スタジオジブリ全作品集(増補改訂版)2025お花見決戦シリーズ

2025年04月03日

新・古代史

とーとつですが、新年度はじめての記事は・・・

P3288731

新・古代史~グローバルヒストリーで迫る邪馬台国、ヤマト王権~
とゆー本の(「はじめに」と「おわりに」の)ご紹介であります




表紙カバー裏にあった惹句

P3288735



末尾にあった主な参考文献と著者と奥付

P3288733



P3288734

2024年3月放送の「NHKスペシャル~古代史ミステリー~」取材班のディレクター2人、
夫馬直実・田邊宏騎の両氏が取材をもとに番組で取り上げなかった背景や視点を加えて
共同執筆された本だそうで、番組を興味深く視聴してたので借りてみた次第です



例によって目次の紹介のみ

P3288736





P3288737




P3288738

ま、内容は目次から想像いただくとして・・・素人にもわかりやすく読めました

この番組以外にも歴史探偵やフロンティアなどいくつかの番組でも紹介されてた「最新研究と
グローバルヒストリーの観点からの」古代史アプローチ、つーのが新鮮でした

以下、日本の古代史については(虚実取り混ぜ)当ブログでもいくつか紹介してますので、
今回は「はじめに」と「おわりに」から、てきとーにメモしておきます
(著作物からのメモなので公開に問題があれば非公開設定にします)

「はじめに」より
・これまで取材班は「戦国時代×大航海時代」や「幕末×
欧米列強」といったテーマで、
グローバルヒストリーの観点から新たな歴史像を描いてきた

・今回は弥生時代から古墳時代の日本と中国や朝鮮半島の国々が織りなした激動の時代に
焦点を当てる⇒「卑弥呼×三国志」
⇒古代史には現在も様々な学説・解釈が存在するので特定の説を支持する意図はない
⇒それよりも苦心している国内外の研究者の努力と挑戦が本書から垣間見えたら幸い・・・

・・・

(つーことで最新研究からも論理的で説得力のある異説がいくつも出てくる現状が客観的に
紹介されてて、このあたりがSNSなどとは根本的に違う部分ですね
邪馬台国についても九州説と近畿説について
は論理的で説得力のある両説の説明がされてたし、
出雲・山陰説や岡山・吉備説はじめ国内だけでも100以上も候補地があることや、さらには
ジャワ島説やエジプト説など海外説まであることも紹介されてました)

・・・

(「本章」よりのメモは省略⇒概要は目次から)
ただし全く知らなかった第9章最後の「日本の誕生」部分のみメモしておきます

・倭国がいつ日本になったのか
(7世紀後半の天武天皇・持統天皇の頃、701年の大宝律令制定の頃など諸説がある中で)
⇒2011年に中国の西安郊外で墓誌(石板)が見つかった
⇒678年2月に死亡し10月に葬られた百済人の軍人についての884文字の記述
⇒その中に663年の白村江の戦いの後の状況が記されており、吉林大学考古学院の教授は
⇒「生き残った日本は扶桑に閉じ籠り罰を逃れている」という内容として、日本という国号が
初めて使われた事例ではないかと考えた
⇒この読み解きが正しければ7世紀には倭国に代わって日本と名乗り始めていたことになり、
これまでの定説が覆ることになる
⇒ただし「日本」は中国から見て「日の出るところ」を意味し新羅を指して使用されることも
ある言葉で国号とは考えられないとする異論もあり、今後の慎重な議論が期待されている

(日本も大和も大倭も倭も
日本語の読みはヤマトだそうですが、白村江(そーいやこの地名、
昔は中国語読みと朝鮮語読みと日本語読みの混ざった「はくすきのえ」と習ってましたが、
今は中国語読みに由来する「はくそんこう」になってますが何故なんだろ?)を戦った百済軍人の
墓誌に「日本」という漢字が国号として使われていたとすれば、確かに興味深いですね)

・・・

番組プロデューサー山崎啓明氏による「おわりに」より
・日本という国の始まりをグローバルな歴史の文脈で捉え直してみると、
⇒ユーラシア大陸の大変動と古代日本の大変動が深く結びついていることに驚かされる

・邪馬台国の卑弥呼が生きた三世紀に中国では漢が滅び、魏・呉・蜀の三国時代に突入、
六世紀の隋の建国まで国家分断状態が続いた
⇒ヨーロッパでも四世紀末にはローマ帝国が東西に分裂し、西ローマ帝国は476年に滅亡、
これはヤマト王権が前方後円墳を築き日本列島の大半を支配下に収めようとしていた頃

・それらに共通する変動要因の一つがユーラシア大陸の中央部で勃興した遊牧民族の騎馬戦術
⇒鞍、鐙、轡といった馬具の発明は画期的で大陸を席巻した
⇒東では遊牧民族の匈奴が漢軍を叩きのめし屈辱的な和睦に
⇒同じく遊牧民族の高句麗が朝鮮半島を南下し百済を圧迫、倭国軍と戦った
⇒西では
遊牧民族のフン族アッティラが東ヨーロッパに進出して、ゲルマン民族の大移動、
地中海世界を制覇した
ローマ帝国の衰退へとつながった
⇒この騎馬戦術を積極的に導入して東アジアのパワーバランスを塗り替えようとしたのが
倭王が率いるヤマト王権だった

・勢力図が塗り替わると世界観も変化する
⇒中国の歴史書も紀元前一世紀に完成した「史記」では皇帝の偉業がハイライトだったが、
⇒三世紀の魏志東夷伝や五世紀の宋書夷蛮伝になると倭国や朝鮮半島、遊牧民の動向など、
中国の周辺世界の記述が増えてくる
⇒地政学的なリスクの高まりとともに「中華」の概念が生まれてくる
⇒領土を脅かす外敵がいたからこそ必要とされた概念だったのではないか

・ユーラシア大陸の大変動を国造りの好機と見たのが古代日本のリーダーたち
⇒卑弥呼はなぜ呉ではなく魏を選んだのか
⇒高句麗と敵対していた倭の五王が、なぜ宋に官位を要求し朝鮮半島の軍事指揮権を手中に
収めようとしたのか
⇒グローバルヒストリーによって邪馬台国やヤマト王権の外交政策やリーダー像も変わるだろう

・古代史では論争が続いているテーマがあるが本書は謎に決着をつけることを目指していない
⇒考古学的な調査や科学的な分析から明らかになった事実や研究者の見解をわかりやすく丁寧に
紹介することがねらい・・・

・・・

うーむ、まさにねらいどおりで科学的な説明も各見解の解説もわかりやすかったです
さらに深く知りたければ末尾にあった「参考文献」を読めばいいし・・・
って、何冊かは読んでブログ記事にメモしたような気もするけど記憶が・・・




m98k at 12:07│Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 書斎 | わからないもの

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
スタジオジブリ全作品集(増補改訂版)2025お花見決戦シリーズ