2026年06月

2026年06月14日

武器が語る日本史

とーとつですが・・・

P6101217

武器が語る日本史とゆー本であります



表紙カバー裏の惹句

P6101218




著者略歴と奥付

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目次

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P6101220


以下、各章の節(小見出し)中心のてきとーメモです(⇒は補足メモ)
ちなみに後半部分に補足メモが多いのは個人的な興味の偏りによるものです

(じつにてきとーですが著作物なので公開に問題があれば非公開設定にします)

第1章より
・日本では西暦300~450年と思われる長柄の鉾(槍)が出土している
⇒当時の朝鮮半島にはなかったもの
⇒大陸・半島の軍隊は複合素材短弓や弩が中心
⇒大陸の鐙と鞍なら騎兵が槍を構えることもできるが日本の地形・馬・鐙では不可能
⇒なので歩兵の
長柄の鉾(槍)が騎兵に対し圧倒的に有利だった

・斬撃用長柄武器のメリット
(略)

・古事記や日本書紀に投げ槍が出てこない理由

⇒クマソやハヤトが使うことはあったかも知れないが弓矢や長柄の鉄矛には全く抵抗できず、
大きな戦闘も起きなかった(ので記述もない)

・投げ槍も補助具も不要になった縄文時代
⇒15000~1万年前の日本の気候・風土・植生・動物相では70cmぐらいの丸木弓による猟が
あまりにも効率的だったのだろう
⇒なので狩猟用の投げ槍や投擲補助具などは淘汰された
(ただし沖縄では近代までイノシシを犬で囲い込み投げ槍で仕留める猟が残っていた)

・馬や鳥を捕捉する狩猟具ボラスはなぜ対騎兵手段として世界に拡がらなかったか
(略)
⇒子どもがトンボを捕えるブリ(関東ではトリコ)は古代ボラスの名残


第2章より
西暦400~404年の戦いでは高句麗の騎兵が優勢
⇒複合素材短弓・鏃のカエシの有無・・・

・633年「白村江の戦い」の武器体系(略)

・(唐軍侵攻の可能性がほぼ消えた)7世紀半ばから平安時代前の兵器体系の純化
(略)


第3章より
・魏志倭人伝の倭人の武器
(略)

・平安時代の槍や鉾の禁止
(略)
⇒次の無秩序を平定したのは鉄炮プラス幕藩体制

・軍記物の槍・上から叩く長槍
(略)


第4章より
・関ケ原以前の騎兵と歩兵の比較
⇒足軽の由来、馬当て、去勢しない理由・・・
(略)

・30年戦争(1618~1648)から西洋で発達した野砲が幕末まで顧みられなかった理由

・騎兵や輓馬砲兵、馬車輜重が古代から一貫して西洋より小規模な理由
⇒農地の規模、地形、単位面積当たりの人口扶養力、水田と麦畑の違いなど
⇒道路整備の違いへ


第5章より
・各時代の和弓の有効射程
⇒参考になるクレシーの戦い(1346年に英軍がロングボウ部隊により仏軍に圧勝した)
⇒平家物語では屋島での那須与一と船の扇との距離は7段(約70m)
⇒壇ノ浦での浅利与一の遠矢は4町(約400m)とされているが狩り矢では2町以内とされており、
前時代の太平記でも遠矢は200m以上とされてるので壇ノ浦の400mは誇張かも

・軍記物では正確にわからない征矢(そや⇒合戦用の矢)の攻撃力と楯や甲冑の防護力
⇒当時の実物サンプルを調べて実験した(略)
⇒現代の射手・和弓では距離10mでも1.6mm厚のフライパンを貫通できなかった
⇒ただし旧陸軍でも重機関銃中隊には農村の出身者
(背筋力が段違いだった)を優先的に配置
していたぐらいだから、現代和弓の3~4倍の弓力でも連続して操作できる武者が軍記物の
記述どおり慶長以前に実在していた可能性は大いにある

複合素材弓はユーラシアではいつ出現したか
⇒ホメロスやヘロドトスの記述に
複合素材弓(コンポジット・ボウ)がある
⇒おそらくスキタイ人などから東西に伝達した
⇒日本で開発・普及しなかった理由には多湿気候や甲冑の強靭度などが考えられる

・日本の矢には射手の名前が書かれていた
⇒武者の携帯数は通常24~30本なので可能だった
⇒誰の戦功かを確定するため⇒武者には手柄が最重要だった
⇒鉄炮時代には手柄首を確保させに中間を走らせた

・乱世に弩(クロスボウ)を日本向けに改良できていたら有利だったか
⇒鉄炮以前に鉄砲隊のように使えれば圧倒できたはず
⇒弩の弱点は反発力が強く発射速度が遅いこと(30秒に1発で火縄銃並み)
⇒火縄銃と同じで二人一組なら解決できたはず
⇒弩には限界応力がかかるので濡れると自損しやすい
⇒乾燥地で港からの硝石が入手困難で規律の高い甲府盆地の武田軍にぴったりかも
⇒長弓と異なり1週間の訓練で弩兵を臨時動員できるので知見と工夫があれば・・・

・日本では鉄炮以前には顔面保護に熱心ではなかった
⇒「日本の気候にフルフェイス・ヘルメットは向かない」といった記述が多い

・三十三間堂の通し矢(122m上下5m)で使われた弓矢(略)
⇒一晩8133本(総発射数13033本)が最高記録で特製の軽い弓矢が使用された

・毒矢
⇒東北以北の狩猟には使われたが合戦では使用されなかった
⇒鏃のカエシと同様に事故や誤射、合戦後の怨恨の永続などから忌避したか
⇒鎌倉時代中期以降の蒙古襲来を記した書物に毒矢の記述がある⇒確認例を知りたい
⇒蒙古襲来前の宇治拾遺物語にも新羅の矢には毒が塗られていたとの記述がある


第6章より
・平安時代以降の武士階級は楯にこだわっていない
⇒日本国土の運輸事情による
⇒近畿の次に水田開発された伊勢や美濃との間にも荷車が通行できる峠道はなかった
⇒荷車も馬車も重輓馬も発達せず大八車の発明は江戸時代になってから
⇒江戸時代の後半でも大八車・大七車は江戸・京都・駿府の外では原則禁止だった
⇒街道が狭く車両が邪魔になるから
(役畜輸送の基本知識すらなく自滅したのがインパール作戦で大兵団の補給も250kmまでなら
大八車で可能としていた⇒日露戦争の朝鮮半島では有効だった)

・太平記の楯⇒一枚楯<持楯<掻楯<畳楯⇒荷夫もいたが前線では歩兵が担いだ
⇒平治物語では五条大橋の板を剥がしており戦乱期には住宅寺社の板や畳などで代用
⇒荷車や馬車が使えなかったので嵩張る楯は輸送できなかった

・防弾竹束の発明⇒ライフル弾の発明までは有効だった


第7章より
・長篠合戦の勝因と敗因(甲陽軍鑑から)
⇒武田軍は敵陣偵察・情報収集をロクにしていなかった
⇒徳川・織田連合軍は最重要情報(陣地前の頑丈な三重柵)を最後まで隠せた
⇒なので防御戦でありながら奇襲的勝利を得た

・同様の罠を近代戦で再現できるか
⇒1942年ガダルカナル島ヘンダーソン飛行場前に隠された海兵隊の機関銃陣地がその再現
⇒日本軍は1937年第2次上海事変での成功(蒋介石軍の堅固な機関銃陣地が見えていたので
アウトレンジから制圧できた)が仇となり、歩兵攻撃で勝てると思っていたのかも・・・

・野戦で梯子を使えば・・・(江戸の捕り物だけで軍記物には登場しないけど)
⇒二人で荷物用「御輿台」として、一人で背負子として運搬道具に
⇒崖地では梯子に、小河川では架け橋に、大河川では浮き橋に、下から支えれば物見に、
二人で運ぶ担架にも、一人で引きずる修羅にもなったはず


第8章より
・ペリー艦隊が江戸湾に入れないような射程2km以上の国産大砲は可能だったか
⇒鉄製は素材も鋳造も国内ではまだ不可能
⇒青銅製は不純物で破裂することがあるが梵鐘や燈籠などを溶かせば素材はあった
⇒砲全体を鋳造容易な球形にすれば長射程でも安全で砲架も不要だったはず

・台場以外の海防案
⇒ありあわせの小口径砲を備えた「浮き砲台」なら少額で大量に準備できたはず


第9章より
・明治陸軍は白兵主義か火力主義か
⇒第一次大戦前までは堅固な火力主義だった
⇒軍神・橘中佐の首山堡強襲は準備不足の例外だったが町人兵への攻撃精神教育の見本になった
⇒日露戦争後に武道教育・銃剣術が重視され文部省・内務省も協力した
⇒トレンドが義務教育から大衆文芸まで広がった(
宮本武蔵の発掘など)

・戦国時代の銃剣の工夫
⇒山鹿素行によれば足軽とは能動的な弓鉄炮組で、受動的な長柄組とは運用が区別されていた
⇒戦国末期には鉄砲隊に突撃する騎兵などおらず長柄組は武者自陣の前衛として重装備配置

⇒足軽戦闘は2町(218m)ぐらいからで50間(91m)から30間(54.6m)になると本格化する
⇒15
間(27.3m)まで迫れば白兵戦で長柄組の出番だが、多くはそれまでに人数や弾薬量により
大勢が決しており、いずれかが敗走をはじめて以後は追撃戦になる
(追撃側の武者は手柄首や一番槍を求めて長柄組や足軽組をさしおき突進する)

⇒なので合戦で
長柄組の出番が多ければ、人数の多い鉄炮組を槍組にトランスフォームできる
「銃剣」の工夫が必ずなされていたはずだが、出番が殆どなかったから工夫されなかった

