2024年07月10日
世界「民族」全史の読中?メモ1
とーとつですが・・・
表表紙と帯の惹句
裏表紙と帯の惹句
世界「民族」全史~衝突と融合の人類5000年史~とゆー本の脳の外部記憶としての読後メモ
・・・ではなく読中?メモであります
なにせ本文だけで700頁以上ありますので・・・
表紙カバー裏にあった惹句
著者紹介と奥付
1年半前の新刊で著者は代々木ゼミの世界史講師をされてただけに、素人にも分かりやすく
とても面白かったのですが、ともかく大著で・・・
新刊と同時に図書館に予約して、ようやく昨年秋のボルネオ・ツアー前に借りたのですが、
とても返却期限までに読めそうになくamaz○nでポチ、ツアー出発直前に届いたのでボルネオに
持参しようとも考えましたが、何せ文庫本とは比較にならない大きさ重さ・・・
で、かわりにウィスキー500mlペットを1000mlペットにして持参しましたとさ
帰国してから、ぼちぼち眺めてはメモしてたのですが、やはり図書館への返却期限がないと
遅読になりがちで、座右に置きニュースなどで知りたくなった民族を調べたりしてますが、
いまだ読了の目途が立たずに読中?とゆー次第
と、前置きが長くなりましたが・・・
恒例により、まずは目次
そう、目次にも見出しがあり、これだけでも目からウロコでした
まさに日本人の殆どが知らないであろう最新の「世界民族史」なんですね
わたくしはこれまでの知識や実体験から、時間的・空間的に遠く離れていた集団同士を比較すれば
外見や文化や言語などに違いはあるものの、ヒトとしての違いは個人差の方が遥かに大きく、
人種や民族といった区分はあくまで人為的・意図的なもので、その分布はグラデーションに過ぎず、
明確な境目などないと思ってますが、民族を特定時期の特定地域の集団と捉え、そのルーツから
言語、文化、慣習などの社会的特徴を知り、特に今も伝統的に残る違いと共通点を知ることには
確かに意味があり、それが相互理解にも役立つはずだと信じています
以下、とりあえず目次にある「はじめに」から第1章の1「日本人」まで、まさに冒頭だけの
読後メモですが読み違いも多いので、正しくは本書のご熟読を・・・
(著作物からの部分メモなので公開設定に問題があれば非公開設定にします)
(わたくしが「ホントにそうなの?」と思った部分も含んだメモです)
はじめにより
・最近の書籍も出版社も民族を扱うことがタブーになってしまっている
→世界ではウクライナ紛争・移民問題・BLM運動・台湾併合など民族に起因する問題ばかり
→民族のルーツを知れば見方や付き合い方も大きく変わる
・民族の新しい事実や史実、血統・血脈が最新研究で明らかになってきている
→「サピエンス全史」などのアフリカ起源説に対する疑問も提起されている
→世界では次々と更新されているのに日本では扱われず学校や教科書でも触れられない
・国家や社会よりも先に民族が存在する
→歴史は民族という原初的な単位によって、はじめて真相が見える
・民族を知ることは今の我々にとって必須の教養
→最新の歴史研究や科学の成果により禁忌にもメスを入れ、民族の歴史の深層に迫る・・・
第1部の序文解説より
・「人種」はDNAなど遺伝学的、生物学的な特徴によって導き出されたカテゴリー
→大きくはコーカソイド、モンゴロイド、ネグロイド、オーストラロイドの4区分による分類
コーカソイド→ヨーロッパ人、インド人、イラン人、アラブ人など
モンゴロイド→中国人、朝鮮人、モンゴル人、日本人、東南アジア人など
ネグロイド→サハラ以南のアフリカ人
オーストラロイド→アボリジニ人、ニューギニア人
・「民族」は言語、文化、慣習などの社会的特徴によって導き出されたカテゴリー
