2024年07月30日
デジタル・アイ「消える大森林」視聴メモ
(期間限定のお知らせ)
2024.8/6(火)~18(日) 京都市京セラ美術館で開催される有道佐一回顧展の案内記事はこちらです
で、とーとつですが・・・
NHK BSスペシャル デジタル・アイ「消える大森林」(4月11日放送の再放送)の視聴メモです
1 プロローグ
・2023年8月カナダ大規模森林火災の例(略)
→シベリアやアラスカなど北半球の多くの森林で発生が増え規模も拡大している
・東南アジアのボルネオ島では毎年470万ヘクタールの熱帯雨林が伐採され大規模農園になっている
・アメリカのNPOが立ち上げた世界中の森林を監視するシステム(2014年~)
→各国からの統計をもとに地図上にデジタル化
→減少状況とその理由(材木伐採・鉱物採掘・火災など)も見ることができ15項目の設定も選べる
・2001年から2022年に焼失した森林→おもに北半球と赤道付近
→森林消失の3割が火災によるもの
→火災による減少は20年前に比べて2倍に悪化している
→火災の季節がより激しく、より長くなっている
2 この20年間で最も火災で森を失った国は世界最大の森林国ロシア
・シベリア・タイガの針葉樹林
→2021年の森林火災では1880万ヘクタールが焼失した(日本国土の約半分に相当する面積)
→東シベリア(サハ共和国)だけでも940万ヘクタール以上が燃えた
→煙はロシア全土から3000km離れた北極点にまで到達している→越境大気汚染
→2014年7月のシベリア森林火災では札幌にも煙(PM2.5)が到達している
・世界で最も寒い定住地オイミャコン村(1月の平均気温マイナス50度で短い夏は30度を超える)
→雪原に立ち込める白い煙の動画が話題になった
→衛星観測データから地中に残った森林火災の火種で「ゾンビ火災」の原因と判明した
→冬は雪に覆われ雨も入らないので火種は分解されなかった地中の枯れ枝やコケに守られ春に乾燥すると
焼失地域の外縁にある次の森林の根などから地表に燃え移る→ゾンビ火災
→カナダもアラスカも同じ状態で毎年繰り返される原因のひとつ
・衛星データで確認できるシベリア北方林に広がる無数の「くぼ地」
→永久凍土が溶けて地形が変化したもの→サーモカルストと呼ばれる
→森林によって太陽熱から守られているのが永久凍土
→火災で森林が焼失すると燃えカスや煤で地表が黒くなり太陽熱を吸収し永久凍土が溶けて地表が陥没する
→森林火災の規模や面積が大きくなっており今後はさらに拡大する
→サーモカルストで周囲が水没すれば森も枯れ、さらに溶解がすすむ悪循環が加速していく
・温暖化によるシベリアの森林全体の活性化
→気温上昇の特に大きい地域と植物の活性度が高くなった地域の分布が一致している
→温暖化で森林帯が北上する可能性もあるがサーモカルストでスポット的には枯死しやすくなっている
・異常な気圧配置による森林火災
→2003年までとそれ以降では北極上の気圧配置が異なってきている(略)
→そのためシベリア・アラスカ・カナダでは熱波による森林火災に
→温暖化との関連や今後の頻度などはまだ不明だが、明らかになれば予測も可能になる
3 ボルネオ島の森林減少
・世界に500万人の利用者を持つ環境系オンラインメディア「モンガベイ」編集主任の話
→森林破壊は地域によって異なる
→南米諸国では大豆生産のための大規模農地による森林破壊
→ブラジルでは牧畜のための森林破壊も大きな問題
→特にボルネオ島では何十年も続く伐採が今も続けられており大きな問題
・1973年には島の76%だった手つかずの森林が2010年には僅か28%にまで減少
→40年で殆どがアブラヤシ農園になった
→パームオイルは食用油からバイオマス燃料まで世界需要が拡大し、それに応じて増産している
・東京大学・熊谷朝臣教授の話
→森林がなくなることでボルネオ島全体に深刻な変化が起きている
