2017年09月07日
バルセロナ紀行2 旧市街散策
(期間限定のお知らせ)
①2017秋の熊野キャンプへのお誘い記事はこちらです。
②日程が重なりますが2017年10月7日に「世界水フォーラムの展望と課題」講演会があります。
7月26日は朝からバルセロナの旧市街を散策しました。
スペイン・カタルーニャ州の州都バルセロナ・・・
今や世界でも有数の観光都市で、うちの奥様がイタリア・トスカーナでのホームステイからの帰りに
ぜひ寄ってみたいと4泊5日(実際には予期せぬ欠航で3泊4日に
)の日程を追加してたのであります。
まずはステイ先から歩いてすぐの地下鉄最寄駅へ・・・


券売機の使い方を説明してくれてるのは、今回うちの奥様がネットで一日ガイドをお願いしていた、
なんとフランス人!!!・・・のティエリーさん。
バルセロナでは数少ない政府公認ガイドでスペイン語やカタルーニャ語はもちろん英語、日本語など、
多くの言語を自由に操れ、しかも大阪の高槻市寝屋川市で7年間、語学教師をされてたので大阪語
も堪能!!!
(ご本人から連絡があり修正しました。ご本人は「書き直さなくてもええで!!!」とのことでしたが・・・
)
もちろん、フランス人としてはただ一人の政府公認ガイドであります。
で、さっそく大阪語
で尋ねてみました・・・
「ところであんた、フランス語は話せるんかいな?」
「フランス語はあきまへん・・・って、ちゃうちゃう、さっきからフランス人やて言うてるやないかっ!!!」
と、大阪語の高度な活用法「一人ボケ・ツッコミ」もできるという、まさに語学の達人!!!
世界中を旅するのが好きで、若い頃はあちこちで語学教師をしながら暮らしたけど中年になってからは
大好きなバルセロナに定住して、その素晴らしさを伝える個人ガイドの仕事をしているとのことでした。
また、カタルーニャへの思いが充分に伝わらないので団体客や大手旅行社の仕事はすべて断ってるし、
観光シーズンで最もガイド依頼の多い8月は、自分自身が旅に出たいので毎年自主休業にしてるし、
まあ、あんまり儲かりまへんわ・・・ともおっしゃってました。
カタルーニャの素晴らしさを伝えたいという思いは(おそらく原住のガイド以上に)充分に伝わってきて、
事前のやり取りでも、早めの予約が必要な施設もあるのでと、何度も希望を訊いてくれてたのですが、
わたくしは有名な美術館などの内部見学よりも、むしろ市街を散策して街の歴史と雰囲気を感じたいと
お願いしてて、それなら地下鉄で移動してバルセロナの歴史をメインに案内しましょう、となった次第。
ま、バルセロナもフィレンツェと同じく世界的に有名な観光都市ですから、ネット上には画像や情報が
いっぱいありますので、こちらの記事では、わたくしが面白いと思った部分だけを紹介します。
バルセロナ地下鉄の改札。

日本の自動改札に似てますが、市街なら同一料金なので改札前に切符や回数券を入れてゲートを通過、
出るときには開いてるゲートをそのまま通過するだけです。
一枚の回数券で一度に何人でも使えるので便利ですが、日本の自動改札に慣れてたら間違いなく、
投入口に還ってくる回数券を回収せずにゲートを通過してしまいますね。
ちなみに東京や大阪と同様、市街地を網の目のように走る地下鉄ですが、駅構内にトイレは一切なく、
ティエリーさんに訊いたところ、以前に市議会で駅にトイレを設置すべきとの質問があったのに対し、
当時の市長が「地下鉄の平均乗車時間は短いので我慢できる。だから要らない。」と答えたとか・・・
たしかにフィレンツェなどでも公衆トイレは少なく、街中あちこちにあるバルやカフェテリアを利用する、
という習慣がここでも定着しているんでしょうね・・・
自治体や鉄道事業者の予算が厳しい中、清潔に保つために有料トイレを設置するよりは合理的ですね。
そういえばフィレンツェSMN駅の有料トイレの料金は、バールのコーヒー代とあまり変わりませんでした。
まあ、「トイレだけでコーヒーを飲んでる時間なんかない。」という忙しい日本人には不向きか・・・
さらにちなみに・・・