→特に言語とその形成過程により民族のルーツを探ることができる
・言語による民族の分類
(人種コーカソイド)
インド・ヨーロッパ語派→ヨーロッパ人、小アジア人、イラン人、インド人
セム語派→アラブ人、イラク人、エジプト人(ハム語)、北アフリカ人、ユダヤ人
(人種モンゴロイド)
アルタイ語派→モンゴル人、満州人、トルコ人(日本人を入れるかは諸説あり)
シナ・チベット語派→中国人、チベット人、ミャンマー人
オーストロネシア語派→台湾人、東南アジアの島嶼部
オーストロアジア語派→東南アジアのインドシナ半島
(人種ネグロイド)→アフリカ諸語派
(人種オーストラロイド)→オーストラリア諸語派
(人種モンゴロイド)→アメリカ大陸先住民族のアメリカ諸語派
・語族は同一祖先と考えられる言語グループで、その語族を用いる民族集団を語派としている
→語派と遺伝子のルーツは一致して推移していることが判明している
→これらのグループに属さない民族諸派も多くあり日本人なども代表例
・国民ではなく民族の歴史こそが重要なのに日本で民族を語ることはタブー視されている
→ほぼ単一民族の日本人と他民族のアメリカ人の例
→日本人と言えば国民と民族を指すがアメリカ人と言えば合衆国の国民のみを指す
→日本では言語、文化、慣習などが全て同一であっても同一民族とはされない
・歴史とは様々な民族が経験した衝突と融合の軌跡
→多様な民族が混血した反動で、民族の血統・血脈を意識することを常態化してきた
→民族は血統・血脈という前提が入り込んだ概念として知覚される
→民族が持つ独特の雰囲気は、歴史によって培われ各人の遺伝子に刻まれたもの
→意図的に民族を教えず国民という表象のみで思考する習慣は真の歴史を置き去りにする
・Y染色体ハプログループの分析で民族の血統や系譜の関係を遡及的に把握できる
→Y染色体は男系承継で女系承継はミトコンドリアDNA
→征服民族に支配された民族は男系祖先をたどると現地民族とは異なる遺伝子になる
→女系のミトコンドリアDNAなら現地民族をたどれるが男系Y染色体を使うことが多い
・主要なY染色体ハプログループと民族の関係
(人種モンゴロイド)
・Y染色体ハプログループO
→O2→中国人、朝鮮人
→O1b→オーストロアジア語派
→O1a→オーストロネシア語派
・Y染色体ハプログループC2→アルタイ語派
・Y染色体ハプログループD→チベット人、日本人
・Y染色体ハプログループN→ウラル語派
・Y染色体ハプログループQ→アメリカ先住民族
(人種モンゴロイド以外)
・Y染色体ハプログループR
→R1a→東ヨーロッパ人、イラン人、インド人、中央アジア人
→R1b→西ヨーロッパ人、ケルト人、バスク人
・Y染色体ハプログループI→北欧人、バルカン半島人
・Y染色体ハプログループE
→E1b1a→西南アフリカ人(ニジェール・コンゴ語派)
→E1b1b→北東アフリカ人(アフロ・アジア語派)
・Y染色体ハプログループG→コーカサス人
・Y染色体ハプログループH→インドのドラヴィタ人
・Y染色体ハプログループJ→アラブ人
・Y染色体ハプログループC1b2,MS,K→オーストラロイド
(まあ、人種や民族の違いといってもホモ・サピエンスDNAの99%は全く同じだそうだし、
残り1%の違いも人種や民族の違いより、個人ごとの違いの方がはるかに大きいそうなので、
もともと人種や民族による優劣なんてないのですが、たまたま集団としての遺伝的な違いが、
その時点その地域で暮らすのに有利に働いて、その集団がその地域で繁栄したとゆーことは
感染症への免疫や栄養素の取り込み、脳の特定部位の働きの違いなどからは考えられますが、
その地域集団の歴史を民族の歴史とするべきなのかどうか・・・
