2024年10月

2024年10月29日

万物の黎明

とーとつですが・・・

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The Dawn of Everything~A New History of Humanity~

万物の黎明~人類史を根本からくつがえす~であります


表紙カバー裏にあった惹句

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そう、著者2人は(瞬く間に古典となったこの本により)、
ガリレオが天文学で、ダーウィンが生物学でなしたことを人類学でおこなったのだ



裏表紙カバー裏にあった著者2人と訳者の紹介

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著者2人は人類学の教授と考古学の教授で訳者は社会思想史・都市社会論の教授・・・

わたくし文明史や人類史にも興味があるのですが人類学と考古学の専門家が共同執筆した本は
はじめてで、確かに思想家などの本より説得力があって、目からウロコでした

特にこれまでの
文明史には殆ど出てこなかった南北アメリカやウクライナなど、いわゆる
「〇大文明」以外の古代文明にも着目して、人類学と考古学の最新成果から、これまでの
歴史観を覆すような事実が次々と紹介されてて、あらためて自分の無知を思い知りました


奥付

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初版から1ヶ月で3刷まで増刷されてますから、この分野の本としては驚異的ですね
わたくしも発行と同時に購入図書館予約してましたが約1年待ちでした


例によって目次のみ

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参考文献も含めると700頁ちかい大著で、本文も二段組の小さな文字がぎっしりと並び、
しかも図版は少なめで、長めのセンテンスがひたすら続いてました・・・


ともかく、まずは第1章の冒頭から要点などをメモ・・・
(著作物からの個人メモなので公開に問題があれば非公開設定にします)

・ルソーかホッブズかの二者択一を乗り越える過去数十年の研究結果からの反論が本書
→狩猟採集世界は平等な小集団ではなく大胆な社会的実験で政治形態のオンパレードだった
→農耕社会に私有財産や不平等はなく共同体の多くは身分やヒエラルキーから解放されていた
→世界最古の都市も多くは階級的区分を有さず強い平等主義で統治者や役人は必要なかった

・歴史に「傾向」はある(それに逆らう人も多い)が、「法則」はつくりあげられたもの

・ルソー、フクヤマ、ダイアモンド批判
→小規模集団が平等主義だった根拠も大規模集団には統治者や官僚が必要だった根拠もない
→事実を知らないで偏見を歴史の法則にしているだけ

・ネイティブアメリカン社会の共同体のきずなの強さ、相互のケア、愛、幸福・・・
→ヨーロッパ環境の安全な都市より人をワクワクさせるものだったからみんな逃げた
→矢を射られた時に深く気遣ってくれる人がいるという感覚も「安全」・・・


・・・と、確かに興味津々の内容でしたが、ここまでで本文の約1/600・・・

数十年に及ぶ研究成果ですが一般向けに書かれており、訳者も一般読者を対象に訳されてて
長いセンテンスでも読み込めば面白いのですが、この調子でメモしながら読みすすめると、
とても図書館の返却期限には間に合いそうにもなく、かといって買ってしまえば、今度は
いつでも読めるとなって「積ん読」になるのは必定・・・

つーことで、とりあえず・・・
飛ばし読みする中で(けっこうお茶目だった)各項目の見出し部分だけを要点メモ


第1章の
見出し要点メモ

・なぜホッブズ流とルソー流の人類史モデルが政治的に悲惨な意味合いを持つのか

・人類史の流れに関する一般的理解が間違っている簡潔な実例
(ジャン・ジャック・ルソー、フランシス・フクヤマ、ジャレド・ダイアモンド・・・)

・幸福の追求について
(アダム・スミス、アダム・ファーガソン、ジョン・ミラー、ルイス・ヘンリー・モーガン、
スティーヴン・ピンカー、ナポレオン・シャグノン・・・)

・なぜ従来の人類史の語り口は間違っているだけでなく必要以上に退屈であるのか

・これ以降の展開について


第2章の
見出し要点メモ

・ヨーロッパ中心主義に対する批判がどのように裏目に出て、先住民の思想家を
「操り人形」に仕立て上げてしまうのか

・ニューフランスの住民がヨーロッパからの侵略者をどうみていたのか、とりわけ寛大さ、
社交力、物質的な豊かさ、犯罪、刑罰、自由の問題をどうみていたが考察される

・ヨーロッパ人が(ネイティブ)アメリカンから理に適った討議、個人の自由、恣意的な権力の
拒否をどう学んだかが示される

・ウェンダットの哲学者・政治家カンディアロングが紹介され、彼の人間性や見解が、
どのように啓蒙時代ヨーロッパのサロンに影響したのかが説明される

・ARJテュルゴーの世界形成力が説明され、彼がどのように先住民による批判を覆し、
現代の社会進化論の基礎を築いたかが説明される

・ルソーはいかにして(懸賞論文で)人類の歴史を制覇するにいたったか

・先住民による批判と進歩の神話、左翼誕生の関係が考察される

・「愚かな未開人の神話」を超えて(これが本書に重要である理由)


