2020年02月28日
銃・病原菌・鉄
2月末だとゆーのに、ここ数日は大阪でも寒い日々が続いています。
でも最近は「冬キャン」がブームになってるようで、確かに真夏の暑さはどうにもならないものの、
冬の寒さなら装備次第で何とでもなりますし、凛とした静けさの中で飲むホットウィスキーなんぞは、
わたくしも大好きなんですが、さすがに冬に気軽に行けるキャンプサイトとなると限られてきますし、
準備も春秋キャンプよりはやや面倒だし、なんといってもお外は寒いことだし・・・へらへら
つーことで、当サイトでは「引きこもり泥酔・読書感想文」とかが続いてるのでありますね。
ま、たまたま今夜は飲み会で泥酔帰宅、先ほど起きたところなんですが・・・ひっく
と、今回は遅ればせながら・・・
「銃・病原菌・鉄」~13000年にわたる人類史の謎~(文庫版上下巻)のご紹介であります。
ジャレド・ダイアモンド著 倉骨 彰訳 草思社 2012年2月10日 第1刷発行・・・
単行本は同社から2000年に刊行されてて、原著は1997年の刊行ですから、23年前に書かれた
本とゆーことになります。なので最新の知見や発見が載っていないのはとーぜんなんですが、
今回借りた文庫版の下巻は、なんと2019年10月31日発行の第32刷になってました。
そう、今も多くの人に愛読されてるようで、図書館の貸し出し予約もけっこう埋まってました。
とりあえず裏表紙にあった惹句・・・
ま、今流行りの病原菌つーのは別として、銃・鉄とゆータイトルには興味津々でした。
そう、著者のTV番組シリーズを観て一度は読みたいと思ってたのですが、なかなか機会がなく、
今回、ようやく借りることができた次第。
例によって目次のみご紹介
とりあえずプロローグより、わたくしが興味深かった一部のみ要約・・・
・著者が(1970年代に)ニューギニア人のほうが西洋人よりも「頭がいい」と思った理由
まず遺伝的に・・・
数千年前からヨーロッパ社会では疫病を逃れることさえできれば、社会制度などにより、
たいてい自分の遺伝子を残すことができた。
で、疫病で死ぬかどうかは「頭のよさ」とは関係のない遺伝的な抵抗力の差だけだった。
いっぽうニューギニア社会では疫病が発生するほど人口が稠密ではなく、主な死因は殺人や
部族間の争い、事故や飢えなどで、このような社会で生き残るのは遺伝的に「頭のいい」人間。
非遺伝的にも・・・
現代のヨーロッパやアメリカでは殆どの子どもがテレビなど受動的な娯楽の中で暮らしている。
ニューギニアにそんな娯楽はなく、他の子どもたちや大人と話したり遊んだりして暮らしている。
子ども時代に刺激的な活動が不足すると知的発育の阻害が避けられないことは明らか。
・それなのになぜ、今もニューギニア人と欧米人の生活に大きな格差があるのか・・・
・西暦1500年以降、直接的にはヨーロッパの銃と病原菌と鉄が世界の大部分を征服した。
なぜ人類が最も長期にわたって進化を遂げたアフリカではなかったのか・・・
・インカ帝国がスペイン帝国を征服せず、その逆になった究極の要因は何か・・・
・アメリカ先住民や非ユーラシア人の多くがヨーロッパ人の持ち込んだ病原菌の犠牲になったのに、
侵略してきたヨーロッパ人が致死性の病原菌には殆ど遭遇していないのはなぜか・・・
・近くのニューギニアで食糧生産が行われるようになってからも、オーストラリア・アボリジニが
狩猟採集のままであり続けた理由とは・・・
などなど・・・
と、これだけでも、わたくしは夢中になったのですが・・・わくわく
ま、まだ上巻しか読んでないので「読書感想文とメモ」については、いずれ追記するかもですが、
長年のフィールドワークとあらゆる最新分野からのアプローチで人類史を振り返るという手法は、
1997年当時としても画期的だったでしょうし、わたくしが1970年代にたまたま聴いて感銘を受けた、
小松左京氏の「(生命誕生からの)現代史」の授業と同様に、あらためて人類とその歴史について、
広い視野から考えさせてくれそうな本であります。わくわく
(ちなみに2月25日からNHKのEテレではじまった「欲望の時代の哲学2020」マルクス・ガブリエル
NY思索ドキュメント5回シリーズも楽しみに見ています。わくわく)
(追記です。)
こんなご時世なので、感染症に関する第11章の部分メモを承前としてアップしました。
この記事へのコメント
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梅棹忠夫の「文明の生態史観」との類似点や差異についつい目が行きますが、日本を孤立した島嶼と見るか、都市文明発祥地の脇にあり程よい距離にある地と見るかの差異。
日本人かアメリカ人かのショービズムの差異かも知れません。
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コメントありがとうございます。
わたくし「冬キャン」には1回も行かなかったけどwingさんたちと「へやキャン」は実家で2回ほど・・・
みなさんシュラフやランタン持参なので、それなりに雰囲気は出ましたがガスファンヒーター付きでした。
コメントありがとうございます。
そーいやmixiのコミュは最近更新されてませんねえ・・・
梅棹忠夫「文明の生態史観」は読んでないのですが、わたくし人類史・文明史の入門書は今でもわりと好きですね。
学生時代の専攻は政治史でしたが、やはり小松左京氏の影響でしょうか、国家の起源や文明史ばかりに興味を持ってました。
東アジアの地図を90度傾けると日本列島はちょうどパチンコ台の受け皿になると、どなたかが書いておられましたが、
稲作も砂鉄による鉄器作りも馬も政治・宗教システムも、はたまた人材までも、昔は程よく取り込んでますね。
ちなみに本書日本語版への序文によると著者の奥さんは日本人で、けっこう日本史にも造詣は深そうですね。
(追記修正です。)
序文では「私の妻の日本人の親戚・・・」とありましたので奥さんご本人ではないようです。