2023年11月25日
ナマケモノ教授のムダのてつがく
ひさしぶりの読書メモは・・・
「ナマケモノ教授のムダのてつがく」であります
過日のプチオフ会で、川端さんがさらっと流し読みして、たちまち看破されたように、
著者はナマケモノ教授どころか八面六臂の活躍をされておられる文化人類学者で・・・
近代以降、ムダとされ切り捨てられてきた様々なモノ・コト・トキ・ヒトなどが、じつは
人類や地球環境にとって、いかに重要であったかといった内容で、著者略歴にもあるように
ご本人も様々な実践活動を続けてこられた方(わたくしは今回まで知りませんでしたが)
「はじめに」によると・・・
コロナ禍での「不要不急を避けよ」という大合唱がストレスになった若い編集者から、
「不要不急のなくなった世界」を想像して「今の時代にふさわしい哲学」を執筆してみないか
と言われたことがきっかけで「哲学」はわからなくても「てつがく」なら誰もが持ってるので、
ますます忌避され敵視されている「ムダ」について書いたとのこと・・・
よく知られた本や映画や音楽の異なる視点での紹介も多く、なるほど、そういった見方も
あるのかと、納得したり感心したりしましたが、けっこう気軽に読めました
本の奥付であります
例によって目次のみ・・・
目次を追うだけでも本の概要が分かるので、興味のある方はご一読を・・・
(画面をクリックすると拡大します)
すべての概要を紹介したいところですが、帰国後の疲れからかメモするのもめんどーに
なってるので、おぼろげでも記憶に残ってる「幸福」についての2項目のみ・・・
・ロバート・ケネディの言葉
(1968年6月6日に暗殺される2ヶ月ほど前の大統領選キャンペーンでのスピーチから)
→今アメリカが世界一を誇っているGNPには空気汚染、タバコの広告、多数の交通事故死者を
運ぶ救急車、家を守るための鍵、それを破って侵入する犯罪者を収容するための監獄が含まれ、
原生林の破壊や都市化の波もGNPを押し上げている
➝戦争で使われるナパーム弾、核弾頭、デモ隊を蹴散らす装甲車、ウィットマン社製ライフル、
スペック社製ナイフ、子どもたちにおもちゃを売るための暴力を礼賛するテレビ番組も・・・
→一方でGNPに勘定されないものには子どもたちの健康、教育の質、遊びの楽しさ、詩の美しさ、
夫婦の絆の強さ、市民の知恵、勇気、誠実さ、慈悲深さも・・・
→要するに国の富を測るはずのGNPには私たちの生きがいのすべてがすっぽり抜け落ちている
(言い換えれば「豊かさ」を測るはずのGNPからは「幸せ」がすっぽり抜け落ちている)
→あの年の11月に彼が大統領に当選していたら、今頃どうなっていたか・・・
→と、ついついムダなことを考えてしまうのだ・・・
・ブータンが提案したGNHについて
→国王がGNPよりGNHのほうが大切と最初に語ったのは1976年のキューバでの国際会議を
終えた帰途、インドでの記者会見だった
→当時最低だったブータンのGNPについて記者から訊かれ、逆にGNPとは何かと問い返した
→知ってることと知らないことは人によって異なる、逆にGNHを知ってるかと説明した
→弱小国をグローバル経済に取り込もうとする大きな圧力への抵抗であり、他の途上国への
警告だったのではないか
→困ったことにGNHは計測できず数値で表せないから学問の対象にはならない
→測れるものだけを信じ、測れない価値をムダとして片付けるという心のあり方こそが、
社会に深刻な問題を引き起こし、人間を不幸せにするのではないか・・・
→その後40年以上、国をあげてGNH研究に取り組んでおり初の憲法にも明記されている
→国連でも注目され、2011年にはブータンが提案した「社会の発展に幸福という観点をもっと
取り入れる」という決議案が国連総会で採択された・・・
他にも共感できる内容が多かったのですが、ま、著者と違って本来の怠け者なので・・・
巻末にあった引用・参考文献には琴線に触れそうな書籍や映画などがいっぱいだったので、
こちらもメモしておいて、ま、そのうちいつかは・・・
(画面をクリックすると拡大します)
いつ、どれを読めるか分かりませんが、それで何らかの行動をしなければ時間のムダか・・・
でも、たとえムダでも自分にとっては大切なことなのかも・・・