・国産の火縄銃は足軽用小口径も武者用大口径もすべて狙撃銃(必中距離は50mまで)だった
⇒照準調整した銃口部にプラグ式でもソケット式でも銃剣を付けるのを嫌ったのだろう
(ナポレオン時代の歩兵用マスケット銃には照準器がなく照星に見えるのは銃剣用の金具)
(44式騎兵銃は折りたたみ銃槍で照準が狂うと不評、ソケット式の歩兵銃にもクレームがあった)

・日本軍の銃剣は長すぎるか
⇒銃剣の歴史は猟師のイノシシ防御用から
⇒単発後に手負いイノシシが向かってきたら銃口に腰の改造ダガー剣の木柄を差し込めば、
1.8mの槍に早変わりする⇒17世紀のドイツ猟師から欧州に普及した

⇒前装式単発銃隊は斎射直後に騎兵に襲われると反撃できず混乱するので歩兵銃にも応用した
⇒30年戦争1647年にはフランス軍のマスケット歩兵が銃剣突撃した記録がある
⇒英国も1672年にプラグ式銃剣を採用した
(1640年からこの頃までに欧州の主要陸軍は火縄式からフリント式に)
⇒1703年には固定できるソケット式がフランス軍に導入され1815年までほぼ同形式で定着した

⇒日本では銃が重く長くなるので敬遠され戊辰戦争では銃剣突撃もあったが西南戦争では皆無、
ひたすら小銃を乱射する日本独特の伝統が日露戦争まで続いた
⇒ところが
戦後にはロシア兵の果敢な着剣突撃戦術への反省が過ぎ、やがて現実を無視した
白兵信奉や小銃短小化の不徹底につながっていく

⇒小銃はライフリング、後装式、無煙火薬、連発式と進化していった
⇒日本でも村田銃(17年式・22年式)から有坂銃(30年式・南部がマイナーチェンジした38年式)へ

⇒ただし第一次世界大戦の塹壕戦を経験しなかったため銃剣や着剣全長の短縮化はなかった
⇒ドイツでは塹壕戦の経験により休戦までに短い銃剣(252mm)が設計されている
・旧歩兵銃Gew98(1.25m)+旧50cm銃剣=1.75m
・新歩兵銃Kar98k(1.1m)+新252mm銃剣=1.352m


第10章より
・旧日本軍の戦車
⇒対米戦時の中戦車(57mm砲47mm砲)軽戦車(37mm砲)は総生産数では約5000両
(トラックが4000円で97式中戦車は15万円、95式軽戦車でも7万円で航空機に次ぐ装備予算)
⇒集中せず分散した結果、ほとんど役に立たなかった
⇒しかも高速の駆逐艦では運べずクレーン付き低速輸送船から大型艀に移して揚陸していた
⇒輸送揚陸中に攻撃され海没した戦車も膨大な数に上る

・結果的に貴重な戦争資源を戦車のために無駄にした理由
⇒日本の戦車は対戦車兵器ではなく直接歩兵支援兵器だった
⇒ソ連軍のトーチカ(ロシア語で点)陣地や塹壕を無力化して歩兵が一気に突破できないと
戦線が膠着化して砲撃物量戦になる⇒日本の工業資本力では砲弾がすぐに尽きる

⇒なので
中戦車の57mm砲も軽戦車の37mm砲もトーチカ銃眼向けの近距離水平射撃専用で、
ノモンハンで鹵獲したソ連BT-7M戦車の装甲を貫通できないことは実験済みだった
⇒フィリピンで鹵獲した米軍M3軽戦車の背面すら貫通できずM3の37mm砲は95式軽戦車
正面装甲を貫通することも実験済みだった
(ちなみに上記リンク記事にはトーチカや投げ槍や銃剣などの画像もあります)

⇒なので日本では重戦車になるM4シャーマン中戦車とは勝負にならないことは自明だったが、
ようやく方針転換したミッドウェー海戦以降は、それに対抗できる砲や戦車の製造や輸送が
できる状況ではなくなっていた

・ソ連軍の45mm砲やBT-7に対抗する手段はなかったのか
ノモンハン事件後の1938年に47mm対戦車砲を試製し1942年に牽引用として制式化
⇒97式中戦車の新砲塔用として制式化したのも1942年
(ただしソ連軍は1940年には高速76mm砲搭載のT-34Aを大量生産している)

⇒ドイツでは旧式になった3号戦車の砲塔を外し、前面50mm装甲と75mm砲を装備して
とりあえずT-34に対抗できる3号突撃砲に改造して量産した
⇒ところが日本では旧式のBT-7にさえ対抗できない戦車の量産を続けていた
⇒戦車などの機甲兵器を理解し工学的センスを持ち開発に口と顔を出し裁決し監督していた
ヒトラーやスターリンと異なり、軍のエリートが担当セクションに丸投げしていたから

・殆ど役に立たなかった戦車予算を別の兵器や装備に転用していたら
⇒悪路も走行できた国産6輪4駆トラック94式は1万円で97式中戦車は15万円
⇒ただしトラック量産工場の新設に2年はかかる
⇒装軌式の牽引車や海軍で試作中だったブルドーザーなら戦車工場を転用できる
⇒牽引車で砲や弾薬を運びブルドーザで飛行基地の増設や修復、掩蔽壕ができたはず

・戦車予算のすべてを高射砲部隊に使っていたら
⇒蒋介石軍から鹵獲したドイツ製88mm高射砲をコピーした99式88mm高射砲
(ただし光学照準器が旧式で高度6000mまでしか対応できなかったが)
⇒大量生産され充分に配備されていたら東京大空襲などあり得ない話になってたはずだが、
⇒大阪造兵工廠はお役所工場で前年度に予算が決まるため設備拡大も増産もできない
(ドイツでは都市の中心部に多くの高射砲用巨塔「フラックタワー」を建てたが日本では
検討した記録もない⇒地上高射砲の衝撃波で窓ガラスが割れて配置できなかったのに)

・軍事組織に必要な才能とは
(略)

・本土防空失敗の原因は
⇒1944年6月には成都のB-29編隊20機が北九州を爆撃して成都に帰投した
⇒それまでに邀撃可能な戦闘機もしくは島嶼防衛兵器を完成していなったのが原因
(わずかな可能性として1940年から非レシプロ系の航空機動力研究を推進していたら、
日本の技術だけを前提にしても秋水や桜花に類似したものが1942年末には完成していたかも)

⇒1941年12月の対米開戦は日本の軍事技術陣にとっての「奇襲」だった
⇒それから防衛戦の兵器システムを開発しろといわれても1年や2年でモノになるはずもなく、
さらにその間に連合軍の反転攻勢により輸送船が枯渇して物資が窮乏することも明白
⇒敗戦は開戦と同時に確約されていたのである・・・


おわりにより
・まもなく先進諸国軍隊はレーザー光・マイクロ波・中性子ビームを使う「エネルギー指向兵器」
を兵器システムに実装する
⇒とうとう「人類が槍を突き出すスピード」が光速になる
⇒なのに日本の武器メーカー・ユーザー(自衛隊)・整備計画者(政府・防衛省)は傍観している
⇒兵器システムの進化競争は敗戦を共有してから計画しても間に合わない、という反省が
先の大戦でなされたはずなのに・・・

⇒近未来の無慚な破滅を回避するため武器政策のセンスが磨かれる書籍がもっと書かれるべき

・・・・・

さてさて・・・


m98k at 12:34|PermalinkComments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 書斎 | ミリタリーグッズ

2026年06月11日

平等について、いま話したいこと

ええ、前回記事の飲酒主義もとい民主主義に関連して・・・


P5311213

~平等について、いま話したいこと~であります


なぜか歪んでますが対談者の略歴

P5311217

そう、フランスの経済学者トマ・ピケティとアメリカの政治哲学者マイケル・サンデルが
2024年5月20日、パリの学校で対談した際の内容を編集した本


訳者略歴と奥付

P5311218




目次

P5311216

わたくしが興味を持った部分のみのてきとーメモですが、著作物からのメモなので、
公開に問題があれば非公開設定にします

(以下「さ・」はマイケル・サンデルの発言、「ぴ・」はトマ・ピケティの発言からのメモ)

第1章 なぜ不平等を懸念するのかより
さ・ピケティ著書にヨーロッパでは上位10%が所得の1/3以上、保有資産の半分以上を占め、
アメリカではさらに顕著とあるが、なぜそれが問題なのか、から・・・

ぴ・今も多くの不平等があるが長期的には平等に向かう動きであり、それが質問への答えになる
⇒この動きの源は社会運動と政治的要求で権利の平等を求めるもの
⇒18世紀末のフランス革命からアメリカ独立戦争、19世紀には奴隷制廃止、労働運動、男性による
普通選挙、女性参政権への動き、20世紀には社会保障の発達、累進課税、植民地の独立・・・
ここ数十年もこの動きは続いている

⇒1980年代からの新自由主義時代については不平等拡大の時代と言われるがジェンダー間、
人種間、南北間においても平等に向かう長期的な動きは続き、今後も続くとみている
⇒近代民主主義の広がりで基本的な財に対する平等な機会、参加、尊厳への意欲が高まっており、
これが平等への原動力であり、金銭面での不平等についても同じこと
⇒著書の今の数字は正しいが100年前はもっとひどく、200年前はさらにひどかった
⇒決して簡単な道のりではなかったが、これは勝てる可能性のある闘争であり研究することが
次の段階に備える有効な方法になるから(というのが質問への答え)

さ・先ほどの3つ、
基本的な財の利用機会、政治的な発言・権限・参加、そして尊厳、
これらを切り離すことができても金銭面での問題は残るか

ぴ・100年前と基本的な財が同じではないこと(高等教育など)と南北問題(資源搾取など)が
今後の大きな問題だが、さらに平等に向けて歩みを進めていくしかない


第2章 お金はもっと重要でなくなるべきかより
さ・再分配と脱商品化についての思考実験
①すべての人の購買力が近くなるよう所得と富を再分配し経済の商品化は現状のままにする
所得と富は現状のままで経済と社会の脱商品化でお金をあまり重要でないものにする
⇒ラディカルな再分配か、お金のメリットを少なくするか、どちらを選ぶか

