災害避難とか

2025年02月01日

EDCグッズの更新

先月で阪神淡路大震災から30年が経ちました
当時わたくしの自宅や職場の被害は軽微だったので、阪神地区の自宅で被災した職員らに
支援物資を
手配したり、大阪市内に設置された一時避難所を手伝ったぐらいでしたが、
徒歩で避難されて来られた方々から直接、貴重な
お話を聴かせていただきました

当サイトでも東日本大震災の直後に、それまでのアウトドア経験と皆さんからのコメントで
災害避難についてのまとめを記事にしています

何度も書いてますが災害避難では、まず確保すべきモノの優先順位を意識して行動すること、
(基本は①酸素②シェルター③水④火⑤食料の順、別に情報の確保も重要)
そしてこれらの確保のために常に持つべき(EDCすべき)モノと自宅などに備蓄すべきモノを
定期的にチェック更新して過不足なく揃えておくこと、が大事だと思っています

つーことで・・・

今回はひさしぶりにEDCグッズを更新しました!!!

そう、

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自分へのお年玉として新しいショルダーバッグが来たもので・・・


まずは

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ペットボトルホルダーと我が一族の紋章を付け替えて・・・



メインポケットには今回とりあえずこれだけに厳選

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左から時計回りに、
携帯電話→財布(各種カードや救急絆創膏なども入ってます)→コインケース(クルマのキーや
免許証などで運転時のみ)→キーホルダーであります



で、キーホルダーには、

P1318426 - コピー

上から時計回りに、
自宅と実家と車庫の鍵→LUMINTOP EDC01(wing-MOD5000k)ライト(充電式リチウムAAA)
→たこ焼き専用?チタン爪楊枝→笛→ミニバール→ビクトリノックス クラシック

バックアップライトがNITECOREのTIKIから替わってますが、あとは昨年とほぼ同じ


フロントポケットには、

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左から時計回りに、
折り畳み傘→ACEBEAMのH16ライト
眼鏡拭き→マスク2→歯間ブラシ2種とトレイルミックス
エコバッグであります
(エコバッグの中に
サイズの異なるレジ袋を詰め込んであり、買い足し以外にも災害時などの
・水筒用・防水用・呼吸用・便器用としても使う予定)

愛用の折り畳み傘が壊れたので更新、最近トレイルミックスをいただいたので飴がわりに、
あとは昨年とほぼ同じかな


バックポケットには、

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左上から時計回りに、
ポケットティッシュ→携帯ポンチョ→ダクトテープ・紙マッチ・ライターのセット
→細引き→鎮痛解熱剤など常備薬のセットであります

ウェットティッシュや大きなポリ袋、レスキューシート、手袋、アルコールスプレーなど、
嵩張るものは思い切って別のバッグに移動しました

そう、昨年チェック時からEDCバッグが小さくなったのでEDCグッズも減らしてみた次第

上記まとめ記事にあるEDCグッズ一覧に較べるとやや頼りないですが、最近は外出といっても
徒歩圏内が殆どだし(
徒歩圏内でもママチャリだし)、行先もせいぜいスーパーか量販酒屋か
飲食店か医院ぐらいなので短時間だし、まあいいかと・・・

もちろん行先によってEDCバッグも内容も替えるつもりで、いちおー用意はしてるのですが、
いったん身軽になると再び重くて大きいEDCグッズを持ち歩けるのかどーだか・・・




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2024年10月25日

スバル・レックス車中泊想定編

ええ、新車購入から1年以上が経過しましたが・・・

最近ようやく車中泊想定を考えてます

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まず助手席シートを一番前までスライドさせて、


XVの車中泊想定で購入してた45×30×26サイズのコンテナをば・・・

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2個重ねると倒した後部座席の背もたれとほぼ同じ高さになりました


で、その上に180×60サイズのマットを敷いてみると・・・

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何とかギリで収まりました ほっ


ただ、

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完全フラットにならず上半身が高くなるのはXV同様で想定内でしたが・・・




