2026年02月20日
八月の御所グラウンド
とーとつですが・・・

万城目学の第170回(2023年下半期)直木賞受賞作品、
「八月の御所グラウンド」ほか1作のご紹介であります
帯の惹句

初出誌と著者紹介

奥付

目次

「十二月の都大路上下ル」は、27年ぶりに全国女子高校駅伝のエントリー権を獲得して
京都にやってきた弱小高校の補欠の1年生部員が、急きょアンカーとして冬の西大路通を
駆けることになったオハナシ・・・
「八月の御所グラウンド」は、友人からの借金と焼肉屋での奢りによって、御所グラウンドで
真夏に開催される謎の草野球大会に参加することになった大学4回生のオハナシ・・・
惹句には著者の「ホルモー・シリーズ以来16年ぶり(の)京都×青春感動作」とありますが、
その一作目と二作目にあたり、三作目と四作目がこちら、森見登美彦や望月麻衣の作品と並んで、
わたくしの好きなジャンルなのですが何せ直木賞受賞作品なので、図書館での順番待ちが完全に
逆転してしまってた次第・・・やはり直木賞のご威光は凄いですね
どちらも不思議さが気持ちよく残るオハナシでしたが・・・
「十二月の・・・」では初めて京都にやってきた純情で素直で爽やかな高校1年生の女子を、
「八月の・・・」では京都で3年4ヶ月を燃えることなく過ごし、最近彼女にフラれたばかりで
就活もしていない怠惰な大学四回生の男子を、それぞれ主人公にして物語が展開していきます
わたくし作品に出てくる駅伝コースには学生時代の「京都市街・夜間徒歩一周」という伝統
行事での惨めな思い出があり、同じく御所グラウンドにもサークルのソフトボール大会での
(作品に登場する中国からの留学生と同じ)野球の基本ルールをまったく知らなかったことによる
惨めな思い出があるのですが、ま、今となってはどちらも懐かしい限り、以前も書きましたが
京都を舞台にした作品つーのは、けっこう設定年代が離れてても知っている情景がリアルに
浮かび上がってくるのがいいですね
小説なので詳しくは紹介できませんが、さすがと思った京都の夏の表現の一部だけ・・・
八月の京都の暑さに勝てる者などいない
すべてのものは平等に、ただ敗者となるのみ
脳みそからあらゆる前向きな意思や意欲が溶け出し、
コンクリートに焼きついた影と一緒に蒸発していく
四回生の夏休み、(中略)すべてを諦め、バイトもせずにただ怠惰に日々を暮らしていても、
へっちゃらな人間に成り下がってしまった
(わたくし四回生のときの怠惰な暮らしと同様に、リタイア後の今の怠惰な暮らしもへっちゃらなんやけど・・・
)
京都に来てわかったことがある
夏の殺人的な蒸し暑さと、冬の無慈悲な底冷えの寒さを交互に経験することで、京都の若者は、
刀鍛冶が鉄を真っ赤になるまで熱し、それを冷水に浸すが如く、好むと好まざるとにかかわらず、
奇妙な切れ味を持った人間刀身へと鍛錬されていく
・・・さすが直木賞を受賞した名文つーか、この部分だけなら芥川賞か・・・

万城目学の第170回(2023年下半期)直木賞受賞作品、
「八月の御所グラウンド」ほか1作のご紹介であります
帯の惹句

初出誌と著者紹介

奥付

目次

「十二月の都大路上下ル」は、27年ぶりに全国女子高校駅伝のエントリー権を獲得して
京都にやってきた弱小高校の補欠の1年生部員が、急きょアンカーとして冬の西大路通を
駆けることになったオハナシ・・・
「八月の御所グラウンド」は、友人からの借金と焼肉屋での奢りによって、御所グラウンドで
真夏に開催される謎の草野球大会に参加することになった大学4回生のオハナシ・・・
惹句には著者の「ホルモー・シリーズ以来16年ぶり(の)京都×青春感動作」とありますが、
その一作目と二作目にあたり、三作目と四作目がこちら、森見登美彦や望月麻衣の作品と並んで、
わたくしの好きなジャンルなのですが何せ直木賞受賞作品なので、図書館での順番待ちが完全に
逆転してしまってた次第・・・やはり直木賞のご威光は凄いですね
どちらも不思議さが気持ちよく残るオハナシでしたが・・・
「十二月の・・・」では初めて京都にやってきた純情で素直で爽やかな高校1年生の女子を、
「八月の・・・」では京都で3年4ヶ月を燃えることなく過ごし、最近彼女にフラれたばかりで
就活もしていない怠惰な大学四回生の男子を、それぞれ主人公にして物語が展開していきます
わたくし作品に出てくる駅伝コースには学生時代の「京都市街・夜間徒歩一周」という伝統
行事での惨めな思い出があり、同じく御所グラウンドにもサークルのソフトボール大会での
(作品に登場する中国からの留学生と同じ)野球の基本ルールをまったく知らなかったことによる
惨めな思い出があるのですが、ま、今となってはどちらも懐かしい限り、以前も書きましたが
京都を舞台にした作品つーのは、けっこう設定年代が離れてても知っている情景がリアルに
浮かび上がってくるのがいいですね
小説なので詳しくは紹介できませんが、さすがと思った京都の夏の表現の一部だけ・・・
八月の京都の暑さに勝てる者などいない
すべてのものは平等に、ただ敗者となるのみ
脳みそからあらゆる前向きな意思や意欲が溶け出し、
コンクリートに焼きついた影と一緒に蒸発していく
四回生の夏休み、(中略)すべてを諦め、バイトもせずにただ怠惰に日々を暮らしていても、
へっちゃらな人間に成り下がってしまった
(わたくし四回生のときの怠惰な暮らしと同様に、リタイア後の今の怠惰な暮らしもへっちゃらなんやけど・・・
)京都に来てわかったことがある
夏の殺人的な蒸し暑さと、冬の無慈悲な底冷えの寒さを交互に経験することで、京都の若者は、
刀鍛冶が鉄を真っ赤になるまで熱し、それを冷水に浸すが如く、好むと好まざるとにかかわらず、
奇妙な切れ味を持った人間刀身へと鍛錬されていく
・・・さすが直木賞を受賞した名文つーか、この部分だけなら芥川賞か・・・

