後の喫煙者」へのオマージュでしょうか、展開もドタバタ仕立てで、
痛烈な社会風刺にもなってました
第六話「接待麻雀士」
高齢者の認知症予防を名目に賭け麻雀が合法化された社会で、プロ雀士から接待麻雀士になった、
麻雀しか知らない地味で真面目な女性が巧妙な罠に嵌められて・・・とゆーお話
雀士の世界やイカサマの手口など、さすがプロ雀士としての経歴を持つ著者の面目躍如作品
ま、麻雀をしないわたくしには麻雀シーンがよくわかりませんでしたが・・・
ご都合主義に我慢に我慢を重ねてきた純粋な主人公がとても爽やかでした
と、どのオハナシも「異なるレイワ世界」とゆー意味ではパラレル・ワールドSFですし、
法(制度)改正された近未来社会とゆー意味ではフューチャー・ポリティカル・サタイアSF、
アイデアやプロットもよくできてて、もともとSF・ファンタジー作家になりたかったとゆー
著者なので、今後のSF・ファンタジーの長編や連作が楽しみです
2023年06月18日
老いを楽しく手なずけよう
とーとつですが・・・
老いを楽しく手なずけよう~軽やかに生きる55のヒント~とゆー本のご紹介
巻末にあった著者紹介と奥付であります
例によって目次のみ・・・
ウンチクも文章もわたくし好み、著者の時代感覚にも生活感にも大いに共感できました
これからの老いに備えるとかアンチエイジングとかではなく、楽しく手なずけるつーのが、
最近ますます老いが気になってきたわたくしを、わりとお気楽にさせてくれました
軽やかに生きる55のヒントにも納得しましたが、詳しくは本書をお読みいただくとして、
とりあえずプロローグ書き出し部分からのメモ・・・
・同世代との飲み会は気軽で楽しい
→お互い固有名詞が出てこなくても、アレ、コレ、ソレで大体話は通じるし、
→生きてきた時代背景も、抱える事情も似たり寄ったりだし、
→考えが違っても、もはや論争して打ち負かす気にもなれないから平和だし、
→次は全員揃うだろうかという危機感も何となくあるから飲食時間が愛おしくすらある
・そんな貴重な飲み会での話題
→日本の会話で最も多く使用される言葉は「元気?」と「頑張ってね」ではという結論に達した
→「元気?」が「こんにちわ」なら「頑張ってね」は「さようなら」の感じになるのか
→若い世代にはそうかもしれないけど我々高齢者になると「元気?」はお互いの生存確認で、
文字通り健康状態の確認になる
→「頑張ってね」は、今の状態を何とか保っていようね、という励まし合いになる
・健康なのに元気のない人もいるし、重い病気なのに元気を維持している人もいる
→いつまでも健康というのは無理だが、そこそこ元気で、を目標にしたい
・20数年ぶりの人間ドックで緑内障が見つかり、しばらくして歯に異変が起きた
→大きな病気には身構えていたが、長年使用した部品が傷んでくるのが老化と気づかされた
→気づいて落ち込んだが、へこんだままだと「そこそこ元気」は達成できない
→よくここまで酷使に耐えてくれたと考えると、現実を認めたくない気持ちが徐々に感謝の
気持ちに変わってくるということに気づいた
→あ、これが老いを受け入れるってことか、と・・・
・逃れようのないものなら、こうやって徐々に手なずけていくしかないのだろう
→どうせなら軽く明るく楽しく手なずけて、老いと仲良くしていきたいもの・・・
そう、全編がこんな感じで面白く一気に読めました
とても全ては紹介できませんが第1章の最初のエピソードからのメモ・・・
・60代半ばで椎間板ヘルニアを発症、坐骨神経痛も加わった
→1ヶ月後の手術までに、トライしてなかったあらゆる方法にチャレンジしてみるかと、
鍼や灸や各種マッサージ、ついには気で治すというところにも行ってみた
→手応えがあったので医師と相談して手術を延期した
・やがて痛みも消え、喜んだのも束の間、膝の痛みが勃発し電車の座席から立てなくなった
→さすがにショックでテレビ体操をはじめた(運動嫌いなのでジムには行かない)
→簡単と思ってたが画面のお姉さんと同じには出来ず、最初は10分で疲労困憊した
→番組では各運動の目的解説があるので、それに納得できれば頑張れる
(なんで小学校の先生はラジオ体操の効果を教えてくれなかったのかっ!!!)
