2017年02月17日
ついに暗峠を制覇???
(期間限定のお知らせ)
海外植林ボランティア団体N.GKSのサイトに熱帯雨林についての入門記事をアップしました。
で、ついにあの峠を(たった一人で)制覇???してきました・・・
そう、暗峠(くらがりとうげ)であります・・・
大阪から奈良に至る国道308号線の峠で、R308そのものが急勾配の国道としては全国第1位、
関西のサイクリストの間では「峠まで足を着かずに上れたら一人前」といわれる激坂・・・
さらにこの峠は旧奈良街道の要衝でもあり、江戸時代の末には伊勢参りの定番コースとして賑わい、
峠には茶屋が20軒もあったそうで、伊勢街道へ続くこの街道も舞台となる大長編の上方落語
「東の旅・伊勢参宮神乃賑」各編でもおなじみの、歴史のある街道なのであります。
わたくし高校時代の落語研究会では、まず東の旅の前口上から発端(ちょうど暗峠あたりまで)部分の
お稽古から始めたのですが、これまで暗峠に行ったことは一度もありませんでした。
(記事末尾に発端部分を引用追記しています。)
で、た・またまた奥様送迎の待ち時間ができたので、その間に軽く制覇してやろうじゃないかと、
シルヴァF8Fを積んだスバルXVで、国道308号線に続く府道702号線を東進しました・・・
やがて眼前に生駒山系が迫ってきます。
で、そのまま直進したのですが、名称が国道308号線に変わると・・・
道幅が狭くなり、ぐねぐねと曲がりだしました・・・府道から国道に入ったのですが・・・
そう、昔は県境を越える道がここ以外になく、狭くて急だけど国道として管理してたようです・・・
で、本格的に整備する前に奈良へ抜ける別の道路や鉄道が作られ、そのまま残ったんでしょうね。
この近鉄の踏切を渡ると、本格的な上りになる・・・
・・・のですが、わたくしはちと寄り道をして・・・
まずは腹ごしらえであります。ええ、塩ちゃんこ鍋定食・半玉ラーメン付き・・・
そう、激坂を一気に上り切るには、しっかりカロリー補給しておかないとね・・・ばくばく・・・
で、レストランの駐車場にクルマを置かせてもらい、今度はF8Fで再び国道308号線へ・・・
って、もう足を着いてるじゃないかっ!!!
ここは遊歩道や登山道ではなく、あくまで一般国道なのであります。
って、もう休憩してるじゃないかっ!!!
振り返れば、一気に上った?激坂の麓に東大阪の街並みが・・・
って、ずっと休憩してるじゃないかっ!!!
この先が通行規制区間・・・
すでにけっこうな勾配であります・・・ひいひい
って、また休憩かいっ!!!
芭蕉の句碑前でも休憩・・・
菊の香に くらがり登る 節句かな 芭蕉
ま、詳しくは下の解説板をご覧ください。(クリックすると拡大します。)
この暗峠越えが芭蕉最後の旅になったんですね・・・
って、まったり解説を読んでる場合かっ!!!
観音寺
激坂が続きます・・・ひいひい
大社之瀧・禊行場
って、いっぱい休憩してるので、いっぱい画像があります・・・わははは
そういえば大阪から熊野へ行くR311やR168も昔はこんな感じで狭かったなあ・・・
速度注意といわれても、すでに押して歩いてるので最徐行なんですが・・・あははは
ちなみに気温は6℃になってますね。わたくしは全身汗まみれでしたが・・・ひいひい
下りスクーターとの対向・・・
エンジン音は聞こえず、遠くから聞こえてたのはブレーキ音だけでした・・・
ご覧のとおり、道を斜めに横切る溝が随所にあり、これが自転車にはつらいですね。
直角に渡れるよう、しょっちゅう自転車の向きを変えないといけません。
ま、溝がないところでも、どうせ直線では上がれないので、ずっと右往左往してたんですが・・・
左 髪切山慈光寺・・・わたくしは右の「くらがり峠」を目指して・・・ひいひい
ま、
少しでも平坦な路肩があれば、すぐに休憩してましたが・・・
それにしても凄い勾配であります。ひいひい
きれいなせせらぎで一息・・・
お伊勢ぇ七たびぃ、熊野にゃあ三度ぉ、愛宕山にわぁ月参りぃ・・・とくらあ・・・がははは
ええ、かなりキレてきました・・・
ここはよく紹介される激坂カーブ・・・
タイヤのスリップ痕がいっぱいです。
二枚とも後輪を縁石に乗り上げてますが、そうしないと滑り落ちてしまいます。
橋には残雪と凍結防止剤が・・・ひいひい
おっ、詳しそうな道標があるぞ・・・
で、峠までの距離は・・・
書かれてませんでした・・・
ようやく道がなだらかになり・・・
左の狭いほうが峠への国道であります。ひいひい
いかにも旧街道の峠っぽくなってきました・・・
今回おそらく唯一の・・・走行中に撮った画像・・・
で、ついに峠の石畳に到着!!!