第3章の
見出し要点メモ

・サイエンス・パラドクスが、なぜ煙幕であるか

・優れた研究者でさえ社会的不平等には起源があると考えてしまう理由

・氷河期社会の実態が従来の狩猟採集民イメージを覆していること、
3万年前の社会階層化の証拠とされるものの実態

・未開人には意識的思考ができないという先入観の排除、その思考の歴史的重要性

・人類学者ストロースはナンビクワラ族から首長の役割と社会生活の季節的変化について
何を学んだか

・氷河期とそれ以降の個人と季節的変異の証拠

・バッファロー警察(社会政治における季節性の役割)

・問題は「社会的不平等の起源」ではなく「どのように閉塞したのか」

・サピエンス(かしこい)であることの本当の意味


第4章の
見出し要点メモ

・人類は人口が増えれば増えるほど小規模で生活したことの説明

・平等主義的社会では何が平等の対象になるのかの問い

・マーシャル・サーリンズの「初源の豊かな社会」の検討
(証拠がない状態で先史時代について書くとどうなるか・・・)

・北アメリカと日本での古代狩猟採集民に関する新たな発見が社会進化を根底から覆す
(ルイジアナ州ポヴァティ・ポイント、三内丸山や100年周期で続く縄文遺跡)

・狩猟採集民は未熟で素朴という神話が、なぜ現代まで生き延びているか

・定住する狩猟採集民は例外という馬鹿げた議論を退ける

・ついに所有の問題が語られ、不可侵なるものとの関係が探求される


第5章の
見出し要点メモ

・はじめて文化的分化の問題が考察される

・文化圏という乱暴、不適切、攻撃的だが示唆に富む方法の考察

・モースの洞察が太平洋岸へ適用され、ゴールドシュタットが「プロテスタント的狩猟採集民」
と表現したことが不合理ではあるものの、いまだに何かを語りかける理由

「プロテスタント的狩猟採集民」と「漁夫王(フィッシャーキング)」の分裂生成の論証

・奴隷制と生産様式の一般的性質について

・他人を奴隷にして一獲千金を狙う危険性を説いた先住民族の説話
(と、「銃・病原菌・鉄」についての余談)

・魚を釣るのと、どんぐりを拾うのと、どっちがいいかな?

・太平洋破片地帯(シャッターゾーン)の培養/耕作

・いくつかの結論


第6章の見出し要点メモ

・プラトンの偏見が農耕発明についての考えを曇らせている

・世界最古の町チャタルホユックの歴史

・学術世界のちょっとした立入禁止区域のひとつ、新石器時代母権制の可能性

・世界で最も有名な新石器時代の町の生活

・初期農耕共同体における社会生活の季節性

・肥沃な三日月地帯の分解

・スローなコムギといかにして農耕民になったかの通俗理論

・新石器時代農耕の進化の遅さ、ルソーに反し畑の囲い込みをしなかった理由

・科学者である女性

・耕作すべきか、せざるべきか、それは単なる思い込み(ギョベクリ・テペ遺跡)

・意味論的な罠と形而上学的な蜃気楼


第7章の
見出し要点メモ

・家畜や農作物の世界的な移動を論じる際の用語法の問題

・なぜ農耕はもっと早く発達しなかったのか

・新石器時代の教訓話
中央ヨーロッパ最初の農耕民の悲惨かつ驚嘆すべき命運

・転換期のナイル川流域の転換とオセアニア島嶼部への植民

・アマゾニアの事例と遊戯農耕(プレイファーミング)の諸可能性について

・しかし、なぜそれが重要なのか(目的論的推論の危険性)


第8章の
見出し要点メモ

・悪名高きスケールの問題をはじめて取り上げる

・諸都市の背景の描写、初期都市誕生の推測

・メガサイト(巨大遺跡)とウクライナでの考古学的発見が都市起源に関する常識を覆す

・メソポタミア、それほど原始的でない民主制について

・インダス文明が王権以前のカーストであったか否か

・中国先史時代の明白な都市革命の事例


第9章の見出し要点メモ

・マヤ低地の外来王の例とティオティワカンとの関係

・ティオティワカンの人々はいかにしてモニュメント建設や人身御供に背を向けて、
かわりに社会住宅プロジェクトに乗り出したのか

・アステカ帝国に抵抗してスペイン侵略者と手を組むことにした共和制トラスカラの事例


第10章の
見出し要点メモ

・財産と権力を支配する3つの基本形態が提示され、人類史の探求に・・・
(ジェームス・ボンドは暴力(殺しのライセンス)、情報(秘密へのアクセス)、カリスマ性を
兼ね備えているが、前二者を支えているのは国家の官僚機構)
(カリスマ性は民主主義で相殺されると思っているが近代の
民主主義は大物の勝敗ゲーム)

・アステカ、インカ、マヤ(それからスペイン)について

・脱線して時のかたち、興亡のメタファー、政治的バイアス・・・

・スポーツとしての政治→オルメカの事例

・像(イメージ)に築かれた帝国?チャビン・デ・ワンタル

・国家なき主権(ナチェズの事例)

