2022年01月12日
たこ焼きの岸本シリーズ
とーとつですが・・・
「阪堺電車177号の追憶」記事と同じつーか、さらにローカルな話題・・・
「たこ焼きの岸本」であります・・・
蓮見恭子著 角川春樹事務所ハルキ文庫 2020年3月18日第一刷発行
裏表紙の惹句
著者は2010年に横溝正史ミステリー大賞の優秀賞を受賞されたミステリー作家だそうで、
こちらの作品で2020年の大阪ほんま本大賞を受賞されたとのこと。
ちなみに著者のご実家は堺の古い包丁鍛冶屋だとか・・・
で、何とこの小説の舞台が、わたくしが学齢前から暮らしているエリアにある「粉浜商店街」
そう、粉浜商店街界隈のミニコミ誌「こはま日和」つーのが昨年末に創刊され、その創刊号で
本シリーズが特集されてたので、はじめて存在を知った次第。
いちおー架空の商店街名になってますし実際の店名なども一部びみょーに変えてあるものの、
周辺のお店や施設も含め、近所で暮らす人なら「ああ、ここのモデルはあそこやな」と
すぐに分かるぐらい、位置関係や施設の内容も正確に描かれてました。
著者も小さい頃から阪堺線に乗って住吉大社や粉浜商店街によく通ってたとインタビューに
ありましたが、商店や住宅の配置や時代による推移、さらに本作は2019年とゆー設定なので
2018年に大阪を襲った台風19号が残した爪痕など、実にリアルに描かれてました。
で、お話は惹句にもあるように・・・
堺で育った主人公は高校の頃から商店街のお好み焼き屋「フクちゃん」でアルバイトしてて、
卒業後は万代池近くの「万代病院」に事務員として就職、紆余曲折の末、23歳で商店街の
ブティック「リリアン」の息子と結婚し一人息子を授かったものの、結婚後もずっと身勝手に
暮らしてた夫は3年前に急死、一人息子は18歳で家出したままで10年あまりも消息不明、
すでに50歳も過ぎ、夫が古家の一部を改造して始めた小さなたこ焼き屋を今も続けている、
典型的な世話焼きの「大阪のおばちゃん」で、身の回りに起きる様々な事件?を、商店街の
人たちと協力しながら解決していく、とゆー設定であります。
親と子や男と女の人間関係、軽いミステリーなんかも見事に描かれてて楽しめましたが、
粉浜での暮らしぶりが登場人物のセリフも含め、じつに自然で地元の人間でも全く抵抗なく
入り込めましたし、知らないグルメ紹介もいっぱい、さらに「狭い世界」のはずなのに
意外なストーリー展開もあって、あっとゆー間に読んでしまいました。
地元を知らない人が読んでも楽しめる、つーのは阪堺電車177号~と同じですね。
シリーズ第二作「涙の花嫁行列」であります。
2020年11月28日第一刷発行
裏表紙の惹句
こちらは主人公の高校時代から23歳で結婚し住吉大社で花嫁行列するまでが描かれてて、
第一作の前日談になりますが舞台は昭和50年代の粉浜・住吉大社界隈、当時のじょしこーせーや
商売人たちの生活描写が見事で水中ステーションのあったアベノプールや近所の各喫茶店から、
(第三作の回想シーンでは)当時のBORO、上田正樹、憂歌団も登場して懐かしい限りでした。
シリーズ第三作「大阪で生まれた女」であります。
2021年5月18日第一刷発行
裏表紙の惹句
こちらは第一作からほぼ1年後、2020年の粉浜商店街が舞台で、その盛衰やチェーン店の進出、
粉もんをはじめとする下町グルメがさらに詳細に描かれてて、最後は昭和~平成~令和と
世代も考え方も変わっていく中で苦しみ悩み、それでも自分で選んだ人生を懸命に生きていく
主人公や周囲の人たちの生き方が、とても爽やかで感動しました。
ちなみに第三作のタイトルにもなってるBORO「大阪で生まれた女」の歌詞が18番まである
つーのは、恥ずかしながら本作を読んではじめて知りました。
めっちゃリアルでええ歌詞やったんやね・・・タイトルにした気持ち、ようわかります・・・
高校卒業までこのエリアで過ごし、今は他府県で暮らしてる息子たちにも是非読んで欲しい
と思いましたし、大阪下町の暮らしを知りたいエリア外・大阪外の人たちにもオススメです。
