2023年08月
2023年08月27日
大使館で作戦会議!!!
とーとつですが本日、大使館で作戦会議・・・
ま、正確にはニューミュンヘン神戸大使館で10月のボルネオツアーに向けた作戦会議・・・
の名目で、唐揚げでビールが飲みたいとゆー某wingさん発案の宴会だったのでしゅが
わたくしは大阪から、ひさしぶりの阪神電車に乗って・・・
神戸三宮へ、正午の開店と同時に予約席に5名が集合して・・・
なにはともあれ・・・
まずは乾杯!!!
まあ、約1名を除き植林ツアーやフラッシュ光の下見ツアーや企画会議(名目の宴会)で
顔なじみのメンバーだったので、特に作戦を練ることもなく・・・
ひたすら・・・
ばくばくごくごく、わいわいがやがや
たちまち飲み放題の制限2時間となり、今回は奇跡的に追加延長もせずに解散しました
そう、昼飲みで飲み放題から追加延長するとロクなことはないと経験済みのメンバーだったし
で、わたくしは、
帰りに寄りたかったお店も満腹であきらめ、休憩しつつ阪神電車へ、吹田市民はJRへ向かい、
健康的に帰りましたが、神戸市民3人はモンベルでボルネオ装備を爆買いされてたとか・・・
そう、飲んでから買い物に行くと気持ちが大きくなって、ついつい買ってしまうんですよね
逆に飲む前に買い物をすると飲食中に取り出して汚したり壊したり置き忘れたり・・・
飲んでから買うか、買ってから飲むかは、なかなかの難問なのでありますね どっとはらい
ま、正確にはニューミュンヘン神戸大使館で10月のボルネオツアーに向けた作戦会議・・・
の名目で、唐揚げでビールが飲みたいとゆー某wingさん発案の宴会だったのでしゅが
わたくしは大阪から、ひさしぶりの阪神電車に乗って・・・
神戸三宮へ、正午の開店と同時に予約席に5名が集合して・・・
なにはともあれ・・・
まずは乾杯!!!
まあ、約1名を除き植林ツアーやフラッシュ光の下見ツアーや企画会議(名目の宴会)で
顔なじみのメンバーだったので、特に作戦を練ることもなく・・・
ひたすら・・・
ばくばくごくごく、わいわいがやがや
たちまち飲み放題の制限2時間となり、今回は奇跡的に追加延長もせずに解散しました
そう、昼飲みで飲み放題から追加延長するとロクなことはないと経験済みのメンバーだったし
で、わたくしは、
帰りに寄りたかったお店も満腹であきらめ、休憩しつつ阪神電車へ、吹田市民はJRへ向かい、
健康的に帰りましたが、神戸市民3人はモンベルでボルネオ装備を爆買いされてたとか・・・
そう、飲んでから買い物に行くと気持ちが大きくなって、ついつい買ってしまうんですよね
逆に飲む前に買い物をすると飲食中に取り出して汚したり壊したり置き忘れたり・・・
飲んでから買うか、買ってから飲むかは、なかなかの難問なのでありますね どっとはらい
2023年08月19日
帆立の詫び状・てんやわんや編より
とーとつですが・・・
帆立の詫び状・てんやわんや編(新川帆立著・幻冬舎文庫)とゆーエッセイ集のご紹介であります
表紙カバー裏にあった著者紹介
裏表紙カバーにあった惹句
奥付
例によって目次のみ・・・
以下、数タイトルからの読後メモで、(カッコ内)はわたくしの感想なり補足です
(著作物なので記事公開に問題があるようなら、すぐ非公開にします)
「イエローストーンで政治談議」より
ユタ州の白人ガイドで西部の古き善き保守の香りがするビルさんの話
・軍隊では18歳で銃を持たせるのに民間だけ21歳にする銃規制は個人より国家優先なので反対
→軍隊も21歳からにするなら理解できる
→アリゾナ州では隣接するメキシコのギャング集団による誘拐事件が多発していたが銃規制の緩和で
市民が銃を所持するようになり件数が減った
→このような国境地域などの現実をワシントンで働く官僚は理解していない
→だから銃規制は一律の連邦法ではなく各州の州法で行うべき
(これは日本の獣害のひどい地域独自の狩猟・銃規制関連の法改正や条例制定に繋がる議論かも?)
・土地収用は州によっては営利施設にも適用されている(法人税が増え公共の利益になるから)
→憲法上の財産権の侵害なのだから厳格に適用されるべきで反対
→マイノリティの権利のための憲法の拡大解釈にも反対
→どちらも必要なら憲法を修正すべき
・個別の論点は私とは異なるが理解はできる
→法政策の話では絶対にない(法学論理的におかしい)意見と、一定の筋の通った意見がある
→一定の筋の通った意見は複数存在し、どれに説得力を見出すかについては個人差が出る
→だから正解がないというわけではなく、それぞれの立場に基づいて議論し「どの意見が一番説得的か」
のすり合わせをすることはできる
→法学の議論はこのようにして進む
(そう、これが国会や地方議会の本来の役割でもあるはずなんですが、今は真摯な議論なんかなく力まかせ、
野党とのすり合わせどころか、国民や市民への説明さえ怪しいような与党意見がそのまま・・・)
→理系分野の研究でも「今のところ一番説得的な仮説」が限度だろう→常に反証の可能性があるから
・立場の異なる者同士の議論が大事で有益なのだが、現状は非常に難しくなっている
→世相のせいなのか、SNSの影響なのか、知的水準の問題なのかは分からないが・・・
・絶対にない意見を議論する必要はないが、最近は絶対にないという判定がすぐに出ている気がする
→考えたり調べたりすると一定の筋が見えることもあるのに・・・
→相手の筋を理解することと、それでも自分が正しいと考えることは両立する
・考えすぎてSNSでは何も言えないが、割り切れない問題を考え続けるのが知的に誠実な姿勢だと思う
(大和ミュージアム館長の戸高一成氏もTV番組で「最後まで考え続けること、思考停止しないこと」が
最も大事だと、特攻の例からおっしゃってましたね・・・
考え続けていたら、勝つ見込みがなくなった時点で講和なのに、思考停止していたと・・・)
「アニメにハマりました」より
・食わず嫌いの筆頭がアニメだった→お約束や内輪ノリが苦手で、オタク言論空間も得意ではなかった
→純文学も何が言いたいか分からなかったが、高等教育を受けて初めて魅力や面白さに気づいた
→だから「分からない」だけで嫌いになってはいけない
→分からないという気持ちを誤魔化さず大切に抱えておくと後に解決することもある
→自分の「分からない」は許容するが、他人には押し付けない努力をする→分かりやすさ
→学術書や専門書は内容の良さと分かりやすさは一致しないが小説では分かりやすさを諦めない
・「分からない」はストレスで疎外感が残り、そのジャンルや物事への苦手意識が蓄積されていく
→小説の書き手になって、この疎外感を被害妄想ではなく実感している
→たとえばメインターゲット読者を想定して物語を設計すれば、それ以外は振り落とされる
→性別、年齢、居住地、教育水準、文化水準などなど・・・
→私自身が「振り落とされる側」だったので、誰かに深く刺さればいいと簡単には割り切れない
・アニメは面白いと思うだけで深く鑑賞しなかったが、大人になり作家になって目から鱗が・・・(略)
「イケてる女性への道」より
・年齢ほど相対的なものはない
→私の小説の師匠は78歳だが84歳の人を指し「あの人は年寄りだから話が長い」と言う
→高校生とのイベントで26歳まで小説家を諦めなかった秘訣を訊かれ、作家としては早いデビューだと
思っていたので驚いたが、高校生にとってはかなり年長に感じるのだろう
・いい感じに歳を重ねた大人の女性、イケてる女性になりたいと思い本を色々と読んでみた
→女性への一番オススメの図書は、川崎淳与さん著「80代の今が最高と言える」
「税金と戦争と国際法」より
・税金には何らかの正当化根拠が必要だが盗賊には不要?(法哲学講義での井上達夫先生の仮説提示)
→悪法も法→正当化を試みている限り改正までは従わなければならない→改正がなければ革命?
・政治家が不祥事の言い訳をしている間は不十分でもいいが、認めたうえで開き直ればアウト
→せめて建前は守れということ
・近年の言論空間では建前を笑い冷やかす「冷笑系」言説が見られる
→戦争反対というお題目をいくら唱えても仕方がない?
→戦争はいけないという建前が存在する世界での戦争と存在しない世界での戦争は同じではない
→侵略戦争は国際法違反というが、強制力の乏しい国際法など無意味?
→ロシアのウクライナ侵攻を止められない国際法を学ぶ意味はあるのか?
