2017年04月02日
2017ボルネオ紀行7
ボルネオ紀行の7回目、旅程では四日目の朝であります。
この日も朝8時の集合でしたが、前日の集合時間に遅れた若者隊員二人は、早起き隊員によると、
なんと集合時間の30分前から集合場所で待っていたそうです!!!
前日の失敗をきちんと翌日の行動に活かすなんて、なかなかのものじゃないか・・・
つーことでサラワク伝統の英国式鞭打ち刑は執行猶予、つーことにしました・・・
で、この日の午前中はクリアウォーターケイブなどへのリバークルーズとトレッキングであります。
目的地の近くまでボートで遡上するので、歩く距離は昨日よりずっと短いはず・・・
「わははは、本日は楽ちんですよね、N嶋さん。」
「いやいや、水平距離は短いですがボートを下りてまず、200段の階段を上っていただきます。
で、洞窟内も移動も本日は階段だらけですので、昨日よりきついかも・・・むひひひ」
「げげっ、本日は楽ちんだと思い、とっておきのサイクルジャージにしたのに・・・」
「ほう、どれどれ、なかなかのサイクルジャージですな・・・むひひひ」
「ええ、自転車パターンの迷彩になってます。いいでしょ。・・・って、そんなことより、
パークレンジャーからホテルに届いてるはずのわたくしの眼鏡、どうなったんですかっ???
あれチタンフレームで高かったんですよ・・・うぐぐぐ・・・」
「さあてねえ・・・へえ、自転車パターンですかぁ・・・むひひひ」
「そう、このあたりなんか・・・って、わたくしの眼鏡はいったい・・・ぶつぶつぶつ・・・」
「さあてねえ・・・むひひひひ」
どーゆーわけか他の隊員全員が大笑いしてるし、わたくしはジャージの説明に夢中だし・・・
で、ようやくN嶋さんの頭部を見ると、さりげにわたくしの眼鏡が・・・
そう、彼はジャージを見るふりをして、ずっと自分の頭部を見せつけてたんですが、
それに長い間気づかなかったのはわたくしだけだった・・・とゆー次第。
ったく、N嶋さんったら、ほんとにお茶目なんだから・・・
と、隊長さんは全員に笑われながら・・・
ホテル前の船着き場から2台のボートに分乗して川の上流へ出発。
わたくしの前にどっかと座るN嶋さん・・・ちなみにその前は酒類調達係のT中隊員・・・
ところで、このN嶋さんの横顔・・・どこかで見たような・・・
そう・・・
前日のディアケイブの天井穴・・・彼はリンカーンの生まれ変わりだったのかっ!!!
と、ボートはまず、森を移動して暮らしていたプナン族の人たちの定住地を目指し・・・
川を遡ります。
ま、せっかくなので、動画でもご紹介・・・
昔の熱帯雨林での移動は川だけが頼りでした。
で、川に暮らす人たち(オラン・スンガイ)と、森に暮らす人たち(オラン・ウータン)以外にも、
少数ですが森を移動しながら暮らす人たちもいて、そのひとつがプナン族・・・
今は定住政策により川沿いに暮らしているけどオラン・スンガイたちとは異なるライフスタイル・・・
とか、N嶋さんから説明を受けているうちに・・・
あちこちに人の暮らしが見えはじめ・・・
プナン族の定住地に到着、上陸しました。
現地では気づかなかったけど、グーグルマップで見るとムル空港に隣接してたんですね・・・
これらの住居は政府が建てたロングハウスが火事で全焼し、仮設されたもので・・・
今年に入ってようやく・・・
広場の反対側に新しいロングハウスが完成したそうです。まだ引っ越し途中なんでしょうね。
で、広場の一角には
プナン族の暮らしを紹介するコーナーや・・・
プナンの伝統品を売るお土産コーナーなどがありました。
プナン伝統の鼻笛を披露してくれたおばあちゃん。
おばあちゃんに鼻笛を指導するMどりさん・・・
って、どうやら細部を観察してたようですね・・・
わたくしがN嶋さんに「どうして鼻で吹くの?」と訊くと、以前その理由を村のみんなに訊いたけど、
全員が揃って「昔からそうしている」とゆー答えだったそうです。あははは・・・
こちらは・・・
硬い鉄木を使った実物の狩猟用ブローパイプ(吹き矢)に挑戦するY原隊員・・・
まったく歪みがないため、かなりの距離なのに正確にヒットしてました。
でも、鉄木に正確に穴をあけるのは大変な作業なんでしょうね・・・