ぴ・1930年代からのイギリス・スウェーデンのラディカルな再分配と脱商品化の例(略)
⇒当時のハイエク(新自由主義の元祖といわれる)はソ連のような独裁になると言っていた
⇒最終的には非常にうまくいったが、
⇒1980年代以降は社会民主主義政党の上層部そのものが過去の遺物と見なしはじめた

⇒結論から言えば金銭的不平等の圧縮と脱商品化は同時に行われるべき
⇒福祉国家(福祉だけではないので厳密には社会国家)の出現
⇒1930年から1980年までのアメリカの所得税最高税率平均は82%
⇒それでもアメリカの資本主義は崩壊せず生産性は世界最高だった
⇒当時のアメリカは他国より高校進学率が高く教育(の脱商品化)が繁栄の鍵だった

⇒累進課税が重要なのは金銭的な格差が尊厳や社会的関係に影響を及ぼすだけでなく、
行政機関が経済力を規制する際の有効性の問題でもあるから
⇒たとえば優秀な人材を必要とする公的規制機関の給与がグーグルの1/20だったら・・・
⇒解決策は給与を20倍ではなく所得格差を圧縮することで、歴史的にはうまく機能していた


第3章 市場の道徳的限界より
さ・商品化を懸念するのは経済的不平等により教育や保健医療や政治的発言から締め出す以外にも、
すべてを商品化すれば財の価値そのものが劣悪化するからではないか
⇒高等教育なら商品化により経済的不平等になるのはもちろん、学生が教育の目的を手段として
(よい仕事につき、もっとお金を稼ぐための手段として)見るようになり、大学側も善と価値を
顧みなくなるのではないか

ぴ・高等教育なら教員を毀損することにもなる
⇒学生の成績に応じて金銭的インセンティブを与える実験は多いが、最初は成績が上がる
ことはあっても、6ケ月後には本当は何も学んでいないことがわかる
⇒教員は試験でよい成績を取らせるために教え、本物の学びをさせているわけではないから

⇒教育と保健医療の分野で脱商品化のプロセスがうまくいったのは、その分野で働く人たちの
内在的動機が、金銭や利益の追求という動機によって破壊されやすいからにほかならない
⇒アメリカの医療費はGDPの10%だったのが今や18%、もうすぐ20%になる
⇒ヨーロッパの公的医療制度はもっと少ないお金で、はるかにうまくいっている
⇒なんでも商品化して高い金銭的インセンティブや高い給与を払うのは、仕事や生活で本当に
大切にしているものを壊すことになる
⇒ハーバード大学やアイビーリーグの大学には多くの問題があるが非営利組織
⇒株式会社になれば教員と学生が学び研究する機関で大切にしているものが破壊される

さ・アダム・スミスもカントも講義に出席する学生数に応じた給料・・・

ぴ・それが悪いわけではないが結論として平等主義の脱商品化が大きな成功をおさめた


第4章 グローバリズムとポピュリズムより
さ・二人とも資本やモノの規制なき国家間移動を批判、ヒトの国家間移動には賛成しがちだが、
中道右派の人たちは移民の増加を批判しながら、資本とモノの移動は支持し促進している
⇒矛盾しているのはどちらか

ぴ・労働力の移動については教育や住宅を税金でどうするかというルールが必要だが、これは
資本移動と貿易が規制されれば解決する問題
行き過ぎグローバリゼーションへの反応については細心の注意で区別すべき
⇒トランプやルペンの排外主義や反移民主義、一方でアメリカではサンダースのような反応もある
⇒著書ではどちらもポピュリストとしているが後者は民主社会主義ではないのか

さ・ではフランスでは右派ポピュリストだけをそう呼ぶのか

ぴ・社会主義・国家主義・自由主義は正当なイデオロギーであり民主主義の主張
⇒自由市場グローバリゼーションへの反対者を全てポピュリストと呼べば混同する

さ・やはりヨーロッパとアメリカではポピュリズムのニュアンスが違うようだ
⇒アメリカ政治でのポピュリストは19世紀の鉄道のちに石油も牛耳っていた経済エリートに対し
一致団結した工場労働者と農民たち
⇒進歩的な運動だったが排外主義、反ユダヤ・人種差別主義も最初から存在していた

さ・近年の右派ポピュリズムは進歩的・社会民主的な政策の失敗が生んだ症状
⇒失敗は2008年オバマ政権の金融危機対応でウォール街を救済した
⇒金融と経済の関係を新たに構築することもできたのに、クリントン政権に金融自由化を
推進させた経済学者を登用して銀行を救済し、それへの怒りが政治的立場を超えて広がった
⇒左派ではオキュパイ(反格差)運動やヒラリークリントンに対抗したサンダース大統領候補、
右派ではティーパーティー(反民主党)運動で、それが最終的にトランプ当選につながった

さ・中道左派も中道右派も市場信仰を歓迎したのは、財の価値をどう評価するかという議論を
やらずとも市場があたえてくれるからで、それが市場の魅力の根源ではないか

ぴ・要するに民主主義に対する怖れで自分たちがやっていることの価値を評価しなおすこと
への怖れでもある⇒「再分配というパンドラの箱を開ける」ことへの怖れ

ぴ・グローバリゼーション・金融化・能力主義ウォール街的な新自由主義イデオロギーを
クリントン・オバマ・ブレア・シュレーダーが問い直せず、サンダースやウォーレンが
民主社会主義と呼ぶべき政策を打ち出した
⇒ポピュリストの怒りの表現ではないのに、二人を左派ポピュリストと呼ぶのか

さ・ポピュリズムは再分配についではなくエリートから権力を取り戻すのが主な意味だが
あまり深堀りし過ぎないほうがいいかも・・・

ぴ・でもトランプに使うのと同じ言葉だ・・・

さ・なるほど、それで使いたくないのか・・・


第5章 能力主義より

ぴ・サンデル著「実力も運のうち」の大ファンで、この中ではグローバリゼーション・
金融化・能力主義を新自由主義時代の三本柱として挙げているが、うち能力主義についてと
それを脱する方法として提案されている「くじ引き」入学について訊きたい
⇒「大学は大学のものだから入学方法は理事が決める」という意見もあるが、高等教育は
保健医療とならぶ基本的な財で「自分のお金だからタックスヘブンに送って納税しない」と同じ
⇒「自分のお金」も多くの人たちの労働や公共インフラや法制度によって生み出されたもの
⇒アメリカ有名大学への「
くじ引き入学」提案も同じ解釈でいいか

さ・そのとおりだが能力主義にはふたつの問題がある
⇒基本的に能力自体はよいもので手術が必要になれば優秀な医者に手術してもらいたい
⇒1980年代から能力が一種の専制になった
⇒不平等の拡大と成功のとらえ方の変化
⇒機会さえ平等なら成功者が恩恵を受けていいというのが能力主義の原則
アメリカ有名大学の優秀な入学者は所得上位者の家族が多く完全に能力主義ではないが、
⇒仮に平等が実現して完全な能力主義になっても公正な社会は実現しない
「自分のお金」と同じで、自分の成功は多くの人たちによるということを忘れるから

不平等が拡大し失業者が増える中で中道左派も中道右派もアドバイスは「学べば稼げる」
⇒特に昔は労働者階級を支持基盤としていたアメリカ民主党・イギリス労働党・フランス社会党が
高学歴・高経験の専門職階級と価値観・利益・見解を同じくする政党になった
⇒怒りの反発は当然だった
⇒能力主義の成功概念が新自由主義グローバリゼーションの倫理に結びついたことの表れ

ぴ・昔の不平等な政治形態では貴族・軍人・労働者・農民といった集団が必要だったが、
貧しくて当然、金持ちで当然という能力主義は現在の不平等な体制の特徴
⇒レガシー入学や寄付者入学を禁止すべきか、自主的にやめるべきか

さ・そうさせるための世論や道徳的な圧力、ケネディが法案提出した情報の公開・・・

ぴ・もっとラディカルに・・・ルールが間違っているのにアメリカ人が慣れてしまっている


第6章 大学入試や議員選挙にくじ引きを取り入れるべきかより
さ・わたしが提案してるのは「適格者の中からの」くじ引き
⇒スタンフォードなら6万人の志願者のうち上位2万人~3万人の中から2000人をくじ引きで
⇒提案理由は運の要素に気づかせ、勝者の奢りや敗者の屈辱感を問い直してしぼませること

⇒二院制の議会でも一方は寄付制限による選挙で、もう一方はくじ引きで選ばれた市民で
⇒くじ引き選挙は能力主義が生み出した学歴偏重に抗うことにもなる
⇒アメリカ連邦議会でもフランス国民議会でも今は大卒者が殆どで極めてアンバランス

ぴ・入試にはマーコヴィッツ提案
(略)のような、くじ引きよりよい方法があるのでは
⇒高等教育の機会は基本的な財なのだから機会均等は入試の義務とも主張できるはず

さ・くじ引き
提案の別の狙いは能力主義の奢りをしぼませることで両方の仕組みを検討すべき

ぴ・人口の50%が非大卒なのに議会の現状では5%と仮定して、第2院をくじ引きにすれば
50%になるが、ジュリア・カジェ提案のように
人口の50%が非大卒であれば候補者の50%を
非大卒にするよう
各政党に義務付ける方法もあり、インドの無作為抽出された25%の選挙区では
1950年以降、すべての政党が指定されたカーストや部族(インド社会の下位25%を占める
グループ)の候補者を立てる

さ・政党名簿式の比例代表制ならそのほうがうまくいくが・・・

ぴ・インドは選挙区制で無作為抽出された25%の選挙区(500なら100)では各政党の候補者は
指定カーストや部族(インド社会の下位25%を占めるグループ)に属してなければならず、
誰が当選しても議会の25%はそのグループの議員が占めることになる