→国際法という建前があるから非難もできるし外交を進めることもできる
→建前を唱え続けることそのものに、法と正義の支配する世界の根底があると思う
(確かに国連などの拘束力のない宣言や主要国の加盟が少ない条約でも、その存在意義は大きいはず)
・冷笑系は個人的に好きになれず学問的な誠実さに欠けるものも多いが、それにすがらないと気持ちを
保てない現実があるのも分かるから、難しいなあと思う日々・・・
(当サイトでも、ナナメに構えることで何となく満足してるような記事もあるし、確かに難しいです)
「東大女子という呪い」より
・東大男子はモテるが東大女子はモテない、女性弁護士も同様という言い伝え→どちらも嘘だと断言できる
→周りの知人友人を見ると、身のふたもない話だが美人だったらモテている
→たとえ不美人でもダサくても、毎日が楽しくて経済的にも困らず、恋愛や結婚の優先順位が低いので、
彼女らは恋愛的な魅力に乏しいと判断されることはある
→加えて高学歴やハイキャリアというだけで一部の人から嫌われることもある
→さらに高学歴集団やハイキャリア集団は男性向けに設計されており女性はお客さんに過ぎない
・性別に基づいた規範は未だに根強くダブルバインド(矛盾する二つの規範)で身動きがとれなくなる
→東大に入ったことで生きづらくなった面は確実にあるが、知識や教養やキャリアを手に入れると、
モテないことなど全く気にならないほどの楽しみや自由がある
→なので若い女の子たちには、好きなだけ勉強して、思いきり働けばいいと伝えたい
・学ぶことが好きだし、知識がないと他人を尊重できない、優しさは知識に下支えされていると思う
→だから今後も中高生には「勉強しろおばさん」としてやっていこうと思う
「新人作家1年目の結論」より
・山村正夫記念小説講座では受講生同士の作品講評は禁止
→作品の良し悪しはプロにしか分からず素人の口出しは無益どころか有害にもなり得ると思う
・ゲンロン大森望SF創作講座ではプロを目指す必要はなくSFファンとして聴講してもいい
→純文学と接近した中間小説的なものを書いてる人も多く、詳しい人、読める人、知的水準が高い層に
向けて書いていて、リーダビリティよりも先進性が優先される印象
→一般文芸やエンタメ商業小説は私にとっては手軽に楽しめる普段の家庭料理で、たまには重いものも
いいが毎日は食べられない
→SF創作講座で触れる小説群はエスニックフード的な楽しみで、作り方は全然分からないし人を選ぶ作り
→妙にハマることもあり、ハマると自分でも作ってみたくなる感じの魅力がある
・よく分からないけど書けるものを書くしかないというのが新人作家1年目の歯切れの悪い結論
→自分が書きたいものの中で他人が読みたいだろうと思う部分を書けばよいと思うので悩まない
「悪気のないおじさんたち」より
・年齢や性別で区別したくないが、私に失礼な言動をとったのは驚くほど全員が中高年男性
→爽やかにニコニコしながらの言動で殆どの場合は悪気がないようにもみえる
→好意をどう処理していいか分からず暴発している感じもあるので怒らないが、傷は残って蓄積する
→事情もあるだろうし好き勝手に生きてくれと思っているが「黒腹の手帳」に詳細に記録している
→いずれ私が大御所になれば(その頃には彼らは殆ど鬼籍だろうが)暴露本にして出版しようと・・・
→悔い改めたほうがいいが、許すつもりはない→たいてい作家は執念深いのだ
・同じ経験を持つ人に向けて自分の経験を語りたい
→あなたが傷つけられるのは、あなたのせいではなく、何をしても言われる時には言われるし、
理由なく(しかも悪気なく)石を投げてくる人はいるのだと・・・
・その後ドラマ化もあり売れたからか、この手のおじさんが寄ってこない、どこに行ったのか???
→今年デビューした新人作家に群がっているのかも・・・無意識に対象を選んでいるのだろう・・・
云々・・・
他のエピソードや思いも(ブランドバッグ愛を除き)どれもニヤニヤなるほどと楽しく読めました
わたくしが気になった部分だけのメモですので、読書の参考になれば・・・
帆立の詫び状・てんやわんや編(新川帆立著・幻冬舎文庫)とゆーエッセイ集のご紹介であります
表紙カバー裏にあった著者紹介
裏表紙カバーにあった惹句
奥付
例によって目次のみ・・・
以下、数タイトルからの読後メモで、(カッコ内)はわたくしの感想なり補足です
(著作物なので記事公開に問題があるようなら、すぐ非公開にします)
「イエローストーンで政治談議」より
ユタ州の白人ガイドで西部の古き善き保守の香りがするビルさんの話
・軍隊では18歳で銃を持たせるのに民間だけ21歳にする銃規制は個人より国家優先なので反対
→軍隊も21歳からにするなら理解できる
→アリゾナ州では隣接するメキシコのギャング集団による誘拐事件が多発していたが銃規制の緩和で
市民が銃を所持するようになり件数が減った
→このような国境地域などの現実をワシントンで働く官僚は理解していない
→だから銃規制は一律の連邦法ではなく各州の州法で行うべき
(これは日本の獣害のひどい地域独自の狩猟・銃規制関連の法改正や条例制定に繋がる議論かも?)
・土地収用は州によっては営利施設にも適用されている(法人税が増え公共の利益になるから)
→憲法上の財産権の侵害なのだから厳格に適用されるべきで反対
→マイノリティの権利のための憲法の拡大解釈にも反対
→どちらも必要なら憲法を修正すべき
・個別の論点は私とは異なるが理解はできる
→法政策の話では絶対にない(法学論理的におかしい)意見と、一定の筋の通った意見がある
→一定の筋の通った意見は複数存在し、どれに説得力を見出すかについては個人差が出る
→だから正解がないというわけではなく、それぞれの立場に基づいて議論し「どの意見が一番説得的か」
のすり合わせをすることはできる
→法学の議論はこのようにして進む
(そう、これが国会や地方議会の本来の役割でもあるはずなんですが、今は真摯な議論なんかなく力まかせ、
野党とのすり合わせどころか、国民や市民への説明さえ怪しいような与党意見がそのまま・・・)
→理系分野の研究でも「今のところ一番説得的な仮説」が限度だろう→常に反証の可能性があるから
・立場の異なる者同士の議論が大事で有益なのだが、現状は非常に難しくなっている
→世相のせいなのか、SNSの影響なのか、知的水準の問題なのかは分からないが・・・
・絶対にない意見を議論する必要はないが、最近は絶対にないという判定がすぐに出ている気がする
→考えたり調べたりすると一定の筋が見えることもあるのに・・・
→相手の筋を理解することと、それでも自分が正しいと考えることは両立する
・考えすぎてSNSでは何も言えないが、割り切れない問題を考え続けるのが知的に誠実な姿勢だと思う
(大和ミュージアム館長の戸高一成氏もTV番組で「最後まで考え続けること、思考停止しないこと」が
最も大事だと、特攻の例からおっしゃってましたね・・・
考え続けていたら、勝つ見込みがなくなった時点で講和なのに、思考停止していたと・・・)
「アニメにハマりました」より
・食わず嫌いの筆頭がアニメだった→お約束や内輪ノリが苦手で、オタク言論空間も得意ではなかった
→純文学も何が言いたいか分からなかったが、高等教育を受けて初めて魅力や面白さに気づいた
→だから「分からない」だけで嫌いになってはいけない
→分からないという気持ちを誤魔化さず大切に抱えておくと後に解決することもある
→自分の「分からない」は許容するが、他人には押し付けない努力をする→分かりやすさ
→学術書や専門書は内容の良さと分かりやすさは一致しないが小説では分かりやすさを諦めない
・「分からない」はストレスで疎外感が残り、そのジャンルや物事への苦手意識が蓄積されていく
→小説の書き手になって、この疎外感を被害妄想ではなく実感している
→たとえばメインターゲット読者を想定して物語を設計すれば、それ以外は振り落とされる
→性別、年齢、居住地、教育水準、文化水準などなど・・・
→私自身が「振り落とされる側」だったので、誰かに深く刺さればいいと簡単には割り切れない
・アニメは面白いと思うだけで深く鑑賞しなかったが、大人になり作家になって目から鱗が・・・(略)
「イケてる女性への道」より
・年齢ほど相対的なものはない
→私の小説の師匠は78歳だが84歳の人を指し「あの人は年寄りだから話が長い」と言う
→高校生とのイベントで26歳まで小説家を諦めなかった秘訣を訊かれ、作家としては早いデビューだと
思っていたので驚いたが、高校生にとってはかなり年長に感じるのだろう
・いい感じに歳を重ねた大人の女性、イケてる女性になりたいと思い本を色々と読んでみた
→女性への一番オススメの図書は、川崎淳与さん著「80代の今が最高と言える」
「税金と戦争と国際法」より
・税金には何らかの正当化根拠が必要だが盗賊には不要?(法哲学講義での井上達夫先生の仮説提示)
→悪法も法→正当化を試みている限り改正までは従わなければならない→改正がなければ革命?
・政治家が不祥事の言い訳をしている間は不十分でもいいが、認めたうえで開き直ればアウト
→せめて建前は守れということ
・近年の言論空間では建前を笑い冷やかす「冷笑系」言説が見られる
→戦争反対というお題目をいくら唱えても仕方がない?
→戦争はいけないという建前が存在する世界での戦争と存在しない世界での戦争は同じではない
→侵略戦争は国際法違反というが、強制力の乏しい国際法など無意味?
→ロシアのウクライナ侵攻を止められない国際法を学ぶ意味はあるのか?
