2025年08月25日
万城目学の本2冊プラスワン
とーとつ・・・でもありませんが・・・
ひさしぶりに万城目学の本を読みました
まずは一冊目の表紙

「六月のぶりぶりぎっちょう」
奥付

著者紹介

著者16年ぶりの京都を舞台にした青春シリーズだそうで、その三作目と四作目が収録されてます
シリーズ一作目の「八月の御所グラウンド」が2024年の第170回直木賞を受賞、二作目の短編
「十二月の都大路上下ル」もそちらに収録されている・・・のですが・・・
そちらは人気のようで図書館予約が数百人待ちだし、シリーズとは言っても主人公は別々で
お話の展開にも直接の繋がりはないみたいだし・・・(間接的には関係している?)
つーことで、とりあえず三作目と四作目から先に読もうと・・・
著者の作品で当ブログで紹介してるのは「ヒトコブラクダ層ぜっと」ぐらいですが、他にも
作品はけっこう読んでるのに、最近になって16年ぶりに京都を舞台にした青春シリーズを
書かれてたことは知りませんでした
森見登美彦作品と共に好きなカテゴリーなので、このシリーズは続けてほしいものです
つーことで目次であります

まずはシリーズ3作目の短編「三月の局騒ぎ」の読後メモ
京都「北白川女子寮マンション」に2001年に入寮した新入生と不思議な12回生???のお話、
なんですが、ともかくこの女子寮の設定が面白かったです
・寮に住めるのは京都市内の大学に通う学部生のみ
(なので大学院に進学すれば退寮になるけど留年しても休学しても退寮にならないので最長12年)
・寮生は「にょご」と呼ばれ新入生は3人部屋、御簾の上げ下げで個室に仕切る!!!
・それぞれの勉強机はちゃぶ台で2回生になると2人部屋になり、3回生からは2人部屋か
1人部屋かを選択できるようになる
・寮は3階建て棟続きの「棕櫚壺」と「薔薇壺」の2棟、各部屋は○○番局(つぼね)と呼ばれるので、
寮監先生が取り次ぐ電話(携帯電話はまだない)や来客(もちろん男子禁制)の呼び出し放送は
「薔薇壺、十一番局(つぼね)の賢木若菜さん、ご実家からお電話です」となる
・毎年3月に中庭に全員集合しての局(つぼね)替え(壺会)があり同室希望などを上級生が調整、
他にも様々なルールや伝統や暗黙の慣習があって・・・
と、まるで平安貴族のような女子寮生活を中心に物語は展開していきます
時代的に面白かったのは、主人公が3回生になる2003年頃がインターネットの黎明期で、
様々な手作り個人サイトが「まるで通学路の途中に面白い店が発見されたかのように口コミで
学生たちに広がる、デジタルの話題が逐一アナログな手段で繋がれていく時代だった」
とゆー表現が、まさに「言い得て妙」だと思いました
さらに「ゼロ年代初期に雨後の筍の如く発生したユニークな個人サイトの多くが作成者から
忘れ去られ、さらにプロバイダーが消滅し、デジタルの海の藻屑となった名もなき創作物たち」
つーのも「言い得て妙」で、当時紙に書かれてた個人創作物との大きな違いですね
わたくしが掲示板やフォーラムへの投稿を経て、当サイトを開設したのが2005年ですから、
まさに「雨後の筍の如く発生した」個人サイトのひとつだったんですねえ・・・
で、「デジタルの海の藻屑」となる日も近いのかなあ・・・うじうじ
閑話休題
シリーズ4作目「六月のぶりぶりぎっちょう」の読後メモであります
オハナシは・・・
大阪の女子高「大阪女学館」の若き歴史教師が、その姉妹校である「京都女学館」、「奈良女学館」
三校が会した研究発表会(毎年の持ち回りでこの年は京都で開催される)の大阪代表になり、
(彼女の研究発表テーマが安土桃山時代の遊びに使われた?「ぶりぶりぎっちょう」)
海外姉妹校であるフランスの高校から派遣されて間もない同僚のフランス人英語教師を連れ、
発表会の前日に織田信長ゆかりの本能寺などを案内し、泥酔して京都の不思議なホテルへ・・・
とゆー感じで始まるのですが、こちらは著者お得意のドタバタ・大活劇・異次元モノに・・・
どちらもネタバレになるので詳しくは書けませんが二作とも京都の歴史上の人物と主人公との
関わりがテーマになっている作品でした
で、今回二冊目に読んだ本は・・・

