わからないもの

2023年05月03日

歴史の逆流

ええ、本日は憲法記念日つーことで・・・

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歴史の逆流~時代の分水嶺を読み解く~とゆー本のご紹介




表紙カバー裏にあった惹句

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惹句にもあるとおり「憲法学・政治学・歴史学の視点から、暴力の時代に抗する術を考える」本であります


著者紹介

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奥付

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例によって目次のみ・・・

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以下、思いつくままの読後メモ
(わたくしがはたしてそうなの?と感じた部分も著者の趣旨をメモしたつもりです)


1章より
・日本の統治システムの宿痾は歴史から学ばないこと

・政治学を含め社会科学の特徴は自然科学と異なり実験できないこと→歴史が実験のかわり

・日本はデータをきちんと使えない国
→執着によって幻想が生まれ、都合のいい幻想はなかなか手放さない→ネーションの幻想も
→ジョンソンの早いコロナ規制解除、菅の東京オリンピック→楽観幻想にしがみついていた

・安倍政権とその人事権を握った菅官房長官、杉田副長官の振る舞いは、説明しないことによって、
権力を生じさせるというもの
→国民どころか官僚にも説明せず、人事権を使って忖度しろと迫る、新たな権力の磁場を作った
→官僚の党派的な中立を損ない個々の政治家の子分にする内閣人事局への干渉
→学術会議の会員も部下の任命と考えているから拒否にも一切説明はない
→国民も同じで、説明と納得で動いているのではなく命令と服従で動いていると思ってる
→安倍さんも同じだったが一部右派にとってはナショナリズムのアイドルで偶像であり得た

・偶像崇拝は自分の思いや迷い願いを投影しているだけなので結局は自分を拝んでいるだけ
→そんな役に立たないことはやめて自分の頭を使って自分で考えろというのが偶像崇拝禁止
→偶像崇拝せず直接神と対話する神秘主義は教団宗教から迫害されていた
→プロテスタントから立憲主義へ
→宗教上も偶像と象徴は異なる(十字架のペンダントは象徴、戦後の天皇も偶像から象徴に)

・反ユダヤ主義と反9条主義は似ている
→ユダヤ陰謀説が論破されても諦めないように、9条で専守防衛が可能といってもきかない
→因果関係などとは無関係なイデオロギー的幻想(ジジェク)だから
→今後どちらも根拠もなく盛り上がる可能性は否定できない

・病理学の進歩と地方自治制度の間のギャップ
→感染症は特定の地域で流行するので自治体が管轄すべきとの考え
→パンデミックに適した制度ではないのではないか
→制度設計が明治期の感染症(コレラや腸チフス)対策段階で止まってしまった
→大阪でコロナ事態がひどくなったのは保健所を無駄として整理したからという指摘がある
→公衆衛生はナショナルミニマムなので中央集権のほうがいいとの考え方も成り立つが・・・
→大阪の保健所統合などの間違いは地方に権限を委ねる中で折り込み済みの話でもある

・市場より国家が強力だった頃の革新自治体は国家政府に対抗するため自治体の自由を使うと言ってた
→だが、ここまで市場が強力になれば、その発想では無理
→大阪維新は自治体の自立性を市場原理と結びつけネオリベ的な政策の突破口にしている

・日本の学術レベルが落ちたのは2004年の国立大学法人化から→この検証が必要
・今の日本の為政者には学問体験が足りないので、彼らが専門知が大事といっても説得力がない


2章より
・ロシアで革命やソ連の崩壊があっても独裁体制が続いているように、日本の政治体制にも戦前からの
連続性と慣性力があるのではないか
→価値の多様性を前提とした競争(民主主義)という意識が、まだ根付いていないのではないか

・自分は現実的で多数派だから正解と思って与党に投票する与党支持者も多い
→その自分の後ろにいる支持者は有権者の20%に過ぎないことを彼らに知ってほしい

・多くの国では現状に不満のある人は第二党に投票する
→日本では無党派が最大で政党政治から離れている
→宗教と同じで特定の政党支持は異常とされるから、習俗として自民党を支持しているだけ
→党派性を持つことは悪と浸透しているので高校での有権者教育もできないし二大政党もできない

・1997年頃からの行政改革で、公務員を減らし公共を市民社会が引き受けることになった
→その結果、会社が請け負って中抜きする事態になった

・2022年から高校の科目に歴史総合ができた
→近現代史に限ってだが「世界とその中の日本を広く相互的な視野から捉える」科目
→これで多くの高校生が、日本の内政が外国の働きかけで動いていることが分かるようになる・・・

・コロナ禍で(立場により見える風景が全く異なる)パラレルワールドが広がった→これが本当の危機


3章より
・戦争指導者の説明と真の理由を区別し明らかにしたのが2400年前の古代アテナイ歴史学のはじまり

・ウクライナ侵攻でのNATOなどの支援は両者の「暗黙の了解」→38度線の休戦ラインと同じ

・橋下徹は戦うな、山東昭子は戦い抜けと言ってるが国のあり方を賭けた話でウクライナが決めること
→被害でいえば沖縄戦、原爆投下、加害でいえば南京戦
→日本では、これらの戦争終結への対立と混乱があったことから、早く降伏すべきとの議論が出てきやすい

・ホッブズの社会契約論は個人セキュリティと国家セキュリティの議論
→個人セキュリティのための国家との契約なのだから戦場で死ぬ義務はない
→殺し合う自然状態でのミニマムな国家との約束に過ぎない→国家から逃げればいい→ロシア

・ルソーの社会契約論は自由国家を守らねば個人セキュリティも守れないから戦って死ぬべき
→国民の意志により国家は運営されており国民の中長期の利害を見据えた決定がなされている
→そうである以上、国家を守るため国民全員が戦うべき→ウクライナ

・日本の歴史では、共同体のリーダー(天皇)を祭り上げた徴兵制から自衛隊になった
→ホッブズ型かルソー型か、国民動員をどう捉えるか・・・

・戦争の開戦法規は自衛が基本で交戦法規は戦闘員と非戦闘員の区別が基本
→経済封鎖は非戦闘員を苦しめるので戦争より悪い(マイケル・ウォルツァーの正戦論)
→マリウポリの封鎖は問題だが、ロシアへの経済制裁はまだ飢餓になってないので今は問題ない
→今後の制裁が強まり、ロシアの飢餓状況が報道されるようになればどうなるか・・・

・現代の戦争は核戦争かゲリラ戦になる(丸山真男)→群民蜂起→軍隊を否定したゲリラ戦のススメ
→しかし民間人が武装していたら交戦法規は・・・デスパレードだから仕方がない???