・古代エジプト起源時のケアリング労働、儀礼的殺害、小さな泡の集合
(農耕と儀礼→パンとビール→インカでは凍結乾燥ジャガイモとトウモロコシビール)

・中国からメソアメリカの初期国家の差異(共通点はない)

・支配3原則からのエジプト再考と暗黒時代の再検討

・官僚制の起源は以外にも小規模スケールで発見(シリアのテル・サビ・アルヤド遺跡)

・知識武装後の社会変化の基本的前提

・コーダ、文明、空虚な壁、歴史・・・


第11章の
見出し要点メモ

・ジェームズCスコットの過去5000年に関する議論、今のグローバル社会組織は必然的か

・北アメリカの統一されたクラン・システム、ホープウェル交流圏の役割

・アメリカ最初の国家になりそうなカホキアのストーリー

・ミシシッピ世界の崩壊、ヨーロッパ人が侵入した頃の新しい政治への端緒

・のちにモンテスキューが「法の精神」で称賛された自己構成原理を、オーセージ族は
どのようにして体現するようになったのか?

・カンディアロングの政治哲学の再考

(第12章は見出しなし)


ま、さすがに見出しメモだけでは飛ばし読みした内容を思い出せないので・・・

巻末の「訳者あとがきにかえて」にあった、訳者が各章のポイントとして紹介されてた部分のみ
(それでも40頁ほどありましたが)要点をメモしました

以下、例によって読み違いも多いので、興味を持たれた方は本書の熟読をお願いしますね
(こちらも著作物からの個人メモなので公開に問題があれば非公開設定にします)

「訳者あとがきにかえて」より各章のポイント

第1章
・本書全体の問題設定の提示
・人は20万年の人類の歴史を知らず、知らないという自覚もないので安易な物語で埋めてきた
→それはおよそルソー版とホッブズ版に分類できる
→小集団→農業革命→都市→文明→国家・・・
(文字文献、科学、哲学、家父長制、常備軍、大量殺戮、官僚制・・・)
→最近の考古学的・人類学的な発見から別の歴史を描き出す→(人類史の)幼年期の終わり


第2章
ルソーとホッブズに代表される神話の系譜(略)
・西洋思想と先住民による批判(とりわけイエズス会の書簡集全71巻から)
→西洋の競争、金銭に対する執着、ホームレス放置、同胞の見殺し、人の発言を遮る不作法、
弁舌の粗暴さ、女性の不自由、上に卑屈で下に厳しい態度・・・
→先住民の知識人たちから蔑むべき野蛮と批判されていた
→著者二人はこの「周縁化された知」を梃子に近代史・人類史全体にヴィジョンを拡大した


第3章
・最終氷期だった後期旧石器時代からの人類史の再検討
→ハラリ、ダイアモンドなどのビッグストーリー批判
→豪奢な埋葬やモニュメントとヒエラルキーは常時は存在しなかった(痕跡がない)
→多くが季節によってヒエラルキーを組織しては解体し複数の社会組織を往復していた
→かつての人類学者には自明だったこの事実が20世紀後半に失われ小集団で平等主義で孤立した
狩猟採集民のイメージが支配するようになった
→人類は初期より自覚的に社会を組み替える成熟した政治的アクターだったことが忘却された

・ワイアード誌ヴァージニア・ヘファーナンの書評より
→実際に先住民社会は複雑かつ変幻自在だった
→シャイアン族とラコタ族は警察部隊を組織し人々をバッファロー狩りに参加させていた
→ナチェズ族は出不精な独裁者を敬うふりをして自由に行動していた
→著者は巨大な遺跡や墓を階級制度の証拠とする通説にも見直しを迫った
(旧石器時代の墓の大半は有力者ではなく身体的異常を持つ異端者が埋葬されていた)
→人間は自然状態だったことなどなく皮肉屋で感覚的で内省的だった
→全人類に共通したプログラミングなど存在しない

・人類の社会的不平等の根源は何か、ではなく、人類はどのようにして停滞したのかの問い、
平等の喪失ではなく、自由の喪失の問いが本書の核心


第4章
・氷河期終了以降から農耕開始以前に世界各地で生まれた文化的組織法の検討
→前章の問いへの応答が開始される(どうして閉塞したのか)
→農耕開始以前の単純素朴な狩猟採集民というイメージを覆し、多様性に富んでいたことを
明らかにすることを目的にしている

・人類は時代とともに社会規模を大きくしていったという発展イメージの逆転
→長距離移動で離合集散を繰り返していた後期旧石器時代のコスモポリタン
→中石器時代から新石器時代にかけて独自の文化を形成し閉域としての社会を構成
(これが閉塞のひとつの条件→世界は狭くなったのだ!!!)
→環境や生産様式による決定ではなく、異なる価値、異なるモラルを自覚的に発展させる
政治や選択の意志の作動

