ナチスのキッチンもてなしとごちそう・・・

2021年11月06日

給食の歴史


年相応に「食」の量も質も考えないといけないし、外で食べる環境についても・・・
そう「ご飯おかわり自由」とか「大盛り無料」の看板で店を選ぶ習慣とかも・・・

つーことで引き続き「食」に関する本のご紹介

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給食の歴史 藤原辰史著 岩波新書 2018年11月20日第1刷発行



例によって目次のみ・・・

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わたくしの世代は目次でいえば第3章から第4章の間ぐらいで「テトラパック牛乳」は中学校の
購買部で初めて知りましたし、小学校給食ではまだ「脱脂粉乳とコッペパン」が主流でした。


この著者の著作については既に何冊か紹介してますので、今回もわたくしの読後メモの中から
思いつくキーワードのみを抜粋してますので、興味のある方はご一読を・・・


学校給食を囲む基本的条件
・家族以外の人々と、
・貧富の差を棚上げして、
・食品産業のビジネスの場(1988年の段階で人件費と食材費で年間1兆4千億円)で、
・不思議な雰囲気を醸し出しつつ、
・同じ時間に同じ場所で同じものを子どもたちが一緒に食べる

①子どもの貧困対策という視角
→経済成長以降の合理化→家で満足に食べられない子どもたち
②「災害大国の給食」という視角
→災害時に給食施設のない不利益と給食施設と調理員が炊き出しの拠点になったこと
③運動史からの視角
→貧困児童救済→関東大震災後の普及→敗戦直後の試み→学校給食法の制定→センター方式の阻止
→調理員などの地位向上、僻地の完全給食普及などは、すべて現場の運動による
④教育史からの視角
→教育とは切り離すべきとの議論と給食の教育効果
⑤世界史の中の日本の給食史という視角
→19世紀の国民国家→労働者や兵士を合理的に創出する義務教育制度→家庭の貧困の可視化
→貧困者には無償→目立つので全校給食へ→世界的な現象の日本的な展開→食の管理と市場開拓

・弱く劣り失敗する個人を救済し市場メカニズムを維持する「介入的な自由主義」
→ボーア戦争→イギリス貧民の栄養状態が悪く兵士不足に→給食の国営化→ドイツも
→サッチャーの公的部門の民営化と地方への押し付け→競争入札→健康状態の悪化→給食改善運動へ

・ニューディールによる余剰農作物対策と失業婦人の雇用対策としての給食
→レーガンの新自由主義による削減→質が低くカロリーの高いものに→NYの公立小学校では50%が肥満児に

・新自由主義による廃止や民営化→新自由主義がもたらした格差の拡大→給食の復活や質の改善へ




m98k at 11:06│Comments(0) mixiチェック 書斎 | 糧食、飲料

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