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30cm×6枚で180cmになるマット1枚の半分15cmほどが宙に浮きました
わたくし身長が170cmちょいなので、さすがに165cmでは脚が伸ばせません

XVではコンテナを前にずらせましたが、レックスでは前席シートレールとの間に余裕がなく
まったく前にずらせませんでした
足元もギリになったし、やはり室内長もXVよりかなり短くなってるんですね
もちろん上のコンテナだけずらせばゲコゲコと安定しないし・・・

そうか
ヘッドレストに常時かけてあるフックからパラコードでも吊るして、
板を載せればいいだけではないか、サイズはコンテナと同じぐらい・・・
そーいや、そんなキャンプテーブルがあったはず・・・

つーことで、

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助手席ヘッドレストにかけてある100均フックからパラコードを吊るして・・・



ちゃらら・らっちゃ・ちゃーん

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どこでも宴会用キャンプテーブルう!!!

サイズは40.5×36でコンテナとそんなに変わらず、裏の折りたたみ部の三角形の出っ張りが、
ストッパーになってズリ落ちることもなさそうだし・・・


つーことで、さっそく・・・

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まずはパラコードの長さを調整、段差が生じたセンターコンソール(アームレスト)には、


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てきとーなクッションを載せて似たような高さに調整、



そしてアキレスのマットを敷けば・・・

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ギリですが180×60サイズ車中泊用ベッドの完成であります

試しに寝てみましたが、後部座席の右側から乗り降りすれば、ほぼベッド感覚で使えますし、
上半身が少し高いのも一晩ぐらいなら、おそらく気にならないでしょう

ただしテーブルとコンテナとの段差が4cm厚のマットを通しても、やや気になりました

ま、XVで試したようなインフレータブル・マットをパンパンに張れば、この程度の段差は、
おそらく感じなくなるでしょうし、もっと薄いボードを探す方法も考えられます

でも、手持ちの古いインフレータブル・マットやエアマットは殆どが空気漏れしてるし、
このキャンプテーブルなら「就寝時以外どこでも宴会テーブル」として使えるのだから、
これをベースにマットやキャンプピローなどで段差を工夫して、いずれ第二弾を・・・
って、そもそも泥酔状態で宴会テーブルを、この状態にセットできるのだろうかっ???



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2024年09月17日

世界の終わり防衛マニュアル図鑑

ええ、防災週間は9月5日で終わりましたが・・・


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世界の終わり防衛マニュアル図鑑 APOCALYPSE READY
~自然災害・核戦争・宇宙人侵略に備えた各国の啓発資料集~であります




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惹句には「プロパガンダ・アートとしての防災・防衛資料の変遷」とありますが、
まえがきによれば「
第一次情報化時代に政府が発した様々なアドバイスの記録」・・・

ま、戦前から冷戦時代を中心にした各国政府の防災・防衛に関するポスターや図解マニュアル
などの紹介とその解説です


著者紹介

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奥付

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例によって目次のみ

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各国の①パンデミック②自然災害③核戦争④宇宙人の侵略に備えるための啓発ポスター、
パンフレット、ハンドブックなどの図版とその解説で、国や政権や時代による違いなど、
今では稀少な(きわめてマニアックな)資料の集大成で、なかなか興味深く眺めました

さすがに本編紹介はできませんので「はじめに」と自然災害に関する解説の一部のみメモ・・・

(はじめにより)

・本書は第一次情報化時代に政府が発した様々なアドバイスの記録
→この記録は情報媒体を駆使して、思いもよらぬ事態に直面する社会を助けようと、
人類が全力を尽くした証しでもある

