ジーナの賭け・・・瀕死の林業

2023年08月03日

混迷の世紀の視聴メモ

いつのまにか8月に入ってたので・・・
昨年10月から放映されているTVシリーズ番組「混迷の世紀」の先月までの視聴メモであります
(ちなみに1回目と2回目の放映は見逃しています、ええ、きっぱりと)

以下、放映時点での内容なのでメインタイトルの前に初回放映日を記載しています

3 2022.10.30の民主主義・・・(民主主義については関連メモ記事があるので省略)
ハンガリーと中国の例など・・・

4 2022.11.27の世界フードショック・・・
・岐路に立つ自由貿易体制
→穀物輸出国同士の戦争は戦後初めて→価格高騰・混乱
→貧しい人が餓死するだけでなく裕福な人も苦しむ
・食糧安全保障
→日本は6割を輸入に頼り肥料や飼料も殆どが輸入
→コムギ・大豆・トウモロコシはロシアのウクライナ侵攻後に高騰を続けている
→全農グレインの対応→北米から南米ブラジルへ→すでに中国企業が抑えていた
→食糧安全保障を重視する中国は肥料と機材を輸出し生産品を買い取る戦略
・ブラジル担当者の話
→日本は国内生産が少ないのに植物検疫が厳しく要求に答えられない、購入量も購買力も低い
・中東は高騰するカナダ産小麦から安いロシア産小麦にシフトしている→ロシア寄りへ
・主要生産国が輸出規制へ(自国ファースト)
→WTO世界貿易機構(設立1995)は多国間システムからの撤退ではなく今こそ投資すべき
・日本では畜産業者の7割以上が資金繰りが苦しくなり、9割以上が販売価格に転嫁できない状況
→コメ農家も肥料高騰を価格転嫁できず国の対策がない場合は93%が赤字に陥る試算
→飼料用トウモロコシの国内生産も試験的に始まったが輸入量の0.1%
・ジャック・アタリ
→対策がなければ15億人以上に影響する→飢餓は暴動になり過去の戦争の原因
→命のための経済→日本は農業を魅力的にすべき(農家には後継者がいない)
・現農業基本法は日本が自由貿易体制で安定していて貿易額が世界一だった頃のもの
→海外から買えばいい→食糧自給率目標はあったが一度も達成していない

5 2022.12.18の核兵器・・・(核兵器についても関連メモ記事があるので省略)
アイスランド合意の真相、相互確証破壊MAD エスカレーション抑止など・・・

2023.1.1の巻頭言(まとめ?)
・途上国がアメリカのウクライナ支援に同調しない理由
→コロナ禍や民主化紛争で途上国には支援しなかったのにヨーロッパの紛争には支援しているから
・ウクライナの捕虜になった兵士が家族に事実を電話で伝えても家族が信じない理由
→政府系メディアを信じているから→戦時中の国営放送は国民統合の重要な手段
・プーチンの計算違い
①ロシア軍がもっと有能だと思っていたこと
②ウクライナがもっと歓迎すると思っていたこと
③アメリカが国内に手いっぱいで他国に関わらないと思っていたこと
④ヨーロッパはロシアのエネルギーに依存しているから同調すると思っていたこと
→2年間ほぼ誰とも会わず自分の聞きたいことしか言わない人に囲まれていたから失敗した
→これで世界経済参加のため20年かけて積み上げたものを数週間で破壊してしまった
・脱炭素化の問題
→鉱物資源とその加工が必要→リチウム電池やソーラーパネルなどは中国が管理し製品化している
→エネルギー転換と新たな地政学と中国との関係
・食糧問題の危機(ジャック・アタリ)
→過去4000年の戦争の原因は飢餓
→飢餓で政府に不満を持ち組織化した反乱が起きる→フランス革命など
→ウクライナとロシアは輸出される小麦の30%、肥料の40%を生産してきた
→気候変動、水不足、戦争→グローバル化からブロック化へ
→日本の農家の高齢化、自給率38%→魅力ある農業への政策の見直しが必要
→昆虫や雑草でも日本の料理人なら調理可能なはず→食生活の見直しをすれば・・・
・核兵器
中満泉(国連核軍縮のトップ)
→誤算やミステイクによる核使用の危険性が高い
→具体のインテリジェンスではなく政治的な発言によって核使用の懸念が高まっている
→安易な核抑止論は核拡散の新しい理由を作る→状況を正確に理解すること
→軍縮は夢物語ではなく安全保障のコインの裏側
→どのような状況になれば、どのような合意が必要なのかのアプローチ、戦略が必要
→日本でも日常生活の中で国際社会の課題を話し合うこと
ジャック・モトロック
→ゴルバチョフとレーガンによるIMF核軍縮→裏ルートによる対話を繰り返した
→たとえひどい行動でも全否定せず、その意味を理解することが重要