・平等概念の系譜
→先住民は財産の平等については問題にしておらず相互扶助と個人の自由の発展をはばむ
ヨーロッパ社会を批判していた
→かれらには財産の多寡が権力の多寡に転換する事態は考えられなかった
→平等主義的社会の実質は自由社会であり構成員が自由民であることの確認
→狩猟採集民の社会組織の多様性(余剰生産、植物栽培を拒絶して余暇を選ぶにせよ多様性)
→フロリダのカルーサ族(王のヒエラルキーを保持)、北アメリカのポヴァティ・ポイント、
日本の三内丸山遺跡、ヨーロッパの複数モニュメント遺跡・・・
→いずれも単純素朴な非農耕民という神話を覆しアーケイック期や縄文時代という長期にわたる
「なめらかな平面」時代区分の見直しをせまる遺跡

・私的所有
→所有を知らない
単純素朴な狩猟採集民といったイメージを覆すための複雑な私的所有の分析
→大半は「儀礼の檻」によって一部領域に封じられ、権力との結びつきを阻止されている
→奴隷所有に密着する古代ローマ由来の所有権観念は、人類史上では異例中の異例とする


第5章
・「なめらかな平面」から諸文化、諸社会への分化のプロセスとダイナミズム
→北アメリカ西海岸の北西文化圏とカリフォルニア文化圏の相互作用をめぐる分析(人類学)
→地理的な同一化と反同一化の運動、支配の拒絶に関わる運動・・・略
→ヒエラルキーや戦争、農耕の否定、エコロジー意識・・・略


第6章
・人類と農耕、定住しながら「コムギの奴隷」を拒絶したことを論じた章
→更新世から完新世へとステージが移行し農耕の起源にまつわる考察が展開される
→シリアスではない農耕、祝祭的雰囲気(遊戯性)、ジェンダー・・・
→「農業革命」のイメージを転覆させる諸要素が集約されている

・野生穀物の栽培開始から栽培化課程完了までの3000年のギャップ
(本来なら手をかけなくても数世代で完了する→実験考古学の成果)
コムギの奴隷になることを拒絶し、付き合い、戯れ、イノベーションを積み重ねていた

・狩猟採集から農耕への移行を表現している新石器時代の町チャタルホユック
→シリアスではない農耕(氾濫農耕)、季節性、女性の優位性・・・

・「農業革命」→私有財産の誕生、不平等へのステップとされるが・・・
→革命より長期で多発的で最初の農業共同体の多くは身分やヒエラルキーから解放されていた
→コムギ、コメ、トウモロコシなどの知識は当初、儀礼的な遊戯農耕によって維持されていた
→新石器時代の革新の殆どは女性により何世紀にもわたって蓄積されてきた知識の集合体
→地味だが重要な発見が延々と繰り返されていた


第7章
・遊戯農耕のシリアス農耕への転化は直線的な発展段階ではなく、家畜化・栽培化の拡大も
一様のプロセスをたどっていないことを複数の領域で確認する章→
シリアス農耕の多様性
→農業による食糧生産から国家への道も直線ではなかった
(肥沃な三日月地帯の「国家のようなもの」はたまたまで、農耕が必然的に伝播するイメージは、
ヨーロッパによる植民地化経験イメージの過去への投影にすぎない)
→シリアスな農耕はニッチで貧しい地域で生まれ発達した
→恵まれた地域は遊戯農耕を実践した→エコロジカルな柔軟性
→アマゾニアの事例は数千年にわたりその境界線を保持していた→人間と非人間の相互作用
(恵まれた狩猟採集民にとっては、まさに「趣味の園芸」だったんですね!!!)


第8章
・初期都市論
→ウクライナ、メソポタミア、インダス、中国の初期都市の検討
→社会規模が大きくなれば命令権力でしかまとまらないのか?
→ウクライナとモルドバの遺跡の例
→メソポタミア最古の都市より古くて規模が大きく8世紀あまり人が居住していた
→集権的統治の痕跡もヒエラルキーの痕跡もなかった
→同様の都市をメソポタミア、
インダス、中国にも見いだしていく・・・

・殷の時代以前の晋南盆地の陶寺遺跡
→都市の拡大とともに階級的分化とヒエラルキー拡大の証拠がみられる
→拡大が数世紀続いたのちに無政府状態となったが、その後も数世紀にわたり
都市自体は拡大している
→これは階級制度の廃棄(社会革命)で繁栄した世界初の記録証拠ではないか
→自覚的な社会実験の場と転じた世界最古の都市の事例ではないか
→通常イメージする時間の進展を逆転させる「都市革命」のヴィジョン・・・


第9章
・メソアメリカの政治的都市革命
→ティオティワカンも当初は都市の膨張とともにモニュメント建設など近隣のマヤ都市国家と
同様の戦士貴族文明をめざしていたようにみえた
→ところが3世紀後に神殿やモニュメント建設をやめ民衆のための集合住宅建設をはじめた
→多元的多言語都市として発展し集権制やヒエラルキーとは異なる異質な文化芸術に
→奴隷や貴族賛美が排除され共同体全体が重視された→集団的ガバナンス
→コルテスに協力したアステカの都市トラスカラの都市評議会の例(略)


