2022年09月01日
飛行艇時代・・・
9月に入りましたが前回記事からの続きとゆーか、その原作とゆーか、今回は・・・
『映画「紅の豚」原作~飛行艇時代~増補改訂版』の(一部の)ご紹介であります
表紙
裏表紙
著者、発行所、発行年月日なんぞは奥付のとおり
例によって目次のみのご紹介・・・
映画の原作となった宮崎駿の漫画「飛行艇時代」第1話~第3話(全話)に加え、映画に出てくる
飛行艇やその背景にある歴史、モデル化の過程などを、さらに増補改訂した本であります。
どの項目も面白く、丹念に読んでメモしましたが、今回記事では原作漫画をメインに・・・
まずはYouTubeで岡田斗司夫が解説していた映画の冒頭シーンの謎・・・
→ポルコのアジトのテーブル上には飲みかけの赤ワインがあるのに、
→テーブルの下にはバケツに冷やされた未開封のシャンパンがある
→アジトの砂浜にはポルコの客船用デッキチェアと同じ柄のバスタオルが敷かれている
→ふだんはランニング短パン姿で裸足のポルコが飛行服に手袋ブーツの完全装備で微睡んでいる
→アジトの浜辺には小さな手漕ぎボートが置いてある・・・
これらの理由が何なのか、ひとつひとつ論証していく過程がじつに面白かったのですが、
ま、おそらく彼の妄想だったんでしょうと思いながら、全3話を読んでいくと・・・
第1話から
→まず「マンマユート団は人質に美少女をさらうので知られていた」との説明書きがあり、
→マンマユートのボスが人質の美少女(カリオストロのクラリスそのまま)を抱きかかえ、
「これでも撃てるかブタ野郎」と叫ぶと、
→「美少女は世界の宝だぞ」と、エンジンやラジエーターを狙って撃ち返すポルコ
→銃撃で不時着水したダボハゼ号にポルコが、
→「ロリコンのマンマユートへ、ムスメと金貨半分をおいてウセロ」と発光信号を送り、
→美少女が銃撃戦の隙にダボハゼ号から着衣のまま海に飛び込み逃げるシーンがあって、
→「イエーイ、ヒロインはこうでなきゃ」と喜ぶポルコが着水、彼女を海から愛機に救出、
→「アドリア海の陽光ですぐに乾きますよ」と、彼女の着衣上下!を主翼上に並べて干し、
エンジンを整備する(ふりをしている?)ポルコ
→「ありがとう」と毛布にくるまりコックピットの後ろに腰掛ける美少女
→「さあ、ご両親の元へお送りしましょう」と、彼女を膝の上に乗せて操縦するポルコ・・・
そう、この帰路の途中に彼女を膝の上に乗せたままアジトに立ち寄る計画(下心)があった
とすれば、映画冒頭シーンのお膳立ては全て辻褄が合ってくるわけで・・・ま、知らんけど・・・
第2話から
(エンジンのオーバーホールのためミラノに向かうことになったポルコ)
→「ついでにパイロットの命の洗濯もするか」と鼻歌混じりで無精ひげを剃るポルコ
→「真っ白なシーツ、美しい女達、ウヒョヒョ」(このセリフは映画にもありましたね)
(ミラノのピッコロ社に着いたポルコ)
→「誰だい、あのカワイコちゃんは?」
→「アメリカに行とったわしの孫じゃ、手を出すなよ」とピッコロ親爺
→製図台の前に座ったまま眠り込んだフィオに、そっと自分のコートをかけてやるポルコ
(マジョーレ湖での調整とテスト飛行を終え、フィオを連れミラノを飛び立つポルコ)
→「(フィオに)手を出すなぁ」と見送るピッコロ親爺
→「ひ孫を楽しみに待ってろ」と飛び去るポルコ
(このセリフは、さすがに映画には使えませんね)
→「わたしの前にはいつもフィオの笑顔があった。彼女は心から飛行を楽しんでいた・・・」
(この漫画でも映画でも、眼鏡式照準器にはフィオの顔が映り込んでいる)
第3話から
(夜、テントは(空賊たちが潜んでたので)臭いので野宿になった、との説明があり)
→やがてフィオは安らかな寝息をたてた
→「イイ子だ、ほんとにイイ子だぜ・・・」
(カーチス(漫画ではドナルド・チャック)との対決当日)
→フィオの人気はたいしたものだった。
→みんなが一緒に写真を撮りたがり、空賊共すら歯をみがいて来たのだ・・・
(カーチスとの空中戦と殴り合いでボロボロになりながらも最後に勝利し)
→抱きつくフィオと賞金と幸運のガラガラヘビが描かれたカーチスの方向舵をかかえて、
ワハハハと豪快に笑うポルコ