6 2023.1.15の情報戦・・・
・ロシア政府発のフェイク情報とウクライナ発の広告代理店を利用した情報
→これに世界中が巻き込まれている
→2013年のゲラシモフ・ドクトリン
(新たな戦争での役割は非軍事4対軍事1、情報戦で相手国を弱体化させることが重要)
→バンダ・エージェンシーのBE BRAVE LIKE UKRAINEキャンペーン→米英の軍事支援へ
・エネルギー戦略
→カーブ・コミュニケーションズのDONT BUY RUSSIAN OILキャンペーン→ロビー活動も
・アンヌ・モレリ
→「自由と民主主義を守るため」や「ナチズムに対抗するため」など国家の大義は戦争プロパガンダ
→1991湾岸戦争のフェイク情報の例→世論をイラク侵攻支持に
→ロシアからドイツへの情報工作→AIアカウントでエネルギー不安を煽る
→ツイッターでは#ロシア支持が2022.3国連制裁決議から急増した→AIボット・アカウントから
→政府系のスプートニク社は5000人以上のアフリカなど途上国のメディア関係者を養成している
→フェイクは事実より20倍早く広範囲に拡散される
・ウクライナからロシアに発信し続ける、ソ連時代を知るロシア老婦人の言葉
→お互いに自分の信じる真実を押し付けても説得はできない
→互いを敵だと思わせる試みに疑問を持つこと
→ごく普通の人間同士だと気づいてもらうことを目標にしている
→「あなたの考えや意見を聞かせてください。この狂気を止めるために私たちに何ができるでしょうか」

7 2023.2.5の灼熱地球の恐怖・・・
・ウクライナ侵攻から11月までの戦いでオランダ1年分の温室効果ガスを排出した
→弾薬や燃料の消費、建物森林火災、インフラ再建など2022.2~9でCO2換算約1億トン
・ヨーロッパの石炭火力・原子力への回帰
・ロシア永久凍土(CO2の28倍の温室効果のあるメタンを大気中の2倍埋蔵)研究の停滞
→冷戦時以上に共同研究ができなくなっている
・戦争経済危機でリーダーたちは温暖化対策に一時停止ボタンを押したが温暖化は停止しない
→温暖化で経済はさらに悪化する→これが負のスパイラルのリスク
・再生可能エネルギーへの影響
→太陽光パネル(80%以上)、レアアース生産(60%以上)の中国独占→脱中国戦略の環境への影響
→気候変動と地政学→欧米のウクライナ支援による途上国の不信感拡大→分断の拡大
・気候変動は環境問題にとどまらず経済、安全保障、移民、平和に影響している
→その前提で議論しなければ政治も経済も真剣に受け止めない

8 2023.2.12の貿易立国・日本の苦闘・・・
・世界のグローバル化、自由貿易の拡大で日本は豊かになってきた
→安全保障の対立、分断、保護主義へ
→アメリカ政府の中国規制対象企業との取引制限(半導体・蓄電池・重要鉱物・医薬品)と制裁の影響
→企業は経済合理性以外の意思決定が必要になる
→特定地域への依存(レアアースは中国)からリスク分散へ
→台湾有事の可能性→政経分離は安全保障に飲み込まれてしまう
・世界2位の経済大国で国家資本主義の中国、内向きになったアメリカ、ならず者のロシア
→これらを考え合わせると脱グローバリゼーションが起きているのでは
→EUは経済的な統合による平和を目指したが亀裂は元に戻らない→ブロック経済への危機
→安全保障の対立と経済的な対立の悪循環
・脱グローバリズムで効率的な大量生産メリットがなくなり供給が減り物価が上がる低成長インフレ
・WTO
→TPPからのトランプの離脱表明など→機能不全に
→せめてデジタル分野での共通ルール作り→政府間のひずみが大きく困難
・リスク分散→一極集中から多極化へ
・グローバリゼーションは滅び得る(ニーアル・ファーガソン)
→事実1914年以降に滅んで世界はブロック化した
→米中は軍拡しているが戦争が起きない限りグローバル化は続く
→戦争で失うものが大きければしないので、経済的な繋がりを持つことが戦争を防ぐ
・EUなど地域的な連携は進展している(アダム・トゥーズ)