→国際法という建前があるから非難もできるし外交を進めることもできる
→建前を唱え続けることそのものに、法と正義の支配する世界の根底があると思う
(確かに国連などの拘束力のない宣言や主要国の加盟が少ない条約でも、その存在意義は大きいはず)
・冷笑系は個人的に好きになれず学問的な誠実さに欠けるものも多いが、それにすがらないと気持ちを
保てない現実があるのも分かるから、難しいなあと思う日々・・・
(当サイトでも、ナナメに構えることで何となく満足してるような記事もあるし、確かに難しいです)
「東大女子という呪い」より
・東大男子はモテるが東大女子はモテない、女性弁護士も同様という言い伝え→どちらも嘘だと断言できる
→周りの知人友人を見ると、身のふたもない話だが美人だったらモテている
→たとえ不美人でもダサくても、毎日が楽しくて経済的にも困らず、恋愛や結婚の優先順位が低いので、
彼女らは恋愛的な魅力に乏しいと判断されることはある
→加えて高学歴やハイキャリアというだけで一部の人から嫌われることもある
→さらに高学歴集団やハイキャリア集団は男性向けに設計されており女性はお客さんに過ぎない
・性別に基づいた規範は未だに根強くダブルバインド(矛盾する二つの規範)で身動きがとれなくなる
→東大に入ったことで生きづらくなった面は確実にあるが、知識や教養やキャリアを手に入れると、
モテないことなど全く気にならないほどの楽しみや自由がある
→なので若い女の子たちには、好きなだけ勉強して、思いきり働けばいいと伝えたい
・学ぶことが好きだし、知識がないと他人を尊重できない、優しさは知識に下支えされていると思う
→だから今後も中高生には「勉強しろおばさん」としてやっていこうと思う
「新人作家1年目の結論」より
・山村正夫記念小説講座では受講生同士の作品講評は禁止
→作品の良し悪しはプロにしか分からず素人の口出しは無益どころか有害にもなり得ると思う
・ゲンロン大森望SF創作講座ではプロを目指す必要はなくSFファンとして聴講してもいい
→純文学と接近した中間小説的なものを書いてる人も多く、詳しい人、読める人、知的水準が高い層に
向けて書いていて、リーダビリティよりも先進性が優先される印象
→一般文芸やエンタメ商業小説は私にとっては手軽に楽しめる普段の家庭料理で、たまには重いものも
いいが毎日は食べられない
→SF創作講座で触れる小説群はエスニックフード的な楽しみで、作り方は全然分からないし人を選ぶ作り
→妙にハマることもあり、ハマると自分でも作ってみたくなる感じの魅力がある
・よく分からないけど書けるものを書くしかないというのが新人作家1年目の歯切れの悪い結論
→自分が書きたいものの中で他人が読みたいだろうと思う部分を書けばよいと思うので悩まない
「悪気のないおじさんたち」より
・年齢や性別で区別したくないが、私に失礼な言動をとったのは驚くほど全員が中高年男性
→爽やかにニコニコしながらの言動で殆どの場合は悪気がないようにもみえる
→好意をどう処理していいか分からず暴発している感じもあるので怒らないが、傷は残って蓄積する
→事情もあるだろうし好き勝手に生きてくれと思っているが「黒腹の手帳」に詳細に記録している
→いずれ私が大御所になれば(その頃には彼らは殆ど鬼籍だろうが)暴露本にして出版しようと・・・
→悔い改めたほうがいいが、許すつもりはない→たいてい作家は執念深いのだ
・同じ経験を持つ人に向けて自分の経験を語りたい
→あなたが傷つけられるのは、あなたのせいではなく、何をしても言われる時には言われるし、
理由なく(しかも悪気なく)石を投げてくる人はいるのだと・・・
・その後ドラマ化もあり売れたからか、この手のおじさんが寄ってこない、どこに行ったのか???
→今年デビューした新人作家に群がっているのかも・・・無意識に対象を選んでいるのだろう・・・
云々・・・
他のエピソードや思いも(ブランドバッグ愛を除き)どれもニヤニヤなるほどと楽しく読めました
わたくしが気になった部分だけのメモですので、読書の参考になれば・・・
2023年08月15日
日本はすでに戦時下にある
台風7号が大阪湾を北上中ですが、8月15日なので・・・
日本はすでに戦時下にある・・・とゆー本のご紹介であります・・・
著者紹介と奥付
著者は東京大学から陸上自衛隊に入り外務省にも出向→ドイツ連邦軍大学留学→駐屯地司令
→師団長→防衛研究所や陸幕を経て方面総監で退職された、陸自ではエリート中のエリート、
さらにハーバード大学などでも研究されてますから日本では数少ない、現場も知り尽くした
「軍事専門家」であることは間違いないでしょう
その著者が素人にも分かるよう書かれた日本と世界の最新情勢ですが、2021年12月現在なので、
その直後(2022年2月24日)のロシアによるウクライナ侵攻などには触れられてません
例によって目次のみの紹介
著者の政治的な主張については果たしてそうなの?と思った部分もありましたが事実として、
あるいは事実の可能性が高いとして記載されている部分は、その根拠となる文献やデータ、
実経験が示されてて参考になりましたので、そういった部分を中心にメモしてみました
まえがきより
・目にみえない戦いは進行している
→キネティック戦争(火が噴く戦争)をしていないだけ
・現代は全領域戦(All-Domain Warfare)の時代
→非軍事では情報、サイバー、政治、経済、金融、外交、メディア、歴史など
→軍事では陸海空、宇宙、サイバー、電磁波など
・本書では戦いと戦争とは明確に区別している
→戦いは「競争者やライバル間の悪意ある仮借なき紛争」で非軍事的手段も含む
→戦争は「2ヶ国以上の軍事紛争で軍事的手段を使った紛争」に限定している
・中国中央統一戦線工作部の戦い
→オーストラリアは主要ターゲットだったが新型コロナで流れが変わった
→日本でもあらゆる分野に浸透している
→中国の超限戦に対して日本は無防備
第一章より
・全領域戦について(略)
→特徴は全領域(ドメイン)で全手段、平時・戦時を問わず特に平時を重視すること
・平時と戦時の概念の変化
→米陸軍の作戦構想では競争から危機を経て紛争に
→米空軍の作戦構想では協力から競争を経て武力紛争に
→平時とは平和なときではなく情報戦、宇宙戦、サイバー戦などでの競争の期間
・中国の超限戦
→目的達成には制限を加えず手段を選ばない→起源はマキャベリの思想
→戦争以外の戦争で戦争に勝ち戦場以外の戦場で勝利を奪い取る→戦わずして勝つ孫子の兵法
→軍隊は勝利できる態勢を作り危機をコントロールし戦争を抑止して戦わずして勝つ(習近平)
第二章より
・中国の中央統一戦線工作部
→活動資金は2019年で26億ドルを超え外交部の予算を上回るとも
→活動は台湾、米国、日本、オーストラリア、ニュージーランド、カナダで最も顕著
→日本では政財界エリート、日中友好団体、孔子学院などに・・・
→琉球王朝末裔の中国招待、基地周辺の不動産取得、沖縄との姉妹都市提携奨励なども・・・
・各国のスパイ(略)
第三章より
・1995年の地下鉄サリン事件
→死者14人、負傷者6300人
→自分も霞ヶ関駅での被害者で自衛隊中央病院に入院した
→隣のベッドには対化学兵器用防護具を予算要求していた同僚幹部が入院しており、
要求の妥当性を当人が被害者となって証明したかたちになった
・2004年の鳥インフルエンザ対応(京都府丹波市)
→当時は第三師団の副師団長で災害派遣の現場指揮官になった
→マニュアル作りから始め、隊員のタミフル服用、簡易防護服、ゴーグルで対応したが、
戦いは福島第一原発事故や今回の新型コロナに対する災害派遣へと継続している
・2019年からの新型コロナウィルス対応
→「流出した生物兵器」説には明白な事実がなかったので無理があると否定している
→2021年の有力研究では発生源は武漢海鮮市場の(宿主となる)生きたタヌキ売場
(コウモリからタヌキへのいずれかの段階でヒト感染するように変異した可能性が高い)
→ポジショントークが多い中で16のアメリカ情報機関が出した冷静な結論(可能性はあるが
明白な事実がなかった)を重視すべき
→WHO報告書でも中国が情報やデータを公開しないため疑義が残るのだから公開すべき
第四章より
・サイバー戦
→ランサムウェア攻撃の実例(略)→重要インフラを停止できる→9.11にも匹敵する
→中国、北朝鮮、ロシアによる攻撃の実例(略)→フランスも攻撃していた
→サイバー空間の国際会議には他国からは軍関係者や情報関係者が多いが日本からは少ない
→自衛隊サイバー防衛隊は専守防衛と縦割り行政で自衛隊以外への攻撃に出る幕はない
→サイバー軍の総合力でもサイバー戦能力でも日本は下位で安全保障省もない
→自衛隊は国内法で日常の情報収集さえできずサイバー攻撃されても敵に侵入もできない
→テンセントはテスラ車ハッキングに成功したと発表しているが、まだ米軍には困難か・・・
第五章より
・SNSは影響工作の主戦場
→偽情報や誤情報の大量拡散によるコントロール
→2016大統領選へのロシアの影響工作は事実で実際に成功している
→2020大統領選ではロシアがバイデン攻撃、イランがトランプ攻撃を行った
(Qアノンでは影の政府D.Sと戦う救世主はプーチンとトランプになっている)
