2023年06月23日
令和その他のレイワにおける健全な反逆に関する架空六法
ええ、
「令和その他のレイワにおける健全な反逆に関する架空六法」のご紹介!!!
(図書館予約でも)待ちに待った、新川帆立初のSF短編集であります
帯にあった惹句
初のリーガルSF短編集とあり、浮かび上がるのは社会の「ジョーシキ」とその歪みとも、
自分より大きなものに立ち向かうすべての人のための反逆本ともあります・・・
奥付であります
そう、図書館予約当時は著者の最新刊だったんですが半年待ちでした
著者紹介
詳しい経歴などについては前々回記事「先祖探偵」をご覧ください
本書の目次であります
以下、さくさくっと各話の感想などを・・・
第一話「動物裁判」
人権同様に動物の「命権」も認められるようになった世界での水戸地方裁判所を舞台にした、
ネコ側が原告、ボノボ側が被告とゆー法廷モノ・・・
男女関係(雄雌関係?)がテーマのお話ですが、ミステリーとしても大いに楽しめました
第二話「自家醸造の女」
戦後、占領軍により禁酒法が発令され家庭での酒造りが常態となり、法の廃止後も酒造りが
主婦の嗜みとなった世界で、苦手な酒造りに挑む美女のお話・・・
日本の家族関係や習俗や風俗に対する著者の愛憎が密に感じられた作品でした
第三話「シレーナの大冒険」
バーチャル・ビーイング(仮想世界の人間)とフィジカル・ビーイング(現実世界の人間)が、
一緒に暮らす近未来世界に崩壊の危機が迫るお話で、アバターやマトリックスの世界ですが
なかなか素敵な純愛物語でした
第四話「健康なまま死んでくれ」
過労死を出す企業には投資されなくなった世界の中の日本で働く非正規雇用労働者のお話
こちらもよくできた殺人ミステリで、格差社会もリアルに描かれた作品でした
第五話「最後のYUKICHI」
日本で現金が原則廃止されてから5年後のお話・・・
高度な偽造防止対策が施されたYUKICHIが世界中でマネーロンダリングに使われたり、
新型ウィルスが紙幣や硬貨で感染するとゆーデマが蔓延したりして、現金を貯め込む者や、
使おうとする者は、反社会的人物として迫害され追い詰められていきます
筒井康隆の短編「最後の喫煙者」へのオマージュでしょうか、展開もドタバタ仕立てで、
痛烈な社会風刺にもなってました
第六話「接待麻雀士」
高齢者の認知症予防を名目に賭け麻雀が合法化された社会で、プロ雀士から接待麻雀士になった、
麻雀しか知らない地味で真面目な女性が巧妙な罠に嵌められて・・・とゆーお話
雀士の世界やイカサマの手口など、さすがプロ雀士としての経歴を持つ著者の面目躍如作品
ま、麻雀をしないわたくしには麻雀シーンがよくわかりませんでしたが・・・
ご都合主義に我慢に我慢を重ねてきた純粋な主人公がとても爽やかでした
と、どのオハナシも「異なるレイワ世界」とゆー意味ではパラレル・ワールドSFですし、
法(制度)改正された近未来社会とゆー意味ではフューチャー・ポリティカル・サタイアSF、
アイデアやプロットもよくできてて、もともとSF・ファンタジー作家になりたかったとゆー
著者なので、今後のSF・ファンタジーの長編や連作が楽しみです
「令和その他のレイワにおける健全な反逆に関する架空六法」のご紹介!!!
(図書館予約でも)待ちに待った、新川帆立初のSF短編集であります
帯にあった惹句
初のリーガルSF短編集とあり、浮かび上がるのは社会の「ジョーシキ」とその歪みとも、
自分より大きなものに立ち向かうすべての人のための反逆本ともあります・・・
奥付であります
そう、図書館予約当時は著者の最新刊だったんですが半年待ちでした
著者紹介
詳しい経歴などについては前々回記事「先祖探偵」をご覧ください
本書の目次であります
以下、さくさくっと各話の感想などを・・・
第一話「動物裁判」
人権同様に動物の「命権」も認められるようになった世界での水戸地方裁判所を舞台にした、
ネコ側が原告、ボノボ側が被告とゆー法廷モノ・・・
男女関係(雄雌関係?)がテーマのお話ですが、ミステリーとしても大いに楽しめました
第二話「自家醸造の女」
戦後、占領軍により禁酒法が発令され家庭での酒造りが常態となり、法の廃止後も酒造りが
主婦の嗜みとなった世界で、苦手な酒造りに挑む美女のお話・・・
日本の家族関係や習俗や風俗に対する著者の愛憎が密に感じられた作品でした
第三話「シレーナの大冒険」
バーチャル・ビーイング(仮想世界の人間)とフィジカル・ビーイング(現実世界の人間)が、
一緒に暮らす近未来世界に崩壊の危機が迫るお話で、アバターやマトリックスの世界ですが
なかなか素敵な純愛物語でした
第四話「健康なまま死んでくれ」
過労死を出す企業には投資されなくなった世界の中の日本で働く非正規雇用労働者のお話
こちらもよくできた殺人ミステリで、格差社会もリアルに描かれた作品でした
第五話「最後のYUKICHI」
日本で現金が原則廃止されてから5年後のお話・・・
高度な偽造防止対策が施されたYUKICHIが世界中でマネーロンダリングに使われたり、
新型ウィルスが紙幣や硬貨で感染するとゆーデマが蔓延したりして、現金を貯め込む者や、
使おうとする者は、反社会的人物として迫害され追い詰められていきます
筒井康隆の短編「最後の喫煙者」へのオマージュでしょうか、展開もドタバタ仕立てで、
痛烈な社会風刺にもなってました
第六話「接待麻雀士」
高齢者の認知症予防を名目に賭け麻雀が合法化された社会で、プロ雀士から接待麻雀士になった、
麻雀しか知らない地味で真面目な女性が巧妙な罠に嵌められて・・・とゆーお話
雀士の世界やイカサマの手口など、さすがプロ雀士としての経歴を持つ著者の面目躍如作品
ま、麻雀をしないわたくしには麻雀シーンがよくわかりませんでしたが・・・
ご都合主義に我慢に我慢を重ねてきた純粋な主人公がとても爽やかでした
と、どのオハナシも「異なるレイワ世界」とゆー意味ではパラレル・ワールドSFですし、
法(制度)改正された近未来社会とゆー意味ではフューチャー・ポリティカル・サタイアSF、
アイデアやプロットもよくできてて、もともとSF・ファンタジー作家になりたかったとゆー
著者なので、今後のSF・ファンタジーの長編や連作が楽しみです