さ・議会の社会的構成・学歴構成・階級構成については(性構成同様)公の議論をすべきで、
くじ引きにこだわっているわけではない

ぴ・では大学制度が能力主義の選別装置・格付け装置になっていることについて

さ・能力主義の競争に備えて武装するより仕事の尊厳を肯定することに目を向けるべき
⇒経済や共通善に(仕事や子育てやコミュニティ活動を通じて)貢献している人たちの生活を
もっとよくすることに重点を置くべき
⇒何を仕事の尊厳と考えるかは右派と左派で意見が分かれるだろうが議論すべき

⇒エリートへの反発は自分たちの仕事の価値がないがしろにされているという感覚
⇒これは主流政党が高等教育で不平等を解消しようとしてきたことにも関係しており、
政治的に真剣に受け止める必要があるが容易ではない
⇒トランプやルペンが煽る人種差別・女性蔑視・外国人嫌悪を責める方が簡単だから

⇒アメリカ連邦政府の大学進学支援支出は年間1620億ドルで職業訓練校支援支出は年間11億ドル
⇒政策策定者の学歴偏重偏見・能力主義偏見がここに反映されている
⇒分配正義の不公平だけでなく労働者階級の仕事への敬意が欠如している

⇒これに拍車をかけているのが金融業界の法外な報酬
⇒ヘッジファンドマネージャーの稼ぎが教師や看護師、さらにいえば医師の5000倍でないと
いけない理由がどこにあるのか
⇒不公平どころか社会が暗黙の裡に身近な意味での仕事を集団で侮辱している
⇒学歴偏重こそが最後まで容認されている偏見であり仕事の尊厳は重要
⇒再分配で解決できる不平等だけが問題ではなく、共通善に貴重な貢献を行っている人たちが
認められず尊敬も尊重もされていない問題にも仕事の尊厳を考えることで気づくことになる


第7章 課税、連帯、コミュニティより
ぴ・公的リソースを増やさないと保健医療分野にもアメリカのように民間リソースが入る
⇒調査分野にもグーグルかマイクロソフトかどこか、教育分野では私立大学リソースになり
すべてに大きな不公平が生じ実際に内在的動機が破壊される
⇒必要なのは公平な税制、累進課税、給与格差と所得格差の大幅圧縮だがサンデルの立場は

さ・累進課税や再分配の倫理的土台は帰属意識・成員意識・共同体意識・連帯感
⇒昔から社会主義の政治や哲学は連帯の概念に大きく頼ってきた
⇒そんな特定の概念は哲学の見地からすると間違いだと思うが、進歩主義者や社会民主主義者が
共通性、コミュニティ、アイデンティティという倫理的土台を扱わずに累進課税を論じようと
ずるのも政治の見地からすると間違っていると思う

⇒共通のプロジェクトに参加し互いに依存しながら責任を分かち合っている感覚と確信を
持つためには共通性を感じられる状態や施設を市民社会の中に創り出す必要がある(例示略)
⇒学校だけでなく住まいも職場も買い物も遊び場も金持ちと貧しい人たちは別々で混在施設が
どんどん減っているが、平等な社会を築くプロジェクトには税率改革以前に必要なもの

ぴ・同意するが双方向であり累進課税を重視せず共通性を擁護することはできるのか

さ・確かに相互依存の関係なので待つのではなく同時にやらなくてはならない


第8章 国境、移民、気候変動より
さ・ピケティ著書にある平等社会を促進する共通性の醸成などほんとうに可能なのか?
⇒再分配をおこないグローバルな正義を広げる連邦制の超国家的枠組みを構築し、なおかつ
リソースを分け合う動機としてのアイデンティティを共有することなど・・・

ぴ・標榜しているのは民主社会主義、連邦制の国際社会主義で世界連邦のようなかたちでの
累進課税がよいと思っているが(略)、アメリカなら国家レベルでも可能
⇒ここ数十年で中道左派政権が自由貿易を推し進め国をまたいでの移動を可能にした
⇒それを利用した富の蓄積や課税逃れの国際法規を構築して手助けをする偽善
⇒国際主義が嫌われトランプの方がクリントンより中立に見えた
⇒フランス北東部ではEUの自由貿易や資本の自由移動で製造業が失われルペンへ
⇒アメリカでも中国との競争で失業者が多い地方でトランプへ

⇒国家が法人税や炭素税の国家間差額を輸入の際に徴収する貿易制裁
⇒通常の保護貿易と異なりすべての国の標準を引き上げる狙いで同じ水準になれば消滅する

⇒世界の経済・金融・会計・環境規制の変化の実現が南と北の調和を図ることにもなる

さ・何らかの世界的合意や超国家的組織を通じて法人税の最低税率を定めるやり方は

ぴ・前述の一方的な方策と国連レベルで最低税率を定める戦略を同時に進める必要がある
⇒OECDレベルでは、すでにはじまっているが最低税率15%は富裕国しかメリットがない
⇒OECDは金持ちクラブだが国連では西側ヨーロッパとアメリカを除くすべての国が
昨年の国連総会で租税条約に賛成した
⇒国際協調は必要だが偽善的でなく南側も考えたものにすべきで、事態を前に進めるには
各国による一方的な方策も必要

さ・炭素排出量のクレジット化について

ぴ・アメリカが国内の
炭素排出量を削減せずにすませる方便で大きな反発が生まれる
⇒アメリカとヨーロッパの人口割合に対する排出量が多いから
⇒国ごとに割り当てても国家主義者が勝利するだけ
⇒地域代表的な闘争ではなく階級闘争に近いものにすべき
⇒アメリカだろうがヨーロッパだろうが中国だろうが億万長者や巨大多国籍企業に払わせるべき
⇒グローバル税を課し気候変動にさらされている南側諸国へ直接配分する

さ・あなたの国際社会主義の原理から国境を開放しない正当な理由はあるか?

ぴ・問題は同じでレベルごとに見る必要があるが、人の自由な移動には資金の手当てが要る
⇒たとえばEU加盟国の学生はEUのどの国でも学べるが資金となる連邦制の所得税はない
EU加盟国の学生は無料同然だがEU以外の学生からは高額な授業料を徴収している
⇒これらを改善するには費用を賄うための国際的な税制度が必要になる
⇒このように公共サービス財源さえ計画されていれば人の自由な移動を厳しく制限する理由はない

さ・富裕国には貧しい国からの移民を締め出す権利があるのか?

ぴ・地中海を渡りたがる人をなくすため地中海で死なせるのが現在の方針
⇒2000年の地中海文明で今ほど豊かな時代はなかったのだから、はるかによい方法があるはず
⇒現在の方針も平等主義政策の継続をあきらめ共通善にお金を出さなかった好例で、
⇒国内問題を移民や国境開放のせいにしたりする排外主義がのさばるようになったということ
⇒実際にはヨーロッパ人口5億人に対する移民の流入規模は相対的に小さなもの


第9章 左派の未来ー経済とアイデンティティより
さ・移民問題については「左派の未来」につながるから訊いた
⇒左派の政治的弱みは愛国心・共同体意識・帰属意識の独占を右派に許したこと
⇒移民問題は共同体としての国家にどのような倫理的意味があるかという問いを突きつける
⇒満足できる答えを用意できるかどうかに左派の政治の未来がかかっている

⇒たとえば企業が利益をあげた国に税金を払わないのは経済的愛国心の欠如ではないか
⇒健全な意味での市民の誇りは外国人嫌悪や超国家主義の代わりになるのでは

ぴ・トランプやルペンに票が集まるのは移民の流入より貿易競争による製造業での失業
⇒左派が窮しているのは貿易と雇用の問題に取り組んでいないから
⇒アイデンティティや移民の論議で左派に勝ち目はないが重要なのは投票者の論点の中心に
なっている問題に取り組むこと
⇒アメリカの場合、トランプが大多数を獲得している郡の兆候は製造業の雇用喪失であり、
移民流入ではない⇒フランスも同様(具体例は略)

⇒別の論点では小都市住民のマイカーやマイホームへの偏見の眼
⇒この失業・貿易・競争・交通・住宅の問題が中道左派と中道右派から見捨てられているという
感覚につながっていてアイデンティティの問題よりはるかに大きい
⇒左派の問題は経済構造のあり方を問い直してこなかったこと

⇒産業革命以降の政治議論は国家主義・自由主義・社会主義の間で行われてきた
⇒自由主義での競争で繁栄できたが社会コスト損害や環境破壊を伴った
⇒国家主義は民族連帯で地域コミュニティレベルでの地元利益や連帯強化も必要だが、
解決できる問題には制限もあり昔からの権力温存の建前に利用されることもあった
⇒社会主義は新たな経済システムを構築しようとして社会民主主義・脱商品化・累進課税で
大きな成果をあげてきた
⇒民主主義が機能するには、この三本柱で支えることが必要だがソ連の崩壊以降、社会主義の柱
つまり左派の再分配の柱が弱くなっている

サ・わたしの場合は
アイデンティティの問題と経済の問題のはっきりした区別はない
⇒空洞化した工業都市の人たちは賃金停滞や失業だけに苦しんでいたのではなく、自分たち
以外の社会や社会を治める人たちから同胞の市民として大切にされていない、認められず、
尊重されず、尊厳がないがしろにされているという感覚に苦しんでいた

ぴ・気候変動の責任という偏見まで持たれており確かにアイデンティティの問題

さ・この偏見、エリートに見下されているという考え方を承認と帰属の政治という意味で
とらえたいと考えているが、表現するには不満を認識し名称を与える必要がある

ぴ・それは同じではないが左派はその種のアイデンティティに訴えかける必要がある
⇒トランプやルペンは反エリートの立場に立った非難
⇒アメリカでは1980年代まではエリートは共和党に投票していたが現在は逆転している
⇒地域別でも最高級地域や最も豊かな場所では同じ現象で現在は民主党に投票している
⇒だからこそトランプの共和党が実現した
⇒民主党がエリート主義と見られている限りアイデンティティで共和党と競っても訴えられない


さ・ルソーの「人間不平等起源論」(略)は正しかったか?