→中国は攻撃を検討したが実施しなかったと報告書にはあるが分断を深める工作はあった
・新型コロナをめぐる影響工作
→米軍関与説、都市封鎖した中国に感謝説→逆に米国で怒りを買い強固な対中戦略へ
→EUの報告書ではロシアと中国から様々な根拠のない影響工作があったとしている
・偽情報とファクトチェック
→人は見たいものを見て、聞きたいものを聞き、読みたいものを読む
→自分の先入観に合致する情報を選択的に収集して拡散する
→ネットでは真実に基づく書き込みより誤情報や偽情報に基づく書き込みのほうが注目され、
はるかに広く速く拡散する(ボットではなく人間が拡散していることが証明されている)
→アテンション・エコノミー(注目経済圏)、訴訟、アルゴリズムの弊害修正などでの対処(略)
第六章より
・宇宙戦(略)
→スペースデブリも大きく関係する・・・
第七章より
・電磁波戦
→通信、レーダー、ミサイル誘導、偵察衛星、レーザーなど現代戦に電磁波は不可欠
→大きく電子攻撃、電子防御、電子戦支援に分けられる(略)
→2017年からのハバナ症候群はGRUによる指向性マイクロ波兵器の可能性が高い
→2020年の中印衝突でも8月29日に解放軍が使用して撃退したとの講演発言があった
(ロンドンタイムズが報道)
(インド政府は何故か否定、中国政府はノーコメント)
→頭痛、吐き気、記憶障害、倦怠感などを引き起こすが外傷がないのが特徴
→指向性エネルギー兵器市場は2027年までには大幅な拡大が見込まれている
・電磁パルス(EMP)攻撃
→北朝鮮がミサイル恫喝の次の段階で日本の高高度で使用する可能性はある
(日本への直接ミサイル攻撃では米軍に報復攻撃される恐れがあるため)
→すでにスーパーEMP弾の開発を完了している
→東京上空96kmで使用すれば影響範囲は半径1080kmで北海道の北半分と南西諸島を除く、
日本全域と韓国の西半分に及ぶが、北朝鮮には影響しない
→中国による台湾と米空母打撃群へのEMP攻撃も戦術上は当然(中国も開発を完了している)
→台湾、フィリピン、グアムの中央海域上空185kmで使用すれば影響範囲は半径1500kmで
台湾、フィリピン、グアムの全域をカバーするが、中国本土には影響しない
→この攻撃は米空母打撃群の正確な位置が特定できない場合にも有効で、中国やロシアは
「EMPは高高度での核爆発で人体に有害な影響はないので核攻撃ではない」と主張している
第八章より
・CIA分析官レイ・クラインの方程式
国力=(人口+領土+経済力+軍事力)×(国家戦略目標+国家意思)
→重要なのは国家戦略目標と国家意思という無形の要素だが日本に欠けているもの
→中国の国力が強いのは世界一になるという国家戦略目標と国家意思を明らかにしているから
→プーチン大統領の断固とした決断はロシアを日本以上に大きく見せている
・国際政治学者ジョセフ・ナイのソフトパワー理論を加味した著者の修正方程式
国力=(人口+領土+経済力+軍事力+政治力+科学技術+教育+文化)×(国家戦略目標+国家意思)
→日本の国力を低下させたい勢力は、この各要素をターゲットに工作を実施している
→日本の国力低下のもっとも重要な理由は国家戦略がなかったこと
→米国の安全保障、防衛、軍事の国家戦略の最初に記述されているのが「国益」
→安全保障は国益を守ることが中核テーマだが、国家戦略は政治の責任分野
・日本の極端な軍事アレルギー
→安全保障や軍事を抜きに国際政治、外交、経済、科学技術などを語ることはできない
→日本では極端な軍事アレルギー反応があらゆる分野にある
→これを確実にしたのはGHQの戦争責任情報計画と軍国主義排除のための民主化改革
→改革を全面的に否定するわけではないが、これで確実に弱い国家になった
・安全保障、日本国憲法、日本学術会議、大学、情報管理、スパイ・・・(略)
・失われた30年の責任の相当部分は三流の政治にある
→三流の政治を支える一流の官僚も一流の経済もなくなった現在では一流の政治しかない
・公明党、専守防衛、自衛隊違憲論、憲法改正、防衛費増額・・・(略)
・新たな国家安全保障戦略への提言
→明確な脅威認識を示すべき(北朝鮮の記述はあるが中国の明確な記述がない)
→全領域戦について記述すべき(サイバー戦と宇宙戦の記述はあるが他はない)
→民主主義国家は全領域戦には不適な体制だが、無視するわけにはいかない
→すでに全領域戦の戦時下にあり、対処しなければあらゆる領域が侵略される
あとがきより
・オーストラリアの例
→クライブ・ハミルトンの「目に見えぬ侵略」発刊→中国工作阻止の活発化→新型コロナ発生
→徹底調査発言から中国の威圧→徹底して対抗→米英との軍事同盟へ
・台湾の例
→2019年1月に習近平主席が演説した五つの対台湾工作の具体的な内容
①解放軍による軍事的圧力→頻繁な活動による疲弊戦と心理戦
②台湾の友好国や国際機関からの隔離
→友好国に圧力をかけ国交断絶させ、国際機関への加盟を拒否させる
③浸透工作と政権転覆→メディア浸透や国民党系企業の優遇、民主進歩党系企業の冷遇など
④統一戦線工作→22の親中組織、親中政党(国民党)はじめ、あらゆる組織への人脈の拡大
⑤サイバー戦→最近2年間で14億回の攻撃、1日500万件の攻撃やスキャン、偽情報の拡散
・中国の超限戦は邪道だが厳しい国際社会を生き延びるひとつの戦略
→あらゆる領域が戦場となり境界がなくなる点は私が主張する全領域戦と合致する
→日本には超限戦に匹敵するようなしたたかな国家戦略がない
・日本と中国の(国家戦略の)ギャップを認識し、全領域戦で戦いを仕かける相手に対して
いかに対処するかを真剣に検討すべき・・・
といった感じでしたが、はてさてどうなんでしょう・・・
つい最近のニュースでも日本のサイバー対策が不十分なのは確実なようですが・・・
安全保障のあり方について大多数の国民は、関心も基本的知識もなく政府におまかせ、
その政府は、その場しのぎ的な政策ばかりで国家戦略目標も国家意思も国民に説明もせず、
与党は身内と忖度官僚で周りを固め自己保身に奔走してるし、野党は野党で分裂と迎合を
繰り返しているうちに、ポピュリスト政党や自己目的の少数政党ばかりが目立ってきて、
まだ二大政党があった55年体制のほうがマシだったかも、とさえ思える政治状況・・・
著者が言うように、中国を安全保障上の脅威と明確にした国家戦略にすべきなのか、
はたまた軍事力以外での全方位外交を前提にした国家戦略にすべきなのか・・・
両者のメリットとデメリットを考えた(中途半端ではなく)中庸の国家戦略はあるのか・・・
いずれにしても明確な国家戦略目標も国家意思もないままで済まないのは確かでしょう
大多数の国民が基本的な安全保障に関する知識を身につけ、事実に基づいた自分なりの判断で、
国政選挙に臨むことによって明確な国家戦略目標や国家意思が形成されるのが理想なんですが、
少なくとも偽情報や誤情報に踊らされないよう、各国の政府発表を含む様々なソースから、
自分でファクトチェックをすることが、まずは重要ですね
まあ、当サイトのファクトチェックは、じつにてきとーなんですが・・・
日本はすでに戦時下にある・・・とゆー本のご紹介であります・・・
著者紹介と奥付
著者は東京大学から陸上自衛隊に入り外務省にも出向→ドイツ連邦軍大学留学→駐屯地司令
→師団長→防衛研究所や陸幕を経て方面総監で退職された、陸自ではエリート中のエリート、
さらにハーバード大学などでも研究されてますから日本では数少ない、現場も知り尽くした
「軍事専門家」であることは間違いないでしょう
その著者が素人にも分かるよう書かれた日本と世界の最新情勢ですが、2021年12月現在なので、
その直後(2022年2月24日)のロシアによるウクライナ侵攻などには触れられてません
例によって目次のみの紹介
著者の政治的な主張については果たしてそうなの?と思った部分もありましたが事実として、
あるいは事実の可能性が高いとして記載されている部分は、その根拠となる文献やデータ、
実経験が示されてて参考になりましたので、そういった部分を中心にメモしてみました
まえがきより
・目にみえない戦いは進行している
→キネティック戦争(火が噴く戦争)をしていないだけ
・現代は全領域戦(All-Domain Warfare)の時代
→非軍事では情報、サイバー、政治、経済、金融、外交、メディア、歴史など
→軍事では陸海空、宇宙、サイバー、電磁波など
・本書では戦いと戦争とは明確に区別している
→戦いは「競争者やライバル間の悪意ある仮借なき紛争」で非軍事的手段も含む
→戦争は「2ヶ国以上の軍事紛争で軍事的手段を使った紛争」に限定している
・中国中央統一戦線工作部の戦い
→オーストラリアは主要ターゲットだったが新型コロナで流れが変わった
→日本でもあらゆる分野に浸透している
→中国の超限戦に対して日本は無防備
第一章より
・全領域戦について(略)
→特徴は全領域(ドメイン)で全手段、平時・戦時を問わず特に平時を重視すること
・平時と戦時の概念の変化
→米陸軍の作戦構想では競争から危機を経て紛争に
→米空軍の作戦構想では協力から競争を経て武力紛争に
→平時とは平和なときではなく情報戦、宇宙戦、サイバー戦などでの競争の期間
・中国の超限戦