ヘタすれば民族の優劣といった馬鹿げたハナシにも繋がるのでビミョーですね)
第1部 第1章 1「日本人」より
・日本人の二重構造説(縄文→弥生)は1990年代に定説になったが・・・
→遺伝子サンプルがあいまいでアイヌ民族と沖縄の人々ではハプログループも大きく異なる
→劇的な変化には征服や戦争が伴うはずだが縄文から弥生にかけての形跡はない
→縄文末期の渡来は否定しないが急進的かつ大量ではなく分断的な現象でもない
→あらゆる系統の民族が日本に漸次的にやってきて多民族間の混血が進んだと考えるべき
→北海道や沖縄では縄文人の文化や遺伝子が維持されやすかっただけ→辺境残存説
・北海道の縄文人(2万年前から)と異なる文化を持つオホーツク系のアイヌ民族(年代不明)は、
もともとは全く別の民族→混血同化した→今はオホーツク系アイヌ民族は存在しない
→アイヌ新法では存在しないアイヌ民族を先住民族と規定したが、そう言い切れる証拠はない
・日本語はアルタイ語派の特徴が多いが他の語派との共通性も強く持つ
→もともと北方系と南方系の混合民族だったから
→日本語の稲作関連語彙には中国南部(稲作発祥地)の言語が多い→単なる類似か同一性か
・弥生時代後期(紀元前3世紀)の大阪・奈良のコメのDNA分析
→朝鮮半島には存在しない種で長江流域の種と判明した
→朝鮮半島経由ではなく直接、長江流域から伝来したもの
→なので弥生の渡来人が朝鮮半島経由で稲作文明を伝えたという説には何の根拠もない
(こちらの本によればユダヤ商人が大海原を渡って伝えたのだと・・・)
・アルタイ語派にはモンゴル語系、ツングース語系(満州人)、チュルク語系(トルコ人)がある
→多くの学者が日本語とツングース語系との類似を指摘している根拠
①高句麗は半島北部や満州を支配するツングース系の古代国家
②半島南西部の百済もツングース系が支配した古代国家
③日本も任那日本府で南西部を統治しており百済とは緊密な関係があったから
→共通性があったとも考えられるが一致した見解はなく、当時の高句麗や百済で使われていた
言語の実体は不明で地名や人名からの類推に過ぎず、日本語と類似しない語彙も多い
→類似語彙はどちらか一方の借用かも
・1910年の日韓併合以後は日本の学者が統治推進のため日鮮同祖論を唱えた
→HLA(ヒト白血球型抗原)分析では日本人と韓国人の遺伝的同質性は低い
(韓国人は中国人、モンゴル人、特に満州人との遺伝的同質性が高い)
・朝鮮半島にはツングース系が大量移住し高麗や李氏朝鮮でも王朝支配していた歴史からは、
朝鮮語はツングース語系そのものともいえる
→ただし遺伝子と言語の関係は必ず一致するものでもない
→そもそもアルタイ語派3系列(モンゴル語系、ツングース語系、チュルク語系)に類似性はなく、
まして日本語をその中に含めるかといった議論自体に意味はないとされている・・・
・・・と、とりあえず第1部 第1章 第1節までの読後メモ・・・
続きを読んでますが、まだまだ道半ば・・・までも進んでません
民族主義も民族の違いをタブー視する風潮も、どちらもけちょんけちょんに批判してて気分爽快、
以降の章も興味津々ですが、何せいつも手元にあるのでメモして完読するのは至難のワザ、
むしろ何かの話題で知りたくなった民族の部分だけ読むことが多いのでしゅが・・・
ともかく知らなかったことが多く目からウロコでしたし異説も偏りなく取り上げられてて、
様々な分野の最新情報から各民族の歴史について高校生にも分かるレベルで書かれてるので、
概説書として手元に置いておきたいオススメの一冊ですね
つーか、こんな本は(専門書以外では)おそらくはじめてでしょう・・・