9 2023.2.19のドキュメント国連安保理・・・
・グレーテス国連事務総長インタビュー
→戦争を止められない国連など不要ではないか?
→批判は多いが国連は戦争を止めることだけが仕事ではない→黒海の安全航行など
→全加盟国が協力できる分野を探すことが重要、大国の分断で損なわれてはならない
・日本が議長国だった1月1ヶ月に密着した
→安保理では議論が全く嚙み合っていない
→ロシアはウクライナ政府がロシア系住民を迫害しているという主張を繰り返すのみ
・国連最大の機関WEP世界食糧計画のキーウでの支援活動
→リーダーたちが平和解決するまでの時間稼ぎしかできない
・シリアでの安保理決議を要する国連人道支援
→昨年7月には欧米主導に対しロシアが拒否権を発動、中国は棄権
→今回は根回しにより半年に限り賛成にまわった
→その後にシリア・トルコの大地震
・ポール・ケネディ
→1945年の創設者たちが悪い予想をしていたとおりになっている
→戦争を止められるのは大国の考えが一致し他の国を妨害しない時に限られるから
→大国に有利なシステムだからロシアは国連にとどまっているともいえる
→拒否権は大国による国際秩序を維持するための必要悪
→ロシアが行動を変えようとするときに事務総長の仲介など国連の真価が問われる
→歩み寄りは愉快ではないが交渉は戦争よりマシ(チャーチルの言葉)
・創設時に数で欧米に劣るソ連グロムイコが常任理事国の拒否権導入を求めた
→以後5ヶ国の拒否権発動は300回以上

10 2023.7.20の台頭する第3極インド・・・
・貧困層を市場経済に取り込み成長する政策はグローバルサウスのエチオピアやフィリピンでも
→モディ首相はグローバルサウスの国を束ねて存在感を高めようとしている
・人口は14億3千万で中国を抜き世界一に、4年後にはGDPもドイツ日本を抜き世界3位に、
→経済的にも地政学的にも各国を惹きつける存在
→平均年齢は27.9、中国は38.5、日本は48.7
→この10年の経済成長は平均で毎年6.6%
→世界的なIT企業グーグル、マイクロソフト、アドビのトップはインド出身
・インドにはエンジェル・インベスター(ベンチャーに投資する成功者)が存在する
→インドのユニコーン企業(10億ドル以上の評価が見込めるベンチャー企業)は70社で日本は6社
(アメリカは150社以上、中国は200社以上)
・2010年からのデジタル政策
→指紋や虹彩などの生体情報で5歳以上に個人ID→銀行口座と紐づけオンライン経済活動が可能に
→農村も大きく変えた→オンライン検索や決済で生育を管理、収入は以前の1.8倍に
→自立したデジタルシステムを持たないとデジタル植民地になる懸念や、国の個人情報悪用の懸念もある
・ロシアに依存していた兵器の国産化と輸出、半導体の製造へ
・半導体の王者は90年代の日本から韓国、台湾、中国にかわり、今後はインドになるだろう
・イスラム教徒の抑圧など問題も多い→個人の自由や権利はむしろ後退している
→中国の抑圧は批判しインドの抑圧は容認するバイデンへの各国の信頼は低下する
・アフリカでは中国の債務の罠からインドの無償デジタルシステム提供へシフトしている
・分断や対立が深まる中での多極化には混乱があるかも知れないが、お互いを尊重すれば・・・


さてさて、21世紀は混迷の世紀のままで終わるのか、それともバラ色の世紀にできるのか・・・
あらためて今の自分にできることを考えたいと思いました



m98k at 21:00│Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック カメラ・映像・音楽 

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