・戦争と冷戦を含む戦争状態は異なり、戦争よりマシだが深刻な戦争状態はリスキー
→法秩序の破壊を止めるためにどんな行動をとったかが為政者に問われる
→東京裁判では広田弘毅は不作為とされ有罪になった

・決闘ルールでは勝った方が正しいとされる→これが戦争のルール(グロティウス)
→ルールにより地獄を弱める効果はあるが、戦争犯罪さえなければ戦争で決めていいのか
→国際紛争を解決する手段としてウクライナ侵攻したとして、多くの国から非難されている
→パリ不戦条約から国連憲章(憲法9条も)への国際社会の秩序は揺らいでいない
(なのでロシアは国内問題であると主張している)

・NATO東進脅威に対するロシアの言い分と満州鉄道権益に対する日本の言い分
→どちらも欧米がもう少しコミットしていたら戦争にならなかったのでは・・・


4章より
・戦争は憲法原理の違いと歴史観の違いから
→それでも外部に喧伝している戦争目的と真の戦争目的には常にズレがある
→ロシアのウクライナ東部併合と日本の鮮満一如は同じもの

・西側が軍事的にロシアを圧倒できなければロシアの国民を覚醒させることはできないのか
→日本国民は原爆あるいは満蒙開拓民を捨てて逃げた関東軍によって明治以来の歴史観が変わった

・満州事変の意図は米ソへの戦争準備だったが、インテリ向けには「中国が条約を守らないから」であり、
農民向けには「満蒙の土地を手に入れて豊かに暮らすため」で、昭和恐慌時に計算され尽くしたもの
→プーチンの意図は「ウクライナがNATOに入れば安全が脅かされるのでウクライナを占領する」
→満州と同様に他国の土地を安全確保の目的にしており必ず滅びが始まる

・ウクライナはオーストリア・ハンガリー帝国に属したリビウとロシア帝国に属したキーウに分かれる
→ゼレンスキー政権はそれをまとめ上げているが言語はウクライナ語に統一しようとしている

・憲法改正(解釈を含む)により政治の劣化が急速に進む例→ロシア、ハンガリー、日本・・・

・国連の選択肢としてはロシアを安保理から排除するか現状維持か、しかない
→総会に来ているだけ現状のほうがマシか・・・
→ソ連は1949年に建国された中華人民共和国を認めないことを不満とし欠席し続けたため、拒否権を発動する
こともなく国連として朝鮮戦争に対応できた(当時の常任理事国は中華民国)
→当初は戦勝国の集まりだったのだから「当事者に議決権はない」と入れておけば→今では不可能

・これ以上の事態に進展すればNATOの集団的自衛権がうまく働くか→ロシアと全面戦争するか
→日米安保条約では日本が攻撃された場合に米軍が反撃するか否かはアメリカ議会の判断による

・ロシアは1937年の上海戦以降の日本と同じ失敗をしている→敵を侮っていた

・19世紀はじめにヘーゲルは戦争や革命で歴史は進むとした
→ファシズムやナチズムはヘーゲル右派、ソ連はヘーゲル左派で歪曲しているが共通している
→カントは何が正しいかは国によって異なり国内では法秩序、国際社会では秩序あるバランス尊重
→現在のロシアと西側諸国の対立はヘーゲルとカントの対立

・日本では防衛装備移転も反撃能力も法律として定まっていない
→相手の攻撃能力を全滅させられない先制攻撃は意味がない

・9条の内容は基本的に1928年の不戦条約や国連憲章で形成された侵略戦争の違法化
→戦後も海外で武力行使してきたアメリカの行動様式と専守防衛の日本の行動様式とは異なるもの
→そのハードルを下げるより、攻撃目標となる原発を撤去したりシェルターを整備する方がいい
→9条1項は侵略戦争を放棄した条文というのは誤解

・抑止力で侵略を抑止できるか
→アメリカは日本への抑止力として真珠湾に軍備したが、日本にそれさえ叩けばと思わせてしまった

・自衛隊のどこが違憲なのかは学者によって異なる
→憲法に自衛隊を書き込んだとしても憲法上の疑義がなくなるわけではない
→憲法に明記されている天皇制にも様々な疑義があるのと同じ
→侵略された場合は自衛し国際社会は侵略に抗議するという国際社会の前提は何も覆っていない

・ロシアはウクライナを国内問題と主張しており中国の台湾と同じ
→台湾有事に備え憲法改正しフルの集団的自衛権を持つべきとの議論
→バイデンが口先で牽制してるのは武力行使ができないから

・中国の海洋戦略上の脅威増大は事実だが・・・
→中国にとってアメリカは朝鮮戦争の際に台湾海峡を封鎖した国
→台湾を武力で統合する話も、すでに中国の一部なので武力で現状変更する必要はないとする話もある
→現状が続けば中国が民主化する可能性もあるがウクライナ侵攻で中国への警戒感が高まるのは当然
→アイルランドは1998年に北アイルランドを放棄し長く続いた戦争を収めた
→田中角栄は台湾について「ポツダム宣言に基づく立場を堅持する」で周恩来と妥結した

・日本の安全保障の危機を叫ぶ人ほど現実を見ていない
→IEPの世界平和指数2021では日本は12位、ウクライナ142位、ロシア154位・・・
→リスクを考えるなら原発と近隣国との関係を悪化させないことを考えるべき

・世の中を動かしているのは既得権益ではなく思想(ケインズ)


5章より
・安倍元首相の国葬
→侵害留保説(権利制限には法的根拠が必要)では法的根拠は不要
→重要事項法理説では自衛隊出動と同じく国会承認が必要だが国葬は重要事項なのかどうか
→山本五十六の国葬は負け戦のターニングポイントだったが、同様に日本衰退のターニングポイントか
→日本の衰退は1990年代からの行政改革などの失敗の帰結で、個人に意味を持たせるのは危うい
→安倍政権に正当な政治批判をしてきた言論や報道を、テロを誘発したとして抑圧したい勢力に利するもの
→山本五十六の頃は民族精神フォルクスガイストがあったが戦後は各自が個人で判断するようになった
→これは「ミネルヴァのふくろうは黄昏になって飛び立つ(ヘーゲル)」歴史の終着点
→今の日本は闇夜の状態で変革も発展もなく偉人も英雄も現れない
→同じ行動という日本人のコンセンサスを分断線で壊そうとした人の国葬に全員が納得するのは困難
→ド・ゴール国葬時のフランスも今の日本と同じ闇夜の状態だった
→銃撃事件の動機が選挙演説の阻止であれば明らかに民主主義の危機だが今回は微妙

・戦前に弾圧された宗教団体はその後、権力との癒着に向かっている
→日本の政教分離原則は信仰の自由のための原則
→両者が衝突する場合は信仰の自由が確保されるかたちにすべき
→革命後のフランスでは政治を宗教から守るための政教分離原則
→宗教弾圧は問題だが外国の宗教団体が密かに日本の政治に食い込むのも問題


6章より
・この国はどこに向かうのか
→2022年7月の参院選では自民党は動かず固定化→政策ではなく自民党だから支持する→同調圧力
→自分が投票した候補者が当選すれば正答、落選すれば誤答と考える人もいるが間違い
→正答も誤答もなく、とりあえず任せているだけだがルソーの社会契約論にも正答にというのはある
→野党への支持も固定化している
→安倍政権は明らかに右寄りだったが自民党が元の中道勢力の連合体に戻るかが分岐点

・日本の選挙制度と集団
→保守合同による自民党と左右統一による社会党の「55年体制」以上にマシな政治にはならない
→大阪維新の2回目の住民投票での否決はどちらの陣営にも予想外だった
→選挙の票を読む技術がどちらにも蓄積されていないのではないか
→地方と大都市圏では同じ選挙制度でも全く違うかたちになっている
→組織化しやすい集団と非正規労働者のようにしにくい集団がある→棄権の多さにもつながる
→今の野党にカリスマ的なリーダーは見あたらない→属人的な部分もある

・少数政党の乱立
→ポピュリスト政党がここまで乱立している国は世界でも珍しい
→政党助成金は90年代の政治改革で成立した制度だが(これによる)少数政党の乱立は予測してなかった
→まともな政党に限定すべきだが野党乱立は自民党に都合がいいので改めることはないだろう
→政治家をいかに育てるか、松下政経塾も連携を目指したが結局バラバラに