ぴ・私有財産にしたことは問題ではなく、それを際限なく蓄積することが問題という点で
ルソーに賛成
⇒少数の手に財産が集中し権力が集中することが問題であり、富や財産を所有することは
お金の問題ではなく交渉力の問題になる
⇒所有するものがなく負債しかない場合はどんな賃金でも吞まなければならないが、
10万~30万ドル持っていれば(億万長者からはどちらもゼロ同然だが)家が買え(ニューヨークや
パリでは無理だが国内で買える場所はある)小さな事業をはじめられ引き受ける仕事を少し
選り好みできるようになる
⇒これはまさに交渉する権限の問題

さ・平等とは何か、なぜ重要かを考えるため所得と富、権限や発言権、尊厳や承認まで話した
⇒ルソーと同じように経済、哲学、政治理論を横断することになったが議論が今後も続くことを・・・

・・・・・・

さてさて・・・


m98k at 12:43|PermalinkComments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 書斎 | わからないもの

2026年06月07日

現代ファシズム論

ええ、

P5311231

現代ファシズム論~何が民主主義を壊すのか~であります
(ローマ字入力で何度か「民主主義」が「飲酒主義」と変換されましたが・・・)


表紙カバー裏にあった惹句

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著者紹介と奥付

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目次

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以下、じつにてきとーなメモですが著作物からなので問題があれば非公開設定にします

序章より
・2016年アメリカのトランプ当選とイギリスのEU離脱がファシズム議論のきっかけ
(戦後それまでは殆どの民主主義国で代表民主主義と政党政治への支持が持続していた)
⇒ドイツのための選択肢やフランス国民戦線も政治の約束事を嘲笑し虚偽を撒き少数派を否定した
⇒権力の濫用や私物化については日本の第2次安倍政権が世界での先行事例
⇒世界の学者や有識者が民主主義の危機を先進国のファシズムの入口とした

・本書では戦後民主政治の形成と1990年代以降のグローバル化・情報革命の中での崩壊を
振り返り、民主政治の動揺がいかにファシズムへの接近をもたらしているかを考察したい
⇒そして最後に現代版ファシズムに対抗するために何をなすべきかを考える


第1章より
・戦後の民主主義国家では国際協調、ケインズ主義、福祉国家への合意が形成された
⇒アメリカではニューディールの遺産が継続され党派を超えた福祉合意が存在した
⇒イギリスでもアトリー政権以降の福祉国家路線が二大政党に堅持された
⇒ドイツではファシズムの絶対否定と謝罪による国際社会への低姿勢による協調
(ワイマール憲法の生存権・組合の経営参加・社会保障拡充などを実現した)
⇒日本では1950年代まで戦後民主憲法体制そのものが政治で争われていたが、
⇒1960年安保の混乱責任で岸信介が退陣、自民党が
戦後憲法を承認し体制が定着した
⇒各国とも基本は数年に一度の投票により政治家・エリートによる政策調整を待つパターン

・戦後のマスメディアは自由の担い手として高い自立性を持っていた
⇒この時代の情報提供は一方的だったがチェック機能があり基本的に信頼されていた

・1970年代まで先進国の民主主義に参加する市民は人種・宗教・言語などが均質的だった
⇒1980年代後半から移民など多様な社会の統合問題が表面化
⇒1990年代以降は経済のグローバル化・冷戦後の地域紛争・EUの東欧への拡大など
⇒資本と労働力の移動・製造業移転・情報技術の進歩・意識そのものの変化

・20世紀後半の30年間は民主主義の安定・経済的豊かさの達成という例外的な静穏期
⇒2010年代には資本主義の破壊性や苛烈さ、民主主義の不安定さが露呈する
⇒否定したはずのファシズムが先進国にも現れる
⇒以下の章で民主主義の前提崩壊について考察する・・・


第2章より
・経済成長と賃金上昇の好循環、冷戦による社会主義との競争⇒
福祉国家・平等分配へ
⇒これが西側の政治経済エリートにとっても有益であり大きな合意が存在した

・総力戦・大恐慌・社会主義体制の存在が経済に介入する戦後の大きな政府をもたらした
⇒福祉国家・平等分配についての保守革新を超えた大きな合意
(日本では民間での労使協調・自民党の建設業雇用による地域所得格差の縮小)

・2度の石油危機、スタグフレーションからの脱却政策として80年代から90年代にかけて
減税、規制緩和、民営化を軸とする新自由主義が拡がる
⇒サッチャー・レーガンによる福祉国家の縮小、中曽根による行政改革(公共政策の縮小)
⇒保守政党による「平等から自由へ」⇒その自由は雇用側の自由・富の追及の自由
⇒非正規雇用・低賃金⇒格差の拡大

・民主政治は定住地に愛着を持つ前提
⇒代表民主主義も基本的に地域単位で利益も地域社会の改良
⇒グローバル資本主義の生産拠点は土地・労働力の安い場所に世界規模で移動する
⇒金融・情報企業は先端大都市に立地するが仕事には特定分野の高度なスキルが必要
⇒先端産業ではそもそも大量の労働力を必要としない
⇒地方から移動できず待遇の悪い仕事か大都市に移動しても補助的な仕事しかない
⇒21世紀の格差は貧困層と富裕層という階層格差と先端大都市と荒廃地方との空間的格差
⇒地域社会が荒廃すれば民主政治の前提も崩壊するが、
⇒新自由主義では荒廃地域から移動しないのは自己責任で地域間格差の縮小政策はしない
⇒地域間でも政治への疎外感、被害者意識から反感と憎悪の政治を生み出す

・1990年代の中道左派勢力もグローバル資本主義を前提として受け入れた
⇒平等とは雇用機会の平等であり政府の役割は能力開発・教育投資とした
⇒ドイツ・シュレーダー政権では雇用制度を柔軟化し国際競争力が向上、失業率も低下した

・労働者の権利拡大が20世紀後半の公平な分配の基礎的な条件となったが、21世紀の資本主義は
19世紀にマルクスが描いた苛烈な資本主義に先祖返りした⇒収奪的システム
⇒生産性上昇による付加価値が労働者に還元される割合が低下している(非正規雇用など)
⇒特に日本だけ実質賃金が停滞したまま⇒
収奪的システムの典型例
⇒中道左派は対応できず左派は政権から遠くなり右派ポピュリストが支持を広げている

・民主党オバマの医療制度改革などは金権政治により議会で阻止された
⇒政治資金規正法の違憲判決により共和党が躍進⇒格差の拡大

・1%が99%を分断している現状を改善できない政治への無力感⇒政治への無関心へ
⇒資金力を持つ1%の政治家への影響力が一層大きくなるという悪循環へ


第3章より
・民主主義とメディアの関係
⇒100年前の「ステレオタイプ」がSNSのエコーチェンバー・フィルターバブルにも
⇒対面では言葉のエスカレートには限界があるがネット空間では自制は働かない

・インターネットの悲観と楽観
⇒新聞購読、テレビ視聴が激減し、さらにその質が低下するという悪循環
⇒ネット配信ニュースの大半は新聞社が提供しており伝統的メディアは誤報を訂正謝罪する

・インターネットによる民主主義の混乱
⇒2016年アメリカのトランプ当選とイギリスのEU離脱
⇒ネット上のフェイクニュース垂れ流しによって民意が誘導された
⇒それまでのテレビCMは製作者が明確でネガティブキャンペーンでも虚偽は責任追及された
⇒支持者がネット上で虚偽宣伝しても候補者の責任を追及することは困難
⇒事実や真実が意味を持たなくなり、それを超越した政治的議論に⇒ポスト真実

・SNSと活版印刷のメディアとしての類似性
⇒職業的媒介者(コミュニケーター)なしに直接情報を取得・発信できる⇒500年ぶりの革命
⇒印刷術は文字による啓蒙の手段となったがSNSは感情に反応し啓蒙の終わりをもたらした

・格差社会で普通の人は富の獲得や社会的地位の向上では満足を得られないが「いいね」や
ヒット数の多さでは簡便に満足を得られる
⇒消費ではなく発信によって賞賛を得る行動様式が日常になった
⇒「神なき時代におけるルターの万人祭司主義」に・・・

・SNSは事実の共有による議論という民主政治の前提を破壊した⇒政治を劣化させた


第4章より
・フランシス・フクヤマ「歴史の終わり」
⇒冷戦の終わりにより民主主義と市場経済の基本的原理が前提になったと主張した
⇒原題のENDは目標・目的の意味だが日本語の「終わり」にはこの意味がなく誤解が多い
⇒冷戦の終結で民主主義への不断の努力が軽視され退行現象が始まった

・リンカーン「人民の人民による人民のための政治」(人民はMEN⇒白人男性のみ)
⇒政策が複雑になれば専門の知識や技術がいる⇒人民には判断できない
⇒FORには「~に代わって」の意味もありエリートによる支配に転化する(原発と事故の例)
⇒ただし人民による支配が人民に幸福をもたらす保証はない(新型コロナ対策の例)
⇒しかし人民には意思決定ができないとするのは愚民思想であり手続と議論が必要
⇒議論とは様々な意見を(少数者意見も)尊重する自由主義だが人民の支配は最終的に多数決
⇒なのでブレーキや関門を用意することで民主主義と自由主義のバランスは保たれている

・予備選挙や国民投票など直接民主制は一般市民が政治に関心を持ち誠実に政策を選ぶ前提
2016年アメリカのトランプ当選とイギリスのEU離脱
⇒民主主義による制度がデマ・情報操作・脱イデオロギー的ポピュリストアプローチにより
非合理な政策選択(
EU離脱)や民主政治を破壊する指導者(トランプ)を生み出した(略)

・民主主義の多数支配以外の原理とメカニズム
⇒法の支配(立憲主義)⇒民主的に選ばれた権力者でも上位法には従わなければならない
⇒文字に書かれていない法(慣習・常識・暗黙の了解など)を「柔らかいガードレール」と定義
⇒重視したのは組織的自制心(禁止でなくても自ら抑制する)と相互的寛容(民主政治の政党同士)
⇒独立機関への人事権があっても介入しない、権力を持った際にライバル政党を弾圧しない
⇒アメリカではこれまで
「柔らかいガードレール」の中で民主政治が営まれてきた