・生命や財産を脅かす危険性について人々に周知させる方法(英国の洪水警報研究結果より)
→はっきりと断定的な主張や声明ではなく、むしろ不確かな雰囲気を醸成する資料を配布して、
人々の疑問に対してシンプルな答えを提供すること
→不安が醸成されると自分たちでリスクについて学び、家族や友人、近隣の人と話し合う
ようになり、それが社会全体としての危機への備えや意識の向上、情報の周知につながる

・起こりうる結果を踏まえたメッセージを発信する
→竜巻の可能性メッセージだけでなく先の結果(地下室に入らないと死ぬ確率とか)も示すと、
命を守る行動をとる可能性が高まることが研究で明らかになっている

・政府が作る広報はすべてプロパガンダとも見なせ、防災ガイド作成自体が政治行動になる
→危機の際にも政府がコントロールできるという、国家としての強さの証明
(現時点で、そんな強い国民国家が(我が国も含め)どれだけ存在するのか・・・)

・ピンポイントに絞ったガイドは関係者の考えが反映されるが社会全体の対応能力が低下する
→20世紀の防災ガイドは英語を話し郊外に住む白人中流階級家庭に焦点をあてたもの
→庭に核シェルターを作れ→高層マンションやトレーラーハウスの住人は?


②自然災害の「大地が動くとき」では、日本のパンフレットが詳しく紹介されてましたが、
「自然の中で生き残る」の解説より一部をメモ・・・

・サバイバル好きといってもベア・グリルスの視聴者からボーイスカウト、大災害に備える
「クレッパー」まで様々なレベルがあるが、少しの技術や知識が生死を分けることがある
→サバイバル技術を学び始める最高のタイミングは「事が起こる前」

・1953年の英軍サバイバルガイドから
→極限状態に生き残るために不可欠な要素は、自己保存本能と適切なレベルの訓練

・他の近代軍隊も大半は野外生活技術と応急処置の履修が基礎訓練の必須科目になっている
→その後に派遣先(北極圏やジャングルなど)に応じた専門的な知識と技術訓練が必要となる


・・・


そう、災害時のサバイバルには、備えはもちろん知識と技術と訓練も大切なんですね
なので今後もわたくし、キャンプ宴会を繰り返して訓練を続けることにします

氷が切れても、いかにして冷たいビールを飲み続け、冷たい素麺を食べ続けるかとか、
はたまた燃料が切れても、いかにして美味しい焼き肉や鍋料理を・・・ぷつん




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2024年08月30日

戦争と交渉の経済学

とーとつに前回記事までとは真逆の世界・・・じつは同じ世界でもあるわけですが・・・

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Why We Fight  ~The Roots of War and the Paths to Peace~

戦争と交渉の経済学~人はなぜ戦うのか~とゆー本の(部分)紹介であります



表紙カバー裏にあった惹句

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そう、この数十年間の経済学・政治学・心理学の研究結果は、これまでの直感とは異なり、
「人々はめったに戦わない」、「戦争の原因は少なくたった5つしかない」ということだった、
で、この5つの原因に取り組むことで暴力の動機を減らし取引に向かう動機を増やせることを
実例とともに明らかにする・・・という内容の本でした


裏表紙カバー裏にあった著者・翻訳者紹介

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奥付

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例によって目次のみ

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本文だけでも450頁、原注や参考文献も含めると550頁ちかい大著でした

理屈だけでなく実際に現地で取材した事例が各章に出てくるので説得力がありましたが、
古今東西の戦争理論や経済理論の嚙み砕いた解説もあって、ともかく膨大な情報量・・・

つーことで・・・図書館への返却期限もあることだし・・・

第1部メインの2章から6章は飛ばし読み、第2部はキーワードのみ拾い読みしましたので、
以下はごく一部の読後メモになります
例によって読み違いも多いので、興味を持たれた方は本書の熟読をお願いしますね
(著作物からの自分用メモなので公開に問題があれば非公開設定にします)


