2014年07月22日
米軍のビビィ(ビヴィ)・カバー!!!
この暑い時期に・・・米軍のビビィ(ビヴィ)・カバーであります。
BIVY COVER・・・
90年代から米軍に配備されている、モジュラー・スリーピング・システムModular Sleeping System
を構成するパーツのうち、一番外側のカバー部分・・・
ま、早い話が、ゴアテックス3レイヤーのシュラフカバーにビビィ・ザック機能を持たせたものですね。
じゃーん
トップ側はウッドランドパターン・・・わたくしの古いゴアテックス製ECWCS上下と同じ素材です。
納入業者のHPを見たら、今は他にもいくつかのパターンがあるようですね。
ボトムとインナーはそれぞれ異なるオリーブドラブで、インナーはわたくしの古いECWCSと同じ素材でした。
TENNIER INDUSTRIES製、2003年度の納入品でしょうか・・・
説明にあるとおり、モジュラー・スリーピング・システムを構成するスリーピングバッグ(シュラフ)の中から、
最薄の「patrol」、中間の「intermediate cold weather」、最厚手の「extreme cold weather」を、
それぞれ単体で、あるいは重ねてスナップボタンで中に連結できるようになっています。
通常はこの「bivy cover」と「patrol」、「intermediate cold weather」の3点セットに圧縮収納袋が付いた、
4点セットとして兵士に支給されているようで、暑い時はこのビビィ・カバーを単体で使え、ともありますね・・・
ま、さりげに「extreme cold weather」シュラフが追加支給されたりしたら、「次はアラスカに配属かっ???」
つーことになるんでしょうか・・・
以前も書きましたが、米軍のシュラフはこれまでずっとセンタージップ・ボタン式だったのが、
このシステムからサイドジップ・ボタン式になっており、緊急脱着にはやや手間がかかるはずなんですが・・・
なにせ防水透湿性を持つゴアテックス製ビビィ・カバーをシステムの一環として新設計したわけですから、
テントそのものや、それまでタープ・シュラフがわりに使ってきた透湿性のないポンチョと防水性のない
ポンチョ・ライナーの組み合わせも今後は使わない前提で、モジュラー・システムとしての使用を考えれば、
開口部がセンターにあるよりサイドにあるほうが雨水の侵入が少ない、つーことで変更されたのでしょうか・・・
ま、素人がいくら推測してもキリがないので、細部を見ていきましょう・・・
製造番号でしょうか、9270025と読めます。
縫い目のシームテープ加工もじつに荒くったいですが、これでもかっ!とばかり、厳重に施してあります。
サイドジッパーの最上部・・・ちょうど肩口のあたりにあり、ここから上にはジッパーもボタンもありません。
ここから下のスナップボタンは、中に入れるシュラフと連結できるよう内側に向かって余分に付いてます。
サイドジッパーの最下部、フラップがかなり長めなのがおわかりでしょうか、これなら雨水の侵入も少ないでしょう。
またボトムを枯葉やマットなどで地面より若干高くしておけば、下からジッパー部分に浸水することもないでしょう。
ただ、ご覧のとおり、開口部が足元3/4程度までしかありません。
靴を履いたまま寝たり、換気や温度調整を考えるなら、フルオープンの方が有利だと思うのですが、
やはりビビィ・ザック的な使い方を優先して、少しでも開口部を少なくしたのか・・・
軍用品なので軽量化とゆー理由はないでしょうから、あるいはコストダウンのためか・・・
おそらく靴を履いたまま仮眠するような状況なら、このスリーピング・システムは使わない前提なんでしょう。
こちら・・・
頭部のボトム側に付いてるエラスティック・コード・・・ちなみにトップ側には付いてません。
ジッパーもボタンもコードもないトップ側は、顔に被って、この面ファスナー部分で止めるだけ・・・
そう・・・
ボトム側にアタマを入れ、このように絞り込んで立ち上げておいて・・・
顔の上に完全に被せてしまうと・・・
上下から浸水せず、しかも密閉されないので呼吸はできるとゆー仕組みになっています。
このあたりがふつーのシュラフカバーと異なり、ビビィ・ザック的な使い方のできるところ・・・なんですが・・・
いくら透湿性素材とはいえ、本当にこの状態で眠ったら、呼気で内側がびちゃびちゃになるでしょうし、
よほどの極寒地でない限り、口と鼻あたりの空間だけでも確保しておきたいもの・・・
で、雨天時にはヘルメットとかを利用して隙間を作ったり、虫がいる場合は顔にモスキートネットを被ったり、
といった努力を、きっと兵士のみなさんもされてるんでしょうね・・・
顔面には折りたたみ傘を立てかけるのがビバークの定番なんですが、戦場に傘は持って行かないだろうし・・・
ちなみに米軍でも、クローズドセルやインフレータブルのスリーピングマットが支給されてますので、
テントなしでもマットとの併用が前提なんでしょうが、ボトムの生地もけっこう厚くて丈夫なので、
地面からの断熱対策と浸水対策を、枯葉を敷くなど工夫すれば、単体使用も充分可能でしょう。
ま、一般のアウトドアで非常用(ビバーク用)として持つのには、けっこう重くて嵩張りますので、
やはり厚手のゴアテックス3レイヤー・シュラフカバーとして、冬期などに使うのが一般的でしょうし、
わたくしも、透湿性のある厚手シュラフカバーを持ってなかったので、今回ついつい購入した次第。
ただ、暖かい時期でも、タープだけで楽しむキャンプや、ベンチや軒先、岩屋などを利用する前提なら、
ふつーのシュラフカバー単体より、はるかに丈夫で機能的なので、安心して使えそうな気がします。
もちろんマットなどボトム部への工夫と、顔が雨や夜露で濡れない工夫は大前提ですが・・・
で、米軍では圧縮収納袋とセットで支給されるため、このカバー単体の収納袋はないのですが・・・
わたくし、こんな専用の収納袋をですね・・・むふふふ
右は大きさ比較用のFENIX MC-10で高さは10cm・・・
ゆったりめに丸めて収納して、まだ若干の余裕がありますが、ほぼ専用の収納袋・・・色合い的にもね・・・
そう・・・これ・・・
かつて、石井スポーツの粗品でもらったもの・・・wingさんにもらったシーツはずっと自宅で使ってるし・・・
ちなみに重量は、専用収納袋込み!!!で1030gでした・・・
うれしくも不可解なP.S.