・大衆社会で選ばれる指導者は「大衆そのもの」で「甘やかされた子供」で「慢心した坊ちゃん」
⇒家庭内と同じで何をしても罪にならず公私のけじめもない
⇒自制心を持たず規範を無視して権力を行使する
⇒その結果が家産制国家(税収は権力者の財産で官僚は権力者の下僕という国家)
⇒世界では2010年代の日本(安倍)が最初でアメリカ(トランプ)や一部ヨーロッパにも波及した

・企業の命題は利益を最大化することでCEOが上意下達で実行し指標に達しないものを解雇する
⇒政府の命題は秩序や健康の維持など様々な公益の実現で、もともと成果指標はない
⇒そこに企業モデルを採用するとすれば疑似的な指標を設定するしかない
⇒それを達したものを評価し、達しないものを解雇する
(その際に官僚に求められるのは専門知識ではなく支配者の意に沿う形式を整える能力)

・治安の改善が本来の目標(命題)なのに不法移民の摘発件数を指標として使わされる
⇒職員は上から指示された指標に向かって努力する(評価基準への迎合)
不法移民の摘発件数を増やすこと自体が目標となる(目標の転移)
⇒反発した移民・追い込まれた移民らの犯罪が増え治安が悪化しても構わない
⇒公益の実現ではなく疑似目的への奔走は官僚主義を悪化させる

・独裁的企業経営の手法を政府に持ち込めば国民全体に不利益を及ぼす
⇒企業経営を誤れば業績が悪化しCEOが責任を取るが政府の業績悪化は見えにくい
⇒支配者が専門職員による自由な批判を力で封じれば誤った政策は続く


第5章より
・日本では1955年に二つの保守勢力が結集して自由民主党が結成された
⇒戦争を失敗と反省した経済中心路線の財務官僚出身政治家などのグループと、
⇒第9条改正・天皇の地位強化など戦前復古を志向した内務官僚
出身政治家などのグループ
⇒改憲などのイデオロギーを棚上げし柔軟穏健路線になったのは戦後体制への広範な支持と
それに支えられた左派政党の存在があったから⇒1960年安保で決定的になった(岸の退陣)
⇒その後の長期安定政権下での官僚制の弊害・市民要求の無視・政治腐敗はあったものの、
選挙・言論の自由など自由民主主義の基本条件は満たされていた
⇒大雑把な平和主義には国民合意が存在し、それに従う自民党は民主主義を実践したといえる

・戦後民主主義の頂点は1995年
⇒非自民連立の細川政権が短命に終わり自民党がライバルの社会党と連立して政権に復帰した
⇒当時の自民党の最大の敵であった小沢一郎の戦後民主主義への修正姿勢に対抗するグループが
自民党の主導権を握っており、戦後民主主義や平和主義を肯定的に評価する歴史観を出した
⇒社会党は自衛隊や日米安保を合憲と受け入れる転換をして自民党との合意を形成した
⇒この合意が歴史に残る形になったのが村山首相の「戦後50年談話」
⇒村山政権下で少数者の権利擁護・地方分権・市民参加制度の改革も着手された
戦後50年をはさむ数年間は戦後日本の民主主義について最も幅広い合意が形成されていた

・その後の30年で自民党が大きく変質し政治の雰囲気も大きく変化した要因
①時間経過による戦争経験者の消失
⇒日本ではドイツと異なり人々の実感レベルで戦争を否定する感情が共有されていた
(田中角栄談「戦争を体験した政治家がいなくなったら日本は危ない」)
(ドイツにも歴史修正主義は存在するが日本では政権与党に浸透しているのが大きな違い)

②経済停滞の長期継続
⇒経済成長期には税の増収分を国民の要求に応じて配分する民主政治だった
⇒1980年代以降は配分が縮小し1990年代にはグローバル化による雇用の流動化と賃金停滞
⇒政策決定がゼロサムゲームになった⇒政策により損得側がはっきり別れる
(円安誘導で輸出企業は得するが物価上昇により庶民は損するなど)
⇒政策の本質を損する側に理解させないためのキャンペーンに(小泉政権の構造改革が典型例)
⇒損する側が圧倒的に多くても政治に関わる余裕がなければ民主主義は作動しない(99:1)

③人口減少と高齢化の急速な進行
⇒人口減少で国内需要も労働力も減少、投資も抑制され非大都市圏の存続は不可能に
⇒明るい未来を想像できない若い世代に政治参加の意欲がなくなる
⇒社会保障制度は高齢少子化で税と保険料負担が増え若い世代には受益のない負担と映る
(若い世代も未来の高齢者だが明るい未来が想像できないので今を煽る政治家が出現する)
⇒公的負担を減らせという世論が形成されれば政府は弱体化し、あてにならない政府への
公的負担を忌避する悪循環に

・この30年間で前向きの政治論議がしにくい風潮が広まった
⇒民主政治にとっての静かな危機

・安倍政治の10年
①家産制国家への逆行(公私混同・恣意的人事・統計偽装・忖度違法行為など)
②統治機構内の中立の侵害と党派化
⇒統治機構では司法検察以外にも会計検査院・内閣法制局・日本学術会議などは独立性が重要
⇒日本銀行やNHKは統治機構ではないが中立性が期待されている

・これらを全て制圧して内閣の牽制やチェックを無効化した(後継政権も)
⇒これらを統制することが選挙で選ばれた内閣が民意を貫徹することだという理屈
⇒民意の絶対化によって実際には権力の私物化や恣意的な支配を正当化した
⇒この現象はトランプ政権下のアメリカや一部ヨーロッパの国でも起きている

家産制国家への逆行は国家の能力を低下させ、国民は国家の無能さを攻撃し、さらに政府から
人材と資源を奪うという悪循環⇒日本でもアメリカでも起きている⇒先は無政府状態

・安倍長期政権は具体的な政策的成果を挙げていないが安定していた
⇒その理由は諦めと無関心に基づいた多数決にある
⇒民主党政権の失敗、大震災、原発事故により日常が続くだけで満足するようになった
⇒より良い社会を求めることへの諦めと表裏一体で、政治参加(投票)への消極性にも
⇒諦めと無関心が続けば家産制国家は民主主義の手続きで持続する

・2020年代の生活苦で政治不満がはじまり2024年衆院選2025年参院選で自民党が大敗
⇒多党化が進み排外主義を煽り減税や生活支援を訴える政党が支持を得ている

・外国人が福祉で優遇されているなどのデマや虚偽、SNSの活用
(外国人旅行者の増加は安倍政権の円安政策、外国企業や富裕層の不動産購入は安倍政権の
開放政策の帰結だが、安倍信者だった参政党の政治家がこれを糾弾している)
⇒国内産業や農業の保護は農民や自営業者、これまでのグローバル化で圧迫されてきた、
海外市場とは無縁の中小企業労働者にとって共感できる政策
⇒従来政策で取り残された中堅層への救済策を唱えるのはトランプのMAGAから学習?
⇒女性就労やLGBTの権利、終末期医療などを否定するのは周縁部を劣後させる意図か?

・2010年代以降の日本政治
①新自由主義に対抗する政策を掲げた民主党政権が政権担当能力の欠如と大震災で崩壊
②ナショナリズムを標榜する安倍政権はリベラルを批判するだけで政権を維持した
⇒重要な政策課題は先送りし円安で大企業を儲けさせ、その間に国力は損耗を続けた
③安倍暗殺後、その腐敗や失敗への批判が広がり構造的矛盾に起因する問題が噴出した
④自民党の失敗を受け積極財政・排外主義などのポピュリスト政党が現れ多党化が進んだ

・①の段階では政権交代にマニフェストがあった
⇒実現過程での知恵や配慮が欠けていたが重要政策とその財源はまじめに考えられていた
⇒④の段階では分散した各政党が並列的に目玉政策を訴えているだけ
⇒政権で苦労するのは別の政党で、それに対し目玉政策を呑ませるのが政策実現と考えている?
⇒過半数割れはそのような責任を伴わない政策実現に好都合な環境

・ポピュリスト政党は減税や社会保険料の削減が国民への利益還元だと主張する
⇒政府の能力を縮小すれば危機対応ができず、さらに無能な政府への不満から無政府状態に

・参政党とれいわ新選組は赤字国債によって負担減と歳出増を実現すると主張する
⇒机上の空論であり超長期国債の金利上昇で引き受け手を海外に求めている状況は無際限の
国債発行が金融、財政の破綻に繋がることを暗示している

・2010年代の約10年は日本政治のモラトリアムの時間だったが自民党はこの時間を空費して
問題をさらに悪化させた
⇒経済社会的矛盾の深化で政治も破綻の入口に近づいている


第6章より
・誰が権力者になっても出てくる政策に大差がない状態が続くと、
⇒民主主義の手続きがエリートの権力を守るためだけの鎧になる
⇒鎧もろとも既成政党・既成政治家を破壊する希望が広がる
⇒普通の人々を代表すると自称するポピュリストが法を超越する企図を実現する
「柔らかいガードレール」も破壊することまで民意が正当化するようになった

・ファシズムとは
⇒思想の中心は危機に瀕した国民共同体を卓越した指導者が再興するというナショナリズム
⇒国民が一体になることを求める点で多元性が前提の自由主義を否定
⇒拝金資本主義を否定する一方で資本主義を転覆する社会主義にも反対
⇒弱い劣るとみなされる人種や集団を差別排斥、弱肉強食の社会ダーウィン主義・・・
⇒権力分立・複数政党制・自由選挙・思想言論の自由・個人の否定・・・