→目的達成には制限を加えず手段を選ばない→起源はマキャベリの思想
→戦争以外の戦争で戦争に勝ち戦場以外の戦場で勝利を奪い取る→戦わずして勝つ孫子の兵法
→軍隊は勝利できる態勢を作り危機をコントロールし戦争を抑止して戦わずして勝つ(習近平)
第二章より
・中国の中央統一戦線工作部
→活動資金は2019年で26億ドルを超え外交部の予算を上回るとも
→活動は台湾、米国、日本、オーストラリア、ニュージーランド、カナダで最も顕著
→日本では政財界エリート、日中友好団体、孔子学院などに・・・
→琉球王朝末裔の中国招待、基地周辺の不動産取得、沖縄との姉妹都市提携奨励なども・・・
・各国のスパイ(略)
第三章より
・1995年の地下鉄サリン事件
→死者14人、負傷者6300人
→自分も霞ヶ関駅での被害者で自衛隊中央病院に入院した
→隣のベッドには対化学兵器用防護具を予算要求していた同僚幹部が入院しており、
要求の妥当性を当人が被害者となって証明したかたちになった
・2004年の鳥インフルエンザ対応(京都府丹波市)
→当時は第三師団の副師団長で災害派遣の現場指揮官になった
→マニュアル作りから始め、隊員のタミフル服用、簡易防護服、ゴーグルで対応したが、
戦いは福島第一原発事故や今回の新型コロナに対する災害派遣へと継続している
・2019年からの新型コロナウィルス対応
→「流出した生物兵器」説には明白な事実がなかったので無理があると否定している
→2021年の有力研究では発生源は武漢海鮮市場の(宿主となる)生きたタヌキ売場
(コウモリからタヌキへのいずれかの段階でヒト感染するように変異した可能性が高い)
→ポジショントークが多い中で16のアメリカ情報機関が出した冷静な結論(可能性はあるが
明白な事実がなかった)を重視すべき
→WHO報告書でも中国が情報やデータを公開しないため疑義が残るのだから公開すべき
第四章より
・サイバー戦
→ランサムウェア攻撃の実例(略)→重要インフラを停止できる→9.11にも匹敵する
→中国、北朝鮮、ロシアによる攻撃の実例(略)→フランスも攻撃していた
→サイバー空間の国際会議には他国からは軍関係者や情報関係者が多いが日本からは少ない
→自衛隊サイバー防衛隊は専守防衛と縦割り行政で自衛隊以外への攻撃に出る幕はない
→サイバー軍の総合力でもサイバー戦能力でも日本は下位で安全保障省もない
→自衛隊は国内法で日常の情報収集さえできずサイバー攻撃されても敵に侵入もできない
→テンセントはテスラ車ハッキングに成功したと発表しているが、まだ米軍には困難か・・・
第五章より
・SNSは影響工作の主戦場
→偽情報や誤情報の大量拡散によるコントロール
→2016大統領選へのロシアの影響工作は事実で実際に成功している
→2020大統領選ではロシアがバイデン攻撃、イランがトランプ攻撃を行った
(Qアノンでは影の政府D.Sと戦う救世主はプーチンとトランプになっている)
→中国は攻撃を検討したが実施しなかったと報告書にはあるが分断を深める工作はあった
・新型コロナをめぐる影響工作
→米軍関与説、都市封鎖した中国に感謝説→逆に米国で怒りを買い強固な対中戦略へ
→EUの報告書ではロシアと中国から様々な根拠のない影響工作があったとしている
・偽情報とファクトチェック
→人は見たいものを見て、聞きたいものを聞き、読みたいものを読む
→自分の先入観に合致する情報を選択的に収集して拡散する
→ネットでは真実に基づく書き込みより誤情報や偽情報に基づく書き込みのほうが注目され、
はるかに広く速く拡散する(ボットではなく人間が拡散していることが証明されている)
→アテンション・エコノミー(注目経済圏)、訴訟、アルゴリズムの弊害修正などでの対処(略)
第六章より
・宇宙戦(略)
→スペースデブリも大きく関係する・・・
第七章より
・電磁波戦
→通信、レーダー、ミサイル誘導、偵察衛星、レーザーなど現代戦に電磁波は不可欠
→大きく電子攻撃、電子防御、電子戦支援に分けられる(略)
→2017年からのハバナ症候群はGRUによる指向性マイクロ波兵器の可能性が高い
→2020年の中印衝突でも8月29日に解放軍が使用して撃退したとの講演発言があった
(ロンドンタイムズが報道)
(インド政府は何故か否定、中国政府はノーコメント)
→頭痛、吐き気、記憶障害、倦怠感などを引き起こすが外傷がないのが特徴
→指向性エネルギー兵器市場は2027年までには大幅な拡大が見込まれている
・電磁パルス(EMP)攻撃
→北朝鮮がミサイル恫喝の次の段階で日本の高高度で使用する可能性はある
(日本への直接ミサイル攻撃では米軍に報復攻撃される恐れがあるため)
→すでにスーパーEMP弾の開発を完了している
→東京上空96kmで使用すれば影響範囲は半径1080kmで北海道の北半分と南西諸島を除く、
日本全域と韓国の西半分に及ぶが、北朝鮮には影響しない
→中国による台湾と米空母打撃群へのEMP攻撃も戦術上は当然(中国も開発を完了している)
→台湾、フィリピン、グアムの中央海域上空185kmで使用すれば影響範囲は半径1500kmで
台湾、フィリピン、グアムの全域をカバーするが、中国本土には影響しない
→この攻撃は米空母打撃群の正確な位置が特定できない場合にも有効で、中国やロシアは
「EMPは高高度での核爆発で人体に有害な影響はないので核攻撃ではない」と主張している
第八章より
・CIA分析官レイ・クラインの方程式
国力=(人口+領土+経済力+軍事力)×(国家戦略目標+国家意思)
→重要なのは国家戦略目標と国家意思という無形の要素だが日本に欠けているもの
→中国の国力が強いのは世界一になるという国家戦略目標と国家意思を明らかにしているから
→プーチン大統領の断固とした決断はロシアを日本以上に大きく見せている
・国際政治学者ジョセフ・ナイのソフトパワー理論を加味した著者の修正方程式
国力=(人口+領土+経済力+軍事力+政治力+科学技術+教育+文化)×(国家戦略目標+国家意思)
→日本の国力を低下させたい勢力は、この各要素をターゲットに工作を実施している
→日本の国力低下のもっとも重要な理由は国家戦略がなかったこと
→米国の安全保障、防衛、軍事の国家戦略の最初に記述されているのが「国益」
→安全保障は国益を守ることが中核テーマだが、国家戦略は政治の責任分野
・日本の極端な軍事アレルギー
→安全保障や軍事を抜きに国際政治、外交、経済、科学技術などを語ることはできない
→日本では極端な軍事アレルギー反応があらゆる分野にある
→これを確実にしたのはGHQの戦争責任情報計画と軍国主義排除のための民主化改革
→改革を全面的に否定するわけではないが、これで確実に弱い国家になった
・安全保障、日本国憲法、日本学術会議、大学、情報管理、スパイ・・・(略)
・失われた30年の責任の相当部分は三流の政治にある
→三流の政治を支える一流の官僚も一流の経済もなくなった現在では一流の政治しかない
・公明党、専守防衛、自衛隊違憲論、憲法改正、防衛費増額・・・(略)
・新たな国家安全保障戦略への提言
→明確な脅威認識を示すべき(北朝鮮の記述はあるが中国の明確な記述がない)
→全領域戦について記述すべき(サイバー戦と宇宙戦の記述はあるが他はない)
→民主主義国家は全領域戦には不適な体制だが、無視するわけにはいかない
→すでに全領域戦の戦時下にあり、対処しなければあらゆる領域が侵略される
あとがきより
・オーストラリアの例
→クライブ・ハミルトンの「目に見えぬ侵略」発刊→中国工作阻止の活発化→新型コロナ発生
→徹底調査発言から中国の威圧→徹底して対抗→米英との軍事同盟へ
・台湾の例
→2019年1月に習近平主席が演説した五つの対台湾工作の具体的な内容
①解放軍による軍事的圧力→頻繁な活動による疲弊戦と心理戦
②台湾の友好国や国際機関からの隔離
→友好国に圧力をかけ国交断絶させ、国際機関への加盟を拒否させる
③浸透工作と政権転覆→メディア浸透や国民党系企業の優遇、民主進歩党系企業の冷遇など
④統一戦線工作→22の親中組織、親中政党(国民党)はじめ、あらゆる組織への人脈の拡大
⑤サイバー戦→最近2年間で14億回の攻撃、1日500万件の攻撃やスキャン、偽情報の拡散
・中国の超限戦は邪道だが厳しい国際社会を生き延びるひとつの戦略
→あらゆる領域が戦場となり境界がなくなる点は私が主張する全領域戦と合致する
→日本には超限戦に匹敵するようなしたたかな国家戦略がない
・日本と中国の(国家戦略の)ギャップを認識し、全領域戦で戦いを仕かける相手に対して
いかに対処するかを真剣に検討すべき・・・
といった感じでしたが、はてさてどうなんでしょう・・・
つい最近のニュースでも日本のサイバー対策が不十分なのは確実なようですが・・・
安全保障のあり方について大多数の国民は、関心も基本的知識もなく政府におまかせ、
その政府は、その場しのぎ的な政策ばかりで国家戦略目標も国家意思も国民に説明もせず、
与党は身内と忖度官僚で周りを固め自己保身に奔走してるし、野党は野党で分裂と迎合を
繰り返しているうちに、ポピュリスト政党や自己目的の少数政党ばかりが目立ってきて、
まだ二大政党があった55年体制のほうがマシだったかも、とさえ思える政治状況・・・
著者が言うように、中国を安全保障上の脅威と明確にした国家戦略にすべきなのか、