第1部の序章より

・シカゴの若者グループ同士の殺し合い、北部ウガンダの暴力で学んだこと
→社会の成功とは、単なる富の拡大ではなく、
→自分の11歳の娘が反政府組織によって奴隷にされないこと
→通り過ぎる車からの銃撃や流れ弾に怯えず家の前に座っていられること
→警察や裁判所や市役所に行けば曲がりなりにも正義を求められること
→政府に住んでいる場所から追い出されて強制収容所に押し込められないこと
→これが「自由としての開発」(アマルティア・セン)→暴力からの自由は重要

・武力紛争は人々を貧困に追い込み社会の発展を損なう
→これは国にも都市にも当てはまる
→「国家を最も野蛮な段階から最も豊かな段階に引き上げるのに必要なのは、
平和と安い税金と反発を招かない司法の運営だけである」アダム・スミス1755年
→繁栄と平等な権利と正義の実現には必然的に戦争について考えなければならない

・本書における戦争の意義(定義)
→「集団の間での、長期にわたる、あらゆる種類の暴力的な争い」
(集団には村、氏族、ギャング、民族、宗派、政治的党派、国家などを含む)
(個人の争い、短期間の小競り合い、暴力的ではない熾烈な競争などは含まない)

・具体的に考察するのは、
①北アイルランドの過激派
②コロンビアの麻薬カルテル
③ヨーロッパの専制君主
④リベリアの反乱軍
⑤古代ギリシャの寡頭政治家
⑥シカゴのギャング
⑦インドの暴徒
⑧ルワンダの大量虐殺者
⑨イギリスのサッカーのフーリガン
⑩侵略者としてのアメリカ

・戦争は例外であり通常は選択されない
→現実には最も激しく対立する敵同士でも非暴力的に争う方を選ぶ
→この事実は忘れられがちで回避された無数の衝突について書かれた本は少ない

・近接して対立する2つの集団で、実際に武力衝突が起きた組み合わせの数
→アフリカの民族抗争では2000組で年間1組
→インドの宗派衝突では年間1000万人あたり1件未満で死亡率はせいぜい16人
(アメリカ大都市の殺人発生率は少なくとも10万人あたり16人でインドの100倍)

・国家間レベルでも同じ
→アメリカとソ連、パキスタンとインド、南北朝鮮、南シナ海、アフリカ植民地・・・
→回避された武力衝突は無数にあるのに失敗だけに注目する選択バイアス
→この
選択バイアスでは戦争の原因と平和への道筋を誤解してしまうことになる
→成功例にも失敗例にも見られる要素はおそらく戦争の原因ではない

統計学者エイブラハム・ウォルドによる大戦中のB17爆撃機の補強への指摘
→帰還したB17の胴体と翼への弾痕が多かったので軍はその部分の補強を命じた
→ウォルドは逆に弾痕の少なかった操縦席やエンジンへの補強を主張した
操縦席やエンジンへの被弾で撃墜されているのに軍が生存者バイアスで選択していたから

・戦争に関しては逆の失敗バイアスで選択しがち
→武力衝突の回避に失敗した(撃墜された)弾痕(貧困・不満・銃など)だけに注目している
→実際には虐げられた者が蜂起することはめったになく、若く貧しい民衆煽動家のほとんどは
反乱を起こさず、重武装した集団でも武力衝突より冷戦を選んでいることに注目すべきなのに
失敗バイアスで選択している→回避に成功した要因にも注目すべき

・重武装している集団が非難し合い、脅し合い、武器をひけらかすのは普通のことだが、
流血や破壊は普通のことではない

・私が望むのは、読者があらゆる場面でこの事実に注目することで、(それにより)
→多くの大言壮語や好戦的な言説の中に講和を主張する政治家の意見があることに気づくかも
→敵対する集団同士が短期間ミサイルを撃ち合ってから攻撃を止めた事例に目がとまるかも
→「陛下、和平です」と耳元でささやく顧問官、老練な将軍が若く血気はやる将校にどんな
悲惨な事態が待ってるかを気付かせるシーンにハッとするかも・・・
→一番わかりやすいのは「戦費が賄えません」と冷静に指摘する財務担当者や金庫番の姿かも
→こうした葛藤やコストが敵対し合う集団を妥協へと向かわせる