・対案を出せ症候群
→野党も国立大学の教授会も「では対案を出せ」ばかりだと正しい批判ができなくなる
→ガバナンス、ステークホルダー、効率化、生産性など、いわばコンサル用語が大学に限らずあらゆる組織で
幅を利かせている
→そもそも発生経緯の異なる組織を一つの方向に押し込もうとしていることがおかしい
→中央省庁も内閣人事局ができて人事は官邸が行うようになり、失敗の痕跡や政権批判をしなくなった
→本来の公務員制度改革は人事の集権化と、内閣官房長官による人事管理についての国民への説明責任の確立
→幹部人事が官邸に掌握されただけで「ヒラメ官僚」が跋扈し、有権者の「それでも与党に投票する」に
→政治家は選挙で信任された一般意思を示すので官僚は機械的に執行すればよいという権力システムの
集権的な理解が広まった
→意見を言う官僚は民主的な権力行使に介入する雑音として排除される
→政治家が一般意思ではなく特殊意思に配慮しようとするときに、選挙に左右されず安定した身分で
一定の中立性を保つ官僚が、適切にブレーキをかけることは適切な権力行使に必要
(旧統一教会の名称変更を自分の見識で止めた当時の文部科学省宗務課長など)
→政治主導は進んだが政治家の要請をメモし全て公開する提案は制度化されないまま
→政治家は選挙で選ばれたことを正当性の根拠にするが、それは一般意思を体現している根拠にはならない
→そもそも一般意思を貫徹するかたちで政治主導を行うことなど原理的にできない
→なので権力を多元的な構造にしなければならない
(宗教団体の名称変更は選挙でお世話になってる政治家より宗務課長が判断する方がまともなシステム)
→内閣人事局は自民党が絶対に廃止しないので、可能なのは特殊意思を通す場合に公開することぐらい

・公文書管理
→福田康夫が尽力し麻生太郎内閣下で公布された公文書管理法の施行は2011年4月で東日本大震災は施行前、
菅直人首相は議事録を残す指示をしなかったが、野田佳彦内閣下の岡田克也副総理が指揮し大部分を復活させた
→しかし2012年12月からの安倍政権以降は公文書管理を重視する姿勢は一切なくなった
→公文書管理法の見直しや公務員制度改革など現実的に可能な問題提起をすべき
→官僚に過剰な統制機能が働いているのに政治家は統制されず選挙もチェック機能を果たせていない

・放送法
→放送行政を総理大臣や内閣の指揮が及ばない独立規制委員会に託す放送法の改正が必要
→NHKの受信料制度は政府や広告主に左右されない適切な制度だと思っているが、
→受信料は国会がNHK予算を承認しない限り受け取ることができない仕組みになっている
→国会多数派の意向が番組内容に及ぶことがないとは言い切れない(高市早苗総務相の発言など)
→なので国会権限から除外して独立した第三者機関に委ねるべき
→これは右派が叫ぶ「NHKの偏向」をなくすことにもなるはず・・・

・議論なき政治
→法的根拠を度外視し国会議論も国民説明もせず閣議決定で決めていく政治は安倍政権以降も続いている
→説明しなくても責任を問われることはなく選挙でも負けないと分かっているから
→内閣法制局も破壊し外務省出身者を起用して集団的自衛権の解釈改憲まで進んだ
→説明しない政治、国会軽視、役人の責任放棄・・・
→ボリス・ジョンソンは政府や議会に繰り返し嘘をついたと退陣させられたが、桜を見る会の国会答弁で
118回の嘘をついた安倍さんは退陣することはなかった
→サッチャー政権では大臣が次々と理由を公表して辞職して退陣に追いやり、トランプ政権の末期でも
政府高官や側近が多数辞めたが、日本では誰一人辞めない、保身しか考えていない
→日本の場合は「説明しなくても選挙では負けない」ことが大きい

・憲法的大問題
→国会審議を経ずに使途が決められる予備費の増大→使途が正確に特定できたのは6.5%のみ
→憲法上は国会の事後承諾が必要だが、承諾されなくとも無効にはならず戻す必要もない
→この上に緊急事態条項まで作って何をやりだすのか・・・
→財政民主主義の背景には戦費調達のため国債を乱発した戦前への反省がある
→行政権力の暴走を無関心な国民が傍観する流れを、このあたりで止めないと・・・


巻末より
・イギリス女王の国葬で軍が前面に出るのは、軍の統帥権が女王にあるのだから当然
→旧植民地からは歴史への反省がないとの批判もあった

・日本でも明治以降は軍の統帥権は天皇であり国葬で軍が前面に出るのは当然だった
→今は内閣総理大臣が自衛隊の最高指揮権を持つが、国葬や私的な葬儀に自衛隊儀仗兵を出すということは、
国家の本質的な部分は軍事であるというイデオロギーを広めることにならないか・・・
→憲法により軍の正当性を否定していることと真っ向から対立することになる

・不幸な銃撃事件から社会の空気が変わった、違う風が吹きはじめた、みんながおかしいと言いはじめた
→岸田さんはしたたかな人ではないか→これを機会に安倍派つぶしとか・・・

・少数者の信条などは多数決の政治プロセスでは守れないので裁判所が守るというのが憲法学会の通念
→カルト宗教団体は信条による強力な統制・監視でサイズに見合わない政治的影響力を発揮していた
→少数派だから裁判所が守るということにはならない
(逆に非正規労働者やシングルマザーは多数派だがバラバラで共通の権利や利益のための協力が難しい)

・憲法の信仰の自由は宗教団体を国家権力の抑圧から守ること、政教分離は政治を特定の宗教団体の
過大な影響力から遮断することだが、両者の関係は書かれていない
→戦前に抑圧された宗教団体は、戦後は「政治は宗教に介入するな」でよかったのに、権力側につけば
抑圧されないというほうに進んで行った
→同じ政教分離のアメリカもフランスも同じで、そのこと自体が問題ではないが・・・

・戦前に弾圧されたのは伊藤博文らが考えた市民宗教としての天皇制の競争相手だったから
→戦後は市民宗教としての天皇制はなくなった

・冷戦終結後、「反共」アイデンティティーの中身は変わってきている
→多様性を否定し特定の価値観で社会を分断してきた
→安倍さんを支持してきた保守派は「リベラル派は旧統一教会を敵とみなし日本に分断を持ち込んでいる」
と言ってるが、分断という概念をはき違えている
→多様性を否定する考え方を多様性の名によって擁護すべきではない

・分断とは社会の中で許容可能な人たちを排除しようとすること
→許容できない泥棒を刑務所に入れるのを分断とはいわない

・安倍政権の負の遺産である分断の政治をどう乗り越えるのか、真剣に構想しなければならない


あとがきより
・新型コロナの諸問題は「政治が生活を左右するという意識」を持たせた
・ウクライナ侵攻は大多数のロシアの人たちを、はじめて独裁のリスクに向き合わせた
・一定の時代に現れた制度・組織・論理が、なぜその時代に、何のために創ろうとしたのかを考える歴史学
・社会の諸事情を規律という側面から考察しようとする憲法学の手法
・その規律を支える条件を考察しようとする政治学の手法
・エコーチェンバーとは正反対の多面的な議論になったが、1章では3人とも安倍晋三政権や菅義偉政権に対する
否定的評価を明確に出している
→政治の失敗は自然現象ではなく政治に関わる人々の行為の結果だから・・・