はたまた軍事力以外での全方位外交を前提にした国家戦略にすべきなのか・・・
両者のメリットとデメリットを考えた(中途半端ではなく)中庸の国家戦略はあるのか・・・
いずれにしても明確な国家戦略目標も国家意思もないままで済まないのは確かでしょう
大多数の国民が基本的な安全保障に関する知識を身につけ、事実に基づいた自分なりの判断で、
国政選挙に臨むことによって明確な国家戦略目標や国家意思が形成されるのが理想なんですが、
少なくとも偽情報や誤情報に踊らされないよう、各国の政府発表を含む様々なソースから、
自分でファクトチェックをすることが、まずは重要ですね
まあ、当サイトのファクトチェックは、じつにてきとーなんですが・・・
2023年08月12日
ひさしぶりの寿司と日本酒
昨日11日に家内の母親の初盆で京都に行き、妹にご馳走になりました・・・
ひさしぶりの(回転しない)寿司と日本酒のお店であります
日本人らしく、まずはビールを・・・って飲む前に撮ればよいものを・・・ごくごく
砂糖か塩で味わうインカのめざめフライドポテトや・・・
トウモロコシのかき揚げなんぞで、ついつい2杯ほど・・・かぱかぱ
京都らしいハモの天ぷらも頼んでたので・・・
いそいそと日本酒に切り替えました
まずは島根の蒼斗七星、特別純米65木桶搾りから・・・
で、各自で好みの握り寿司を一貫ずつ・・・
まずはマグロの中トロと・・・
炙り中トロの食べ較べ
炙ると脂が沁み出て塩とスダチが合いますね・・・ごくごくばくばく
こちらは炙りイカ
アワビ
トリガイ
今回は季節限定のオススメ酒をメニューの左端から味わうことにしたので・・・
ホタテの後には・・・
兵庫の龍力、純米ドラゴン・エピソード3
甘エビ
国産黒毛和牛の炙り
肉好きのわたくしには、こちらも絶品でした
牛肉は日本酒に合いますね・・・ごくごくばくばく
カンパチ
で・・・
山形の初孫、純米生酛本辛口・魔斬・・・
お気に入りを再度握ってもらったりして・・・
新潟の丸にぼーいち、純米吟醸無濾過袋取り原酒・夏の生・・・
岩手の南部美人は品切れだったので、岩ガキやカズノコで・・・
福島の末廣、純米吟醸・夏酒・・・
さらに・・・
炙りサーモンや
京都らしく甘い玉子焼きなんぞで・・・
ついに・・・
メニュー右端にある広島の賀茂鶴、純米にごり酒まできました ひっく
ええ、このあたりから、わたくしかなり怪しくなり・・・
茶碗蒸しとかもいただいたはずですが、記憶も画像も一切残ってません げふっ
日本酒はよくわからないので感想とかは書いてませんが、どれも夏らしい選択で、訊けば
日本酒好きのマニアックな酒屋さんと、季節に合わせて厳選しているのだとか・・・
で、夜も更け京都に泊る奥様を残し一人で大阪へ・・・
因縁の大和西大寺駅で駅員さんに起こしてもらったり、自宅の最寄駅からは何度も休憩したり
しましたが、何とか電車と徒歩で帰宅することができました めでたしめでたしと・・・
ひさしぶりの(回転しない)寿司と日本酒のお店であります
日本人らしく、まずはビールを・・・って飲む前に撮ればよいものを・・・ごくごく
砂糖か塩で味わうインカのめざめフライドポテトや・・・
トウモロコシのかき揚げなんぞで、ついつい2杯ほど・・・かぱかぱ
京都らしいハモの天ぷらも頼んでたので・・・
いそいそと日本酒に切り替えました
まずは島根の蒼斗七星、特別純米65木桶搾りから・・・
で、各自で好みの握り寿司を一貫ずつ・・・
まずはマグロの中トロと・・・
炙り中トロの食べ較べ
炙ると脂が沁み出て塩とスダチが合いますね・・・ごくごくばくばく
こちらは炙りイカ
アワビ
トリガイ
今回は季節限定のオススメ酒をメニューの左端から味わうことにしたので・・・
ホタテの後には・・・
兵庫の龍力、純米ドラゴン・エピソード3
甘エビ
国産黒毛和牛の炙り
肉好きのわたくしには、こちらも絶品でした
牛肉は日本酒に合いますね・・・ごくごくばくばく
カンパチ
で・・・
山形の初孫、純米生酛本辛口・魔斬・・・
お気に入りを再度握ってもらったりして・・・
新潟の丸にぼーいち、純米吟醸無濾過袋取り原酒・夏の生・・・
岩手の南部美人は品切れだったので、岩ガキやカズノコで・・・
福島の末廣、純米吟醸・夏酒・・・
さらに・・・
炙りサーモンや
京都らしく甘い玉子焼きなんぞで・・・
ついに・・・
メニュー右端にある広島の賀茂鶴、純米にごり酒まできました ひっく
ええ、このあたりから、わたくしかなり怪しくなり・・・
茶碗蒸しとかもいただいたはずですが、記憶も画像も一切残ってません げふっ
日本酒はよくわからないので感想とかは書いてませんが、どれも夏らしい選択で、訊けば
日本酒好きのマニアックな酒屋さんと、季節に合わせて厳選しているのだとか・・・
で、夜も更け京都に泊る奥様を残し一人で大阪へ・・・
因縁の大和西大寺駅で駅員さんに起こしてもらったり、自宅の最寄駅からは何度も休憩したり
しましたが、何とか電車と徒歩で帰宅することができました めでたしめでたしと・・・
2023年08月10日
瀕死の林業
瀕死の林業・・・
ええ、
月刊誌「Wedgeウェッジ」2023年6月号の特集記事であります
この特集部分の目次のみ
例によって、てきとーな読後メモで思い違いもあり、図表なども一切紹介してませんので、
興味を持たれた方は本書をしっかり読んでくださいね
まずは編集部による現状つーか問題提起より
・4/14の花粉症に関する関係閣僚会議でスギの伐採加速化も掲げられた
(日本の林業・林政はこうした政治発言に左右されてきた歴史がある)
→林業の成長産業化+カーボンニュートラルの潮流
・生産量や自給率など統計上の数値は改善しているが現場は全く違う
→成長産業化の結果は供給過多による価格低下→資金不足で3割しか再造林できていない
→総額3000億の補助金の活用方法の再検討が必要→今は補助金獲得自体が目的になっている
・目先の成長を追い求め「持続可能な森林管理」に逆行している
→まさに「木を見て森を見ず」そのものの林政
・現場では森林所有者、森林組合、製材加工業者などに新しい取り組みを始める改革者もいる
・瀕死の林業を再生する処方箋とは・・・
Part1より
・森林の持つ防災機能からも森林再生がいわれるが異常降雨時には森林も被害者になる
→日本の森林再生はすでに達成している
→いっぽうで日本の林業は受け皿がなく瀕死の状態にある
→林業再生は矛盾だらけで行政優先・机上論理優先で科学や技術は軽視
・費用対効果を軽視してはいけない
→日本の人工造成林は費用対効果が著しく悪い
→伐採跡を植林しない天然更新や植林しても自然木の侵入を許すなどへ移行すべき
→50年後のスギ・ヒノキの価値など分からないのだから多様な品揃えにしておくこと
→補助金と事業の硬直化により、この多様性が失われている
・間伐で森林の価値を下げるケースもある
→無間伐のメリット、間伐のデメリット(略)
→価格低下により標準齢で伐採されないことは森林にはいいことだが行政が許さない
→これが森林経営者の自由度を阻害し森林機能と商品価値の低下にも繋がる
・森林を温存し「待ち」に徹すること
→すでに再生された森林を持続させること→商品価値がないなら無理に伐採しない
→森林の温存は様々な国家リスクへの備えになるので、そのための補助金に
→経営者の自由度を尊重し森林の多様性を支援する(利益が見込めれば伐採)
→林道など基盤設備の整備も必要
→国民への教育、技術者や行政官の現場経験の充実も・・・
Part2より
・宮崎市における盗伐の実態
→被害者は全国1000世帯を超え伐採跡では土砂崩れも
→小規模な偽造伐採届が自治体に受理されると、その何十倍も伐採する
→合法伐採でも再造林が進んでいない
・林野庁の「林業の成長産業化」により自給率は増えたが増産要請で盗伐も増えた
→木材総需要は縮んでいる→経済的に林業が成長しているとはいい難い
→安い合板用や燃料用(バイオマス発電用)が増え、製材価格は抑えられている
→中国に輸出されるのは安価な丸太ばかりで「日本の木材は世界一安いから買う」
→木造建築(CLT直交集成板)が推進されているが鉄筋コンクリートより高い→値下げ圧力
→合板用や燃料用は所有者(山元)への還元が少ない用途のため再造林が進まない
→木材利用を推進すればするほど、はげ山が増える構造
・建築材需要の減少は人口減少と高齢化による(住宅着工件数はピーク時の半分)
・この40年間、価格が下がるたびに所有者(山元)の利益を削ることで対応してきた
(ウッドショックで高騰したのは製材価格で原木価格はさほど上がっていない)
→さらにコスト上昇、大量伐採、作業道敷設、危険作業・・・経営の持続が危ない
→今はウッドショック終息により再び山元への値下げ圧力へ
・産出額より補助金の方が多い林業が「成長産業になった」といえるのか
・1990年代から丸太なら国産材の方が外材より安くなったが製材なら逆のケースも多い
→外材は供給量、品質、流通を商社がしっかり管理し商品アイテムも豊富
→国産材は多くの事業者が関わり相互の情報が伝わらず疑心暗鬼、ロスが多く責任も持てない
→乾燥材は国産材出荷量の3割、外材では8割以上→ここでも差がつく
・盗伐、過剰伐採、再造林放棄の問題とは反対の放置林の問題
→相続人不明、名義人多数の共有林、進まない民有林の地籍調査→放置→災害