・運動・思想・体制の3つの要件を備えるというファシズムの定義は厳格にすべき(山口定)
⇒独裁者をファシストと攻撃しても、その是非についての不毛な空中戦になるだけ
⇒独裁者を批判する際には具体的な危機現象や問題を明らかにして危機感を共有する努力を
(映画「グッドナイト&グッドラック」CBSニュースキャスター・エドワード・マローの
マッカーシー上院議員糾弾の例)

・今は1930年代のドイツのような「民主主義の例外的危機状況」なのか

・アメリカ・トランプ政治の事例に上記
3つの要件が当てはまるか
①運動については全米に草の根組織があり自前ではないが武装組織と密接な関係を持っており
ファシズムと重なる部分があるといえる
②思想については民主主義・人権拡充への反動、ナショナリズム、反理性・反科学の姿勢で、
ファシズムや一種のロマン主義を継承するもの
③体制については選挙・議会制度・複数政党制など民主主義の基本的な制度は肯定している
⇒ただし大統領令を乱発し憲法違反の判決が出ても司法判断を否定している
⇒批判する有力紙・全国ネット局を名誉棄損で訴え免許剥奪威嚇でもメディアを委縮させ、
連邦の権力で州や自治体を抑圧している

・トランプ政治はファシズムに接近しつつあるが、議会制度や司法制度は否定せず、
不法移民の排除は進めるが特定人種の殺戮はせず反ユダヤ主義は取り締まっている
⇒現局面は「ポスト・ファシズム」の時期(エンツォ・トラヴェルソ)
⇒民主主義とファシズムのグラデーションの中で現状はファシズムに近づいているという警告
⇒虚偽情報を流布して権力を得るという点では「フェイクファシズム」(金子勝)
⇒まがいものという意味でも21世紀のフェイクファシズムを批判し対抗すべき


第7章より
・政治危機の大きな原因はグローバル資本主義がもたらした格差と貧困
⇒1929年の大恐慌でアメリカでは民主党リベラル派のニューディール政策、西欧では
社会民主主義政党が資本主義のひずみを是正する政策を展開して福祉国家を実現した
⇒今やリベラル派や社民政党への支持は低下し、
グローバル資本主義への批判については、
右派ポピュリスト政党にお株を奪われている
⇒1970年代の不況インフレ以降、社民政党には経済運営能力がないとイメージされた

・社民政党は大きな政府での雇用拡大政策を捨て能力開発重視政策に(以下、中道左派政党)
⇒能力開発で対処しようとした資本主義は実物経済(リアルエコノミー)だが1982年以降は
マネー経済(シンボルエコノミー)が膨張
⇒マネー経済の参加者は投資家であり実物経済に対応した有能な人材の出番は少ない

・中道左派政党は有能さを訴えるあまり労働者から見放された
(アメリカ大統領選でもイギリスEU離脱でもトランプやEU離脱を支持したのは工業都市や
炭鉱の労働者が多数)

・成長戦略の大半は幻想だが産業を育て雇用を作り出す努力は必要⇒経済学者へ

・一億円の壁(所得税負担率)⇒リアルエコノミーで働く給与所得が冷遇されている
⇒政治として再分配システムの再構築が必要
⇒岸田文雄は総裁選立候補で金融資産課税強化や賃上げなど再構築に言及した
⇒岸田政権の発足で日経平均株価が8日連続で下がり岸田は消極姿勢に転じた
リアルエコノミーで働く人もNISAなどでシンボルエコノミーに組み込んでいるので、
株価を下げる可能性のある政策は中間層からも反発を招く

・中道左派政党は一時的な株価下落があっても公平な分配と国民を説得すべき
⇒格差や貧困の拡大は政策の結果であり政策を変えることで解決できると

・中道左派政党は漫然と10年以上続けてきたアベノミクス国債発行の危険性を回避する
「臆病な政党」としてポピュリスト政党と差異化すべき

・政治に万能薬はなく意思決定には時間がかかり政策は様々な意見を反映した角のないもの
⇒政府への不満で民間企業の見た目の分かりやすさや速さを求める気分が広がった
⇒それに応えたのがポピュリスト政党
⇒市場主義の被害者が政治で市場主義を求めるという皮肉な話

・これを権力拡大の材料にしたのが維新の会で「身を切る改革
(市場主義)」を売り物にした
⇒慎重さや遅さを排除した
市場主義で普通の人のための政策が出ないことは明らかなのに

・ポピュリスト政党はわかりやすさと直接性を訴え成功した
⇒問題解決には多くの材料と考える作業が必要だが、単純化によってわかった気になる
⇒問題の根源を特定の敵に求めるという発想
⇒財務省解体とか外国人排斥とかの単純化が政治的な影響力を持つようになった
⇒もちろん単純化は問題のすり替えで解決にはつながらない
⇒直接性は自分で決めたいという政治インサイダーへの不満と表裏一体のもの
⇒この気分が蔓延する状態はポピュリスト政党への支持を広げる

・民主主義では曖昧さを受け入れなければならない
⇒的確な決定のためには単純化の罠に陥らないよう考えることが重要

・民主政治とは共同体に共通する問題を協力して(税を払って)解決する作業
⇒なので共同体への愛着や責任は民主政治の前提
⇒世界を共同体として税を払うことは理想だが当面は国家が最大の共同体
⇒なのでナショナリズムを丸ごと否定すれば民主政治は成立しないが・・・

・右派ポピュリズムの推進力となっている有害ナショナリズムの無毒化
①国民を「日本人ファースト」などとひとくくりにして問題を語らないこと
⇒規制緩和や円安で利益を得ている人も雇用の非正規化や物価高で苦しんでいる人も日本人
⇒その歪みを是正して日本という政治共同体を生きやすくすることが有益なナショナリズム

②国民とその共同体がその国民以外の様々な人々に支えられていることを理解すること
⇒グローバル化により社会の構成員が多様化することは不可避で昔の「単一民族」は幻想、
日本経済が外国人労働者に依存していることも不可逆的な変化
⇒純粋国民幻想にとらわれると非合理な政策で害を与える結果に(トランプ政権のH-1Bビザ)

③ナショナリズムが幼稚な自己正当化につながらないよう注意すること
⇒自国の失敗や欠点を冷静に指摘する人を愛国的でないと攻撃したり、時々の権力者の悪い点を
批判する人を反米とか反日とかと攻撃したりしない
⇒冷静な批判は愛国心の発露であり、懐の深いナショナリズムが必要

・20世紀後半の民主政治と資本主義経済の安定、1990年代の社会主義体制の崩壊と民主化
⇒これらを目撃した世代は政治の現状に絶望や幻滅を覚える
⇒東欧諸国の民主化の後の絶えることのない政党間の抗争、裏取引、暴露合戦・・・
⇒幻滅は不可避で・・・民主主義はそれ自体に、これが民主主義か?という幻滅の感を、
あらかじめビルトインされたform of government・・・(堀田善衛)
⇒一度の幻滅で民主主義を放棄しない持続力や忍耐力が市民の美徳


終章より
・自民党の脆弱化と多党化
⇒2025年の参院選で自民党は大敗して過半数割れ、党内では石破総裁の責任論に
⇒党外では安倍政権で党内野党だった石破政権への支持率が上る「石破やめるな」現象が
⇒石破は党内では支持者が少なく無力で改革ができず退陣を表明
(この時点で留まっていたら自民党は分裂再編、石破は激変より自民党の継続を選んだ)
⇒総裁選の結果、国会議員と党員の支持を集めた高市が勝利した

・高市は党員には排外主義とナショナリズム、国会議員には麻生太郎の支持により勝利した
⇒党員にも参政党に対抗したナショナリズムの鮮明を望む声が多く、派閥解体による乱戦で
今でも残る麻生派閥がキャスティングボードを握った

・公明党は連立協議で高市に歴史観・排外主義・政治とカネの3点について善処を求めたが
政治とカネについては消極姿勢だったので連立から離脱
(高市背後の右派勢力と公明党・創価学会との距離が広がった)
⇒高市自民党は公明党に代わり維新の閣外協力を得て政局を運営

・高市首相の理論上の2つの可能性(2025年11月現在)
①イタリア・メローニ首相のように、右派出身でありながら首相になると穏健化し、
堅実に政策課題に取り組むパターン⇒右派を裏切り官僚や有能穏健な政治家を内閣に
②総裁選で主張していた排外主義、国債による防衛費増額、給付拡大のパターン


・維新との政策合意では憲法9条の改正、緊急事態規定の創設、スパイ防止法の制定など
⇒従来の平和主義・自由主義を転換する政策

・高市政権はアベノミクスを引き継ぐ一方、積極的な給付を掲げている
⇒防衛費増額などでも歳出拡大と国債依存が進む⇒円安や金利上昇に
⇒2022年イギリスのトラス・ショック(減税発表で通貨国債株式が暴落)が日本を襲うかも

・石破首相は在任中の最後の仕事として2025年10月10日に「戦後80年所感」を発表した
(高市はじめ自民党右派が発表に反対していたが自分の意思を貫いた)
⇒戦争を阻止できなかった原因として①憲法構造②軍部統制③メディアを挙げた
⇒石破のいう「本来のリベラリズム」や「歴史を学ぶ重要性」は高市への批判と受け取れる
⇒退任後には「党員として高市政権を支えるが無批判ではない・維新は新自由主義的・自民党が
保守の路線へさらに傾くことにすごく違和感があると発言(10月30日)

・自民党が右派と穏健派に分裂することがファシズム対抗勢力を結集するのに不可欠
⇒衆参選挙結果で多党化に向かっていると言われるが政治理念と政策の基軸は2つのベクトル
①穏健な自由民主主義+責任ある財政運営
②ナショナリズム+歳出拡大
⇒穏健派連合の必要性は高まっている