これら最新の米軍モジュラー・スリーピング・システムは、デッドストックとかのフルセットになると、
モール・システム同様、けっこうなお値段で、このビビィ・カバー単体でもそれなりのお値段・・・
ま、死体袋として使われた(かも知れない)中古品ならお安いのですが、なにせシュラフ系ですから・・・
ところが今回のはどう見てもデッドストック品で不良品でもないのに、かなりお安かったとゆー・・・
じつはこれ、播磨の国にある某ミリタリーショップで見つけ、帰宅してからも気になってたのですが、
あらためてネットで調べてみると、各ショップ通販価格の半値から1/3のお値段でした・・・
で、播磨の国でこのショップを案内いただいた、「現地買い付けスタッフ」の赤チャリさんに、
「あのシュラフカバーだけど、コピー品なのかデッドストック品なのか、店員さんに一度確認してみてよ、
で、デッドストック品なら、今度は自分の目でしっかりと商品チェックして、不良品でなければ是非・・・
で、代金はとりあえず立て替えてもらって、ま、ある時払いの催促なし、つーことで・・・げひげひ」
と依頼しておいたら、数週間後に買い付け完了との画像付きお知らせメールがきて、画像を見ると、
そこには二枚のこのカバーが映っており、赤チャリさんも同時購入されてたとゆー次第。
つーことで、このカバーは赤チャリさんとお揃い、赤チャリさん、ありがとね!!! めでたし、めでたし・・・
って・・・
なんであのショップだけ、しかもこのカバーだけが安かったの???
そう、ほかの商品はふつーの通販価格とそんなに変わらなかったのに・・・
や、やはり・・・播磨の国は奥が深い・・・
この記事へのコメント
今回のは安かったし98kさん御推薦なので間違いないと判断して自分用も購入しました。
決して『ペアルック』にしたかったわけじゃぁありませんよ~(^w^)
>川端さん
だいたいそんな感じですね、ただ、煮炊きする前提なら折りたたみ傘のかわりにポンチョ(兼タープ)は必携ですね。
わたくし、以前のビバーク装備はモンベルのテンチョとブルーシートでした。
テンチョに上半身と荷物を入れ、下半身はブルーシート巻いて・・・これなら雨天でも横になれますし、簡単な煮炊きもできます。
ツェルトやタープを横Vの字に使うのがビバーク時の定番ですが、防水透湿性のあるシュラフカバーがあるなら、
カバーするのは上半身と煮炊きする荷物だけでいいですからね。
立ち木や岩陰を利用して、上半身を起こせるだけの濡れないスペースが確保できれば快適に過ごせますね。
>現地買い付けスタッフのred-bicycle(赤チャリ)さん
いやあ、良い品を探してくださいました。
ま、せっかく「ペアルック」になったので、いつか枕を並べてテントなしキャンプをしましょう!!!
って、それにしても、播磨の国は奥が深いとゆーか、価格メカニズムが不可解とゆーか・・・
是非ほしい・・・。
あ、お久しぶりです。
最近は2,670円で手に入れた車を直したりなんだかんだですっかりご無沙汰してました。
それにしてもいいですねぇ。
もうないのかな?
ほんとおひさしぶりです。海遊びも楽しそうですね。
このビビィカバー、ショップによってけっこうお値段がバラバラなようなので、
播磨の国に限らず、お安いところを探されてみてはいかがでしょう。
あのショップ、おそらく通販はやってないので、残ってたとしても2670円のクルマで買いに来るだけでも大変ですよ!!!
このお礼参りはそのうちに・・・。
あ~参りは余計ですね。
このカバーとっても良さげですね!
私のシュラフカバーはジッパーが無いので少し使いにくいんです。
欲しいなぁ~ボトムも通常品より丈夫そうだしってシュラフカバーじゃなくてビビィだから当たり前か。
ゴアの通気性なら頭まで被っても内側に結露はほとんど出ないと思います。
いやいや、こちらこそ楽しかったです。ええ、逆襲はそのうちに・・・
>>ゴアの通気性・・・
うーむ、どうでしょうねえ・・・湿度など気象条件との関係もあるんでしょうが・・・
ゴアの雨具でも、少し動けば内部はびちゃびちゃになりますし、呼気の水蒸気とゆーのは寝ててもけっこう感じますからねえ・・・
体表面からの水蒸気程度なら有効でしょうが、頭から被った状態で呼吸する場合は、やはり何らかの工夫はしておこうと思ってます。
特にわたくしが泥酔した場合はですね・・・(以下略)