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2023年04月19日

ここまで解けた縄文・弥生という時代

(期間限定のお知らせ)
2023フラッシュ光ボルネオツアーのご案内はこちらの記事の末尾です

と、とーとつですが・・・

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ここまで解けた縄文・弥生という時代・・・とゆー本のご紹介



表紙カバー裏にあった惹句

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裏表紙カバー裏にあった著者紹介

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奥付

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昨年5月に発行された考古学の最新成果を紹介している本であります

わたくし人類史や文明史も大好きなんですが、説によっては1万年以上も続いたとされる
縄文時代については特に関心があり、これまでも様々な仮説を興味深く読んでました

この本では縄文・弥生時代を中心に、最新の発掘調査結果や研究成果が紹介されており、
あわせて日本の考古学の歴史についても概要を知ることができました


例によって目次のみのご紹介

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以下、わたくしの読後メモからランダムに抜粋・・・

・千葉県内の市町村埋蔵文化財センターの数は最盛期の8割減
→全国でも同じ状況→原因者負担の原則がバブル崩壊以降もずっと続いた結果

・近年の大きな成果は縄文の三内丸山遺跡、弥生の吉野ケ里遺跡と池上曽根遺跡

・2000年代からのミトコンドリアDNA分析法で現生人類のアジア進出は5万年前以降と判明

・日本列島への進出はサハリンからの北ルート、陸化していた朝鮮海峡からの西ルート、
台湾、南西諸島からの南ルートが想定されているが、温暖な地域ではバクテリアにより
DNA自体の残存率が低いためサンプルが少ない

・今は日本列島の旧石器時代は古くても18000~25000年前ぐらいとされている
→35~50万年前の生活遺構や石器は全て2000年に発覚した捏造事件によるものだった?
この捏造事件により前・中期旧石器遺跡の全て162遺跡が遺跡遺物認定を取り消された
→この事件により日本の考古学研究は50年?遅れてしまった

・30年前の埴原和郎の二重構造説
「旧石器時代の東南アジアからの子孫が縄文人で弥生時代に北東アジアからの渡来人と混血した」
→最近のDNAゲノム研究でも(類縁関係としては)支持する結果になっている
→アイヌと琉球人では縄文の遺伝的要素を強く残し本土でも10~20%

(以下の赤字部分は記事アップ後に剣鉈コレクターさんから教えていただいた追記です)

・最新のゲノム解析により日本人は二重構造ではなく三重構造になっていることが判明した

①旧石器時代に登場した縄文人
(ちなみにわたくしの独自説によれば、7万年前のホモサピエンスの出アフリカより、はるか
以前からネアンデルタール人はもちろんデニソワ人やアウストラロピテクス(ホビット)なども
日本と陸続きだったユーラシアに何度も進出したことが最新の化石解析から証明されているし、
東南アジアの孤島では最近(5万年前)まで生き残っていたのだから、ユーラシア最果ての孤島に
暮らす縄文人は、旧人類と混血していたホモサピエンスの中で唯一生き残った民族であり、
すでにこの段階で、三重構造どころか四重構造、五重構造になっていたはず)


②弥生時代初期に渡来した第1波の弥生人(東北・長野・島根などの弥生人)
→温帯ジャポニカ米の発祥地で再生と循環の長江文明をルーツに持つ、海岸沿いの稲作漁労
海洋民族で、呉越など越族のルーツにもなっている
→特徴は入れ墨、女系女王、宗教国家、アマテラス信仰など→これが海人族

③弥生時代中期以降に断続的に渡来した第2波の弥生人(北部九州・関東・近畿などの大和民族)
→中国北方・内陸部の黄河文明にルーツを持つ民族で漢族モンゴル族などの北東アジア人
→特徴は政治的、男系男王、武力王朝、タカミムスビ信仰など→この中の一族が天孫族

・日本での鉄器生産は弥生中期から?→後期になると本格化し生産遺構も全国に?
(わたくしの独自説によれば縄文初期からで、原始日本刀が世界最古の鉄器のはず)


・三角縁神獣鏡は何故中国本土で発見されないか→海外への下賜専用品だった?
→天理市、御所市での1998,2000の発見→邪馬台国大和説が有力に?
→纏向遺跡群の墳丘墓は最古の弥生式で3世紀前半→中頃から後半は卑弥呼の没した時代

・現在では西日本の「倭国大乱」時期の環濠集落が東遷していったと考えられている

・魏志倭人伝による邪馬台国論争の考古学的整理
①所在地→記事にある楼閣、城柵、宮殿の遺構を伴う遺跡がどこにあるか
②卑弥呼の墓→(248年か249年に没したという)記事にある規模や内容に合致する墳墓はどれか
③卑弥呼に下賜された物品→記事にある500枚の鏡はどの種類か

(以下の赤字部分も記事アップ後に剣鉈コレクターさんから教えていただいた追記です)

・海人族より強い政治力を持った天孫族が倭国を戦いで統一しようとしたのが倭国大乱
→戦争の痕跡が現れるのは天孫族が入ってきた弥生中期以降から

海人族の社会や王権に異を唱えクーデターを起こし、北部九州の邪馬台国を離れて(東遷)
畿内に大和朝廷を開いた天孫族が、やがて力を蓄え九州を征伐した(ヤマトタケル征西)
→天孫族のクーデター
(東遷)は、おそらく古代史で有名な「空白の4世紀」に起こった
→邪馬台国と大和朝廷には考古学的・神話的に連続性が感じられるのに、文化や社会が全く
異なるのはこれによる

・海人族である出雲族は中国地方から北陸までの日本海沿岸を支配し、巨大海洋国家を形成
していたが、やがて大和朝廷に滅ぼされた(出雲の国譲り神話)
(
神武東征時は出雲族の力の及ばない瀬戸内海ルートで九州から畿内へ入っていた)

・大和朝廷(天孫族)に唯一手を貸した海人族が安曇族で、先祖神は海の神であるワタツミ
→山幸彦
(天孫族)はワタツミの力を借りて兄の海幸彦(海人族)を倒し、ワタツミの娘を娶る
→その娘から生まれたのが神武天皇の父
ウガヤフキアエズ(山幸海幸神話)

→物部氏も大伴氏も海人族のいない畿内に東遷してきた、天孫族とは別の
第2波弥生人だった

→アマテラスは初期大和朝廷では宮中に祀られたこともないランクの低い神で、大和朝廷は
卑弥呼(アマテラス)の墓である宇佐神宮も放棄し、八幡神という渡来人の神に明け渡していた
(これは
奈良時代中後期まで続いていた)

→天孫族にとっての卑弥呼
(アマテラス)は、海人族の人心を掌握するための仮の偶像であり、
真の先祖神はタカミムスビであったから
・・・

(引き続き邪馬台国に関する読後メモから)
・大阪府池上・曽根遺跡

→大型建物のある60万平米の大規模集落

・奈良県唐古・鍵遺跡
→大環濠集落で大型建物や青銅器工房などがある

・奈良県纏向遺跡群
→大型建物群や最古の古墳が多数発見されている
→他地域からの土器が3割近い
→2800個の桃の種の年代が全て西暦130~230年

・1952年の京大・小林行雄による「三角縁神獣鏡同伴鏡分有関係論」
→卑弥呼に下賜された鏡か、製作地は中国か、出土古墳との時間差は・・・

・金印真贋論争

・倭国大乱と高地性集落遺跡と石硯の関係・・・などなど・・・

・沖縄の人骨は26000年前のもので、縄文後期の黒曜石の原産地は佐賀県腰岳だった
→一番近い産地である大分県姫島よりも遠く、さらに良質の黒曜石の産地

・縄文遺構は環状盛土、環状貝塚、ストーンサークルなど円形で、弥生遺構は水田も墓も方形(計画的)