・2年後くらいから杖や手すりに頼らずとも駅階段の昇降ができるようになった
→歩くことが大嫌いだったのに、はじめてウオーキングの楽しさを知りシューズも買った
→一度歩道の段差に気づかず派手に転倒したが、友人によると受け身ができていたらしい
→そんな意識は全くなかったから、自然に身体が動くようになっていたのだろう
→体を操ると書いて体操、動かさないと動きにくい身体になるそうだ
→まさにラジオ体操様様である
・今では体操メニュー1時間、散歩やジョギング1万~1万5千歩を毎日達成し続けている
→今後の課題はアクセルを踏むことではなくブレーキを踏むこと
→何たって戦後の高度成長期とともに生きた我々世代は「今日の己に明日は克つ」という
拡大傾向のアクセル内蔵型なので注意が必要
→過ぎたるは及ばざるが如し・・・
以下はてきとーに読後メモから・・・
・断捨離の基準は今現在での要不要
→リストラだって過去の実績や将来の貢献を考えたら断行できない→人もモノもバッサリ
→私は完全無欠より、いい加減が好き
→ゴチャゴチャと身の回りに過去と未来をまとわりつかせながら、その間の今を、思い出と
希望にまみれながら生きる、ってのも悪くないような気がしている
→断捨離できずストレスを溜めるよりモノが溜まってるほうが病気にならないんじゃないか
→ごみ屋敷化を防ぐため、まずいなと思った時に年に1度か2度、大掃除に近い感覚でやる
→「曇り時々断捨離」程度で、たまに訪れる陽の光を楽しむぐらいで手を打つことにしている
・悠々自適
(仕事中に)2時間の合間があれば映画でも観るか、2日間の合間があれば1泊2日で出かけるか、
→この間ぼーっとするのも至福の時だが、1年365日ぼーっとしているのも飽きそうだ
→ならばどうすればいいか→慌てない方がいい
→他人のことなら客観的に見れるのに、自分のことは主観的・感情的になるから
→どうせ幽体離脱はできないので、自分の思いを文字にして書いてみるか
→書くのが嫌なら(自分の壁打ちである)友人とおしゃべりするか
→友人に意味を訊かれて答えを繰り返すうちに自分の心が見えてくることがある
・パンデミック
高齢とは残された時間が少ないということ
→残り少ない時間をコロナに奪われないためには人との接触を避けるのが一番安全だが、
→それで2年後3年後に自分の心身がどうなっているかも考えないとまずい
→どちらのリスクを選ぶのか、私はなるべく普通に暮らそうと決心した
・行動は制限されたが、不自由になればなるほど、自分の求めていたものが見えてきたり、
これまで気づかなかった自分が発見出来たり、それはそれで貴重な経験になったような気がする
・医師とのコミュニケーション(事前に症状をメモしておく)
「私は割と痛みに敏感な方で、最も軽い1から気絶寸前を10とすると、今の痛みは8~9ぐらい、
痛みの質はピリピリ、チクチク、ジワジワ、ギリギリ、ドカンドカン、ガッツーンと分ける
とすると、ガッツーンに近いです」
と、ここまで言うと医師も丁寧に話を聴いてくれる
・高齢者にとって死に結びつく危険要因は何かという研究の結果
「男性の場合は妻がいないこと、女性の場合は夫がいること」
→女が最も我慢できないのは、お金を稼げなくなったとか、仕事や肩書を失ったとか、
家から出て行かないということではないのだ
→どうせ俺なんか、と日々卑屈になっていく連れ合いの姿なのだ
・終活
思いどおりにできたかは(死後で)確認できないのに、思いどおりに迎えようと頑張る姿は
真剣であればあるほど何か滑稽に見えちゃう
→でもまあ終焉を考えてるうちに、それまでどう生きたいのか見えてくるかもしれないので、
それが終活の大事な付録なんじゃないかと思う
・選択肢
→子どもも巣立ち仕事も終われば(母親の時代にはなかった)たくさんの選択肢が今はある
→孫の世話など家族サポート、ボランティア活動、無数にある趣味の世界、興味ある分野の勉強、
(好きな)仕事を続ける、旅行三昧、読書三昧・・・限りがない