→前方ハッチにフィオを乗せ、雲上を飛び去る紅い飛行艇のシーンでおしまい・・・
とまあ・・・
漫画ではポルコも空賊たちも明らかに美少女好きとして描かれており、冒頭の岡田斗司夫説も
まんざら妄想だけではないと、あらためて納得した次第・・・ま、知らんけど・・・
でも、さすがに原作漫画でも最後のポルコのセリフは・・・
「イタリアを訪ねるならミラノのピッコロ社によってほしい、
その玄関にカーチスの方向舵が今もかざってあるから・・・」
と〆てましたから、やはりキマってましたね・・・
映画はもちろん、原作の漫画も素晴らしいエンディングでした。
と、原作漫画とは少し離れますが、これまで気になってた点をもうひとつだけ・・・
・作品中のサボイアS.21(フィオが改造後はS.21F)試作戦闘飛行艇と実機のマッキM33について
→ポルコの飛行艇は宮崎駿が小学生の頃に一度だけ見た写真のイメージだけで描いたもの
→その後に本人がイタリアの本屋で偶然みつけたシュナイダー・トロフィーの本によって、
小学生の頃に見た写真はマッキM33のものだったということが分かった
→さらにその後の(ポルコ機やカーチス機をモデル化した)ファインモールド社の調査により、
ポルコの飛行艇と実機マッキM33の構造が、ほぼ同じであることが判明した・・・
つまり彼がイメージしていた実機はサボイアS.21ではなくマッキM33だったわけですが、
小学生の頃の写真1枚の記憶だけで、実機構造の飛行艇を正確に描けるとゆーのが凄いですね
やはりヲタクの世界は奥が深いです・・・どっとはらい
『映画「紅の豚」原作~飛行艇時代~増補改訂版』の(一部の)ご紹介であります
表紙
裏表紙
著者、発行所、発行年月日なんぞは奥付のとおり
例によって目次のみのご紹介・・・
映画の原作となった宮崎駿の漫画「飛行艇時代」第1話~第3話(全話)に加え、映画に出てくる
飛行艇やその背景にある歴史、モデル化の過程などを、さらに増補改訂した本であります。
どの項目も面白く、丹念に読んでメモしましたが、今回記事では原作漫画をメインに・・・
まずはYouTubeで岡田斗司夫が解説していた映画の冒頭シーンの謎・・・
→ポルコのアジトのテーブル上には飲みかけの赤ワインがあるのに、
→テーブルの下にはバケツに冷やされた未開封のシャンパンがある
→アジトの砂浜にはポルコの客船用デッキチェアと同じ柄のバスタオルが敷かれている
→ふだんはランニング短パン姿で裸足のポルコが飛行服に手袋ブーツの完全装備で微睡んでいる
→アジトの浜辺には小さな手漕ぎボートが置いてある・・・
これらの理由が何なのか、ひとつひとつ論証していく過程がじつに面白かったのですが、
ま、おそらく彼の妄想だったんでしょうと思いながら、全3話を読んでいくと・・・
第1話から
→まず「マンマユート団は人質に美少女をさらうので知られていた」との説明書きがあり、
→マンマユートのボスが人質の美少女(カリオストロのクラリスそのまま)を抱きかかえ、
「これでも撃てるかブタ野郎」と叫ぶと、
→「美少女は世界の宝だぞ」と、エンジンやラジエーターを狙って撃ち返すポルコ
→銃撃で不時着水したダボハゼ号にポルコが、
→「ロリコンのマンマユートへ、ムスメと金貨半分をおいてウセロ」と発光信号を送り、
→美少女が銃撃戦の隙にダボハゼ号から着衣のまま海に飛び込み逃げるシーンがあって、
→「イエーイ、ヒロインはこうでなきゃ」と喜ぶポルコが着水、彼女を海から愛機に救出、
→「アドリア海の陽光ですぐに乾きますよ」と、彼女の着衣上下!を主翼上に並べて干し、
エンジンを整備する(ふりをしている?)ポルコ
→「ありがとう」と毛布にくるまりコックピットの後ろに腰掛ける美少女
→「さあ、ご両親の元へお送りしましょう」と、彼女を膝の上に乗せて操縦するポルコ・・・
そう、この帰路の途中に彼女を膝の上に乗せたままアジトに立ち寄る計画(下心)があった
とすれば、映画冒頭シーンのお膳立ては全て辻褄が合ってくるわけで・・・ま、知らんけど・・・
第2話から
(エンジンのオーバーホールのためミラノに向かうことになったポルコ)
→「ついでにパイロットの命の洗濯もするか」と鼻歌混じりで無精ひげを剃るポルコ