第10章
・理論的総括といったおもむきの章で国家という概念をお払い箱にしようという野心的な章
→「所与の領域内で合法的な強制力の使用を独占することを主張する機関」としての国家
→この概念には近代的国民国家のみが該当する
→人類史にも適用されると、どの社会を国家とするのか見えなくなる
→さらに社会の複雑化と国家形成の連動には進化論的な含みもひそんでいる
→進化論的な国家以外にも様々な社会があったことは前章までで見てきた
→国家は現実を見えなくする概念なので国家を3つの原理に分解して
考察

・社会的権力の基盤となる3つの原理→暴力、情報(知)、カリスマ
→近代国家では主権、行政装置、選挙制度だが人類史において近代国家はひな型にならない
→国家の起源の問いにかえて
3つの要素の編成と支配の構造を考察
(メソアメリカ、南アメリカ、ナチェズ族、エジプトなどの事例から→略)
→殆どの社会組織は
3つの要素の1つないし複数を編成している(近代国家は3つすべて)
→国家の手前の3つの要素で各社会組織を考察

・強力な王権、行政機構があったとしても「国家が存在しないという感覚」が必要
→クレタ島ミノア文明の相互扶助、社会的協働、市民的活動、歓待、他者ケアリング
→世界史の軌道を外れているが文明という視点で照射すれば生き生きとあらわれる
考古学はサウジアラビアやペルーの砂漠、カザフスタンの大草原、アマゾンの熱帯林でも
このような「失われた文明」の証拠を今後も次々と発見していく
→それらに現代的国民国家イメージを投影するのではなく、それらが語る別の種類の社会的
可能性を考察しなければならない


第11章
・西暦200年~1600年あたりの北アメリカ史(東部ウッドランド文化)を通覧して、
国家あるいは帝国への展開と突然の(自然災害と絡み合った)拒絶をみるという構成

・第4章で既述のポヴァティ・ポイント、ホープウェル文化圏、カホキア国家の発展と解体、
多数の小王制から世襲原則を拒絶する部族的共和政体へ・・・(略)
カホキアのような国家に引き返すことを拒絶し、独特の合意形成システムを構築して、
(それはモンテスキューを介して近代民主制に流れ込んでいるかも知れないのだ)
独特の反権威主義的哲学を発展させた

・なのでイエズス会などヨーロッパ人が新世界で遭遇したカンディアロングたち「未開人」は、
ヨーロッパのような富と暴力の文明をすでに熟知し拒絶して別の文明を構築しようとしていた


第12章
・本書の重要な論点が異なる観点から再論され、新しい情報で肉付けされた章
→著者2人のいう「3つの基本的自由」を捉え返す
(①移動し離脱する自由、②服従しない自由、③社会的関係を組み替える自由)
→ケアと暴力の結びつきが閉塞の主要な要因であるとする仮説
→慈善空間、保護と閉鎖、家父長制の形成、北西海岸の奴隷制、古代メソポタミア、古代エジプト


(以下も「訳者あとがきにかえて」からのランダムなメモです)

・本書はルソー=ホッブス的パラダイム(戦争と侵略、搾取、家父長制、供犠、モニュメント、
物質的繁栄、必然的歴史意識などの系列からなる文明観)に対立する、より基盤的な文明の
系列を浮上させることに成功した

・「文明(ラテン語のcivilis)という言葉は自発的連合による組織化を可能にする政治的知恵や
相互扶助のもつ諸性質を意味している」

・「文明とは本来インカの廷臣や殷の王朝ではなく、アンデスのアイリュ連合やバスクの村落が
示すような
諸性質の類型を意味していたのである」

・「相互扶助、社会的協働、市民的活動、歓待(ホスピタリティ)、あるいは単なる他者への
ケアリングなどが文明を形成していたのだとすれば、文明史の叙述は始まったばかりなのだ」

・「英語の自由freedomは、friendを意味するゲルマン系の語源に由来する」
→友をつくる、約束を守る、平等な共同体で生きることを意味していた
→社会的紐帯を形成できない奴隷であることと対立する概念

・友情は
3つの基本的自由のうち③社会的関係を組み替える自由にあたる
→①離脱する自由、②服従しない自由が微弱なら、変革もできず社会は閉塞する
→離脱できず服従を余儀なくされる社会では友情も成立せず孤立する

・最近の日本社会の「孤独礼賛」風潮は、自由の喪失と関係しているのではないか
→つらい職場でも辞められないのは離脱すれば生活に困るから
→嫌なことにも逆らえず社会変革も思えなくなる社会は閉塞していく

・世界最初の都市住民が環境や同胞に負荷を与えていたわけではないこと、
地球の未来を選挙政治にゆだねなければならない「歴史の法則」などないこと、
移民が歓待の危機と直結する必然性などないことは、新しい人類史からわかってきている

・本書は対話を呼びかける招待状だと思いたい
→地球温暖化から地球沸騰化のステージに移行して破局の時代に突入したが、
→破局のときは長期の閉塞を打ち破るカイロスのときでもある
→このチャンスをつかむ招待状を(日本語に直したので)受け取ってほしい・・・


まさに目からウロコの本だったので特に人類史・文明史に興味のない方にもオススメします






m98k at 17:50|PermalinkComments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 書斎 | わからないもの

