防災備蓄食の確認・・・週刊文春2021.8.12・19メモ

2021年09月04日

墜落 フリーフォール

とーとつですが・・・

P8310366

墜落 フリーフォール・・・とゆー小説のご紹介であります。原題はFREEFALL

著者 ジェシカ・バリー 訳者 法村里絵 解説 三橋 曉 編集 集英社クリエイティブ
集英社文庫  2020年1月25日 第1刷発行



裏表紙にあった惹句・・・

P8310367

ひさしぶりに新人のデビュー作でハラハラ・ドキドキして最後まで一気に読みました。

ロバート・ラドラム、クライブ・カッスラー、トム・クランシーの名シリーズそれぞれの
第一作を読んだ時のハラハラ・ドキドキ感が蘇ったような感じでした。

過去への回想と現実が交錯する女性一人称の語り口で、ロッキー山中のサバイバル逃避行も、
メイン州の田舎町の暮らしも、現代アメリカ社会の家族や組織の表裏もリアルに描かれてて、
新作なので詳しく紹介できませんが裏表紙にあるような展開で、とても面白かったです。

解説によると、本作は著者のデビュー作となるものの2019年1月にアメリカで刊行された際の
出版権料は日本円にすれば億単位、出版前から翻訳権のオファーも殺到してたそうで、
現在すでに17ヶ国で出版されているとのことでした。

各章ごとに、過酷な自然で単独サバイバル逃避行を続ける娘の、一人称で語られる話と、
ある事情で娘とは2年も音信不通になっていたものの、どうしてもその死が信じられず、
メイン州の自宅で事故の背景を調べる母親の、やはり一人称で語られる話とが同時進行で進み、
かたやノンストップ・アクションもの、かたや自宅で真相に迫ろうとするインドアもので、
その対比や、同時に回想される生き方や家族の在り方というのも面白かったです。

各章が交互に、二人の主人公の一人称によって語られ、物語が同時進行していく・・・
つーのは森見登美彦の「夜は短し歩けよ乙女」と同じ構成ですが、「夜は短し・・・」が
京都市街の狭い範囲での狭い人間関係を描いた「スモールワールド」だったのとは真逆で、
ロッキー山脈の大自然もカリフォルニアの乾いた世界もメイン州の湿った世界も大都会での
セレブや大企業の世界も、その裏側もたっぷりで、わたくしはどちらも大好き・・・

さらに主人公(娘側)が小さい頃にアウトドア好きの父親から教えてもらい都会では忘れていた
サバイバル技術を次々と思い出して危機を切り抜ける中で、これまでの虚飾を徐々に捨て去り
やがて本来の自分を取り戻していく、つーのも「Wild(邦題わたしに会うまでの1600キロ)」
などの作品を彷彿させてくれましたし、夏のロッキー山脈でのサバイバル描写についても
水の確保や雨中での火熾しの仕方など、どれもリアルで迫力がありました。

ま、家族の葛藤や勧善懲悪、インドア(静)とアウトドア(動)での戦いの対比とかは、最近の
アクション・サスペンスの定番といえば定番、主人公以外の善玉が次々と悪玉にやられるのも、
巨大組織やその人間関係は信頼できないもので最後に頼れるのは個人の力と真実の愛だけ!
とゆーのも、息もつかせぬ展開とアッと驚く真相!とゆーのも、ハリウッド的な
正統派ですが、
しっかりと新人作家にも引き継がれてるんですね。

このデビュー作がアメリカで出版前から評判になっていたとゆーのも頷ける作品でした。

ちなみに解説によると2020年6月には2作目が刊行と予告されてるようで、今回調べた限り、
まだ日本での新刊情報はないようですが、映画化も次回作も楽しみです。わくわく




m98k at 09:04│Comments(0) mixiチェック 書斎 | その他アウトドア

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
防災備蓄食の確認・・・週刊文春2021.8.12・19メモ