「阪堺電車177号の追憶」記事と同じつーか、さらにローカルな話題・・・
「たこ焼きの岸本」であります・・・
蓮見恭子著 角川春樹事務所ハルキ文庫 2020年3月18日第一刷発行
裏表紙の惹句
著者は2010年に横溝正史ミステリー大賞の優秀賞を受賞されたミステリー作家だそうで、
こちらの作品で2020年の大阪ほんま本大賞を受賞されたとのこと。
ちなみに著者のご実家は堺の古い包丁鍛冶屋だとか・・・
で、何とこの小説の舞台が、わたくしが学齢前から暮らしているエリアにある「粉浜商店街」
そう、粉浜商店街界隈のミニコミ誌「こはま日和」つーのが昨年末に創刊され、その創刊号で
本シリーズが特集されてたので、はじめて存在を知った次第。
いちおー架空の商店街名になってますし実際の店名なども一部びみょーに変えてあるものの、
周辺のお店や施設も含め、近所で暮らす人なら「ああ、ここのモデルはあそこやな」と
すぐに分かるぐらい、位置関係や施設の内容も正確に描かれてました。
著者も小さい頃から阪堺線に乗って住吉大社や粉浜商店街によく通ってたとインタビューに
ありましたが、商店や住宅の配置や時代による推移、さらに本作は2019年とゆー設定なので
2018年に大阪を襲った台風19号が残した爪痕など、実にリアルに描かれてました。
で、お話は惹句にもあるように・・・
堺で育った主人公は高校の頃から商店街のお好み焼き屋「フクちゃん」でアルバイトしてて、
卒業後は万代池近くの「万代病院」に事務員として就職、紆余曲折の末、23歳で商店街の
ブティック「リリアン」の息子と結婚し一人息子を授かったものの、結婚後もずっと身勝手に
暮らしてた夫は3年前に急死、一人息子は18歳で家出したままで10年あまりも消息不明、
すでに50歳も過ぎ、夫が古家の一部を改造して始めた小さなたこ焼き屋を今も続けている、
典型的な世話焼きの「大阪のおばちゃん」で、身の回りに起きる様々な事件?を、商店街の
人たちと協力しながら解決していく、とゆー設定であります。
親と子や男と女の人間関係、軽いミステリーなんかも見事に描かれてて楽しめましたが、
粉浜での暮らしぶりが登場人物のセリフも含め、じつに自然で地元の人間でも全く抵抗なく
入り込めましたし、知らないグルメ紹介もいっぱい、さらに「狭い世界」のはずなのに
意外なストーリー展開もあって、あっとゆー間に読んでしまいました。
地元を知らない人が読んでも楽しめる、つーのは阪堺電車177号~と同じですね。
シリーズ第二作「涙の花嫁行列」であります。
2020年11月28日第一刷発行
裏表紙の惹句
こちらは主人公の高校時代から23歳で結婚し住吉大社で花嫁行列するまでが描かれてて、
第一作の前日談になりますが舞台は昭和50年代の粉浜・住吉大社界隈、当時のじょしこーせーや
商売人たちの生活描写が見事で水中ステーションのあったアベノプールや近所の各喫茶店から、
(第三作の回想シーンでは)当時のBORO、上田正樹、憂歌団も登場して懐かしい限りでした。
シリーズ第三作「大阪で生まれた女」であります。
2021年5月18日第一刷発行
裏表紙の惹句
こちらは第一作からほぼ1年後、2020年の粉浜商店街が舞台で、その盛衰やチェーン店の進出、
粉もんをはじめとする下町グルメがさらに詳細に描かれてて、最後は昭和~平成~令和と
世代も考え方も変わっていく中で苦しみ悩み、それでも自分で選んだ人生を懸命に生きていく
主人公や周囲の人たちの生き方が、とても爽やかで感動しました。
ちなみに第三作のタイトルにもなってるBORO「大阪で生まれた女」の歌詞が18番まである
つーのは、恥ずかしながら本作を読んではじめて知りました。
めっちゃリアルでええ歌詞やったんやね・・・タイトルにした気持ち、ようわかります・・・
高校卒業までこのエリアで過ごし、今は他府県で暮らしてる息子たちにも是非読んで欲しい
と思いましたし、大阪下町の暮らしを知りたいエリア外・大阪外の人たちにもオススメです。