・選択肢に悩んだり迷ったり立ち止まったりしている人たちもいる
→これはホテルの朝食バイキングを前にした女性たちに似ている
→たとえ少しずつでも全て食べたいという心境
→その結果、何を食べたかわからなくなり、たくさん食べた感じだけが残る
(朝食後の肉体的苦痛と精神的後悔に身悶えることを旅の度に繰り返している)
→朝食バイキングに胃袋というキャパシティがあるように、人生にも残された時間という
キャパシティがある
→あれもこれも手を出すと忙しいばかりで、味わいを残さないまま時間切れになってしまう
・どちらを選ぼうかと考えている間は決められない
→どっちなら捨てられるかという方向で詰めていく
→選ぶということは捨てる覚悟を固めるということなのである
云々・・・
いやあ、特に朝食バイキングの例にはじつに同感、わたくしも趣味の世界を拡げることは
すでに控えているのですが、今の趣味だけでも沼は深く、わたくしは表面を掬っているだけ、
それなのに皿の料理が増え続け、収拾がつかなくなってるのは何故なのか・・・
ホテルの朝食バイキングでも連泊で同じ料理なら、二日目以降は適量を選べるのですが、
連泊者のために毎朝いくつか新しい料理を並べてくれるホテルもあるわけで、やはりこれは
全てを試さざるを得ず、昨日のお気に入りと合わせると結局ボリュームが・・・げふっ
そう、ライトや自転車やテントやバーナーなど様々なアウトドア用品とか写真用品とかも、
新製品が出ると(おそらく今後は使いもしないのに)、ついつい皿に盛りたくなるわけだし、
新刊本とか新作映画とか新番組とかが出ると(おそらく全部は読んだり観たりしないのに)、
これもついつい皿に盛りたくなって、皿に盛れないと今度は大きなストレスが・・・
老いを楽しく手なずけよう~軽やかに生きる55のヒント~とゆー本のご紹介
巻末にあった著者紹介と奥付であります
例によって目次のみ・・・
ウンチクも文章もわたくし好み、著者の時代感覚にも生活感にも大いに共感できました
これからの老いに備えるとかアンチエイジングとかではなく、楽しく手なずけるつーのが、
最近ますます老いが気になってきたわたくしを、わりとお気楽にさせてくれました
軽やかに生きる55のヒントにも納得しましたが、詳しくは本書をお読みいただくとして、
とりあえずプロローグ書き出し部分からのメモ・・・
・同世代との飲み会は気軽で楽しい
→お互い固有名詞が出てこなくても、アレ、コレ、ソレで大体話は通じるし、
→生きてきた時代背景も、抱える事情も似たり寄ったりだし、
→考えが違っても、もはや論争して打ち負かす気にもなれないから平和だし、
→次は全員揃うだろうかという危機感も何となくあるから飲食時間が愛おしくすらある
・そんな貴重な飲み会での話題
→日本の会話で最も多く使用される言葉は「元気?」と「頑張ってね」ではという結論に達した
→「元気?」が「こんにちわ」なら「頑張ってね」は「さようなら」の感じになるのか
→若い世代にはそうかもしれないけど我々高齢者になると「元気?」はお互いの生存確認で、
文字通り健康状態の確認になる
→「頑張ってね」は、今の状態を何とか保っていようね、という励まし合いになる
・健康なのに元気のない人もいるし、重い病気なのに元気を維持している人もいる
→いつまでも健康というのは無理だが、そこそこ元気で、を目標にしたい
・20数年ぶりの人間ドックで緑内障が見つかり、しばらくして歯に異変が起きた
→大きな病気には身構えていたが、長年使用した部品が傷んでくるのが老化と気づかされた
→気づいて落ち込んだが、へこんだままだと「そこそこ元気」は達成できない
→よくここまで酷使に耐えてくれたと考えると、現実を認めたくない気持ちが徐々に感謝の
気持ちに変わってくるということに気づいた
→あ、これが老いを受け入れるってことか、と・・・
・逃れようのないものなら、こうやって徐々に手なずけていくしかないのだろう
