2024年02月22日
昆虫カメラマン、秘境食を味わう
とーとつですが・・・某wingさんが某SNSで紹介されてた・・・
「昆虫カメラマン、秘境食を味わう」~人は何を食べてきたか~とゆー本であります
表紙カバー裏にあった惹句
裏表紙カバー裏にあった著者紹介
そう、著者は2022年12月に74歳で亡くなられた昆虫や植物の著名な写真家・・・
生前はwingさんのMODライトを撮影に使われたり、ボルネオ島では直接お会いしたことは
なかったものの、現地でのご本人の様子を聞いたりしてたので何となく身近に感じてました
今となっては2019年にwingさんと一緒にご講演を拝聴したのも懐かしい思い出です
奥付
まえがきにありましたが、この本に掲載された記事を連載してた集英社の季刊誌の担当者が、
著者の思いを引き継いで書籍化されたとのこと・・・
例によって目次のみ
これまで著者の写真集や撮影入門書は読んだことがありましたが、惹句にもあるとおり、
撮影先でのエピソードはボルネオの現地で聞いたぐらいで殆ど知りませんでした
赤道付近を中心に40年以上、世界の秘境を取材してきた中での食にまつわるエピソードで、
人類の歴史から環境の変化まで幅広い内容で興味深く読みました
以下、わたくしが最も興味のある「主食」に関する部分の一部メモです
・サゴヤシ澱粉を主食としてきたニューギニア・ワイゲオ島でも2012年頃からコメが入ってきた
→若者はサゴヤシ澱粉よりコメを食べたいと言っていた
・コンゴではコメやパンが流通している地域でもマニオク(キャッサバ芋)嗜好は衰えていない
→コメはおいしいが栽培が難しく高価なので周辺部ではパンやマニオクが主食
・カメルーンではトウモロコシやマニオクが主食だったが政府が灌漑水田を作り、生産は
それほど伸びてはいないが、コメ嗜好に傾いている印象だった
・ニューギニア高地人はサツマイモが主食だが筋肉質
→野生動物が少なくなり昆虫は食べているが、もともと特別な体質を持っているから
→なのでサツマイモは世界の主食にはならない
・ベトナム北部の山岳民族は棚田で自給自足し毎日3食、大量のコメを食べていた
・サゴヤシ、マニオク(キャッサバ芋)、サツマイモなどは自然環境さえ保たれれば自生するが、
改良されて似た遺伝子になったイネは気候変動などで全滅の危険がある
→しかも原種は保護されずに減少している
→40年以上の取材で世界各地でコメの消費地が拡大しているのを実感している
→人口が増えコメの重要性は高まるが、われわれは自然の中でしか生きてゆけない
・現在の主食はコメ、小麦、トウモロコシ、ジャガイモ、キャッサバなど穀類と芋類
→土地の気候や土壌や好みにもよるが生活の変化で主食も変化してくる
→穀類は保存性に優れるが芋類は水分と澱粉が多く腐りやすく保存が難しい
・キャッサバは「地球を救う芋」といわれるが病気や旱魃の危険性や保存の必要性もある
→澱粉を抽出乾燥させたタピオカとしてなら保存できるが主食の必要条件は満たさない
→薄く切って乾燥させたものは長期保存には向かない
→どこでも生育し他地域からも供給できるから保存の必要性を強く感じないのかも
・キャッサバの原産地は中南米の平地
→16世紀初頭のポルトガル人のブラジル入植→アフリカ奴隷の食料に→アフリカから世界へ
・ジャガイモの保存は難しいが冷凍や粉に加工すれば保存できる
→ただし一般家庭での加工は難しく製品として買うことになる
→アンデス高地や山梨県の凍結乾燥ジャガイモは数年間保存できる
→同じ保存方法が時代や地域を越えていることに驚かされる
・ニューギニア・ワイゲオ島ベオ村は人口200人ほどで電気も水道もないが、ほぼ自給自足
→狭い空間で村人が余裕を持って自給自足できるのは本来の豊かな海、地球の姿があるから
・黒胡椒は未熟果実を乾燥させたもの、白胡椒は完熟果実の皮を剥いて乾燥させたもの
→タイ料理には若い胡椒の実が食材として使われていた(入手できて料理に多様性があるから?)