と、少数民族の暮らしの一端を見せていただきましたが、観光客を受け入れることについては、
暮らしを見世物にしているとか、伝統文化の破壊につながるといった意見もあるのでしょうが、
わたくしは観光で現金収入が得られることが重要で伝統文化を残すことにもつながると思いました。
ただし、お互いエコツーリズムを理解して節度ある接し方をする限り、の話なんですが・・・
さらに定住政策についても意見の分かれるところですが、一定の範囲で森での狩猟採集を認めるなど、
少なくとも定住のデメリットを少なくする方策と支援は不可欠でしょう。
モンゴルや中国の内蒙古自治区でも遊牧民の定住政策を見ましたが、過放牧でしか豊かになれない
遊牧民のデメリットを少なくする方策が重要で、遊牧そのものをやめさせる、ということではなく、
一定規模での遊牧と定住を組み合わせ、豊かに暮らせるように支援すべきではと思ってました。
この辺はまだまだ手つかずの自然ですから、彼らがアブラヤシ農園などの現金収入に頼らずとも、
森とともに豊かに暮らしていける施策とその支援方法を我々も考えるべきでしょう。
と、勝手な思いをだらだらと書きましたが・・・
ふたたびボートに乗り込みさらに上流へ、支流に入りようやく船着き場に着岸。
まずはCave of The Wind ウィンドケイブを目指して長い階段を上ります。ひいひい
とーぜん上りの画像は撮れなかったので、いきなりウィンドケイブ画像であります。
以下、さくさくっと・・・
途中のこのあたり・・・
上から光が差し込んでいるのですが・・・
ま、せっかくなので・・・
ライト照射したりして・・・
ま、後半は・・・
明るいライト必携でしたが・・・
と、ウィンドケイブを出て、川沿いの崖っぷちを歩いたりして、
船着き場近くのテラスまで下りてきました・・・ひいひい
ここで温かいコーヒー・紅茶とクッキーでひとまず休憩し、
今度はクリアウォーターケイブを目指してまたまた別の長い階段を・・・ひいひい
で、なんとか階段を上り切ったところで記念撮影であります。
この真下に見えるのがクリアウォーターケイブの入口・・・
中から見るとこんな感じです。
マリア像・・・
確かにシルエットが・・・
と、いったん入口付近まで戻り反対側(右側)へ廻り、さらに下りて行きます・・・
この中央奥深くに地下河川が流れているのであります。
はるか下へと続く階段・・・
ノンストロボだとブレますが・・・
ストロボを焚くと・・・
上からの水滴や湿気がいっぱい反射します。ううっ
きれいな石灰岩の造形・・・浸食作用によるものだとか・・・
ようやく地下河川が見えてきました。
さらに水辺まで下ります。
約1名が、めっちゃ明るいライトで照らしてくれてますが・・・
ストロボを焚くとこんな感じ・・・
クリアウォーターケイブとゆーだけあって、きれいな川が流れています。
ただまあ湿度と上からの水滴がもの凄く・・・
川の上を水滴と湿気が吹き抜けてますね・・・
と、最深部からは別の階段を上って・・・ひいひい
地下河川に下りた階段などが一望できるポイントへ・・・やはりデカいですね・・・
ようやく入口付近まで戻ってきました。ひいひい
さらにアップダウンして先ほど休憩したテラスに戻り、待ちに待った昼食であります。
「はぁい、隊長さん用のメインディッシュですよう!!!」とN嶋さん・・・
って、巨大ナナフシはおいしいのかっ???
ま、実際はボートで運んできたマレー料理のビュッフェランチで、とてもおいしかったですが・・・
で、このテラスの下がクリアウォーターケイブからの支流になっており、若者隊員たちは・・・
ばしゃばしゃと・・・
わたくし98kは汗まみれのサイクルジャージをばしゃばしゃ水洗いしただけでしたが・・・
で、食後にまったりと休憩してから再びボートに乗船しました。
クリアウォーターケイブへの支流から本流まで戻ると・・・
川の色が変わりましたね・・・やはりクリアウォーターだったんですね・・・
と、この後はHQ(公園事務所)の船着き場で下船、ディアケイブへのトレッキングコースを再び歩き、
その途中から分岐してキャノピーウォーク(ツリーウォーク)を楽しみます。
(以下次号)