イタリアでもそうでしたがドアを開けるのは押しボタン式、いくら待ってても開きません。
ラッシュ時とかは車掌さんが開閉するそうですが、秒単位の時刻表で運行していて、
駅の停車秒数でも調整している日本の地下鉄には、やはり不向きかも・・・
と、いったん一駅分だけ地下鉄に乗って、地上へ出ました・・・

レンタル・セグウェイとか・・・

乗り捨て自由のシティ・サイクルとか・・・

自転車とか歩行者とか・・・

歩行者の素敵なおねいさんとか・・・
ま、こんなのもありましたが・・・

そう・・・


ご覧のとおり、車道を狭め歩道を拡幅して専用レーンを設置、クルマ以外の交通手段を優先する街への
転換が進んでいて、道幅の狭い旧市街などはクルマの進入そのものが制限されてるようでした。
大通りでは・・・

バスと・・・

タクシーが多かったです。
ま・・・古い街には・・・



やはりクラッシック・バイクが絵になりますねえ・・・
と、海側から旧市街へ向かいます。

やや上り坂になっているのにお気づきでしょうか・・・
突き当りに見えてきたのが・・・



旧市街へ入る城壁跡・・・はるか昔は城壁の外がすぐに海岸だったとか・・・
そう、ティエリーさんの資料によると・・・

まさに左奥⑨の城門あたりの外側に立っています。(画像をクリックすると拡大します)
ティエリーさんは政府公認ガイドだけあって「一人ボケ・ツッコミ」だけでなく
街の歴史にも詳しく、
古代ローマ帝国によって造られた遺構から年代順に、旧市街を案内してくれました。



古代ローマの遺構は大部分が地下に埋まってて、その一部が基礎や壁面として利用されてます。
で、先ほどの資料でローマ神殿のあった中央広場まで緩やかに上っていくと・・・

当時の中央広場のあったところが・・・

左にある市役所前の広場になっています。
市庁舎など広場を囲む建物も歴史があり、まさに歴史の積み重ねですね・・・
玄関前ではデモ隊が気勢を上げてましたが、ティエリーさんによると、いつものことだとか。

デモ隊を眺める通行人とサイクリスト・・・
で、ここの地下には・・・

中央広場にあったローマ神殿の円柱部分が・・・

なんと、

一部そのまま残っているのであります。
たまたま建物の柱の一部として中世以降も奇跡的に残ってたそうで・・・



古い碑文とともに地下まで発掘して保存・公開されています。まさに歴史の積み重ね・・・
で、こちらも地下に保存されていた・・・

古代ローマのロードバイク・・・なのかっ???
こちらは中世の有名な教会・・・





そう、おなじみ「怪獣たちのすむところ」・・・
で、さらに時代が下って・・・


コロンブスがアメリカ大陸から帰国後にイサベル女王に謁見した宮殿の中庭「王の広場」・・・
で・・・


有名な門と手形と碑文・・・だったはずですが、説明を聞き逃してしまいました。

有名な航海日誌の重要な部分の写し・・・だったはずですが・・・
こちらも有名な教会と広場・・・


こちらは1888年開催のバルセロナ万国博にあわせて改築されたそうで・・・
その前は・・・

もっとシンプルだったそうです。よく見れば窓や入口の位置はそのままですね・・・
と、ようやく旧市街を抜けてきました。



ローマ時代の城壁と水道橋の一部を利用しています。
そう、冒頭で紹介した資料の・・・

ちょうど右端③の城壁・水道橋部分で、これでローマ時代の旧市街を横断したことになります。
その間に古代ローマからロマネスク、ゴシック、ルネサンス、バロックと各時代の遺構や建物がありました。
バルセロナも、今回の旅で歩いたカターニャやシラクーサ、フィレンツェやルッカ、ピサなどと同じく、
旧市街を歩くと、古くからの都市の歴史を感じさせてくれます。
今回は極めて短時間でしたが、ティエリーさんの効率的な案内で、その概要を知ることができました。
と、新市街へ出たところがメインストリートの「ランブラス通り」で、この通りを・・・