→原産地とされるインド料理はじめベトナム、マレーシア、インドネシアの料理にはない
・・・
担当者によるあとがきに、
過酷な撮影には現地での手助けが必要なはずだが金銭関係だけではなく、著者の異文化も
楽しみながら受け入れる無垢な好奇心とおおらかさ、人に優劣をつけないニュートラルな
包容力によって、現地の人の信頼と協力を得たことが、この本でわかるはず・・・
とありましたが、食に関する各エピソードを読んで、なるほどと納得できました
やはり撮影に限らず現地の人の協力を得るには、人柄の影響も大きいのでしょうね
あらためて著者のご冥福をお祈りします
「昆虫カメラマン、秘境食を味わう」~人は何を食べてきたか~とゆー本であります
表紙カバー裏にあった惹句
裏表紙カバー裏にあった著者紹介
そう、著者は2022年12月に74歳で亡くなられた昆虫や植物の著名な写真家・・・
生前はwingさんのMODライトを撮影に使われたり、ボルネオ島では直接お会いしたことは
なかったものの、現地でのご本人の様子を聞いたりしてたので何となく身近に感じてました
今となっては2019年にwingさんと一緒にご講演を拝聴したのも懐かしい思い出です
奥付
まえがきにありましたが、この本に掲載された記事を連載してた集英社の季刊誌の担当者が、
著者の思いを引き継いで書籍化されたとのこと・・・
例によって目次のみ
これまで著者の写真集や撮影入門書は読んだことがありましたが、惹句にもあるとおり、
撮影先でのエピソードはボルネオの現地で聞いたぐらいで殆ど知りませんでした
赤道付近を中心に40年以上、世界の秘境を取材してきた中での食にまつわるエピソードで、
人類の歴史から環境の変化まで幅広い内容で興味深く読みました
以下、わたくしが最も興味のある「主食」に関する部分の一部メモです
・サゴヤシ澱粉を主食としてきたニューギニア・ワイゲオ島でも2012年頃からコメが入ってきた
→若者はサゴヤシ澱粉よりコメを食べたいと言っていた
・コンゴではコメやパンが流通している地域でもマニオク(キャッサバ芋)嗜好は衰えていない
→コメはおいしいが栽培が難しく高価なので周辺部ではパンやマニオクが主食
・カメルーンではトウモロコシやマニオクが主食だったが政府が灌漑水田を作り、生産は
それほど伸びてはいないが、コメ嗜好に傾いている印象だった
・ニューギニア高地人はサツマイモが主食だが筋肉質
→野生動物が少なくなり昆虫は食べているが、もともと特別な体質を持っているから
→なのでサツマイモは世界の主食にはならない
・ベトナム北部の山岳民族は棚田で自給自足し毎日3食、大量のコメを食べていた
・サゴヤシ、マニオク(キャッサバ芋)、サツマイモなどは自然環境さえ保たれれば自生するが、
改良されて似た遺伝子になったイネは気候変動などで全滅の危険がある
→しかも原種は保護されずに減少している
→40年以上の取材で世界各地でコメの消費地が拡大しているのを実感している
→人口が増えコメの重要性は高まるが、われわれは自然の中でしか生きてゆけない
・現在の主食はコメ、小麦、トウモロコシ、ジャガイモ、キャッサバなど穀類と芋類
→土地の気候や土壌や好みにもよるが生活の変化で主食も変化してくる
→穀類は保存性に優れるが芋類は水分と澱粉が多く腐りやすく保存が難しい
・キャッサバは「地球を救う芋」といわれるが病気や旱魃の危険性や保存の必要性もある
→澱粉を抽出乾燥させたタピオカとしてなら保存できるが主食の必要条件は満たさない
→薄く切って乾燥させたものは長期保存には向かない
→どこでも生育し他地域からも供給できるから保存の必要性を強く感じないのかも
・キャッサバの原産地は中南米の平地
→16世紀初頭のポルトガル人のブラジル入植→アフリカ奴隷の食料に→アフリカから世界へ
・ジャガイモの保存は難しいが冷凍や粉に加工すれば保存できる
→ただし一般家庭での加工は難しく製品として買うことになる
→アンデス高地や山梨県の凍結乾燥ジャガイモは数年間保存できる
→同じ保存方法が時代や地域を越えていることに驚かされる
・ニューギニア・ワイゲオ島ベオ村は人口200人ほどで電気も水道もないが、ほぼ自給自足
→狭い空間で村人が余裕を持って自給自足できるのは本来の豊かな海、地球の姿があるから
・黒胡椒は未熟果実を乾燥させたもの、白胡椒は完熟果実の皮を剥いて乾燥させたもの
→タイ料理には若い胡椒の実が食材として使われていた(入手できて料理に多様性があるから?)
→原産地とされるインド料理はじめベトナム、マレーシア、インドネシアの料理にはない
・・・
担当者によるあとがきに、
過酷な撮影には現地での手助けが必要なはずだが金銭関係だけではなく、著者の異文化も
楽しみながら受け入れる無垢な好奇心とおおらかさ、人に優劣をつけないニュートラルな
包容力によって、現地の人の信頼と協力を得たことが、この本でわかるはず・・・
とありましたが、食に関する各エピソードを読んで、なるほどと納得できました
やはり撮影に限らず現地の人の協力を得るには、人柄の影響も大きいのでしょうね
あらためて著者のご冥福をお祈りします