2024年10月25日

スバル・レックス車中泊想定編

ええ、新車購入から1年以上が経過しましたが・・・

最近ようやく車中泊想定を考えてます

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まず助手席シートを一番前までスライドさせて、


XVの車中泊想定で購入してた45×30×26サイズのコンテナをば・・・

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2個重ねると倒した後部座席の背もたれとほぼ同じ高さになりました


で、その上に180×60サイズのマットを敷いてみると・・・

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何とかギリで収まりました ほっ


ただ、

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完全フラットにならず上半身が高くなるのはXV同様で想定内でしたが・・・




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30cm×6枚で180cmになるマット1枚の半分15cmほどが宙に浮きました
わたくし身長が170cmちょいなので、さすがに165cmでは脚が伸ばせません

XVではコンテナを前にずらせましたが、レックスでは前席シートレールとの間に余裕がなく
まったく前にずらせませんでした
足元もギリになったし、やはり室内長もXVよりかなり短くなってるんですね
もちろん上のコンテナだけずらせばゲコゲコと安定しないし・・・

そうか
ヘッドレストに常時かけてあるフックからパラコードでも吊るして、
板を載せればいいだけではないか、サイズはコンテナと同じぐらい・・・
そーいや、そんなキャンプテーブルがあったはず・・・

つーことで、

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助手席ヘッドレストにかけてある100均フックからパラコードを吊るして・・・



ちゃらら・らっちゃ・ちゃーん

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どこでも宴会用キャンプテーブルう!!!

サイズは40.5×36でコンテナとそんなに変わらず、裏の折りたたみ部の三角形の出っ張りが、
ストッパーになってズリ落ちることもなさそうだし・・・


つーことで、さっそく・・・

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まずはパラコードの長さを調整、段差が生じたセンターコンソール(アームレスト)には、


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てきとーなクッションを載せて似たような高さに調整、



そしてアキレスのマットを敷けば・・・

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ギリですが180×60サイズ車中泊用ベッドの完成であります

試しに寝てみましたが、後部座席の右側から乗り降りすれば、ほぼベッド感覚で使えますし、
上半身が少し高いのも一晩ぐらいなら、おそらく気にならないでしょう

ただしテーブルとコンテナとの段差が4cm厚のマットを通しても、やや気になりました

ま、XVで試したようなインフレータブル・マットをパンパンに張れば、この程度の段差は、
おそらく感じなくなるでしょうし、もっと薄いボードを探す方法も考えられます

でも、手持ちの古いインフレータブル・マットやエアマットは殆どが空気漏れしてるし、
このキャンプテーブルなら「就寝時以外どこでも宴会テーブル」として使えるのだから、
これをベースにマットやキャンプピローなどで段差を工夫して、いずれ第二弾を・・・
って、そもそも泥酔状態で宴会テーブルを、この状態にセットできるのだろうかっ???



m98k at 19:30|PermalinkComments(6) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック キャンプ・川下り | 災害避難とか

2024年10月18日

じん田の鰻と・・・

とーとつですが、画像があったので備忘のため・・・

先月の25日・・・

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「うなぎ じん田」の鰻をご馳走になりました


家内の妹が京都の実家で用意してくれた「白焼き」で、解凍して専用タレで調味、

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大きい鰻で一人一枚でも食べ応えがありました ばくばくばく


家内が梅田にできた「KITTE」で買ってた日本酒や・・・

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スパークリングワインや自家製の高麗人参酒で・・・

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もちろん乾杯は日本人らしくビールでしたが・・・

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そう、京都の実家に次男が来るのと介護施設から家内の父親が帰宅するのに合わせて、
用意してくれてた鰻でした


で、家内の父親が施設に戻り、この日は一泊できる次男と四人で駅前にある居酒屋へ

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バーのような雰囲気で特に焼酎にこだわっているお店でした



こちらでは

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ビールとゆずチューハイでまずは乾杯



あとは妹のオススメなんぞを次々と

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次男の好きな、焼きナスの煮びたし




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わたくしの好きな、おでん盛り合わせ




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烏賊の姿焼き


ビール2杯のあとはせっかくなので

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わたくしは焼酎のお試しセットを


店内が暗いのでEDCしているACEBEAMのH16で・・・

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芋・米・麦と揃った魔王セットを選択




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右から芋の魔王、米の天誅、麦の元老院であります

焼酎の味もわからないわたくしには飲みやすい麦が好みでしたね





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ぬた



で、1週間前から先割りしているという三岳で再度乾杯

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その後も各自かぱかぱやってて

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妹オススメの当日おまかせピザ




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わたくしの好きなソーセージ盛り合わせ



料理人のレベルがわかる、だし巻き卵

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だから食べる前に撮ればよいものを・・・四人分に切り分けてくれたましたが、
撮る前に取った奴は誰だ???   あっ、わたくしだったか・・・



で、シメには

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全員が冷やしうどんを・・・

どれもが丁寧に作ってあって美味しかったのですが、わたくしすっかり出来上がってしまい、
またまた電車を乗り換えて自宅まで帰宅するのに難儀しました

飲んだ後に少し歩けば足腰が痛くなって、休憩しないと歩けなくなるので時間がかかり、
それがここ最近は、ますますひどくなるばかり・・・

ようやく涼しくなってきたのでポタリングを再開しないといけませんね
自転車ならまだそれなりに漕げるので、ある程度は筋力をアップしてからウォーキングへ、
まだまだ健康に外で飲めるまでの道のりは長いかなあ・・・



m98k at 12:44|PermalinkComments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 糧食、飲料 | ブログ日誌

2024年10月11日

ひさしぶりのミニOFF会!!!