・目先の都合だけの政策では経営も持続もできず環境保全も不可能・・・
林野庁森林整備部計画課長へのインタビューより
・供給量拡大への取り組み
→戦後や高度成長期に植えた人工林が成熟して利用可能になった
→木材利用はカーボンニュートラルにも貢献すると認識され、需要拡大策も功を奏した
→ただし販売収入が少なく、重労働を要する再造林をしないなど課題も多い
・収支面での取り組み
→高性能機械の導入、労働削減技術の開発実証、花粉量半分で成長1.5倍のエリートツリー
・最終価格の2%しか山元に還元されない仕組みや価格への取り組み
→原木を製材用、合板用、チップ用と仕分けして供給することが重要
→製材技術開発、フル活用に向けた事業者連携、持続可能なサプライチェーンの構築で再造林に
→昨年6月に林業木材産業関係団体が共同で宣言を出した→業界の意識も変わりつつある
・伐採のための補助金のあり方について
→間伐への補助はあるが目的は森林の健全性を保ち公益的機能を発揮させるため
→皆伐への補助はない
→国際商品の価格は海外を含む需給関係で決定されるので補助金の影響はない
→需要無視の伐採は好ましくないので需給情報を公表している
→レーザー航測技術を使って林業適地を見定め関係者で共有することも進めたい
Part3より
・1980年代以降の世界的潮流は「持続可能な森林管理」
→95年のモントリオール・プロセスには日本を含む12ヶ国が参加→日本は逆行している
・戦後の林政の振り返り
→戦争で荒廃した天然林の伐採跡や原野を人工林に置き換える拡大造林政策
→高度成長期には林業振興で森林の公益的機能も発揮できるという「予定調和論」へ
→これには丁寧で集約的な技術が要求されるが外材輸入による価格低迷で技術基盤が崩壊した
→2001年の法改正では「持続可能な森林管理」が検討されたが最終的には予定調和論に
→補助金を投入した工場の大型化の結果、大量安価な供給が必要になった
→2011年には温暖化防止ロジックで短伐期皆伐再造林施策へ→真の目的は大量安価な供給
→2016年には林業の成長産業化
→2021年には「グリーン成長を新しい林業で実現させる」
→転換に見せかけた成長産業化の継承強化で「持続可能な森林管理」とは相反するもの
・森林管理には科学的理論が根底にあるべき
→地域ごとに生産林と環境林に分け目標林型に応じて短伐期皆伐を選択するなら理解できる
→ところが施策は全国一律
・「持続可能な森林管理」を基本にした森林法制への転換が不可欠
→林業は特殊な条件下でしか成り立たないことが前提
→地域(山村)政策、環境政策としてEUの農業政策のような所得補償
(条件不利地域論・デカップリング論の取り込み、入林権の保証など国民的な議論で)
Part4より
・速水林業はFSC森林認証を日本で初めて取得した環境保全型林業
→1070㌶東京ドーム228個分
→最新外国製重機の修理やメンテナンスも自社で行う
→人材、道路網の密度、再造林と育林、苗木が揃わなければ林業は成り立たない
→2010年以降、専業事業者が売却・離脱している
→国の施策(環境保全)で間伐が加速し供給過多で立木価格が大きく低下
→安くても売れるうちに売り、植えなければいいという発想
→今は森林資源が持続できるかどうかの瀬戸際に
→補助金でしか変われない林業から脱却すべき
→誰がどう管理しどう利用されるか分からない数十年、数百年先の理想の森林を思い描き、
そこに向かって今できる限りのことを真面目にやる、それが面白くなければ林業は面白くない
Part5より
・銘建工業は構造用集成材のトップメーカー
→CLT直交集成板を日本に紹介し初めて建築物を建てた→鉄筋コンクリートより軽い
→日本の規制は厳しくコストが高くなり年間使用量は欧州の1/100で工場稼働率は低い
→フィンランドやスウェーデンでは時間をかけたインフラ整備で林業の生産性を上げた
→地元の真庭市にはバイオマス発電所がある
→チップだけでなく街路樹の剪定枝まで集まる仕組みができている
→林業もそれぞれの地域でビジョンを持つことが大事になる
Part6より
・皆伐された山林の7割は木を植えず放置されている
・大分県の佐伯森林組合では100%再造林している
→国・県・市の再造林補助金で88%はカバーできるが残りは関係者の基金で苗の生産も組合
→再造林の直営は15人で請負は115人、請負には年収1000万を超えるメンバーが4,5人いる
→5年間は同じ山を世話するので愛着も責任も感じるし山元も信頼する
→所有形態が細分化しているので結果的に皆伐にならずモザイク状に分散し生態系維持にも
・大分県のうすき林業では混交林の択伐を行っている
→皆伐と再造林の林業を続けるのはきついし自分の代でサイクルが循環しない
→専門家と話して防火帯の雑木を残すと自然に混合林になり択伐方式にしている
→混交林つくりは難しく何を植えて何を伐るか、間伐コントロールなど試行錯誤の連続
→現在はスギとヒノキだけの出材だが、いずれ高価な広葉樹も出したいと商品化を模索中
・所有者不明土地や放棄林の問題→少しずつ進めるしかない
→相続時不動産登記の義務化と国庫帰属制度
→植林育林会社や木材会社による買取サービスなど
・林業に重要なのは時間感覚
→一般の経済活動とは異なるスパンが必要
→吉野の山林王・土倉庄三郎のような思慮と覚悟で林業が展開されることを願う・・・
Part7より
・伊佐ホームズは2017年に森林パートナーズを設立した
→住宅を建てる際のサプライチェーンを構成する事業者が株主となり出資・参画する
→流通連携による林業の収益化
→透明性の確保→信頼関係→付加価値→山元にも還元→森林を守り続ける
→工務店が山元から直接購入→詳細な木材情報を事業者全体で共有
→全てのデータがオープンなのでコスト・納期・在庫などが明確になりメリットが多い
→事業者間の透明性と信頼関係は住宅購入者にも大きな価値となる
・大型パネル工法
→1980年に93万人だった大工は2020年には30万人に、しかも60歳以上が40%を超えた
→耐震性や防火性、調湿性などの性能強化で建築部品の複雑化・重量化も進んだ
→大工の労働時間の半分以上は梱包外し、採寸、仕分けなどで現場作業は危険も多い
→大型パネルなら本来の仕事である造作や仕上げに集中でき人手不足解消にもなる
・大型パネル工法開発者の話
→いかに森林資源と生活者、需要があるエリアと供給可能なエリアを最適な線で結べるか
→究極には林業をクラスター(圧縮統合)させ地域ごとのサプライチェーンを多数構築すること
→大規模化などの成長一辺倒ではなく、徹底的に持続することを目指す
→着実な持続こそ、結果として大成長につながる
さらに・・・
→これまでの木材はエンジンだけで売ってきたようなもの
→付加価値をつけて自動車として売ること
→我々は良質な木材を使いサッシや断熱材も付けた大型パネルという建築物として売っている
→生活者目線で主語を木材ではなく建築にし生活産業の一員として事業を行っている
云々・・・
と、確かに改革者の動きも一部にはあるようですが・・・
さてさて、部外者にできることはなんでしょう・・・
ええ、
月刊誌「Wedgeウェッジ」2023年6月号の特集記事であります
この特集部分の目次のみ
例によって、てきとーな読後メモで思い違いもあり、図表なども一切紹介してませんので、
興味を持たれた方は本書をしっかり読んでくださいね
まずは編集部による現状つーか問題提起より
・4/14の花粉症に関する関係閣僚会議でスギの伐採加速化も掲げられた
(日本の林業・林政はこうした政治発言に左右されてきた歴史がある)
→林業の成長産業化+カーボンニュートラルの潮流
・生産量や自給率など統計上の数値は改善しているが現場は全く違う
→成長産業化の結果は供給過多による価格低下→資金不足で3割しか再造林できていない
→総額3000億の補助金の活用方法の再検討が必要→今は補助金獲得自体が目的になっている
・目先の成長を追い求め「持続可能な森林管理」に逆行している
→まさに「木を見て森を見ず」そのものの林政
・現場では森林所有者、森林組合、製材加工業者などに新しい取り組みを始める改革者もいる
・瀕死の林業を再生する処方箋とは・・・
Part1より
・森林の持つ防災機能からも森林再生がいわれるが異常降雨時には森林も被害者になる
→日本の森林再生はすでに達成している
→いっぽうで日本の林業は受け皿がなく瀕死の状態にある
→林業再生は矛盾だらけで行政優先・机上論理優先で科学や技術は軽視
・費用対効果を軽視してはいけない
→日本の人工造成林は費用対効果が著しく悪い
→伐採跡を植林しない天然更新や植林しても自然木の侵入を許すなどへ移行すべき
→50年後のスギ・ヒノキの価値など分からないのだから多様な品揃えにしておくこと
→補助金と事業の硬直化により、この多様性が失われている
・間伐で森林の価値を下げるケースもある
→無間伐のメリット、間伐のデメリット(略)
→価格低下により標準齢で伐採されないことは森林にはいいことだが行政が許さない
→これが森林経営者の自由度を阻害し森林機能と商品価値の低下にも繋がる
・森林を温存し「待ち」に徹すること
→すでに再生された森林を持続させること→商品価値がないなら無理に伐採しない
