2011年11月03日
まずはめし。
11月になって涼しくなったら山歩きに・・・とか思っていたら、大阪は25度を超える夏日となっております。ううっ
で、そんなときには、山歩きなんかきっぱりとやめて・・・府庁山なんか、だれもつきあってくれないし・・・
「まずはめし。」なのであります。これもきっぱりと
ええ、このタイトルにすっかり魅かれてしまった本のご紹介であります。
「まずはめし。」
これに魅かれたとゆーより、わたくしの座右の銘とゆーか、わたくしの存在そのもの、といっても過言ではない・・・
そう、わたくしにとってこの言葉は、あらゆる社会契約や法理、全宇宙の物理法則にも優先する真理なのであります。
といった、哲学的命題はさておき・・・
例によって、表紙、裏表紙と目次のみをご紹介させていただきます・・・
じゃーん
いいですねえ・・・このタイトルとタイトルバックの潔さ・・・
で、裏表紙・・・
もう、これだけでたまりませんねえ・・・じゅるじゅる
んで、目次であります。
ううっ、いよいよたまらん・・・じゅるじゅる
じゅる
2003年に出版された本ですが、どーゆーわけか、うちの奥様が図書館から借りてきたようで、食卓に置いてありました。
ご覧のとおり、全体の構成を大きく、「丼めしとのっけめし」、「焼きめし」、「にぎりめしと常備菜」、「粥・雑炊・茶漬け」、
「定食」、「炊き込みご飯」、「混ぜご飯」、「すし」の八つに分類し、定番メニューから著者の創作料理まで、
めし好きのポイントを押さえた料理を、素人でもなんとか作れるようにわかりやすく簡潔に解説されています。
まあ、「米の粒食」としての「めしの食べ方の分類」となると、また異なる観点があるのかも知れませんが、
我々のめしの食べ方の基本である、「何かと一緒に食べる。」という観点からは、うまく分類されていると思いました。
じつはイタリアのトスカーナ地方からはじめて日本にやってきて、しばらく我が家にホームステイしていた青年に、
何度か日本料理を作ったのですが、白飯とおかずを一緒に、という食べ方には最後まで馴染めなかったようで、
いつもご飯だけを残していました。
そう、白飯というのは、何か(たとえ少量の塩だけでも)とともに食べて、よりおいしいものなのであります。
で、「米の粒食」文化のある地域では、白飯にあうおかずが伝統料理として発達してきたのでありますね。
ところが最近、和食は塩分が多いから薄味にとか、一品ずつよく噛んでとか、まずはサラダからとか、
変な風潮が蔓延して、子どもや若い連中なんぞは、めしとおかずを一緒に食べなくなってきているようで・・・
まあ、西洋料理のコースなんぞは出された順番に食べるのが基本ですから、2種類を一緒に食べるのは、
なんか行儀の悪い食べ方のように思われがちですが、和食はめしとおかずを一緒に食べることによって、
はじめて双方のおいしさが味わえるようになっているべきなのであります。ええ、きっぱりと
このことは、うちの奥様にも声を大にしていいたいのですが、やはりわたくしも命は大切にしたいわけで・・・
まあ、ここで一生懸命、遠吠えしているわけなんですが・・・ううっ
で、この件でネットを見てみると、やはり食育の面からも栄養の面からもあちこちで問題になっているようで、
わたくしのような和食の食べ方を「口中調味」や「三角食べ」と呼ぶそうで、洋風のは「ばっかり食べ」と呼ぶそうであります。
たしかに前述のトスカーナの青年は、典型的な「ばっかり食べ」で、味噌汁を全部飲んでから、おかずAを全部食べ、
続いておかずBへ・・・という食べ方で、しっかりとマナーやエチケットを躾けられているのはわかったのですが、
これではおかずや味噌汁は濃すぎるし、最後のご飯だけでは薄すぎておいしいわけがありません。
やはりめし椀を左手に持って、おかずAを口に入れてはめしを一口、おかずBを口に入れてはめしを一口、
で、ときどき味噌汁や漬物も口に入れてはめしを一口、とゆー「三角食べ」で、それぞれの量を好みで調整して、
口の中で調味する「口中調味」が、和食の食べ方としては一番おいしくて合理的なのだそうであります。
ちなみにこれだと、たとえば肉炒めと漬物があれば、熱量として必要なめしは同じように二杯食べるにしても、
若者は肉炒めとめしを同量食べ、年寄りは肉炒めは少しで漬物を、というように、それぞれの身体に必要な栄養分が、
調整されて摂取できるので、このような和食の食べ方は、世界的にも徐々に推奨されてきているようであります。
まあ中には、キャンプ宴会でおかずもめしも酒も大量に摂取する年寄りがいますが、これはキャンプ太りといって・・・ううっ