→どうせなら軽く明るく楽しく手なずけて、老いと仲良くしていきたいもの・・・
そう、全編がこんな感じで面白く一気に読めました
とても全ては紹介できませんが第1章の最初のエピソードからのメモ・・・
・60代半ばで椎間板ヘルニアを発症、坐骨神経痛も加わった
→1ヶ月後の手術までに、トライしてなかったあらゆる方法にチャレンジしてみるかと、
鍼や灸や各種マッサージ、ついには気で治すというところにも行ってみた
→手応えがあったので医師と相談して手術を延期した
・やがて痛みも消え、喜んだのも束の間、膝の痛みが勃発し電車の座席から立てなくなった
→さすがにショックでテレビ体操をはじめた(運動嫌いなのでジムには行かない)
→簡単と思ってたが画面のお姉さんと同じには出来ず、最初は10分で疲労困憊した
→番組では各運動の目的解説があるので、それに納得できれば頑張れる
(なんで小学校の先生はラジオ体操の効果を教えてくれなかったのかっ!!!)
・2年後くらいから杖や手すりに頼らずとも駅階段の昇降ができるようになった
→歩くことが大嫌いだったのに、はじめてウオーキングの楽しさを知りシューズも買った
→一度歩道の段差に気づかず派手に転倒したが、友人によると受け身ができていたらしい
→そんな意識は全くなかったから、自然に身体が動くようになっていたのだろう
→体を操ると書いて体操、動かさないと動きにくい身体になるそうだ
→まさにラジオ体操様様である
・今では体操メニュー1時間、散歩やジョギング1万~1万5千歩を毎日達成し続けている
→今後の課題はアクセルを踏むことではなくブレーキを踏むこと
→何たって戦後の高度成長期とともに生きた我々世代は「今日の己に明日は克つ」という
拡大傾向のアクセル内蔵型なので注意が必要
→過ぎたるは及ばざるが如し・・・
以下はてきとーに読後メモから・・・
・断捨離の基準は今現在での要不要
→リストラだって過去の実績や将来の貢献を考えたら断行できない→人もモノもバッサリ
→私は完全無欠より、いい加減が好き
→ゴチャゴチャと身の回りに過去と未来をまとわりつかせながら、その間の今を、思い出と
希望にまみれながら生きる、ってのも悪くないような気がしている
→断捨離できずストレスを溜めるよりモノが溜まってるほうが病気にならないんじゃないか
→ごみ屋敷化を防ぐため、まずいなと思った時に年に1度か2度、大掃除に近い感覚でやる
→「曇り時々断捨離」程度で、たまに訪れる陽の光を楽しむぐらいで手を打つことにしている
・悠々自適
(仕事中に)2時間の合間があれば映画でも観るか、2日間の合間があれば1泊2日で出かけるか、
→この間ぼーっとするのも至福の時だが、1年365日ぼーっとしているのも飽きそうだ
→ならばどうすればいいか→慌てない方がいい
→他人のことなら客観的に見れるのに、自分のことは主観的・感情的になるから
→どうせ幽体離脱はできないので、自分の思いを文字にして書いてみるか
→書くのが嫌なら(自分の壁打ちである)友人とおしゃべりするか
→友人に意味を訊かれて答えを繰り返すうちに自分の心が見えてくることがある
・パンデミック
高齢とは残された時間が少ないということ
→残り少ない時間をコロナに奪われないためには人との接触を避けるのが一番安全だが、
→それで2年後3年後に自分の心身がどうなっているかも考えないとまずい
→どちらのリスクを選ぶのか、私はなるべく普通に暮らそうと決心した
・行動は制限されたが、不自由になればなるほど、自分の求めていたものが見えてきたり、
これまで気づかなかった自分が発見出来たり、それはそれで貴重な経験になったような気がする
・医師とのコミュニケーション(事前に症状をメモしておく)
「私は割と痛みに敏感な方で、最も軽い1から気絶寸前を10とすると、今の痛みは8~9ぐらい、
痛みの質はピリピリ、チクチク、ジワジワ、ギリギリ、ドカンドカン、ガッツーンと分ける
とすると、ガッツーンに近いです」