「悟浄出立」であります
帯の惹句

奥付

上記作品のちょうど10年前、2014年の作品・・・
目次

全五話がそれぞれ西遊記、諸葛亮と趙雲、項羽と虞美人、始皇帝と李斯、司馬遷の有名な
エピソードを題材にした短編になってて、西遊記の悟浄をはじめ脇役の視点からエピソードを
綴った、主観性の強い歴史小説とゆー感じで読み終えました
わたくし中国の古典にも全く無知なので、本来は誰が主役で誰が脇役なのかわからないまま、
さすがに西遊記の主役は悟空で(本作でおそらく初めて)生き様や過去を吐露する悟浄や八戒は、
本来脇役であったことぐらいは知ってたので興味深く読めましたが、それ以外のお話は、
「ふむふむ、そーゆーことだったのね」ぐらいの感覚でした
中国の古典に親しんだ人なら全ての「主役と異なる脇役の視点」が新鮮なんでしょうね
惹句にもあるとおり、著者の中国古典への愛とリスペクトが強い作品群でした
で、プラスワンでしゅが・・・


上記作品のさらに7年前、2007年発行の「鹿男あをによし」であります
著者のデビュー2作目になりタイトルどおり奈良が舞台、1作目の「鴨川ホルモー」は京都、
3作目の「プリンセス・トヨトミ」は大阪が舞台で、この三冊が初期の代表作ですね
三冊ともかなり以前に既読だったのですが、今回作品との繋がりで後になってプラスワンで
この作品も再読したのであります
「六月のぶりぶりぎっちょう」では、大阪の女子高「大阪女学館」の女性教師が、その姉妹校
「京都女学館」、「奈良女学館」の三校が会して年に一度開催される研究発表会に出席するため
京都に行くオハナシですが、「鹿男あをによし」では、二学期だけの臨時教員として関東から
「奈良女学館」に赴任した男性教師が「大阪女学館」と「京都女学館」の三校が会して
年に一度開催される運動部の対抗大会に向けて・・・とゆーオハナシだったのを奇跡的に
思い出したので、あらためて借りてきた次第
で、再読してみると、この女子高三校の設立由来から奈良・京都・大阪の三都の関係なんぞが
古代史の諸説を交え、けっこう詳しく書かれてたんですね・・・覚えてなかったけど
たとえば、「大阪女学館」が難波宮跡の隣接地に、「京都女学館」が平安京大内裏跡の隣接地に、
そして「奈良女学館」が平城宮跡の隣接地に(2006年の)60年前に同時開校した理由とか、
春日大社の鹿、伏見稲荷の狐、難波宮の鼠と十二支、鹿島神宮との関係などなど・・・
さりげに過去の自作品や古典や名作へのオマージュが入ってるのも楽しかったのですが、
お話の展開を完全に忘れるお年頃になると、何度でも新鮮に楽しめるのがいいですね
そう、何度も再放送している作品も、昔に録画した作品も、全てが新鮮に・・・ぷつん
ひさしぶりに万城目学の本を読みました
まずは一冊目の表紙

「六月のぶりぶりぎっちょう」
奥付

著者紹介

著者16年ぶりの京都を舞台にした青春シリーズだそうで、その三作目と四作目が収録されてます
シリーズ一作目の「八月の御所グラウンド」が2024年の第170回直木賞を受賞、二作目の短編
「十二月の都大路上下ル」もそちらに収録されている・・・のですが・・・
そちらは人気のようで図書館予約が数百人待ちだし、シリーズとは言っても主人公は別々で
お話の展開にも直接の繋がりはないみたいだし・・・(間接的には関係している?)
つーことで、とりあえず三作目と四作目から先に読もうと・・・

著者の作品で当ブログで紹介してるのは「ヒトコブラクダ層ぜっと」ぐらいですが、他にも
作品はけっこう読んでるのに、最近になって16年ぶりに京都を舞台にした青春シリーズを
書かれてたことは知りませんでした
森見登美彦作品と共に好きなカテゴリーなので、このシリーズは続けてほしいものです
つーことで目次であります