先週の土日、ひさしぶりのフラッシュライト?ミニOFF会を楽しんでました!!!

ま、わたくしはずっと飲んでたのでライト画像はありませんが、備忘のため・・・


土曜の昼前に(神戸でwingさんをピックアップした)赤チャリさんが、わたくしの実家に到着、
まずは3人で近所のとんかつ屋さんへ・・・

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わたくしもひさしぶりのお店でしたが、お二人にも好評でした

で、食後は甘味やつまみや飲み物をスーパーで(大量に)買い出しして実家に戻り、ヲタ話で
盛り上がってると
2時半には川端さんも到着、ツッコミどころ満載の録画番組を視聴しつつ、
ひたすらツッコミとヲタ話とバカ話で過ごしつつ・・・


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買い出し品と持ち寄り品の珍味もあわせて、ばくばくごくごく・・・


赤チャリさんからの差し入れ

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除菌アルコールなどを入れるスプレーボトルでオリーブドラブのジェリ缶仕様


飲まない川端さんからの差し入れ

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久保田・純米大吟醸1.8ℓと、麦焼酎・百年の孤独720ml
どちらも滅多に飲めない高級酒、しかも定価では入手しにくい品だとか・・・


で、たちまち夕方になり・・・


一度は皆さんと行きたかったツッコミどころ満載の包丁居酒屋へ・・・

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wingさんの日本酒

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98kさんのビール

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飲まないお二人はソフトドリンクで・・・

店を出てからの皆さんのツッコミは確かに鋭かったのですが、まあ飲み物もつまみも全品が
300円だったので良しとしましょう

帰りは朝食分だけ追加ね!とかいいつつ、結局は甘味なども大量に追加購入して実家に戻り、
またまた録画視聴とヲタ話とバカ話で過ごしました
(この間に何本ものライトが机上に出てましたが画像は一切ありません)

やがて一人二人と寝落ちして、わたくしが就寝したのは1時半過ぎ、翌朝は8時前に起きて、
甘いパンなどの朝食後も延々と
ヲタ話とバカ話が続きました
(この間にも何本ものライトが登場してましたが画像は一切ありません)


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「かいこの一生」チョコレート・・・




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凍頂烏龍茶とwingさんが憧れてたとゆー「かじるバターアイス」とか・・・
高級な茶葉は少量で何度も抽出できるのでお得ですね 頂き物でしゅが・・・

とまあ、甘味がいっぱい残ってたので昼食にも夕食にも出ず、延々
ヲタ話とバカ話で過ごし
夕方からは、4人がはじめてリアルで出会った際の話から、フラッシュライトファンの
フォーラムなどの話題になり盛り上がってました いやあ、じつに懐かしかったなあ

そう、このブログサイトを開設してから来年で20年になるのですが・・・
(過去記事は当サイトのヒストリー・ビューから年月別に画像検索できます)

この間にLEDライトを取り巻く状況はすっかり変わり、ラクシオン5wに驚愕した時代から
やがてXPGなどになって様々な機種が出て、100均にもLEDライトが出回るようになると、
カスタマイズしたり情報交換したりのネット上の交流もすっかり少なくなり、今はSNSでの
繋がりが中心になってるようですね・・・

まあ、稀少なライトを持ち寄って集まり、お互い自慢したり驚愕したりするOFF会つーのは、
様々なLEDライトとSNSが普及して興味が薄れたのかも知れませんが、それでもスキモノが
リアルで集まると全く別の楽しさもあるので、今後もたまには参加したいものです

と、今回は日曜日の8時半に再会を約して解散した次第



m98k at 10:30|PermalinkComments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック フラッシュライト・ランタン | 糧食、飲料

2024年10月08日

皇紀3千年「実論夢想」

とーとつですが本日・・・

わたくしも手伝っていた海外植林ボランティア団体N.GKS(もと緑の協力隊・関西澤井隊)の
澤井代表に関する2冊目の本が、3年前の「アッと驚く! 90歳」に続いて出版されました
(N.GKS
関係者には、いずれ郵送などで届くはずです)


皇紀3千年(西暦2340年)「実論夢想」

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表紙カバーは1993年シリア・パルミナ遺跡にて



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裏表紙カバーは冬の大三角形とオリオン座・・・眼下蒼天


奥付

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産経新聞生活情報センター 2024年10月8日 第1刷発行