・地震考古学、火山灰考古学、観光考古学、文化財科学・・・などなど・・・

・戦後考古学の10大ニュース(著者の私見)

1群馬県岩宿遺跡→初の旧石器文化解明

2静岡県登呂遺跡→初の弥生ムラ全貌発見

3奈良県平城宮跡→国が本格的に発掘調査体制を確立

4千葉県加曾利貝塚→日本最大規模の大貝塚

5広島県草戸千軒跡→中世商業町の全貌が明らかになる

6群馬県黒井峯遺跡→火山灰に封入された古墳ムラが発見される

7島根県荒神谷・加茂岩倉遺跡→大量青銅品(銅剣、銅鐸、同矛)出土

8佐賀県吉野ケ里遺跡→巨大弥生環濠集落の発見

9青森県三内丸山遺跡→縄文像を大変革させた集落
→縄文前期から中期の1500年定住で、翡翠、黒曜石、アスファルトなどは広範囲の交易による
→さらにクリ、ヒョウタン、ゴボウなど植物の栽培行為が証明された

10奈良県高松塚キトラ古墳→極彩色壁画発見の古墳

で、結びには「今後のさらなる発見・進展に期待している」と・・・


いやあ、じつに面白かったです



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2023年04月15日

世界滅亡国家史

(期間限定のお知らせ)
2023フラッシュ光ボルネオツアーのご案内はこちらの記事の末尾です

と、とーとつですが、

P2233817

世界滅亡国家史~消えた48か国で学ぶ世界史~とゆー本のご紹介


表紙カバー裏にあった惹句

P2233818



裏表紙カバー裏にあった著者・訳者紹介

P2233819

著者はアカデミー賞にもノミネートされたアニメ脚本家なんですね・・・



発行所・発行年月日などは奥付のとおり

P2233810 (1)




以下、例によって目次のみのご紹介・・・

なんですが、目次にそれぞれの見出しもあるので、今回はこの目次に沿って思いつくまま、
読後の感想などをメモしました


P2233820



P2233821

第1部のトップが、わが愛するサラワク王国つーのは嬉しい限り・・・なんですが・・・
この著者にかかれば、アジアではじめての白きラジャ、ジェームス・ブルック王も、
三代目ヴァイナー・ブルック王もけちょんけちょんで・・・とても面白かったです

第1部では次のバイエルン王国からも同様「変人」のせいで滅亡した???とありましたが、
わたくしの知らなかった国も多く、大いに楽しめました・・・



第2部では、間違いや自称で国ができたり滅んだり・・・

P2233822


P2233823

「ボンド映画に出てくる火山内部の秘密基地で悪事を企む秘密結社」のような財団が、
「道路や病院といった無駄なものに税金が使われることや、自分たちに都合の悪い法律に
従わなければならないことに不満を感じて」作ろうとした国(17べメラナ共和国)とか・・・

いかにもイギリスらしい、皮肉たっぷりの文章がいっぱいでした!!!


第3部と第4部の目次・・・

P2233824



P2233825



P2233826



P2233827

35の台湾民主国(フォルモサ共和国)については身近なのに、あまりよく知らなかったので、
ウィキペディアでおさらいしました・・・
こちらは本書ほど面白くはないけど詳しく(まじめに)書かれてました

39のアフリカ・メリーランドの項では先住民の王が、入植者に要求したモノの一覧が載ってて、
いわば1830年代のアフリカにおける「欲しいものリスト」、個人的にとても興味深かったので
(数量を除き)メモしておきます

・ラム酒・銃・火薬・布・真鍮製のやかん・帽子・カットラス(反身の短剣)・ビーズ・鉄鍋
・鏡・赤い縁なし帽・鉄の棒・ナイフ・洗面器・タバコ・傘・パイプ・火打石・大径銅線
・スプーン・フォーク・タンブラー・ワイン・石鹸・釣り針・ブリキのバケツ・石製の水入れ
・細首の大瓶・嗅ぎタバコ入れ・ろうそく・鈴・スーツ・寝具付きベッド・三角帽・肩章・旗

そう、これらが当時の西洋文明からの「欲しいものリスト」だったんですね
逆にいえば、これら以外はアフリカ東部海岸では自給自足できていたとゆーことでしょうか
燃料や電気のない(優雅な?)サバイバル生活の参考になりそうなモノがいっぱいです


最後に滅亡国家の国旗と国歌についてのエピソードが載ってましたが、これも面白かったです
特にウィキにも載ってる台湾民主国の国旗つーのが素敵でした・・・





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2023年02月21日

テクノソーシャリズムの世紀

とーとつですが・・・

P1173723

テクノソーシャリズムの世紀~格差、AI、気候変動がもたらす新世界の秩序~
とゆー本のご紹介・・・



著者、監訳者、訳者、発行所、発行年月日などは奥付のとおり

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カバー裏にあった著者紹介

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P1173725





例によって目次の紹介

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今回は気になった数値などをランダムにメモ・・・

・中国の極貧レベルの人口
➝2012年の9890万人が2020年にはほぼゼロに➝これは中間層の成長によるもの
➝デュラントのダイヤモンド型経済(最も利益を生む経済)に➝1950~70のアメリカと同じ
➝1950年代は世界の中間層の90%が米国と欧州だった
➝現在では20%が中国で、2027年には25%に・・・

・(テクノロジー)億万長者の所得と投資によるリターンは毎年10~15%
➝1000億ドル長者は15年で1兆ドル長者になる➝ピラミッド型経済➝格差社会

・2019年の中国の電子決済は53兆ドル
➝これは中国GDPの5倍、世界のプラスチックカード決済の2倍

・パンデミックによるドルのマネーサプライ増➝インフレ➝ドル価値の低下➝リスクヘッジへ
➝金は総量20万1千トンで内2/3は1950年以降のもの(残りは5万トン)
➝ビットコインは総量2100万枚(残りは200万枚)

・2021年1月現在の米国債保有国の1位は日本で1.28兆ドル、2位は中国で1.1兆ドル

・世界人口の4%の米国に世界で私有されている銃の半分がある
➝集団の権利と個人の権利の優先順位付けが他国と異なるから
➝個人の権利(独立時は土地を所有する白人男性のみの権利)を強調➝米国の独自性
➝マスク・ワクチン・ソーシャルディスタンスは個人の自由か集団を守る個人の責任か論争になる
➝言論の自由とQアノン、ヘイトグループ、過激思想、フェイクニュースとの論争も同じ

・海洋汚染プラスチックの50%は商業的漁業船舶由来

・高スキル移民の必要性(移民制限による停滞)

・16年間EUトップのフィンランドの学校システム
➝創造的な遊びと(友達を作り他人を尊重する)良好なソーシャルスキルを育てる
➝マシンとの差別化は創造性、EQ(情緒指数)、LQ(愛情指数)でソフトスキル