・殆どの状況で講和を求める声が勝るのは戦争が破滅を招くから
→互いにヒートアップして小競り合いが起きても殆どは冷静な判断が優勢になる
(1つの戦争の裏では1000の戦争が話し合いと譲歩で回避されてきた)
→戦争を長引かせて国の利益になったことはない(孫子)
→長い議論の方が
長い戦争よりまし(戦前のウィンストン・チャーチル)
→政治は流血のない戦争で戦争は流血を伴う政治(毛沢東)
→戦争は他の手段による政治の継続(毛沢東が読んでいたカール・フォン・クラウゼヴィッツ)

・7000年前の都市文明では戦う騎馬遊牧民を常に金で追い払い略奪から都市を守っていた
→多くの帝国は戦うか服従して貢物を差し出すかの選択肢をまず小国に示した
→町や村で殺人を犯した者の一族は被害者の遺族に賠償金を払い報復の連鎖を避けた

・ヨーロッパの平民と貴族の何世紀にもわたる闘争
→歴史家は農民の反乱に注目しがちだが、それは貴族が譲歩を拒んだ僅かな事例にすぎない
→ヨーロッパのゆっくりした民主化は、反乱を伴わない長期にわたる革命の連続と言える

・各国は戦争より相手を懐柔することを選んだ
→しばしば強い国は弱い国の領土を銃を撃たずに奪ったが弱い国は不本意ながらも従った
→ヨーロッパでは植民地を巡る戦争を避けるため会議で穏便に分割した
→アメリカはロシアからアラスカ、フランスから中西部を買収して、スペインからキューバも
買収しようとしたけど・・・

・現代の領土問題はさらに微妙→埋蔵資源、水資源、海洋など・・・
→アメリカ・ロシア・中国などの覇権国家が弱小国に様々な圧力をかけている
→不公正だが弱小国の選択が武力行使であることは殆どない
→国内では政治的党派が巧妙な手段で
不公正に再分配しているがこれも平和的な取引

・残念なことだが平和は必ずしも平等や公正を意味しない
→世界は残酷だが平和な不公平にあふれている
→軍と政府を掌握する少数民族による多数民族の支配、上流階級による生産設備などの独占、
軍事的超大国による他国への自国世界秩序の押し付け・・・
→それでも革命の犠牲とリスクは大きすぎるので反乱より妥協を選択している

・殆どの場合に妥協が選択されるのは双方の集団が戦略的に行動するから
→先を読み、相手を見極め、予測して行動を決める→ゲーム理論→
完全ではない
(特殊な状況においては戦うことが最善の戦略になる→後述)
→本書の枠組みは基本的にシンプルな戦略ゲーム
→どんな事例にも根本には自分たちの利益を追求する人間の衝動があるから

・政治的解決が失敗する理由は5つに限られる(第1部の2章~6章で証明→略)

第1の理由 抑制されていない利益
→和平へのインセンティブは戦争による犠牲だが、それを決定する人々が集団の他の人々に対して
責任を負わない場合は、犠牲や苦難をある程度は無視できる
→彼らが武力衝突で利益を得ようとしている可能性もある
→このような
抑制されていない支配者(の利益)が武力紛争の最大原因の1つ

第2の理由 無形のインセンティブ
→暴力により、復讐・地位の獲得・支配など「無形の目的」を達成できる場合がある
→神の栄光・自由・不正との戦いなど「
無形の目的」を達成する手段が暴力の場合もある
→一部の集団にとって無形の報酬は戦いから苦しみや損失を取り除くものになる
→この
無形の報酬を最優先する集団は戦争の犠牲をいとわず妥協を拒否する