と、ここまで言うと医師も丁寧に話を聴いてくれる
・高齢者にとって死に結びつく危険要因は何かという研究の結果
「男性の場合は妻がいないこと、女性の場合は夫がいること」
→女が最も我慢できないのは、お金を稼げなくなったとか、仕事や肩書を失ったとか、
家から出て行かないということではないのだ
→どうせ俺なんか、と日々卑屈になっていく連れ合いの姿なのだ
・終活
思いどおりにできたかは(死後で)確認できないのに、思いどおりに迎えようと頑張る姿は
真剣であればあるほど何か滑稽に見えちゃう
→でもまあ終焉を考えてるうちに、それまでどう生きたいのか見えてくるかもしれないので、
それが終活の大事な付録なんじゃないかと思う
・選択肢
→子どもも巣立ち仕事も終われば(母親の時代にはなかった)たくさんの選択肢が今はある
→孫の世話など家族サポート、ボランティア活動、無数にある趣味の世界、興味ある分野の勉強、
(好きな)仕事を続ける、旅行三昧、読書三昧・・・限りがない
・選択肢に悩んだり迷ったり立ち止まったりしている人たちもいる
→これはホテルの朝食バイキングを前にした女性たちに似ている
→たとえ少しずつでも全て食べたいという心境
→その結果、何を食べたかわからなくなり、たくさん食べた感じだけが残る
(朝食後の肉体的苦痛と精神的後悔に身悶えることを旅の度に繰り返している)
→朝食バイキングに胃袋というキャパシティがあるように、人生にも残された時間という
キャパシティがある
→あれもこれも手を出すと忙しいばかりで、味わいを残さないまま時間切れになってしまう
・どちらを選ぼうかと考えている間は決められない
→どっちなら捨てられるかという方向で詰めていく
→選ぶということは捨てる覚悟を固めるということなのである
云々・・・
いやあ、特に朝食バイキングの例にはじつに同感、わたくしも趣味の世界を拡げることは
すでに控えているのですが、今の趣味だけでも沼は深く、わたくしは表面を掬っているだけ、
それなのに皿の料理が増え続け、収拾がつかなくなってるのは何故なのか・・・
ホテルの朝食バイキングでも連泊で同じ料理なら、二日目以降は適量を選べるのですが、
連泊者のために毎朝いくつか新しい料理を並べてくれるホテルもあるわけで、やはりこれは
全てを試さざるを得ず、昨日のお気に入りと合わせると結局ボリュームが・・・げふっ
そう、ライトや自転車やテントやバーナーなど様々なアウトドア用品とか写真用品とかも、
新製品が出ると(おそらく今後は使いもしないのに)、ついつい皿に盛りたくなるわけだし、
新刊本とか新作映画とか新番組とかが出ると(おそらく全部は読んだり観たりしないのに)、
これもついつい皿に盛りたくなって、皿に盛れないと今度は大きなストレスが・・・
2023年06月15日
先祖探偵
とーとつですが先祖探偵・・・
とゆー探偵小説のご紹介であります
帯にあった惹句
著者略歴と奥付
さらに詳しい著者来歴がウィキペディアにありましたが、弁護士やプロ雀士など著者の人生
そのものが小説になるような、ユニークな経歴の持ち主だったんですね
高校生で作家になることを決意、売れるまでの収入に困らないよう国家資格を目指しつつ、
司法修習中に大好きな麻雀のプロテストに首席合格し、1年間だけプロ雀士に・・・
弁護士になったものの毎月150時間以上の残業が続き身体を壊して企業弁護士に・・・
ミステリー大賞を受賞してからは企業弁護士を休職して作家に専念・・・
同級生弁護士の夫(事実婚)の仕事の関係でボストンへ、2021年からシカゴに在住・・・
わたくし、こちらの記事の末尾にも書きましたが、やはり才能のある人材にとっては、
「休めない、残業が多い」ことが、日本の組織労働の一番大きな問題点かも知れませんね
週刊文春の著者インタビューによれば、本来はSF・ファンタジー作家になりたかったけど、
まずは専門分野を活かした法律ミステリから書き始めたとのことで、ようやく今年の1月に