まずはシリーズ3作目の短編「三月の局騒ぎ」の読後メモ
京都「北白川女子寮マンション」に2001年に入寮した新入生と不思議な12回生???のお話、
なんですが、ともかくこの女子寮の設定が面白かったです
・寮に住めるのは京都市内の大学に通う学部生のみ
(なので大学院に進学すれば退寮になるけど留年しても休学しても退寮にならないので最長12年)
・寮生は「にょご」と呼ばれ新入生は3人部屋、御簾の上げ下げで個室に仕切る!!!
・それぞれの勉強机はちゃぶ台で2回生になると2人部屋になり、3回生からは2人部屋か
1人部屋かを選択できるようになる
・寮は3階建て棟続きの「棕櫚壺」と「薔薇壺」の2棟、各部屋は○○番局(つぼね)と呼ばれるので、
寮監先生が取り次ぐ電話(携帯電話はまだない)や来客(もちろん男子禁制)の呼び出し放送は
「薔薇壺、十一番局(つぼね)の賢木若菜さん、ご実家からお電話です」となる
・毎年3月に中庭に全員集合しての局(つぼね)替え(壺会)があり同室希望などを上級生が調整、
他にも様々なルールや伝統や暗黙の慣習があって・・・
と、まるで平安貴族のような女子寮生活を中心に物語は展開していきます
時代的に面白かったのは、主人公が3回生になる2003年頃がインターネットの黎明期で、
様々な手作り個人サイトが「まるで通学路の途中に面白い店が発見されたかのように口コミで
学生たちに広がる、デジタルの話題が逐一アナログな手段で繋がれていく時代だった」
とゆー表現が、まさに「言い得て妙」だと思いました
さらに「ゼロ年代初期に雨後の筍の如く発生したユニークな個人サイトの多くが作成者から
忘れ去られ、さらにプロバイダーが消滅し、デジタルの海の藻屑となった名もなき創作物たち」
つーのも「言い得て妙」で、当時紙に書かれてた個人創作物との大きな違いですね
わたくしが掲示板やフォーラムへの投稿を経て、当サイトを開設したのが2005年ですから、
まさに「雨後の筍の如く発生した」個人サイトのひとつだったんですねえ・・・
で、「デジタルの海の藻屑」となる日も近いのかなあ・・・うじうじ
閑話休題
シリーズ4作目「六月のぶりぶりぎっちょう」の読後メモであります
オハナシは・・・
大阪の女子高「大阪女学館」の若き歴史教師が、その姉妹校である「京都女学館」、「奈良女学館」
三校が会した研究発表会(毎年の持ち回りでこの年は京都で開催される)の大阪代表になり、
(彼女の研究発表テーマが安土桃山時代の遊びに使われた?「ぶりぶりぎっちょう」)
海外姉妹校であるフランスの高校から派遣されて間もない同僚のフランス人英語教師を連れ、
発表会の前日に織田信長ゆかりの本能寺などを案内し、泥酔して京都の不思議なホテルへ・・・
とゆー感じで始まるのですが、こちらは著者お得意のドタバタ・大活劇・異次元モノに・・・
どちらもネタバレになるので詳しくは書けませんが二作とも京都の歴史上の人物と主人公との
関わりがテーマになっている作品でした
で、今回二冊目に読んだ本は・・・

「悟浄出立」であります
帯の惹句

奥付

上記作品のちょうど10年前、2014年の作品・・・
目次

全五話がそれぞれ西遊記、諸葛亮と趙雲、項羽と虞美人、始皇帝と李斯、司馬遷の有名な
エピソードを題材にした短編になってて、西遊記の悟浄をはじめ脇役の視点からエピソードを
綴った、主観性の強い歴史小説とゆー感じで読み終えました
わたくし中国の古典にも全く無知なので、本来は誰が主役で誰が脇役なのかわからないまま、
さすがに西遊記の主役は悟空で(本作でおそらく初めて)生き様や過去を吐露する悟浄や八戒は、
本来脇役であったことぐらいは知ってたので興味深く読めましたが、それ以外のお話は、
「ふむふむ、そーゆーことだったのね」ぐらいの感覚でした
中国の古典に親しんだ人なら全ての「主役と異なる脇役の視点」が新鮮なんでしょうね
惹句にもあるとおり、著者の中国古典への愛とリスペクトが強い作品群でした
で、プラスワンでしゅが・・・


上記作品のさらに7年前、2007年発行の「鹿男あをによし」であります
著者のデビュー2作目になりタイトルどおり奈良が舞台、1作目の「鴨川ホルモー」は京都、
3作目の「プリンセス・トヨトミ」は大阪が舞台で、この三冊が初期の代表作ですね
三冊ともかなり以前に既読だったのですが、今回作品との繋がりで後になってプラスワンで
この作品も再読したのであります
「六月のぶりぶりぎっちょう」では、大阪の女子高「大阪女学館」の女性教師が、その姉妹校
「京都女学館」、「奈良女学館」の三校が会して年に一度開催される研究発表会に出席するため
京都に行くオハナシですが、「鹿男あをによし」では、二学期だけの臨時教員として関東から
「奈良女学館」に赴任した男性教師が「大阪女学館」と「京都女学館」の三校が会して
年に一度開催される運動部の対抗大会に向けて・・・とゆーオハナシだったのを奇跡的に
思い出したので、あらためて借りてきた次第
で、再読してみると、この女子高三校の設立由来から奈良・京都・大阪の三都の関係なんぞが
古代史の諸説を交え、けっこう詳しく書かれてたんですね・・・覚えてなかったけど

たとえば、「大阪女学館」が難波宮跡の隣接地に、「京都女学館」が平安京大内裏跡の隣接地に、
そして「奈良女学館」が平城宮跡の隣接地に(2006年の)60年前に同時開校した理由とか、
春日大社の鹿、伏見稲荷の狐、難波宮の鼠と十二支、鹿島神宮との関係などなど・・・
さりげに過去の自作品や古典や名作へのオマージュが入ってるのも楽しかったのですが、
お話の展開を完全に忘れるお年頃になると、何度でも新鮮に楽しめるのがいいですね

そう、何度も再放送している作品も、昔に録画した作品も、全てが新鮮に・・・ぷつん