暗峠であります。
ここから東は奈良県・生駒市・・・
とーぜん反対側から見れば・・・
ここから西は大阪府・東大阪市であります。
ちなみに峠の石畳は江戸時代に伊賀藩が整備したとかで・・・
日本の道百選にも選定されています。
関西のサイクリストにはよく知られた峠の茶屋・・・
いろんな方が来られてるんですねえ・・・
こちらがR308の奈良県側・・・
上を通るのは信貴生駒スカイライン、今は阪奈道路や第二阪奈があるので、このR308の利用者は、
住民・関係者以外では殆どがハイカー、あとは一部の「酷道」マニアか「坂バカ」に限られるようです。
わたくし、ここからさらに奈良側へ下りてイカの木の芽和えで「村醒め」でも飲みたかったのですが、
奥様を迎えに行く時間も迫っており、再び峠を上る気力もなかったので今回はここから引き返しました。
で、上りでは足を着くどころか、F8Fを押して歩くほうが多かったのですが・・・
下りでは(クルマと対向する以外は)一度も足を着くことなく・・・
ま、さすがにここで怖くなり、いったん停車したのですが、止まると逆に前のめりにコケそうなので、
サドルに座らず体重を思い切り後ろにかけ、タイヤがロックしない限界まで前後ブレーキをかけ続け、
以後は一度も止まることなく、ゆっくりと下りました。
それでもブレーキング時にテールが何度も滑り、下りの気分はまさにMTBやBMXでしたね・・・
小回りの効かない細いタイヤのロードバイクに乗ってたら、怖くて担いで下りてたかも知れません。
で、緊張で手足がカチコチになってたけど何とか峠を制覇??? 七度狐に化かされることもなく・・・
無事に生還しました。めでたし、めでたし・・・
今回の走行距離(上りはほぼ歩行距離)は、レストランから峠までの往復で5.5kmほど、
走行時間(上りはほぼ歩行時間)1時間03分、平均速度6.6km/h、最高速度29.8km/hでした。
ま、上りに1時間弱、下りに10分弱といったところでしょうか・・・
ちなみに所要時間は2時間ほどで、やはり半分は休憩してたんですね。あははは
ま、暗峠を(下りは)足を着かず制覇したことだし、これでわたくしも一人前のサイクリストに・・・
なったのだろうか・・・
追記です。
懐かしいので「東の旅」発端の一部を引用追記しておきます。
「世紀末亭」上方落語メモ第2集その51より引用 (このあたりは桂枝雀バージョンからですね・・・)
え~、しばらくのあいだ、お付き合いを願うのでございます。ひと昔前の
旅のお噺を聴ぃていただくのでございます。
(ポン)さて、例によりまして喜六、清八といぅ両名の大阪の若いもん、
だいぶ時候もよぉなったんで「ひとつお伊勢参りでもしょやないか」といぅ
えぇ加減な連中がありましたもんで「でも」付きのお伊勢参りでございます。
友達に送られまして安堂寺橋をば東へ東へとってまいるのでございます。
大阪離れて早や玉造(ツ・ポポ・ポン)枡屋芳兵衛、鶴屋秀次郎といぅ二
軒の茶屋がございまして、ここらを二軒茶屋と申します(ツ・ポポ・ポン)
ここで酸いぃ酒の一杯も呑みまして、見送りの友達と別れますといぅと、あ
とは二ぁり連れでございます(ツ・ポポ・ポン)
「さぁ向きなはれ、心得た」中道、本庄、玉津橋から深江へと出てまいり
ます(ツ・ポポ・ポン)「笠を買うなら深江笠」てなことを申しまして、笠
が名物でございます。名前は深江笠でもその実浅ぁい笠を一かいずつも買い
求めますといぅと(ツ・ポポ・ポン)高井田から藤の茶屋、御厨(みくりや)、
額田(ぬかた)、豊浦(とゆら)、松原口越えてやってまいりましたのが暗(く
らがり)峠でございます(ツ・ポポ・ポン)
「暗がりと、いえど明石の沖までも」面白い句碑が残ってございます(ツ
・ポポ・ポン)二十五町下りまして、やれやれと思う間もなく榁(むろ)の木
峠、上りが雀の茶屋で下りが砂茶屋でございます(ツ・ポポ・ポン)尼ケ辻
から道が追分になっておりまして、右が大和の郡山、左が南都ぉは奈良でご
ざいます(ツ・ポポ・ポン)・・・
(以下略)
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この記事へのコメント
ご満喫ですね(^ ^)
予想外!!
てっきり車で上がって足つかなかった!
が結末だと思ってたのに〜 ^^;
>辛そうにも見えますが・・・
って、自転車を押して上がるだけでも、わたくしには辛かったですよ!!!
まあ、満喫したといえば、たしかに満喫しました・・・ええ、塩ちゃんこを吐きそうになるぐらい・・・
ま、14インチ径なら一度も足を着かずに楽々と上れる・・・
はずですから、次回、ぜひご一緒しましょう!!!
wingさん
わたくしが運転してスバルXVで上がってたら、間違いなく谷底に落ちてましたね・・・
なにせ道路幅2m未満でガードレールもない激坂区間が多かったですからね・・・れっきとした国道なんですが・・・
ま、フルクラム・レーシング3にアルテグラ・ブレーキなら一度も足を着かずに楽々と上れる・・・
はずですから、次回、ぜひご一緒しましょう!!!
是非!・・・といわれてもですね・・・
わたくし、もともと自転車での上り坂は大嫌いなんですよ・・・
今回はたまたま暗峠に行くことになったのですが、上りはほとんど押して歩いて、それでもへろへろになったので、
箱根のつづら折れなんて、おそらく死ぬまで上ることはないと思います。