以下、メモ2に続く・・・のだろうか・・・ぷつん
表表紙と帯の惹句
裏表紙と帯の惹句
世界「民族」全史~衝突と融合の人類5000年史~とゆー本の脳の外部記憶としての読後メモ
・・・ではなく読中?メモであります
なにせ本文だけで700頁以上ありますので・・・
表紙カバー裏にあった惹句
著者紹介と奥付
1年半前の新刊で著者は代々木ゼミの世界史講師をされてただけに、素人にも分かりやすく
とても面白かったのですが、ともかく大著で・・・
新刊と同時に図書館に予約して、ようやく昨年秋のボルネオ・ツアー前に借りたのですが、
とても返却期限までに読めそうになくamaz○nでポチ、ツアー出発直前に届いたのでボルネオに
持参しようとも考えましたが、何せ文庫本とは比較にならない大きさ重さ・・・
で、かわりにウィスキー500mlペットを1000mlペットにして持参しましたとさ
帰国してから、ぼちぼち眺めてはメモしてたのですが、やはり図書館への返却期限がないと
遅読になりがちで、座右に置きニュースなどで知りたくなった民族を調べたりしてますが、
いまだ読了の目途が立たずに読中?とゆー次第
と、前置きが長くなりましたが・・・
恒例により、まずは目次
そう、目次にも見出しがあり、これだけでも目からウロコでした
まさに日本人の殆どが知らないであろう最新の「世界民族史」なんですね
わたくしはこれまでの知識や実体験から、時間的・空間的に遠く離れていた集団同士を比較すれば
外見や文化や言語などに違いはあるものの、ヒトとしての違いは個人差の方が遥かに大きく、
人種や民族といった区分はあくまで人為的・意図的なもので、その分布はグラデーションに過ぎず、
明確な境目などないと思ってますが、民族を特定時期の特定地域の集団と捉え、そのルーツから
言語、文化、慣習などの社会的特徴を知り、特に今も伝統的に残る違いと共通点を知ることには
確かに意味があり、それが相互理解にも役立つはずだと信じています
以下、とりあえず目次にある「はじめに」から第1章の1「日本人」まで、まさに冒頭だけの
読後メモですが読み違いも多いので、正しくは本書のご熟読を・・・
(著作物からの部分メモなので公開設定に問題があれば非公開設定にします)
(わたくしが「ホントにそうなの?」と思った部分も含んだメモです)
はじめにより
・最近の書籍も出版社も民族を扱うことがタブーになってしまっている
→世界ではウクライナ紛争・移民問題・BLM運動・台湾併合など民族に起因する問題ばかり
→民族のルーツを知れば見方や付き合い方も大きく変わる
・民族の新しい事実や史実、血統・血脈が最新研究で明らかになってきている
→「サピエンス全史」などのアフリカ起源説に対する疑問も提起されている
→世界では次々と更新されているのに日本では扱われず学校や教科書でも触れられない
・国家や社会よりも先に民族が存在する
→歴史は民族という原初的な単位によって、はじめて真相が見える
・民族を知ることは今の我々にとって必須の教養
→最新の歴史研究や科学の成果により禁忌にもメスを入れ、民族の歴史の深層に迫る・・・
第1部の序文解説より
・「人種」はDNAなど遺伝学的、生物学的な特徴によって導き出されたカテゴリー
→大きくはコーカソイド、モンゴロイド、ネグロイド、オーストラロイドの4区分による分類
コーカソイド→ヨーロッパ人、インド人、イラン人、アラブ人など
モンゴロイド→中国人、朝鮮人、モンゴル人、日本人、東南アジア人など
ネグロイド→サハラ以南のアフリカ人
オーストラロイド→アボリジニ人、ニューギニア人
・「民族」は言語、文化、慣習などの社会的特徴によって導き出されたカテゴリー
→特に言語とその形成過程により民族のルーツを探ることができる