・ホームレス対策のコスト
➝路上放置した場合のコストは3万ドルで3Dプリント住宅なら1万ドル以下

・米国のパスポート所有者は42%で運転免許証でも76%➝残りは銀行口座を持てない
➝モバイルウォレット・スマートカード➝ケニア・インド・中国(顔認証)の成功例

・AIは膨大な富を生み出すが同時に同じ労働の価格はゼロに向かう
➝今後20年で労働者の半分が自動化に置き換えられる
➝安価で高品質な教育へのアクセスと再教育期間を含むベーシック・インカムが必要

・地球上の富は360兆ドルで一人あたり僅か5万ドル(2019)

・一帯一路のインフラ整備は70ヶ国に及び人口の60%と経済産出の40%を占める
➝2050年で8兆ドルの計画(バイデンのインフラ整備計画は2兆ドル)
➝対象国がデフォルトになれば全て中国のものになるが回収はせず貿易支配に使う

・STEM(サイエンス・テクノロジー・エンジニアリング・マセマティクス)の大学卒業生数
➝2030年には中国は300%増(週に1校増設している)、米国は30%増

・最も強いものでも最も賢いものでもなく最も適応したものが生き残る(フリードマン2019)

・2008年の世界金融危機と2020年のパンデミック
➝生産性と職業人生延長、
医療手当、アルコール節制、労働環境との関係・・・

・平均余命が延びれば社会に貢献しなくなる人を抱える余裕はなくなる
➝長い間、社会に貢献しなければならない➝継続的な学習、訓練、開発が重要になる
➝長い間の貢献や経験による年齢インセンティブが存在するかも・・・

・21世紀後半にはプロアスリートとプロアドベンチャーツアラー以外に、肉体的労働で
対価を得る人は、ほとんどいなくなる
➝KIC(ノレッジ・イノベーション・クリエイティブ)経済
➝肉体能力、ジェンダー、民族、年齢などに関係なく、発想力、知性、スキルが重要に
➝長い間、人間をロボットのように働くよう訓練してきたが、ロボットの仕事はロボットが
するようになるから➝人間に投資する教育が重要に

・ミレニアム世代はモノの蓄積から意味のある経験の蓄積へ移行
➝新しいiPhoneやPSを欲しがるのは所有したいからではなく経験したいから

・基本的なテクノロジー(遠隔医療やリモート授業を含む)へのアクセスがあれば、
常に都市生活をしなくてもいい➝パンデミックが証明した➝一部ではなく全員に

・GKI(グローバル・ノレッジ・インデックス)国連2020➝トップはスイスだった
過半数がサービス(バンキングや保険)で高価値産業への注力と近隣強国への接続性のよさ、
集中度の高い小さな人口によるもの➝今後は中国とインドへ・・・

・グローバリゼーション
➝世界貿易額は世界GDPの半分まで成長した
➝それにより多くの人が中間層に到達したが、金融危機からパンデミックに
➝ナショナリズム、二国間合意、一帯一路、TPP、ファイブアイズも?➝勝者が総取りする

・経済にも環境にもAIにもグローバルガバナンス、グローバル法人税が必要不可欠だが、
➝常任理事国(戦勝国)の拒否権問題、低法人税国の反対など・・・
➝ブラジル・インド・日本・ドイツによる拒否権改革案が国連に残された希望

・(1920年までの世界経済のように)アジア経済が大きくなることは事実

・原因が人類の活動であることに疑問を持つ人にも海面上昇は事実

・AIと職の創出と再訓練プログラムはセット➝企業によるかAI課税によるか

・平等な活動の場を作り出すベーシック・インカムは必要
➝カウチポテト族を生むものでなかったことは証明済み

・サバティカル(長期有給休暇)
➝15年のフルタイム・フルペイごとに1年間は必要

・高齢者の健康性、可動性、認知力はヘルステクノロジーと遺伝子治療で改善する
➝77歳リタイアは早すぎる

・人工知能により労働は生きるために必要なものではなく熱中して行うものになる

云々・・・


ま、テクノソーシャリズムという考え方の是非や、その実現可能性などは別として、最新の
世界の現状と問題点について、出典根拠を示した数値やグラフで分かりやすく説明してあり、
最新テクノロジーどころかスマホの基本操作さえ怪しい高齢者には勉強になりました

さてさて、これからの人類はどちらへ向かうのか、
破滅なのか共存なのか・・・
まあ、身のまわりでできることを、ちまちまと続けたいとは思ってますが・・・



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2023年02月06日

直立二足歩行の人類史

とーとつですが・・・

直立二足歩行の人類史~人間を生き残らせた出来の悪い足~
とゆー本のご紹介であります

P1313758




表紙カバー裏にあった惹句

P1313769

そう、ヒトはオランウータン、ゴリラ、チンパンジー・ボノボと枝分かれして地上に下り、
ゴリラやチンパンジーのナックルウォークから徐々に直立二足歩行へ進化したサル・・・
といった、これまで教科書などでおなじみの絵とは全く異なる事実が、最新の化石発見と
研究で明らかになってきた、しかも二足歩行はこれらの共通祖先が樹上生活をしていた頃から
存在しており、さらに化石人類の系統樹は複数の枝がつながり、こんがらがっている・・・
と、気鋭の「足首専門家」が初めて書かれた本で、古い人類には衝撃的な内容でした


著者・訳者・発行所・発行年月日などは奥付のとおり

P1313767




裏表紙カバー裏にあった著者・訳者紹介

P1313768




例によって目次のみのご紹介

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P1313763

最新の化石発見現場の様子なども「インディジョーンズばりに」活き活きと描かれてて、
はじめての著書で感動ぶりも新鮮、情景描写も見事でエッセイとしても面白かったです


以下、てきとーな読後メモ・・・

第1章より
・平均的な健常者は一生で1億5千万歩、距離にして地球3周分を歩く
・人類の二足歩行は制御された転倒である
➝アメリカでは年間35000人以上が転倒で死亡しており交通事故の死者数と同じ
➝リスやイヌやネコがつまづいて転ぶのを見たことはない
➝足が遅く転びやすいという特徴は種の絶滅原因になるはずなのに・・・

・映画「2001年宇宙への旅」の冒頭シーンは間違い
➝アウストラロピテクスはハンターではなく肉食獣の獲物だった

・収束進化では人類の二足歩行は説明できない

第2章より
・鳥類、恐竜は人類の40倍の時間をかけて進化した二足歩行(二足歩行ワニは絶滅した)
➝前肢の使い方はバラエティに富んでいた
・オーストラリアはエミュー、カンガルーなど二足歩行のあふれる世界
・ただし人類が立ち上がった理由は大きさでもスピードでもなかった

第3章より
・直立姿勢の理由は防衛?採食?水生?
(いろんな仮説紹介があってロッキー仮説や露出狂仮説など、めっちゃ面白かったです)
・ヒトはチンパンジーとは近縁だが、そこから進化したのではなく彼らはヒトの祖先でもない
➝彼らとは共通祖先から600万年前に枝分かれした(ひい×24万回おばあちゃんの時代)
・ホミニン(化石人類)の二足歩行は森林からサバンナへ移行しつつあった環境下で発達
➝直射日光の暑さを避けるために二足歩行に?
➝二足歩行は草原進出以前の可能性が高く、当初はエネルギー効率も悪かった
➝運ぶため?(給餌仮説)など諸説あるが、ともかく化石から検証しないと・・・