・日本政治がフェイクファシズムに転げ落ちるか、自由民主主義の枠組みを死守できるか・・・


あとがきより
・2025年は戦後80年の節目
⇒本書は民主主義の将来に対する危機感の表明

・本文でカバーできなかった2025年11月7日予算委員会での岡田質問への高市答弁(略)
⇒ファシズム論として深刻な問題は「岡田の質問が悪い」とする攻撃
⇒ネトウヨだけでなく読売新聞も社説で「答弁を迫り答弁したら撤回を求めた」と攻撃した
⇒岡田は「法律の定義や過去の答弁を守った(首相としての)限定的な答弁を期待していたが、
まずい答弁だったので後戻りできなくなると思い、突っ込むことは控えた」
「国会終了後に党内協議し取り消しませんかと聞いたが拒否された」と毎日新聞に答えている
⇒高市が議員時代の主張ではなく
(首相として)従来の政府見解を踏襲することを期待した
質問だったが防衛省や外務省とのすり合わせなく個人の思いで暴走したもの
(直後にトランプは習近平と電話会談を行い共通利益を確認して相互訪問を決めている)
⇒それを野党の質問が悪いとするのは議会政治の否定であり、責任追及を受けない権力は
まさにファシズム国家の権力

・さらに憂慮すべきは台湾有事発言後の世論調査での内閣支持率の高さ(70%前後)
⇒集団的自衛権行使についても賛成44.8%反対44.2%で半数が賛成している
⇒日本への攻撃がなくても(中国と)戦争するという重要な点を半数が理解していないのでは

・自民党は衆参両院で過半数に及ばないが右側には右派ポピュリスト政党が存在する
⇒民主主義と人権を否定する政策アジェンダは右派をまとめる有効な道具

・敵の恐怖を煽ることでファシズムが成立しファシズム政権は実際に戦争を起こす
⇒この20世紀前半の教訓を今こそ噛みしめねばならない・・・



・・・・・・


と、ここまでが
2025年11月までの本書からのてきとーメモなんですが、備忘のため、
その僅か数ヶ月後の大きな変化も、さくさくっとウィキよりメモ・・・

・2026年1月には衆院の解散が浮上、立憲民主党と公明党が合流して中道改革連合を結成
⇒「選挙で過半数なら高市、でなければ野田か斎藤か別の方に」と23日に解散、総選挙へ

・2026年2月の衆院選では自民と維新の調整も野党間の調整も共闘もなく、
全選挙区の8割でいずれかの党が競合する構図になった

・結果は高市自民党が戦後初の単独2/3以上の議席を獲得して圧勝した
⇒2月18日に引き続きの維新との連立で第2次高市内閣が誕生(全員再任)
⇒議席占有率は与党全体で4分の3以上にまで達し高市政権の継続は決定的に
(衆議院で一つの政党が3分の2以上を獲得するのは戦後初で戦前の大政翼賛会に次ぐ記録)

・共に連合を支持母体に持つ中道改革連合と国民民主党は小選挙区で競合し全て共倒れに
⇒与党と野党の一騎打ちとなった選挙区では5勝40敗、うち自民党と中道の一騎打ちとなった
選挙区では中道の2勝26敗で大きく負け越した

・参政党は小選挙区では全敗したものの比例では約426万票を獲得し参院選の約742万票には
及ばなかったものの前回衆院選の約187万票から倍以上に増加

チームみらいも小選挙区では議席を得られなかったが消費税減税反対派や社会保障改革を
望む層の受け皿となり、比例で381万票11議席を獲得し衆議院で初めて議席を得た


・れいわ新選組は小選挙区で全敗、自民党の名簿登載者不足により山本譲司が復帰したのみで、
公示前の8議席から事実上の0議席と大きく減らして敗北

・日本保守党も社会民主党も日本共産党も小選挙区で全敗した

・都道府県別投票率は高市早苗の奈良県が1位で最下位は石破茂の鳥取県だった・・・

・2026年2月8日の衆院選結果
(与党)
自由民主党:316議席
日本維新の会:36議席
(野党)
中道改革連合:49議席
国民民主党:28議席
参政党:15議席
チームみらい:11議席
日本共産党:4議席
減税日本・ゆうこく連合:1議席
日本保守党:0議席
社会民主党:0議席

本書の終章にあった「穏健派連合」とは逆の結果になってますが・・・
さてさて、どうするべきか・・・



m98k at 19:01|PermalinkComments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 書斎 | わからないもの

2026年06月03日

エレファント ヴィレッジとか・・・

とーとつですが・・・

先週の土曜日にエレファント・ヴィレッジに行ってきました

???

そう、天王寺動物園に
4月21日からオープンしている・・・

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エレファント ヴィレッジであります(屋内展示室がエレファント ホーム)

天王寺動物園には昨年12月に、その前は2021年の7月にもwingさんと行ってますが、ずっと
「アジアの熱帯雨林ゾーン」が工事閉鎖中で、今回の新装オープンを楽しみにしていた次第

そう、天王寺動物園には日本初の生息環境展示である「アフリカのサバンナゾーン」と並び
「アジアの熱帯雨林ゾーン」があって、ボルネオの熱帯雨林を何度か訪れているわたくしでも、
その雰囲気をけっこう楽しめた・・・のですが・・・

今回の新装オープンでアジアの熱帯雨林の雰囲気は完全に消し去られてました

ま、考えてみれば本来の生息環境展示には広大な敷地と膨大な費用が必要でしょうし・・・
以前のようにジャングルの合間から狭いゾウ舎を覗き見するぐらいならまだしもですが、
同じゾーンでゾウや
マレーグマやハリマオ(マレー虎)やオランウータンを生息環境展示する
ようなスペースはなく、それなら広い
ゾウ舎だけに特化して、観客や飼育員にとっても
理想的な環境にリニューアルした・・・とゆーことなんでしょうね
なので
「アジアの熱帯雨林ゾーン」から「エレファント ヴィレッジ」に・・・

(もし潤沢な予算と広大なスペースがあれば、巨大アミメニシキヘビや巨大イリエワニなども
放し飼いにしている
「アジアの熱帯雨林ゾーン」ができるんだろうけど・・・)


閑話休題


朝「てんしばゲート」に集合したのは2023年ボルネオ「フラッシュ光」ツアー参加者のうち5人

(ただし午後からの真摯な企画会議???には
2019年ボルネオ「フラッシュ光」ツアー参加者
S田さんも忙しい中を遠路から参加してくれました)

で、まずは今回「マレーシアからやって来たアジアゾウ」さんたち・・・

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「右手」を水道の蛇口で丁寧に洗ってましたが・・・

この2頭がメスで、おっきいほうがダラちゃん、ちっちゃいほうがアモイちゃん


で、ちょうど前日から隔離屋外展示になってたのが・・・

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オスのクラッくん・・・だそうです
彼は5月の始めぐらいから発情期かも?つーことで、ずっと屋内に1頭だけ隔離されてたそうで、
この日は決して柵のあたりを離れず、ずっとメス2頭を気にしてました

屋内外どちらでも隔離展示ができるほどゆったりと作られているんですね



せっかくなのでエレファント ホームも

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広大な屋内で採光も充分、ゾウたちへの配慮が最大限されてるようでした



そう、

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今回のゾウさんたちはマレーシアゾウ保護プログラムにより来てくれたんですね




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で、こちらが・・・


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わたくしが2013年にマレーシアボルネオ・サバ州キナバタンガン川で撮った画像ですが、
減少しているアジアゾウの中でも特にボルネオゾウは絶滅寸前、この日はたまたま川岸に
集団で姿を見せてくれましたが、滅多に集団を見ることはできないほど激減してるそうで、
「マレーシアゾウ保護プログラム」に協力した園内での繁殖に期待しています

ちなみに今回のゾウさんたちは「マレーシアからやって来たアジアゾウ」と紹介されてますが、
(諸説あるものの)アジアゾウにはインドゾウ・スリランカゾウ・スマトラゾウ・ボルネオゾウの
4亜種があるとされており、今回はボルネオ島からではなくマレー半島のタイピン動物園から
来てくれてますから、亜種としては
マレー半島に生息する
インドゾウ系でしょう
今後はボルネオゾウの繁殖にも期待したいところですが交雑問題もあるので難しいのかなあ


閑話休題


せっかくなので他の動物さんたちもさくさくっと・・・

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チンパンジーさん

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ペンギンさん

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アシカさん

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ホッキョクグマさん

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こちらはエレファント ヴィレッジに向けて高所に設置された放水銃

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暑い時期に上から浴びせたり誘導したりするのに使うようです





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アフリカゾウより小柄なアジアゾウといっても、やはりデカいです



トリさんたち

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・・・を眺めるヒトさんたち

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マレーグマさん

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暑いのにわざわざ日陰から出てきて挨拶してくれました



「アフリカのサバンナ」ゾーンへ

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カバさんは寝ている



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正座してますね




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コビトマングースさんも寝ている




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ハイエナさんも寝ている



とーぜんライオンさんも寝ている・・・と思いきや・・・

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起きている???



と思いきや・・・

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すぐに寝ました


他の子ももちろん、

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でもキリンさんや

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シマウマさん

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エランドさん

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なんかは起きてました 肉食と草食の違いなのか、たまたまなのか・・・


と、他にもアイファー(爬虫類生態館)をはじめ猛禽舎⇒小型動物舎⇒ジャガー舎⇒トラ舎
⇒オオカミ舎⇒大人気のレッサーパンダ舎⇒コウノトリ舎と廻ったところで時間切れになり、
夜行性動物舎や南半球館などは廻れませんでした


で、新世界ゲートを出て・・・

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ヒト科ヒト族ホモ・サピエンス種の中でも「呑んだくれ亜種」が集まるゾーンで・・・



S田さんと合流し待ちに待った「エサやりタイム」であります

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(wingさん提供画像)



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(wingさん提供画像)



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(wingさん提供画像)

ええ、ホモ・サピエンス呑んだくれ亜種のエサは揚げ物と液体の種類が次々と変わるので
飼育員もとい店員さんも忙しいのでありますね・・・


と、店の前で外国人観光客に撮ってもらった集合写真

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そーいや2019年ツアー出発の際もH田さんが外国人観光客に集合写真を撮ってもらってたな・・・

と、三々五々で解散したのですが真摯な企画会議はどうなった???  どっとはらい




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