・言語による民族の分類
(人種コーカソイド)
インド・ヨーロッパ語派→ヨーロッパ人、小アジア人、イラン人、インド人
セム語派→アラブ人、イラク人、エジプト人(ハム語)、北アフリカ人、ユダヤ人
(人種モンゴロイド)
アルタイ語派→モンゴル人、満州人、トルコ人(日本人を入れるかは諸説あり)
シナ・チベット語派→中国人、チベット人、ミャンマー人
オーストロネシア語派→台湾人、東南アジアの島嶼部
オーストロアジア語派→東南アジアのインドシナ半島
(人種ネグロイド)→アフリカ諸語派
(人種オーストラロイド)→オーストラリア諸語派
(人種モンゴロイド)→アメリカ大陸先住民族のアメリカ諸語派
・語族は同一祖先と考えられる言語グループで、その語族を用いる民族集団を語派としている
→語派と遺伝子のルーツは一致して推移していることが判明している
→これらのグループに属さない民族諸派も多くあり日本人なども代表例
・国民ではなく民族の歴史こそが重要なのに日本で民族を語ることはタブー視されている
→ほぼ単一民族の日本人と他民族のアメリカ人の例
→日本人と言えば国民と民族を指すがアメリカ人と言えば合衆国の国民のみを指す
→日本では言語、文化、慣習などが全て同一であっても同一民族とはされない
・歴史とは様々な民族が経験した衝突と融合の軌跡
→多様な民族が混血した反動で、民族の血統・血脈を意識することを常態化してきた
→民族は血統・血脈という前提が入り込んだ概念として知覚される
→民族が持つ独特の雰囲気は、歴史によって培われ各人の遺伝子に刻まれたもの
→意図的に民族を教えず国民という表象のみで思考する習慣は真の歴史を置き去りにする
・Y染色体ハプログループの分析で民族の血統や系譜の関係を遡及的に把握できる
→Y染色体は男系承継で女系承継はミトコンドリアDNA
→征服民族に支配された民族は男系祖先をたどると現地民族とは異なる遺伝子になる
→女系のミトコンドリアDNAなら現地民族をたどれるが男系Y染色体を使うことが多い
・主要なY染色体ハプログループと民族の関係
(人種モンゴロイド)
・Y染色体ハプログループO
→O2→中国人、朝鮮人
→O1b→オーストロアジア語派
→O1a→オーストロネシア語派
・Y染色体ハプログループC2→アルタイ語派
・Y染色体ハプログループD→チベット人、日本人
・Y染色体ハプログループN→ウラル語派
・Y染色体ハプログループQ→アメリカ先住民族
(人種モンゴロイド以外)
・Y染色体ハプログループR
→R1a→東ヨーロッパ人、イラン人、インド人、中央アジア人
→R1b→西ヨーロッパ人、ケルト人、バスク人
・Y染色体ハプログループI→北欧人、バルカン半島人
・Y染色体ハプログループE
→E1b1a→西南アフリカ人(ニジェール・コンゴ語派)
→E1b1b→北東アフリカ人(アフロ・アジア語派)
・Y染色体ハプログループG→コーカサス人
・Y染色体ハプログループH→インドのドラヴィタ人
・Y染色体ハプログループJ→アラブ人
・Y染色体ハプログループC1b2,MS,K→オーストラロイド
(まあ、人種や民族の違いといってもホモ・サピエンスDNAの99%は全く同じだそうだし、
残り1%の違いも人種や民族の違いより、個人ごとの違いの方がはるかに大きいそうなので、
もともと人種や民族による優劣なんてないのですが、たまたま集団としての遺伝的な違いが、
その時点その地域で暮らすのに有利に働いて、その集団がその地域で繁栄したとゆーことは
感染症への免疫や栄養素の取り込み、脳の特定部位の働きの違いなどからは考えられますが、
その地域集団の歴史を民族の歴史とするべきなのかどうか・・・