もちろん、米とその他の具材が一体となった炊き込みご飯系や雑炊系の料理は世界中にあるようですし、
ピザやオープンサンドのように、小麦粉ベースに具材をのせた、ある意味丼めし系のような料理もありますが、
やはり、めしそのものが一番おいしいのは、白飯とおかずを一緒に食べる食べ方だと思うのであります。
さて、この「一緒に食べる」方法なのですが、わたくしの場合、おかずが塩水だけのにぎりめしでも、
おかずが甘酢だけの寿司めしでも、それだけで特に問題はないのですが、やはりめしとおいしいおかずが、
一緒になったやつが一番好きなのであります。
特にアウトドアでは、めしとおかずを別々の食器に取り分けることは少ないですし、大皿のおかずをめしの上に、
たとえば焼き肉やお造りを炊きたてのご飯にのせて食べたほうが、ずっとうまいような気がしますが、いかがでしょう。
また、たとえアウトドアでなくともわたくしの場合は、たいていご飯類と麺類を同時に食べますから、
やはりめしとおかずが一緒になっている方が、がつがつと食べることができてありがたいのであります。
とまあ、わたくしの食欲の話ばかりしててもキリがありませんので、とても参考になった基本をひとつだけご紹介・・・
この本の著者の「めしの炊き方」であります。
やはり基本は「はじめチョロチョロ中パッパ」だそうですが、「はじめチョロチョロ」の理由が、わたくしは、
水分を芯にまで早く浸透させるためであり、充分に水分を吸わせた米の場合は不要、と思っていたのですが、
この著者によると、米も野菜と同じで、煮くずれしないように弱火で炊きはじめるんだそうです。
で、時間をかけて沸騰してきたら、今度は30秒から1分程度だけ強火にし、積み重なっている米をグラグラ撹拌させる、
これが「中パッパ」の理由だそうで、その後は再び弱火にして7~8分、最後にもう一度強火にして米の周りの水分を飛ばす、
これで「米が立っている」状態になるそうです。うーむ・・・
わたくしは、乾麺を強火で茹でるのと同じ理由で、米の澱粉を一気にアルファ化させるために強火にする、
弱火でゆっくりアルファ化すると、どろどろの糊状になってしまうから、と思っていたのですが・・・
で、蒸らす前にしゃもじで返して中に空気を入れ、ふたをして5分ほど蒸らす・・・ふむふむ、これは同じですね・・・
ちなみに炊く前の準備は、シイタケなどの「干し野菜」をもどすのと同じだそうで、水で洗って糠をとる行為を5回ほど繰り返し、
表面に水分を含ませて欠けないようにしてから、若干濁りが残る程度に研ぎ、冷たい水に30分から1時間程度浸す。
米は高温に弱く、水温が20℃以上になると米の表面が溶けて粘りのもとになるので、夏は氷で冷やしながら浸すそうです。
さらにざるにあげて夏なら30分、冬なら1時間乾燥させ、はじめて干し野菜をもどすのと同じ作業が終わるそうです。
これは土鍋で炊く場合だそうですが、けっこう前準備にも手間のかかるもんなんですねえ・・・いやあ、参考になりました。
つーことで・・・これをしっかり頭に叩き込んで、次回のキャンプでは・・・
よろしくお願いしますねっ、wingさん!
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この記事へのコメント
いや、「ごはん」にかける98kさんの情熱、感嘆いたしました。
会席料理などでさんざ料理とお酒を楽しんだ後、ご飯と香の物と
おみそ汁でお腹を落ちつけるというのもいいですし、
大振りの飯茶碗片手に、おかずを次々に乗せながらバクバクというのも
良いですねえ。
でも、私、基本酒飲みなので、ご飯は〆ということが多いですね。
もっとも飲み過ぎてしまって、ご飯どころではなくなることも
しばしばなのですが。
そういうときでも、ふらふらと歩いているうちに、ラーメン屋には
思わず入ってしまうので、体重コントロールが大変なのですが。
わははは、やはりわたくしは「まずはめし。」ですねえ・・・ま、お酒も弱いけど大好きなんですが・・・
会席や懐石は西洋料理のフルコースと同じで、基本は一品ずつお酒を味わいながら楽しむものですから、
ご飯は最後の〆になるわけですが・・・わたくしはそれが我慢できないとゆーか、お酒はめしとおかずを一層おいしくするもの、
ついつい最初からご飯を頼んでしまい、酒飲みからはいつもひんしゅくをかっています。

でも、最後はお茶漬けなんぞで〆ますし、帰りにはラーメン食べて、さらに甘いもので仕上げを・・・
こんなことしてるからダイエットできないのですが、こんなことをするには強靭な胃袋も必要なわけで・・・