→「真っ白なシーツ、美しい女達、ウヒョヒョ」(このセリフは映画にもありましたね)
(ミラノのピッコロ社に着いたポルコ)
→「誰だい、あのカワイコちゃんは?」
→「アメリカに行とったわしの孫じゃ、手を出すなよ」とピッコロ親爺
→製図台の前に座ったまま眠り込んだフィオに、そっと自分のコートをかけてやるポルコ
(マジョーレ湖での調整とテスト飛行を終え、フィオを連れミラノを飛び立つポルコ)
→「(フィオに)手を出すなぁ」と見送るピッコロ親爺
→「ひ孫を楽しみに待ってろ」と飛び去るポルコ
(このセリフは、さすがに映画には使えませんね)
→「わたしの前にはいつもフィオの笑顔があった。彼女は心から飛行を楽しんでいた・・・」
(この漫画でも映画でも、眼鏡式照準器にはフィオの顔が映り込んでいる)
第3話から
(夜、テントは(空賊たちが潜んでたので)臭いので野宿になった、との説明があり)
→やがてフィオは安らかな寝息をたてた
→「イイ子だ、ほんとにイイ子だぜ・・・」
(カーチス(漫画ではドナルド・チャック)との対決当日)
→フィオの人気はたいしたものだった。
→みんなが一緒に写真を撮りたがり、空賊共すら歯をみがいて来たのだ・・・
(カーチスとの空中戦と殴り合いでボロボロになりながらも最後に勝利し)
→抱きつくフィオと賞金と幸運のガラガラヘビが描かれたカーチスの方向舵をかかえて、
ワハハハと豪快に笑うポルコ
→前方ハッチにフィオを乗せ、雲上を飛び去る紅い飛行艇のシーンでおしまい・・・
とまあ・・・
漫画ではポルコも空賊たちも明らかに美少女好きとして描かれており、冒頭の岡田斗司夫説も
まんざら妄想だけではないと、あらためて納得した次第・・・ま、知らんけど・・・
でも、さすがに原作漫画でも最後のポルコのセリフは・・・
「イタリアを訪ねるならミラノのピッコロ社によってほしい、
その玄関にカーチスの方向舵が今もかざってあるから・・・」
と〆てましたから、やはりキマってましたね・・・
映画はもちろん、原作の漫画も素晴らしいエンディングでした。
と、原作漫画とは少し離れますが、これまで気になってた点をもうひとつだけ・・・
・作品中のサボイアS.21(フィオが改造後はS.21F)試作戦闘飛行艇と実機のマッキM33について
→ポルコの飛行艇は宮崎駿が小学生の頃に一度だけ見た写真のイメージだけで描いたもの
→その後に本人がイタリアの本屋で偶然みつけたシュナイダー・トロフィーの本によって、
小学生の頃に見た写真はマッキM33のものだったということが分かった
→さらにその後の(ポルコ機やカーチス機をモデル化した)ファインモールド社の調査により、
ポルコの飛行艇と実機マッキM33の構造が、ほぼ同じであることが判明した・・・
つまり彼がイメージしていた実機はサボイアS.21ではなくマッキM33だったわけですが、
小学生の頃の写真1枚の記憶だけで、実機構造の飛行艇を正確に描けるとゆーのが凄いですね
やはりヲタクの世界は奥が深いです・・・どっとはらい
この記事へのコメント
1. Posted by バスウ 2022年09月05日 23:49
うちにはサボイア前後期、ポルコの陶磁器オルゴール、フィギュアが鎮座してます。岡田斗司夫の解説は面白いですね😁
2. Posted by 98k 2022年09月06日 01:40
>バスウさん
おおっ、王蟲といいジブリグッズのコレクション、羨ましい限りです。
我が家には小さなススワタリがひとつだけ・・・
>>岡田斗司夫の解説
とりあえずジブリの好きな作品から順に視聴してますが、全部となると膨大な量ですね。
彼とは学生時代にSF大会とかで何度か出会ってるはずですが、
彼はまだ高校生だったのに凄い知識量と行動力で、けっこう知られてましたね
おおっ、王蟲といいジブリグッズのコレクション、羨ましい限りです。
我が家には小さなススワタリがひとつだけ・・・
>>岡田斗司夫の解説
とりあえずジブリの好きな作品から順に視聴してますが、全部となると膨大な量ですね。
彼とは学生時代にSF大会とかで何度か出会ってるはずですが、
彼はまだ高校生だったのに凄い知識量と行動力で、けっこう知られてましたね