ヘタすれば民族の優劣といった馬鹿げたハナシにも繋がるのでビミョーですね)
第1部 第1章 1「日本人」より
・日本人の二重構造説(縄文→弥生)は1990年代に定説になったが・・・
→遺伝子サンプルがあいまいでアイヌ民族と沖縄の人々ではハプログループも大きく異なる
→劇的な変化には征服や戦争が伴うはずだが縄文から弥生にかけての形跡はない
→縄文末期の渡来は否定しないが急進的かつ大量ではなく分断的な現象でもない
→あらゆる系統の民族が日本に漸次的にやってきて多民族間の混血が進んだと考えるべき
→北海道や沖縄では縄文人の文化や遺伝子が維持されやすかっただけ→辺境残存説
・北海道の縄文人(2万年前から)と異なる文化を持つオホーツク系のアイヌ民族(年代不明)は、
もともとは全く別の民族→混血同化した→今はオホーツク系アイヌ民族は存在しない
→アイヌ新法では存在しないアイヌ民族を先住民族と規定したが、そう言い切れる証拠はない
・日本語はアルタイ語派の特徴が多いが他の語派との共通性も強く持つ
→もともと北方系と南方系の混合民族だったから
→日本語の稲作関連語彙には中国南部(稲作発祥地)の言語が多い→単なる類似か同一性か
・弥生時代後期(紀元前3世紀)の大阪・奈良のコメのDNA分析
→朝鮮半島には存在しない種で長江流域の種と判明した
→朝鮮半島経由ではなく直接、長江流域から伝来したもの
→なので弥生の渡来人が朝鮮半島経由で稲作文明を伝えたという説には何の根拠もない
(こちらの本によればユダヤ商人が大海原を渡って伝えたのだと・・・)
・アルタイ語派にはモンゴル語系、ツングース語系(満州人)、チュルク語系(トルコ人)がある
→多くの学者が日本語とツングース語系との類似を指摘している根拠
①高句麗は半島北部や満州を支配するツングース系の古代国家
②半島南西部の百済もツングース系が支配した古代国家
③日本も任那日本府で南西部を統治しており百済とは緊密な関係があったから
→共通性があったとも考えられるが一致した見解はなく、当時の高句麗や百済で使われていた
言語の実体は不明で地名や人名からの類推に過ぎず、日本語と類似しない語彙も多い
→類似語彙はどちらか一方の借用かも
・1910年の日韓併合以後は日本の学者が統治推進のため日鮮同祖論を唱えた
→HLA(ヒト白血球型抗原)分析では日本人と韓国人の遺伝的同質性は低い
(韓国人は中国人、モンゴル人、特に満州人との遺伝的同質性が高い)
・朝鮮半島にはツングース系が大量移住し高麗や李氏朝鮮でも王朝支配していた歴史からは、
朝鮮語はツングース語系そのものともいえる
→ただし遺伝子と言語の関係は必ず一致するものでもない
→そもそもアルタイ語派3系列(モンゴル語系、ツングース語系、チュルク語系)に類似性はなく、
まして日本語をその中に含めるかといった議論自体に意味はないとされている・・・
・・・と、とりあえず第1部 第1章 第1節までの読後メモ・・・
続きを読んでますが、まだまだ道半ば・・・までも進んでません
民族主義も民族の違いをタブー視する風潮も、どちらもけちょんけちょんに批判してて気分爽快、
以降の章も興味津々ですが、何せいつも手元にあるのでメモして完読するのは至難のワザ、
むしろ何かの話題で知りたくなった民族の部分だけ読むことが多いのでしゅが・・・
ともかく知らなかったことが多く目からウロコでしたし異説も偏りなく取り上げられてて、
様々な分野の最新情報から各民族の歴史について高校生にも分かるレベルで書かれてるので、
概説書として手元に置いておきたいオススメの一冊ですね
つーか、こんな本は(専門書以外では)おそらくはじめてでしょう・・・
以下、メモ2に続く・・・のだろうか・・・ぷつん