はじめてのSF作品「令和その他のレイワにおける健全な反逆に関する架空六法」(集英社)
を刊行、架空六法がテーマのSFつーのが「いかにも」で、こちらも楽しみです
と、前置きが長くなりましたが例によって目次のみのご紹介
どの話も戸籍をメインにしたミステリ連作で著者と同世代の女性探偵が主人公です
一般にはパスポート申請の際に日本国籍を証明するぐらいにしか利用されない戸籍ですが、
本来は出生死亡婚姻や親族関係を法的に証明する唯一の手段でもあり、目次にあるとおり、
その制度上の問題点や戦災による消失、政府の方針変更などに翻弄される人々が描かれ、
それらを悪用しようとする連中との対決や、探偵本人の母親探しがテーマになってます
文章や筋書きや登場人物などに新人作家にありがちな不自然さが少なく情景描写もリアルで自然、
参考文献も的を射たもので、さりげに座敷童子なんかも出てきたりして若いのに手慣れたもの、
さすがにユニークな経歴の持ち主ですねえ・・・
小説講座も受講してたそうですが抵抗なく物語世界に入って行けました
主人公が孤児として施設で育ち、探偵事務所のバイトでコツコツと貯めた資金で(母親を探す
目的もあり)「先祖探偵」を開業、戸籍と人の繋がりに関わるなかで、帯の惹句にあるとおり
「ひとりでも寂しくない。私はもっと強くなれる」と生きていく様子が魅力的でした
今後のSF・ファンタジー作品も楽しみです!!!
とゆー探偵小説のご紹介であります
帯にあった惹句
著者略歴と奥付
さらに詳しい著者来歴がウィキペディアにありましたが、弁護士やプロ雀士など著者の人生
そのものが小説になるような、ユニークな経歴の持ち主だったんですね
高校生で作家になることを決意、売れるまでの収入に困らないよう国家資格を目指しつつ、
司法修習中に大好きな麻雀のプロテストに首席合格し、1年間だけプロ雀士に・・・
弁護士になったものの毎月150時間以上の残業が続き身体を壊して企業弁護士に・・・
ミステリー大賞を受賞してからは企業弁護士を休職して作家に専念・・・
同級生弁護士の夫(事実婚)の仕事の関係でボストンへ、2021年からシカゴに在住・・・
わたくし、こちらの記事の末尾にも書きましたが、やはり才能のある人材にとっては、
「休めない、残業が多い」ことが、日本の組織労働の一番大きな問題点かも知れませんね
週刊文春の著者インタビューによれば、本来はSF・ファンタジー作家になりたかったけど、
まずは専門分野を活かした法律ミステリから書き始めたとのことで、ようやく今年の1月に
はじめてのSF作品「令和その他のレイワにおける健全な反逆に関する架空六法」(集英社)
を刊行、架空六法がテーマのSFつーのが「いかにも」で、こちらも楽しみです
と、前置きが長くなりましたが例によって目次のみのご紹介
どの話も戸籍をメインにしたミステリ連作で著者と同世代の女性探偵が主人公です
一般にはパスポート申請の際に日本国籍を証明するぐらいにしか利用されない戸籍ですが、
本来は出生死亡婚姻や親族関係を法的に証明する唯一の手段でもあり、目次にあるとおり、
その制度上の問題点や戦災による消失、政府の方針変更などに翻弄される人々が描かれ、
それらを悪用しようとする連中との対決や、探偵本人の母親探しがテーマになってます
文章や筋書きや登場人物などに新人作家にありがちな不自然さが少なく情景描写もリアルで自然、
参考文献も的を射たもので、さりげに座敷童子なんかも出てきたりして若いのに手慣れたもの、
さすがにユニークな経歴の持ち主ですねえ・・・
小説講座も受講してたそうですが抵抗なく物語世界に入って行けました
主人公が孤児として施設で育ち、探偵事務所のバイトでコツコツと貯めた資金で(母親を探す
目的もあり)「先祖探偵」を開業、戸籍と人の繋がりに関わるなかで、帯の惹句にあるとおり
「ひとりでも寂しくない。私はもっと強くなれる」と生きていく様子が魅力的でした
今後のSF・ファンタジー作品も楽しみです!!!