→森林の温存は様々な国家リスクへの備えになるので、そのための補助金に
→経営者の自由度を尊重し森林の多様性を支援する(利益が見込めれば伐採)
→林道など基盤設備の整備も必要
→国民への教育、技術者や行政官の現場経験の充実も・・・
Part2より
・宮崎市における盗伐の実態
→被害者は全国1000世帯を超え伐採跡では土砂崩れも
→小規模な偽造伐採届が自治体に受理されると、その何十倍も伐採する
→合法伐採でも再造林が進んでいない
・林野庁の「林業の成長産業化」により自給率は増えたが増産要請で盗伐も増えた
→木材総需要は縮んでいる→経済的に林業が成長しているとはいい難い
→安い合板用や燃料用(バイオマス発電用)が増え、製材価格は抑えられている
→中国に輸出されるのは安価な丸太ばかりで「日本の木材は世界一安いから買う」
→木造建築(CLT直交集成板)が推進されているが鉄筋コンクリートより高い→値下げ圧力
→合板用や燃料用は所有者(山元)への還元が少ない用途のため再造林が進まない
→木材利用を推進すればするほど、はげ山が増える構造
・建築材需要の減少は人口減少と高齢化による(住宅着工件数はピーク時の半分)
・この40年間、価格が下がるたびに所有者(山元)の利益を削ることで対応してきた
(ウッドショックで高騰したのは製材価格で原木価格はさほど上がっていない)
→さらにコスト上昇、大量伐採、作業道敷設、危険作業・・・経営の持続が危ない
→今はウッドショック終息により再び山元への値下げ圧力へ
・産出額より補助金の方が多い林業が「成長産業になった」といえるのか
・1990年代から丸太なら国産材の方が外材より安くなったが製材なら逆のケースも多い
→外材は供給量、品質、流通を商社がしっかり管理し商品アイテムも豊富
→国産材は多くの事業者が関わり相互の情報が伝わらず疑心暗鬼、ロスが多く責任も持てない
→乾燥材は国産材出荷量の3割、外材では8割以上→ここでも差がつく
・盗伐、過剰伐採、再造林放棄の問題とは反対の放置林の問題
→相続人不明、名義人多数の共有林、進まない民有林の地籍調査→放置→災害
・目先の都合だけの政策では経営も持続もできず環境保全も不可能・・・
林野庁森林整備部計画課長へのインタビューより
・供給量拡大への取り組み
→戦後や高度成長期に植えた人工林が成熟して利用可能になった
→木材利用はカーボンニュートラルにも貢献すると認識され、需要拡大策も功を奏した
→ただし販売収入が少なく、重労働を要する再造林をしないなど課題も多い
・収支面での取り組み
→高性能機械の導入、労働削減技術の開発実証、花粉量半分で成長1.5倍のエリートツリー
・最終価格の2%しか山元に還元されない仕組みや価格への取り組み
→原木を製材用、合板用、チップ用と仕分けして供給することが重要
→製材技術開発、フル活用に向けた事業者連携、持続可能なサプライチェーンの構築で再造林に
→昨年6月に林業木材産業関係団体が共同で宣言を出した→業界の意識も変わりつつある
・伐採のための補助金のあり方について
→間伐への補助はあるが目的は森林の健全性を保ち公益的機能を発揮させるため
→皆伐への補助はない
→国際商品の価格は海外を含む需給関係で決定されるので補助金の影響はない
→需要無視の伐採は好ましくないので需給情報を公表している
→レーザー航測技術を使って林業適地を見定め関係者で共有することも進めたい
Part3より
・1980年代以降の世界的潮流は「持続可能な森林管理」
→95年のモントリオール・プロセスには日本を含む12ヶ国が参加→日本は逆行している
・戦後の林政の振り返り
→戦争で荒廃した天然林の伐採跡や原野を人工林に置き換える拡大造林政策
→高度成長期には林業振興で森林の公益的機能も発揮できるという「予定調和論」へ
→これには丁寧で集約的な技術が要求されるが外材輸入による価格低迷で技術基盤が崩壊した
→2001年の法改正では「持続可能な森林管理」が検討されたが最終的には予定調和論に
→補助金を投入した工場の大型化の結果、大量安価な供給が必要になった
→2011年には温暖化防止ロジックで短伐期皆伐再造林施策へ→真の目的は大量安価な供給
→2016年には林業の成長産業化
→2021年には「グリーン成長を新しい林業で実現させる」
→転換に見せかけた成長産業化の継承強化で「持続可能な森林管理」とは相反するもの
・森林管理には科学的理論が根底にあるべき
→地域ごとに生産林と環境林に分け目標林型に応じて短伐期皆伐を選択するなら理解できる
→ところが施策は全国一律
・「持続可能な森林管理」を基本にした森林法制への転換が不可欠
→林業は特殊な条件下でしか成り立たないことが前提
→地域(山村)政策、環境政策としてEUの農業政策のような所得補償
(条件不利地域論・デカップリング論の取り込み、入林権の保証など国民的な議論で)
Part4より
・速水林業はFSC森林認証を日本で初めて取得した環境保全型林業
→1070㌶東京ドーム228個分
→最新外国製重機の修理やメンテナンスも自社で行う
→人材、道路網の密度、再造林と育林、苗木が揃わなければ林業は成り立たない
→2010年以降、専業事業者が売却・離脱している
→国の施策(環境保全)で間伐が加速し供給過多で立木価格が大きく低下
→安くても売れるうちに売り、植えなければいいという発想
→今は森林資源が持続できるかどうかの瀬戸際に
→補助金でしか変われない林業から脱却すべき
→誰がどう管理しどう利用されるか分からない数十年、数百年先の理想の森林を思い描き、
そこに向かって今できる限りのことを真面目にやる、それが面白くなければ林業は面白くない
Part5より
・銘建工業は構造用集成材のトップメーカー
→CLT直交集成板を日本に紹介し初めて建築物を建てた→鉄筋コンクリートより軽い
→日本の規制は厳しくコストが高くなり年間使用量は欧州の1/100で工場稼働率は低い
→フィンランドやスウェーデンでは時間をかけたインフラ整備で林業の生産性を上げた
→地元の真庭市にはバイオマス発電所がある
→チップだけでなく街路樹の剪定枝まで集まる仕組みができている
→林業もそれぞれの地域でビジョンを持つことが大事になる
Part6より
・皆伐された山林の7割は木を植えず放置されている
・大分県の佐伯森林組合では100%再造林している
→国・県・市の再造林補助金で88%はカバーできるが残りは関係者の基金で苗の生産も組合
→再造林の直営は15人で請負は115人、請負には年収1000万を超えるメンバーが4,5人いる
→5年間は同じ山を世話するので愛着も責任も感じるし山元も信頼する
→所有形態が細分化しているので結果的に皆伐にならずモザイク状に分散し生態系維持にも
・大分県のうすき林業では混交林の択伐を行っている
→皆伐と再造林の林業を続けるのはきついし自分の代でサイクルが循環しない
→専門家と話して防火帯の雑木を残すと自然に混合林になり択伐方式にしている
→混交林つくりは難しく何を植えて何を伐るか、間伐コントロールなど試行錯誤の連続
→現在はスギとヒノキだけの出材だが、いずれ高価な広葉樹も出したいと商品化を模索中
・所有者不明土地や放棄林の問題→少しずつ進めるしかない
→相続時不動産登記の義務化と国庫帰属制度
→植林育林会社や木材会社による買取サービスなど
・林業に重要なのは時間感覚
→一般の経済活動とは異なるスパンが必要
→吉野の山林王・土倉庄三郎のような思慮と覚悟で林業が展開されることを願う・・・
Part7より
・伊佐ホームズは2017年に森林パートナーズを設立した
→住宅を建てる際のサプライチェーンを構成する事業者が株主となり出資・参画する
→流通連携による林業の収益化
→透明性の確保→信頼関係→付加価値→山元にも還元→森林を守り続ける
→工務店が山元から直接購入→詳細な木材情報を事業者全体で共有
→全てのデータがオープンなのでコスト・納期・在庫などが明確になりメリットが多い
→事業者間の透明性と信頼関係は住宅購入者にも大きな価値となる
・大型パネル工法
→1980年に93万人だった大工は2020年には30万人に、しかも60歳以上が40%を超えた
→耐震性や防火性、調湿性などの性能強化で建築部品の複雑化・重量化も進んだ
→大工の労働時間の半分以上は梱包外し、採寸、仕分けなどで現場作業は危険も多い
→大型パネルなら本来の仕事である造作や仕上げに集中でき人手不足解消にもなる
・大型パネル工法開発者の話
→いかに森林資源と生活者、需要があるエリアと供給可能なエリアを最適な線で結べるか
→究極には林業をクラスター(圧縮統合)させ地域ごとのサプライチェーンを多数構築すること
→大規模化などの成長一辺倒ではなく、徹底的に持続することを目指す
→着実な持続こそ、結果として大成長につながる
さらに・・・
→これまでの木材はエンジンだけで売ってきたようなもの
→付加価値をつけて自動車として売ること
→我々は良質な木材を使いサッシや断熱材も付けた大型パネルという建築物として売っている
→生活者目線で主語を木材ではなく建築にし生活産業の一員として事業を行っている
云々・・・
と、確かに改革者の動きも一部にはあるようですが・・・
さてさて、部外者にできることはなんでしょう・・・