有名なミロのモザイク・タイルのあるところまで歩きました。
そう・・・
この3週間後の8月17日に暴走車によるテロ事件があり、多くの方々が亡くなられたルートです。
フィレンツェやピサでは完全武装した警備の兵士もいましたが、クルマだけなら爆弾や銃と異なり、
簡単に入手できますし、人通りの多い道路での暴走を防ぐことなど、どの街でも不可能でしょう。
日本にいるとテロを意識することはまずありませんが、暴走事件や暴走事故は発生していますから、
ヨーロッパに限らず人通りの多い歩道では、クルマの暴走にも注意するしかないですね。
あらためて、ここのテロで亡くなられた方々のご冥福をお祈りします。
(次号に続きます。)
①2017秋の熊野キャンプへのお誘い記事はこちらです。
②日程が重なりますが2017年10月7日に「世界水フォーラムの展望と課題」講演会があります。
7月26日は朝からバルセロナの旧市街を散策しました。
スペイン・カタルーニャ州の州都バルセロナ・・・
今や世界でも有数の観光都市で、うちの奥様がイタリア・トスカーナでのホームステイからの帰りに
ぜひ寄ってみたいと4泊5日(実際には予期せぬ欠航で3泊4日に

まずはステイ先から歩いてすぐの地下鉄最寄駅へ・・・


券売機の使い方を説明してくれてるのは、今回うちの奥様がネットで一日ガイドをお願いしていた、
なんとフランス人!!!・・・のティエリーさん。
バルセロナでは数少ない政府公認ガイドでスペイン語やカタルーニャ語はもちろん英語、日本語など、
多くの言語を自由に操れ、しかも大阪の

(ご本人から連絡があり修正しました。ご本人は「書き直さなくてもええで!!!」とのことでしたが・・・

もちろん、フランス人としてはただ一人の政府公認ガイドであります。
で、さっそく大阪語

「ところであんた、フランス語は話せるんかいな?」
「フランス語はあきまへん・・・って、ちゃうちゃう、さっきからフランス人やて言うてるやないかっ!!!」
と、大阪語の高度な活用法「一人ボケ・ツッコミ」もできるという、まさに語学の達人!!!

世界中を旅するのが好きで、若い頃はあちこちで語学教師をしながら暮らしたけど中年になってからは
大好きなバルセロナに定住して、その素晴らしさを伝える個人ガイドの仕事をしているとのことでした。
また、カタルーニャへの思いが充分に伝わらないので団体客や大手旅行社の仕事はすべて断ってるし、
観光シーズンで最もガイド依頼の多い8月は、自分自身が旅に出たいので毎年自主休業にしてるし、
まあ、あんまり儲かりまへんわ・・・ともおっしゃってました。

カタルーニャの素晴らしさを伝えたいという思いは(おそらく原住のガイド以上に)充分に伝わってきて、
事前のやり取りでも、早めの予約が必要な施設もあるのでと、何度も希望を訊いてくれてたのですが、
わたくしは有名な美術館などの内部見学よりも、むしろ市街を散策して街の歴史と雰囲気を感じたいと
お願いしてて、それなら地下鉄で移動してバルセロナの歴史をメインに案内しましょう、となった次第。
ま、バルセロナもフィレンツェと同じく世界的に有名な観光都市ですから、ネット上には画像や情報が
いっぱいありますので、こちらの記事では、わたくしが面白いと思った部分だけを紹介します。
バルセロナ地下鉄の改札。

日本の自動改札に似てますが、市街なら同一料金なので改札前に切符や回数券を入れてゲートを通過、
出るときには開いてるゲートをそのまま通過するだけです。
一枚の回数券で一度に何人でも使えるので便利ですが、日本の自動改札に慣れてたら間違いなく、
投入口に還ってくる回数券を回収せずにゲートを通過してしまいますね。

ちなみに東京や大阪と同様、市街地を網の目のように走る地下鉄ですが、駅構内にトイレは一切なく、
ティエリーさんに訊いたところ、以前に市議会で駅にトイレを設置すべきとの質問があったのに対し、
当時の市長が「地下鉄の平均乗車時間は短いので我慢できる。だから要らない。」と答えたとか・・・
たしかにフィレンツェなどでも公衆トイレは少なく、街中あちこちにあるバルやカフェテリアを利用する、
という習慣がここでも定着しているんでしょうね・・・
自治体や鉄道事業者の予算が厳しい中、清潔に保つために有料トイレを設置するよりは合理的ですね。
そういえばフィレンツェSMN駅の有料トイレの料金は、バールのコーヒー代とあまり変わりませんでした。
まあ、「トイレだけでコーヒーを飲んでる時間なんかない。」という忙しい日本人には不向きか・・・

さらにちなみに・・・

イタリアでもそうでしたがドアを開けるのは押しボタン式、いくら待ってても開きません。
ラッシュ時とかは車掌さんが開閉するそうですが、秒単位の時刻表で運行していて、
駅の停車秒数でも調整している日本の地下鉄には、やはり不向きかも・・・