ただし、それを社会とどう繋げていくのか・・・
はてさて・・・
「ナマケモノ教授のムダのてつがく」であります
過日のプチオフ会で、川端さんがさらっと流し読みして、たちまち看破されたように、
著者はナマケモノ教授どころか八面六臂の活躍をされておられる文化人類学者で・・・
近代以降、ムダとされ切り捨てられてきた様々なモノ・コト・トキ・ヒトなどが、じつは
人類や地球環境にとって、いかに重要であったかといった内容で、著者略歴にもあるように
ご本人も様々な実践活動を続けてこられた方(わたくしは今回まで知りませんでしたが)
「はじめに」によると・・・
コロナ禍での「不要不急を避けよ」という大合唱がストレスになった若い編集者から、
「不要不急のなくなった世界」を想像して「今の時代にふさわしい哲学」を執筆してみないか
と言われたことがきっかけで「哲学」はわからなくても「てつがく」なら誰もが持ってるので、
ますます忌避され敵視されている「ムダ」について書いたとのこと・・・
よく知られた本や映画や音楽の異なる視点での紹介も多く、なるほど、そういった見方も
あるのかと、納得したり感心したりしましたが、けっこう気軽に読めました
本の奥付であります
例によって目次のみ・・・
目次を追うだけでも本の概要が分かるので、興味のある方はご一読を・・・
(画面をクリックすると拡大します)
すべての概要を紹介したいところですが、帰国後の疲れからかメモするのもめんどーに
なってるので、おぼろげでも記憶に残ってる「幸福」についての2項目のみ・・・
・ロバート・ケネディの言葉
(1968年6月6日に暗殺される2ヶ月ほど前の大統領選キャンペーンでのスピーチから)
→今アメリカが世界一を誇っているGNPには空気汚染、タバコの広告、多数の交通事故死者を
運ぶ救急車、家を守るための鍵、それを破って侵入する犯罪者を収容するための監獄が含まれ、
原生林の破壊や都市化の波もGNPを押し上げている
➝戦争で使われるナパーム弾、核弾頭、デモ隊を蹴散らす装甲車、ウィットマン社製ライフル、
スペック社製ナイフ、子どもたちにおもちゃを売るための暴力を礼賛するテレビ番組も・・・
→一方でGNPに勘定されないものには子どもたちの健康、教育の質、遊びの楽しさ、詩の美しさ、
夫婦の絆の強さ、市民の知恵、勇気、誠実さ、慈悲深さも・・・
→要するに国の富を測るはずのGNPには私たちの生きがいのすべてがすっぽり抜け落ちている
(言い換えれば「豊かさ」を測るはずのGNPからは「幸せ」がすっぽり抜け落ちている)
→あの年の11月に彼が大統領に当選していたら、今頃どうなっていたか・・・
→と、ついついムダなことを考えてしまうのだ・・・
・ブータンが提案したGNHについて
→国王がGNPよりGNHのほうが大切と最初に語ったのは1976年のキューバでの国際会議を
終えた帰途、インドでの記者会見だった
→当時最低だったブータンのGNPについて記者から訊かれ、逆にGNPとは何かと問い返した
→知ってることと知らないことは人によって異なる、逆にGNHを知ってるかと説明した
→弱小国をグローバル経済に取り込もうとする大きな圧力への抵抗であり、他の途上国への
警告だったのではないか
→困ったことにGNHは計測できず数値で表せないから学問の対象にはならない
→測れるものだけを信じ、測れない価値をムダとして片付けるという心のあり方こそが、
社会に深刻な問題を引き起こし、人間を不幸せにするのではないか・・・
→その後40年以上、国をあげてGNH研究に取り組んでおり初の憲法にも明記されている
→国連でも注目され、2011年にはブータンが提案した「社会の発展に幸福という観点をもっと
取り入れる」という決議案が国連総会で採択された・・・
他にも共感できる内容が多かったのですが、ま、著者と違って本来の怠け者なので・・・
巻末にあった引用・参考文献には琴線に触れそうな書籍や映画などがいっぱいだったので、
こちらもメモしておいて、ま、そのうちいつかは・・・
(画面をクリックすると拡大します)
いつ、どれを読めるか分かりませんが、それで何らかの行動をしなければ時間のムダか・・・
でも、たとえムダでも自分にとっては大切なことなのかも・・・
ただし、それを社会とどう繋げていくのか・・・
はてさて・・・