2023年06月11日
さあ、あなたも「世界一住みたい国」で・・・
とーとつですが・・・
さあ、あなたも「世界一住みたい国」で幸せに暮らす計画を立ててみよう!
人生が100倍豊かになる国際自由人的生き方・・・とゆー本であります
裏表紙カバー裏にあった著者紹介
奥付
例によって目次のみ・・・
マレーシアでも特にジョホール・バルへの移住・長期滞在をオススメしている本ですが、
ちょうど9年前の発行なので、現在の状況はどうなんでしょうね・・・
本の内容については目次から想像していただきたいのですが、いいことずくめだけでなく
移住や長期滞在の際の注意点も、分かりやすく書かれてました
わたくしは東マレーシア(ボルネオ島)での短期滞在しか経験がありませんし、現地では
慣れたコーディネーターにお世話いただいてるので、生活したとゆー実感はありませんが、
それでも植林ボランティアでのイバンの子どもたちや先生やご両親、招待いただいた村や
ご自宅や大学、街中のお店や宿泊先などでも、嫌な思いをした記憶が殆どありません
マレー系、インド系、中華系、イバンなど先住系と様々で、宗教もイスラム教、キリスト教、
ヒンドゥー教、仏教など様々だけど信仰心は篤く、生活習慣や文化伝統の違いはあるものの、
お互い干渉せず気軽に付き合い、外国人も気軽に受け入れる雰囲気は確かに感じました
まあ、酒税とか国立校の学費とかイスラム教徒に有利な政策はあるんでしょうが、それぞれが
それぞれの異なる宗教や文化を認め合って、外国ともうまく付き合っている・・・
これがアジアの多民族国家としてのマレーシアの魅力なのかも知れませんね・・・
さあ、あなたも「世界一住みたい国」で幸せに暮らす計画を立ててみよう!
人生が100倍豊かになる国際自由人的生き方・・・とゆー本であります
裏表紙カバー裏にあった著者紹介
奥付
例によって目次のみ・・・
マレーシアでも特にジョホール・バルへの移住・長期滞在をオススメしている本ですが、
ちょうど9年前の発行なので、現在の状況はどうなんでしょうね・・・
本の内容については目次から想像していただきたいのですが、いいことずくめだけでなく
移住や長期滞在の際の注意点も、分かりやすく書かれてました
わたくしは東マレーシア(ボルネオ島)での短期滞在しか経験がありませんし、現地では
慣れたコーディネーターにお世話いただいてるので、生活したとゆー実感はありませんが、
それでも植林ボランティアでのイバンの子どもたちや先生やご両親、招待いただいた村や
ご自宅や大学、街中のお店や宿泊先などでも、嫌な思いをした記憶が殆どありません
マレー系、インド系、中華系、イバンなど先住系と様々で、宗教もイスラム教、キリスト教、
ヒンドゥー教、仏教など様々だけど信仰心は篤く、生活習慣や文化伝統の違いはあるものの、
お互い干渉せず気軽に付き合い、外国人も気軽に受け入れる雰囲気は確かに感じました
まあ、酒税とか国立校の学費とかイスラム教徒に有利な政策はあるんでしょうが、それぞれが
それぞれの異なる宗教や文化を認め合って、外国ともうまく付き合っている・・・
これがアジアの多民族国家としてのマレーシアの魅力なのかも知れませんね・・・