第4章より
・318万年前のルーシーは二足歩行だった

第5章より
・アルディピテクス・ラミダスは440万年前で森林で二足歩行していた
・ナックルウォークは
共通祖先からではなくゴリラやチンパンジーが独自進化させたもの
・現生類人猿がその共通祖先から枝分かれしたのは2000万年前

・1500万年前からアフリカの森林が減少し類人猿は北上した
➝高緯度の森は季節の影響が大きい➝冬は食糧が少ない
➝ヒト・ゴリラ・チンパンジー・ボノボ・オランウータンの一部が尿酸分解酵素ウリカーゼ
を体内で作れなくなった(遺伝子の突然変異)➝尿酸は果糖を脂肪に変えるのを助ける
➝多くを脂肪として蓄積できる個体が生き延びて進化的変化になった➝痛風も・・・
➝オランウータンは食糧が乏しくなると樹皮や未熟な果実まで食べる

・ヒト・チンパンジー・ボノボ・ゴリラ・アイアイ以外の類人猿、オランウータンなどには
エチルアルコール分解酵素を作る遺伝子は全くない
➝食糧が乏しい時期に地面に落ち発酵した果実を食べられる個体の子孫が多く生き延びた
(著者の大好きな銘柄のビール1缶にはハンバーガー1個と同じカロリーがある!!!)

・1100万年前のダヌビウス・グッケンモシは樹上を歩いていた➝二足歩行は樹上から
➝ヨーロッパからアフリカに後退する森林を追ってきた、樹上生活に適応した類人猿

第6章より
・チンパンジーは夜間に一頭で出産し赤ん坊はすぐに母親の毛皮にしがみつく
➝毛のない人類の出産・子育ては共同作業でしかできない
➝共同作業こそがアウストラロピテクスが二足歩行で直面した問題の解決方法だった

・逃げ足が遅く木登りも得意でないアウストラロピテクス
➝肉食獣が活発になる涼しい時間帯(夕暮れ~夜明け前)には地上には下りない
➝肉食獣が満腹し木陰で昼寝する間に地上で見つけたあらゆるものを食べる➝雑食
(その間は子育てを仲間に任せるか、誰かに採ってきてもらうしかない)
➝襲われて逃げる選択肢がなければヒヒやチンパンジーと同様に共同して立ち向かう

・二足歩行を始めた頃のホミニンの脳容量はチンパンジー程度
➝脳は維持費がかさむ➝二足歩行でのエネルギー余剰➝大きな脳を持った個体が有利に
➝二足歩行と発汗で遠くまで食べ物を探しに行けるようになったから説もある

・なぜ人間の脳が時間をかけて成長するようになったか
➝捕食圧が高ければ早熟な個体のほうが有利なはず
➝アウストラロピテクスは捕食を逃れる社会的な手段を発達させたから

第7章より
・セディバ・アウストラロピテクスは二足歩行で草原ではなく樹上で採食していた
・様々な種のアウストラロピテクスが発見され違った歩き方をしていたことも判明
・どの種が200万年前にホモ属に進化したのかはまだ謎(化石の見つかっていない種かも)

第8章より
・1983年にジョージアで180万年前のホモ・エレクトスの化石が発見された
・2018年には中国中部で210万年前の石器が発見された(ホモ・エレクトスより古い種?)
➝ホミニンは数百万年もアフリカ東部と南部で暮らしていたが、10年に1マイルとしても
僅か10万年で中国まで到達できる➝なぜ移動できるようになったか?

・ホモ・エレクトスは大型化したアウストラロピテクスではなく足が長くアーチがあった
➝アウストラロピテクスも初期のホモ属も肉食はしていたがハンターではなかった
➝ホモ・エレクトスは組織的な狩りをして植物食も続け、雑食で行動範囲を広げた
➝南アフリカから西はスペイン、東はインドネシアまで(ジャワから先はウォレス線)

・脳が大きくなった理由➝不経済組織仮説
➝ヒトは脳が大きく腸が短い
➝腸は脳と同じく維持に多くのエネルギーを必要とする不経済な臓器
➝草食動物は腸が長く肉食動物の腸は短い
➝肉食が増えるにつれ短い腸と大きな脳を有する個体の子孫が繫栄していった

・さらに火の使用による効率的な消化で脳の巨大化に必要なエネルギーを獲得
・火の使用は寒冷地への進出・肉食獣からの防御も可能にした

・歩行能力の発達で言語も発達した
➝四足歩行では消化器官が横隔膜にぶつかるので浅く早い呼吸は不可能➝喘げない
➝二足歩行では可能でヒトは発汗で走りながらでもクールダウンできる
➝足は遅いが長距離を歩き続けることができる
➝四足歩行は重いものを抱えたのと同じ状態➝一歩ごとに息を継ぐので発声は不可能
➝二足歩行では呼吸を細かく制御できる➝音声を組み合わせた言語へ
➝50万年前のホミニンの化石から現生人類と似た内耳と舌骨が確認されている➝言語も?
➝少なくとも100万年前には言語能力に影響を与える遺伝子が現在の形になっている
➝ホモ・エレクトスの言語能力も呼吸の微調整を可能にした直立二足歩行から・・・

・気候変動による拡大と孤立、遺伝的隔離、絶滅➝ホモ・サピエンスの時代へ・・・
➝これがこれまでの通説だった
➝ところが最新の化石発見と研究により、多様な人類が最近まで一緒にいたことが判明、
人類進化とホミニン大移動の物語はトールキンの指輪物語と同じように面白くなっている

第9章より
・ホモ・サピエンスの最古の化石はアフリカ三角形の頂点三ヶ所から見つかっている
➝ホミニン集団がアフリカ全土を移動しながら交配で遺伝子を交換しつつ進化したもの
➝この汎アフリカ的進化は35~25万年前に起きた(ゲノム解析から)

・2019年ギリシャの洞窟で17万年前のネアンデルタール頭骨と21万年前のホモ・サピエンス
頭骨が発見され、前年にはイスラエルで19万年前のホモ・サピエンス上顎骨が発見されている
➝従来仮説と異なりホモ・サピエンスの中東・ユーラシアへの進出・撤退が繰り返されていた
➝7万年前までにダムは決壊しヨーロッパとアジアに流れ込んだ
➝ネアンデルタール人やデニソワ人とも交配していたことはDNAから判明している

・寒冷不毛の地を踏破するための重要な技術革新が靴
➝足指が細くなった(靴を履いていた)最古の骨格化石は北京の洞窟からで4万年前
➝7万年前から1万年前までにホモ・サピエンスは世界中を歩いて世界中に広がった

・2003年にインドネシア東部フローレス島の洞窟でホモ・フローレシエンシスの化石発見
ホモ・フローレシエンシスの脳はホモ・エレクトスより小さくアウストラロピテクスサイズ
➝身体的特徴もアウストラロピテクスで、しかも5万年前まで生きていた
➝アフリカを出た最初のホミニンはホモ属ではなくアウストラロピテクス属?