著者紹介

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共著になってますが「アッと驚く! 90歳」の著者である藤本氏が、前後足掛け5年間にわたり、
ほぼ月2回のペースで行った澤井代表へのインタビューと、澤井代表が保管している膨大な
過去資料から、歴史事実や澤井代表の生き方や考え方を引用しつつ、日本や世界の現状分析と
今後300年にわたる将来展望について、分かりやすくまとめられた本であります

1931年生まれの澤井代表にとって、紀元といえばキリスト紀元ではなく神武紀元(皇紀)であり、
子どもの頃に迎えた紀元2600年(1940年)の300年前の日本は江戸時代前期、その頃の人たちの
何人が300年後の日本を想像できたであろうか、今の政治家はじめ何人が300年後へのビジョンを
持っているのか、自分は300年後の皇紀3000年に向けて実論による夢想を藤本氏に語ったと・・・

膨大な資料をアナログ整理して保存、それらに関する記憶が90歳を超えても正確に残っていて、
それを最新の日本や世界の情勢と結びつけて主張する澤井代表も凄いですが、5年間にわたる
インタビューの膨大なメモを整理して資料と照合のうえ、それらを引用して最終的に自分の
文章としてまとめ上げた藤本氏の聞き手としての能力も筆力も凄いと感心しました


例によって目次の紹介

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特に地熱発電についての現状、
商業ベースに乗る熱源の資源量(2300万kw)は世界3位なのに
発電設備が世界10位(49万kw)まで落ちたのは、
目先の利益追求という浅はかな企業論理とか、
政府支援の打ち切り(1990年代)とか、温泉街の反対とか国立公園内は許可されないからとか、
業務スーパー創業者の熱意などについても知らないことも多く目からウロコでした
(ちなみに日本の電力消費は1億~1億4000万kw/h程度なので、商業ベースだけで考えても
1/4から1/6程度は地熱発電で賄えることになりますね)

確かに地熱発電なら、火山国では資源は無尽蔵タダでCO2も核廃棄物も出さず、大規模な
太陽光や風力、水力、大規模バイオマスのような環境破壊もなく天候にも左右されず24時間
365日稼働可能な純国産エネルギーですね



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どの項目にも出版直前までの最新情報による、現在の最先端技術や混迷する世界の現状が
紹介されており、それを澤井代表が半世紀以上も前から予測し警告していたという事実を、
当時の澤井代表が書いた文章などから発見し、そのことに何度も驚嘆したと、藤本氏が書いて
おられましたが、あちこちにハナシが跳ぶインタビューから、それらを見つけ出す藤本氏の
聞き手としての能力に、むしろわたくしは驚嘆しました

当ブログサイト書斎カテゴリで紹介しているような歴史や環境や最新科学に関する書籍も、
多くを精読されておられるようで、それぞれの著者とは、おそらく意見は異なるのでしょうが、
まさに幅広い最新知識があってこその労作ですね
さすがはベテラン手練れのもと新聞記者であります

とても内容すべては紹介できませんし澤井代表や藤本氏の主張についても、見方によっては
異論もあるでしょうが、特に林業・林政や教育・環境については100年先200年先を見越した
ビジョンが必要なことは間違いありません

ここでは末尾にあった写真資料のうち海外植林ボランティアに関する部分のみ新聞記事を
中心に、ランダムに一部を紹介させていただきます
(出版物の添付資料なので公開に問題があるようなら非公開設定にします)

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2012年、N.GKS第16次隊(ボルネオ)に関する毎日新聞の記事


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2018年、N.GKS最後となった第23次隊(内モンゴル)に関する読売新聞の記事




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2011年、東日本大震災支援へのお礼も込めた第15次隊(モンゴル)などの植林活動に対し、
モンゴル特命全権大使から感謝状を受けたことを伝える京都新聞の記事




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2013年、第18次隊(ボルネオ)に関する産経新聞の記事




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故・遠山正瑛翁とのツーショット(内モンゴル・クブチ沙漠・恩格貝にて)




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2010年、第14次隊(内モンゴル)に関する京都新聞の記事




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2009年、第12次隊(ブラジル・アマゾン)に関する現地サンパウロ新聞の記事




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2015年、澤井代表自分史の自費出版を伝える京都新聞の記事



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上から順に、
1990年、中国・内モンゴル自治区・クブチ沙漠・恩格貝の様子、
1999年、N.GKS第1次隊による
クブチ沙漠での最初の植林作業の様子、
2018年、最後となった第23次隊での
クブチ沙漠・恩格貝の様子


まあ、「最後となった」とは書いたものの・・・

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当時、城南新報で紹介されてた帰国報告ではラスト宣言を撤回して、
「3~5年後には植えた1000本のナツメが実るので車椅子に乗ってでも食べに行きたい」
と答えておられますが・・・

ともかく93歳になった現在も(足腰が弱り介護施設のお世話になっているものの)頭はますます
冴えわたっているとのことでした

98歳まで日本と中国を月に何度も往復されてて大往生された
故・遠山正瑛翁に負けないよう、
今後もできる範囲で大いに活躍してほしいものです



m98k at 14:44|PermalinkComments(2) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 書斎 | 沙漠緑化・熱帯雨林再生