第3の原因 不確実性
→敵の戦力や戦意の程度が分からない場合や、自分が相手と同じ情報を持っていない場合は
不利益であっても攻撃が最善の戦略になる場合がある(ポーカーのブラフで降りないのと同じ)

第4の原因 コミットメント(確約や公約)の問題
→双方が戦争による破滅を避けるための政治的取引を望んでいるが、その取引がまったく
信用できない状況
(こちらが攻撃しなければ敵は何を約束するか、敵とは約束できないし、たとえ約束しても、
それが信用できないことを、双方がわかっている場合)

第5の原因 誤認識が妥協の邪魔をする
→人間は自信過剰な生き物で、他の人々も自分と同じ考え、価値、世界だと決めつける
→大きな集団でも様々な誤った信念を持ってるので合意を見いだす能力を誤認識に奪われる
→敵を悪魔のように捉え邪悪な動機を持っていると決めつける
→競争や対立はこうした誤った判断をさらに悪化させる

・戦争に対する説明の殆どは、これら5つが姿を変えたもので、5つの分類は類型論
→すでに存在する膨大な理論や学説を整理したもの
→これら5つのいくつかが重なることで、平和の維持がますます困難になる
→脆弱なコミュニティや都市や国家で暮らすというのはそういうことなのだ

・原因ではないものを見分ける能力も必要
→貧困、資源、気候変動、民族分断、分極化、為政者の不正、武器拡散などは、少なくとも
それだけで平和インセンティブを阻害することはなく、武力衝突の火種はおそらく別にある
→戦争の回避に成功した例と失敗した例の両方に注目して戦略的思考を少し働かせる
(どの弾痕が生還した飛行機にあったもので、どの弾痕が撃墜された
飛行機にあったものか)
→5つの基本原因に焦点を絞ること

・5つの論理について検討する最大の目的は、なぜ安定して平和で繁栄した社会が存在するのか
を理解し、どうすれば暴力的な社会をそうした社会に変えられるかを考えだすこと
→それが第2部のテーマで
第2部のメッセージはシンプル
→「安定した社会の集団は激しく敵対していても武力衝突を起こさない」ということ
→村、ギャング、民族集団、都市、国家、世界は、武力衝突インセンティブを無効にする方法を
数えきれないほど編み出してきた・・・


第1部の第1章より(ガイダンス部分のみのメモ)

・コロンビア・メデジンの例(略)
→普通の本ならギャング抗争の流血の実態と原因を描くだろう
→公民権なき若者、銃、政治腐敗、秩序崩壊・・・
→実際には小競り合いが戦争にはならず99.9%をグループ間の交渉と取引で回避している
(殺人事件の発生率は多くのアメリカ大都市より低い)

・戦争より
交渉と取引、長期ストライキより譲歩、訴訟より和解→これがゲーム理論だが、
→「戦争の5つの原因」がそれぞれ別の形で平和的なパイの分割を阻害している

・第2章から第6章は「戦争の5つの原因」の解説(略)回避の失敗例を見ていくが、
①戦争は例外であって通常は選択されないこと
②悲惨な出来事ばかりが語られるが世界は意外に頑丈にできていること
③私たちの手には頼もしいツールがあり常に平和への引力が働いていること
→常にこれらを覚えていてほしい・・・


第2部からはキーワードのみランダムにメモ

・成功した社会が競争を平和裏に処理するために用いた方法
→①相互依存 ②抑制と均衡 ③規則の制定と執行 ④介入

①経済的、社会的、文化的に絡み合った「相互依存」(略)

②制度による「抑制と均衡」を通じた権力の分散
→選挙・多数決の民主主義国家でも権力集中の可能性はあり、非民主主義国家でも党組織、
地域の政治家、独立した軍部、大物資産家、巨大な官僚組織などによる権力分散もある
→制度による
抑制と均衡が重要
→事実上の権力の源泉は軍事力・動員力・物資力→この
抑制と均衡