→一番大きいのは大気と水の問題→森林破壊が進めば雨は減っていく
・年間降雨量の減少
→1950年から2010年の60年間で年間600mmも減っている
→原因を探るためスーパーコンピュータ上でボルネオの森を全て破壊してみた
→雨量が極端に減った
→さらにそのメカニズムもはっきりした
・ひとつは森林破壊で蒸発散が減り雨が減ること
(雨で葉や枝に付いた水滴は蒸発、地中の水分は根から吸い上げられ葉から蒸散して雲に戻り循環する)
(雲は風で移動し他の森林にも雨を降らせる)
(森林がないと雨は土壌から流出するだけで蒸発散は起きず島の大気には戻れない)
・さらに森林が太陽エネルギーを使い空気の流れを作って海から水蒸気を呼び寄せていた
(空気の対流の強さは森林の蒸発散の能力と関係していた)
(森林があれば強い対流が生まれ周囲から空気が引き込まれる)
・この森林による空気の対流がボルネオ島に雨をもたらしていた
→太陽エネルギーが島の森林上で蓄えられ島上空の空気を温めて上昇気流が生まれる
→上昇気流は大量の水蒸気を含んだ海上の空気を島上空に引き込む
→島の上空に雲が生まれて雨が降る
(森林の力は私が思ってたより、もっともっと強く、すごいものだった)
・森林は島全体、大陸全体といった広い範囲に及んで環境をつくる存在だった・・・
3 今後の森林火災をどうコントロールするか
・AIを使ったカナダの森林火災予測システムの例(略)
4 エピローグ
(熊谷朝臣教授)
・地球環境を作るという意味でも大事な生き物が樹木であり森林
→衛星を使えばともかく地球全体が見える
→簡単に行けないところのデータが手に入る
→圧倒的にデジタル衛星データは大事で、なければ今の発展はなかった
(ナレーション)
・森林を理解することが地球そのものを理解することにも繋がる
→ヒトの眼では捉えることができない森林の実態を、
→我々はさらにデジタルの眼を活かして見つめていく必要がある・・・
2024.8/6(火)~18(日) 京都市京セラ美術館で開催される有道佐一回顧展の案内記事はこちらです
で、とーとつですが・・・
NHK BSスペシャル デジタル・アイ「消える大森林」(4月11日放送の再放送)の視聴メモです
1 プロローグ
・2023年8月カナダ大規模森林火災の例(略)
→シベリアやアラスカなど北半球の多くの森林で発生が増え規模も拡大している
・東南アジアのボルネオ島では毎年470万ヘクタールの熱帯雨林が伐採され大規模農園になっている
・アメリカのNPOが立ち上げた世界中の森林を監視するシステム(2014年~)
→各国からの統計をもとに地図上にデジタル化
→減少状況とその理由(材木伐採・鉱物採掘・火災など)も見ることができ15項目の設定も選べる
・2001年から2022年に焼失した森林→おもに北半球と赤道付近
→森林消失の3割が火災によるもの
→火災による減少は20年前に比べて2倍に悪化している
→火災の季節がより激しく、より長くなっている
2 この20年間で最も火災で森を失った国は世界最大の森林国ロシア
・シベリア・タイガの針葉樹林
→2021年の森林火災では1880万ヘクタールが焼失した(日本国土の約半分に相当する面積)
→東シベリア(サハ共和国)だけでも940万ヘクタール以上が燃えた
→煙はロシア全土から3000km離れた北極点にまで到達している→越境大気汚染
→2014年7月のシベリア森林火災では札幌にも煙(PM2.5)が到達している
・世界で最も寒い定住地オイミャコン村(1月の平均気温マイナス50度で短い夏は30度を超える)
→雪原に立ち込める白い煙の動画が話題になった
→衛星観測データから地中に残った森林火災の火種で「ゾンビ火災」の原因と判明した
→冬は雪に覆われ雨も入らないので火種は分解されなかった地中の枯れ枝やコケに守られ春に乾燥すると