と、いったん一駅分だけ地下鉄に乗って、地上へ出ました・・・

レンタル・セグウェイとか・・・

乗り捨て自由のシティ・サイクルとか・・・

自転車とか歩行者とか・・・

歩行者の素敵なおねいさんとか・・・

ま、こんなのもありましたが・・・

そう・・・


ご覧のとおり、車道を狭め歩道を拡幅して専用レーンを設置、クルマ以外の交通手段を優先する街への
転換が進んでいて、道幅の狭い旧市街などはクルマの進入そのものが制限されてるようでした。
大通りでは・・・

バスと・・・

タクシーが多かったです。
ま・・・古い街には・・・



やはりクラッシック・バイクが絵になりますねえ・・・
と、海側から旧市街へ向かいます。

やや上り坂になっているのにお気づきでしょうか・・・
突き当りに見えてきたのが・・・



旧市街へ入る城壁跡・・・はるか昔は城壁の外がすぐに海岸だったとか・・・
そう、ティエリーさんの資料によると・・・

まさに左奥⑨の城門あたりの外側に立っています。(画像をクリックすると拡大します)
ティエリーさんは政府公認ガイドだけあって「一人ボケ・ツッコミ」だけでなく

古代ローマ帝国によって造られた遺構から年代順に、旧市街を案内してくれました。



古代ローマの遺構は大部分が地下に埋まってて、その一部が基礎や壁面として利用されてます。
で、先ほどの資料でローマ神殿のあった中央広場まで緩やかに上っていくと・・・

当時の中央広場のあったところが・・・

左にある市役所前の広場になっています。
市庁舎など広場を囲む建物も歴史があり、まさに歴史の積み重ねですね・・・
玄関前ではデモ隊が気勢を上げてましたが、ティエリーさんによると、いつものことだとか。


デモ隊を眺める通行人とサイクリスト・・・
で、ここの地下には・・・

中央広場にあったローマ神殿の円柱部分が・・・

なんと、

一部そのまま残っているのであります。
たまたま建物の柱の一部として中世以降も奇跡的に残ってたそうで・・・



古い碑文とともに地下まで発掘して保存・公開されています。まさに歴史の積み重ね・・・
で、こちらも地下に保存されていた・・・

古代ローマのロードバイク・・・なのかっ???

こちらは中世の有名な教会・・・





そう、おなじみ「怪獣たちのすむところ」・・・

で、さらに時代が下って・・・


コロンブスがアメリカ大陸から帰国後にイサベル女王に謁見した宮殿の中庭「王の広場」・・・
で・・・


有名な門と手形と碑文・・・だったはずですが、説明を聞き逃してしまいました。


有名な航海日誌の重要な部分の写し・・・だったはずですが・・・

こちらも有名な教会と広場・・・


こちらは1888年開催のバルセロナ万国博にあわせて改築されたそうで・・・
その前は・・・

もっとシンプルだったそうです。よく見れば窓や入口の位置はそのままですね・・・
と、ようやく旧市街を抜けてきました。



ローマ時代の城壁と水道橋の一部を利用しています。
そう、冒頭で紹介した資料の・・・

ちょうど右端③の城壁・水道橋部分で、これでローマ時代の旧市街を横断したことになります。
その間に古代ローマからロマネスク、ゴシック、ルネサンス、バロックと各時代の遺構や建物がありました。
バルセロナも、今回の旅で歩いたカターニャやシラクーサ、フィレンツェやルッカ、ピサなどと同じく、
旧市街を歩くと、古くからの都市の歴史を感じさせてくれます。
今回は極めて短時間でしたが、ティエリーさんの効率的な案内で、その概要を知ることができました。
と、新市街へ出たところがメインストリートの「ランブラス通り」で、この通りを・・・





有名なミロのモザイク・タイルのあるところまで歩きました。
そう・・・
この3週間後の8月17日に暴走車によるテロ事件があり、多くの方々が亡くなられたルートです。
フィレンツェやピサでは完全武装した警備の兵士もいましたが、クルマだけなら爆弾や銃と異なり、
簡単に入手できますし、人通りの多い道路での暴走を防ぐことなど、どの街でも不可能でしょう。
日本にいるとテロを意識することはまずありませんが、暴走事件や暴走事故は発生していますから、
ヨーロッパに限らず人通りの多い歩道では、クルマの暴走にも注意するしかないですね。
あらためて、ここのテロで亡くなられた方々のご冥福をお祈りします。
(次号に続きます。)