・2019年にはフィリピン・ルソン島の洞窟でホモ・ルゾネンシスの化石発見
➝どんなホミニンとも異なり、やはり5万年前まで生きていた

・どちらも100万年前から住んでいたことが石器から確認されている

・ホモ・サピエンスがアフリカで進化していた頃、ヨーロッパではネアンデルタール人、
アジアではデニソワ人、東南アジアの島々では少なくとも二種の小柄なホミニン・・・
➝まさにトールキンのホビットなどが暮らす「中つ国」の世界だった

・2015年に発表したホモ・ナレディはホモ・ハビリスと同様にアウストラロピテクスと
ホモ・エレクトスの中間的な特徴を持つが、やはり26万年前まで生きていた

第10章より
・胎児や赤ん坊が交互に足を出す歩行反射は哺乳類全体と共有している古い特徴
・ヒトの歩きはじめは生後8ヶ月から16ヶ月が多い➝他の霊長類より遅い
➝赤ん坊は移動すること自体を楽しんでいる
➝平均的な幼児は1時間に2368歩、一日に14000歩も歩き、1時間に17回も転ぶ
➝寄り添い受け止める人がいなければ二足歩行を学ぶことは大変で危険な行為
➝5~7歳で大人と同じように歩けるようになり、その過程で骨格が変化していく

第11章より
・15000年前の出産を描いた
線刻画がドイツで発見された
➝類人猿の出産は短いがヒトは長い➝二足歩行のせい

・骨盤が大きすぎると二足歩行に支障が出る
➝だから早期に小さく未熟な状態で生まれるようになった説
➝ところがヒトの妊娠期間は大きさが同程度の霊長類より1ヶ月長い
➝なぜヒトだけが難産なのかは諸説あるが進化のせいでイブの罪のせいではない

・トップアスリートの世界記録では100m走からマラソンまで男女で10%ほど差があるが、
特にウルトラマラソンなど耐久レースでは男女の差は縮まっている・・・

第12章より
・歩き方だけで身内や友人を見分けられる脳領域がある
➝性格や気分まで分かるのも直感ではない
➝歩き方で個体識別することは進化では有益だった

・集団では無意識に歩調を合わせて歩く
➝366万年前のラエトリ足跡化石と同じ➝一人歩きはごく最近
➝ホモ・サピエンスの歴史の97%、二足歩行ホミニンの歴史の99%は狩猟採集➝集団移動

第13章より
・食べるために歩かねばならなかったのが人類史
➝骨密度の低下は最近の1万年間で突然起こったもの➝運動量が減った?

・運動不足による死亡リスクは肥満の2倍
➝鍛えたデブのほうが動かないヤセよりまし(動かないデブはどうなるのか!!!)
➝がん、動脈疾患、自己免疫疾患、血糖値、不眠、高血圧、ストレス、脳卒中にも歩行が有効

・一日1万歩の目標は1964年の東京オリンピック翌年に日本で万歩計が売り出されてから
➝高齢者は7500歩までは歩数が多いほど健康で長生きするが、それ以上では差がなかった

・アメリカのカウチポテト族と14倍も活動的なタンザニアのハッザ族の総エネルギー消費量は同じ
➝許容エネルギー消費量は世界中で同じだが、どう使うかは文化や人により異なる
➝アメリカ人は余ったエネルギーを炎症反応の強化に使っている

第14章より
・散歩好きな著名人は多いが歴史的に散歩は白人男性の特権だった
➝歩行は思考にとって必須ではないが思考を促進するのはたしか
➝創造性スコアは高くなり脳領域に顕著な改善が見られる
➝記憶力も認知能力も若返りも・・・なぜか

・収縮する筋肉からのみ放出されるマイオカインが脳のスーパー栄養剤だから
➝歩かないのは鬱で無気力になっているから
➝ではなく、
鬱で無気力になっているのは歩かないから

・交通量の多い道路脇を歩いたグループと森の中を歩いたグループでの血流量などの差
➝創造性スコアの高さ➝歩かない<ウオーキングマシンで歩く<戸外を歩く、の順だった

・レイ・ブラッドベリの短編「歩行者」(1951年)より・・・略

第15章より
・ダ・ビンチの男性像を円と正方形で囲んだ有名なスケッチ
➝理想的な人体プロポーションだが2011年に学者が鼠径ヘルニアの膨らみに気づいた
➝鼠径ヘルニアは男性の1/4以上が経験する
➝重力で腸が下垂し鼠径管から腹腔外へ飛び出すもので二足歩行の直接的な結果

・人類の二足歩行にはデメリットも多い
➝600万年かけて部分改良された類人猿だから
➝進化は生き残って子孫を残し種を存続させるに足る形態をもたらすだけだから
➝過去の形態の寄せ集めで自然選択で修正されてきたので痕跡が残っている

・物理学に基づいた二足歩行ロボットは人類ではなくダチョウの骨格と同じになった

・3000万年前のエジプトピテクスから1000万年ほどの間にサルと類人猿が分かれたが、
類人猿にも尾の筋肉は残っており重力で下垂する内臓を支えるのに使われてきた
➝直立二足歩行する人類には不十分で、内臓が女性の膣内に飛び出すことがある

・下肢静脈瘤も偏頭痛も背骨の圧迫骨折も椎間板ヘルニアも靱帯損傷も二足歩行によるもの

・2012年ロンドンオリンピック400m走で使われた義足は1枚のブレードでできている
➝ヒトの足は複雑だがダチョウやエミューの足はこれに近くヒトの倍速で走れる
➝恐竜や鳥類の二足歩行の歴史は我々初心者より40倍長く骨格を微調整してきた結果

・足首の可動性は樹上生活には有利だったが地上の二足歩行では大きな犠牲を払っている
➝進化は修正で応急処置的であり、痛みや怪我のリスクは残ったまま
➝靴も同じくメリットだけではないが、靴発明以前のホミニン化石にも足の病変は見られる
➝直立二足歩行の負の結果であり、この特徴が二足歩行を始めた謎を解き明かすかも・・・

結論より
・道具の使用、共同育児、交易ネットワーク、言語・・・すべては二足歩行から
➝ただし四足歩行よりはるかに遅く、肉食獣の獲物になり、転倒事故は増え、難産になり、
幼児の一人歩きは危険で、年を取ればその負担が痛みになる
➝多くのデメリットがあり、世界でも稀な二足歩行動物が、絶滅せず繁栄できたのはなぜか・・・

・190万年前の化石ホミニンの例
➝10代後半のメスで子供の頃に足首を骨折していた痕跡がある
➝仲間に助けられながら成人するまで生き延びたとしか考えられない
➝怪我や病気になり生き延びたホミニンの化石の例は他にも数多くある
➝ホモ・エレクトスにもアウストラロピテクスにも・・・
➝他種のホミニンと食物を奪い合いながら仲間に共感を寄せる善と悪のパラドックス

・哺乳類の行動は敵意と調和のダンス
➝人間の利他的行為は同族と見なした相手に限定されることが多い
➝助産婦は少なくとも320万年前のアウストラロピテクスの時代には存在した
➝ボノボとヒトは出産の介助を他のメスがする(チンパンジーは単独)

・類人猿の思いやりの例、ゾウ・イルカ・イヌなどの共感力・・・

・利他的な行動の能力は危険な世界で生きる二足歩行動物の脆弱さから
➝共感力と協力と寛容さは二足歩行という移動形態と合わせて進化してきた
➝社会的でない攻撃的なサルの系統なら二足歩行は絶滅への道となっただろう

・二足歩行する特別なサルが繁栄してきたのはおもに、その共感し、許容し、協力する
能力のおかげなのだ・・・


いやあ、じつに面白かったです 
少しでも興味を持たれた方には本書のご熟読をオススメします



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