焼失地域の外縁にある次の森林の根などから地表に燃え移る→ゾンビ火災
→カナダもアラスカも同じ状態で毎年繰り返される原因のひとつ
・衛星データで確認できるシベリア北方林に広がる無数の「くぼ地」
→永久凍土が溶けて地形が変化したもの→サーモカルストと呼ばれる
→森林によって太陽熱から守られているのが永久凍土
→火災で森林が焼失すると燃えカスや煤で地表が黒くなり太陽熱を吸収し永久凍土が溶けて地表が陥没する
→森林火災の規模や面積が大きくなっており今後はさらに拡大する
→サーモカルストで周囲が水没すれば森も枯れ、さらに溶解がすすむ悪循環が加速していく
・温暖化によるシベリアの森林全体の活性化
→気温上昇の特に大きい地域と植物の活性度が高くなった地域の分布が一致している
→温暖化で森林帯が北上する可能性もあるがサーモカルストでスポット的には枯死しやすくなっている
・異常な気圧配置による森林火災
→2003年までとそれ以降では北極上の気圧配置が異なってきている(略)
→そのためシベリア・アラスカ・カナダでは熱波による森林火災に
→温暖化との関連や今後の頻度などはまだ不明だが、明らかになれば予測も可能になる
3 ボルネオ島の森林減少
・世界に500万人の利用者を持つ環境系オンラインメディア「モンガベイ」編集主任の話
→森林破壊は地域によって異なる
→南米諸国では大豆生産のための大規模農地による森林破壊
→ブラジルでは牧畜のための森林破壊も大きな問題
→特にボルネオ島では何十年も続く伐採が今も続けられており大きな問題
・1973年には島の76%だった手つかずの森林が2010年には僅か28%にまで減少
→40年で殆どがアブラヤシ農園になった
→パームオイルは食用油からバイオマス燃料まで世界需要が拡大し、それに応じて増産している
・東京大学・熊谷朝臣教授の話
→森林がなくなることでボルネオ島全体に深刻な変化が起きている
→一番大きいのは大気と水の問題→森林破壊が進めば雨は減っていく
・年間降雨量の減少
→1950年から2010年の60年間で年間600mmも減っている
→原因を探るためスーパーコンピュータ上でボルネオの森を全て破壊してみた
→雨量が極端に減った
→さらにそのメカニズムもはっきりした
・ひとつは森林破壊で蒸発散が減り雨が減ること
(雨で葉や枝に付いた水滴は蒸発、地中の水分は根から吸い上げられ葉から蒸散して雲に戻り循環する)
(雲は風で移動し他の森林にも雨を降らせる)
(森林がないと雨は土壌から流出するだけで蒸発散は起きず島の大気には戻れない)
・さらに森林が太陽エネルギーを使い空気の流れを作って海から水蒸気を呼び寄せていた
(空気の対流の強さは森林の蒸発散の能力と関係していた)
(森林があれば強い対流が生まれ周囲から空気が引き込まれる)
・この森林による空気の対流がボルネオ島に雨をもたらしていた
→太陽エネルギーが島の森林上で蓄えられ島上空の空気を温めて上昇気流が生まれる
→上昇気流は大量の水蒸気を含んだ海上の空気を島上空に引き込む
→島の上空に雲が生まれて雨が降る
(森林の力は私が思ってたより、もっともっと強く、すごいものだった)
・森林は島全体、大陸全体といった広い範囲に及んで環境をつくる存在だった・・・
3 今後の森林火災をどうコントロールするか
・AIを使ったカナダの森林火災予測システムの例(略)
4 エピローグ
(熊谷朝臣教授)
・地球環境を作るという意味でも大事な生き物が樹木であり森林
→衛星を使えばともかく地球全体が見える
→簡単に行けないところのデータが手に入る
→圧倒的にデジタル衛星データは大事で、なければ今の発展はなかった
(ナレーション)
・森林を理解することが地球そのものを理解することにも繋がる
→ヒトの眼では捉えることができない森林の実態を、
→我々はさらにデジタルの眼を活かして見つめていく必要がある・・・