③法、国家、社会規範といった「規則の制定と執行」のための制度
・メデジンの各ギャングは協定を制定して破った者に介入した→マシンガン協定
・人類最初の政府は、秩序を維持することで経済的利益を得る犯罪者の組織だった
→いずれも不平等で抑圧的だが有効性があり、秩序がないよりはましだった

・国連の安保理も
不平等で一貫性がなく偏向しているが、あるからより平和になっている
(国連の人権に関する法と規範、妥協成立に向けての支援、制裁、調停、平和維持・・・)

・「国連が作られたのは人類を天国に連れていくためではなく、地獄から救うためだ」
(国連事務総長だったダグ・ハマーショルドの好んだ言い方)

・階層的な同盟の集合である世界の国際システムはメデジンのギャング組織と同じ
→無政府状態ではなく地域的に平和と協力が実現されていると考えるべき

④5つの原因を無効にする「介入」のためのツールセット(暴力が発生しても止められる準備)
・戦争に介入する5つの手段(懲罰、執行、調整、インセンティブ、社会化)→略
→効果は期待より小さいが一つ一つの動きが少しずつ平和へ近づけていく

・内戦の鎮静化は大量殺戮の阻止・クーデターの封殺・独裁政権の転覆などとは目的が異なる
内戦の鎮静化に限れば、多くの場合は大規模な平和維持部隊が状況を改善する

・信頼とは裏切っても利益にならないと互いにわかること→信頼の醸成が調停者の役割

・腐敗した権力を取り込み新たな武力蜂起を防ぐ介入→平和の負の側面だが、
→腐敗の撲滅や民主化を急いで追求すれば、戦争に逆戻りする可能性もある
→短期的には武力抗争の終結を金で買うことができるが、それが安定して持続するかは不明
→レアルポリティークと理想主義のバランスが必要で、教育や小さな規則変更と並行して、
漸進的に改善していくことも・・・

・なぜ戦うのかを考える際に失敗に注目してはいけない(具体例は略)
→「○○が戦争を起こす」→それが妥協へのインセンティブになり得るかを考える
→貧しい人々が戦争を起こすのではなく、起きている戦争に加わって死傷者が増加する
→平和なときは飢えた人々を喜んで軍事組織に入れるが、行うのは戦闘ではなく訓練
→貧困の根絶などは戦争の終結には有効だが平和構築への効果は薄い→目的は暴力の回避

・武装勢力同士を戦わせて解決させる「決定的勝利説」には重要な視点が抜け落ちている
→解決までに果実を享受できず死んでいく人を無視している→生存者バイアスの一例
→戦争が平等社会、強い国家、技術革新を実現した時代だけに焦点をあてており、
それらに失敗した戦争は見過ごされている

・「戦争が国家を作る」説の対象は1400年代から1814年までの西ヨーロッパのみ
→それ以外の地域でも戦乱から、より適した政府やより平等な社会が生まれることもあったが、
殆どの長期間の戦争は、破壊により社会を脆弱にして没落や侵略を招き、一体性を崩壊させ
経済発展を遅らせただけ

・技術の進歩や強い国家など殆どの利益は実際の戦争ではなく(冷戦のような)激しい競争から
・戦争とは関係なく実現した安定性、平等、国家建設は膨大にある(特に戦後の平和な時代)


「結論」→すべての人のための原則として・・・私の「十戒」

①容易な問題と厄介な問題を見分けなさい
→天然痘の大規模予防接種は手順・成否・測定・追跡が容易だったが平和の創造は厄介な問題
→それをすぐに解決すると言う候補者には投票しない、性急な解決を求めない

②壮大な構想やベストプラクティスを崇拝してはならない
大規模予防接種など定型的手法が功を奏するので、それらのベストプラクティスに幻惑され
あらゆる状況に適合するスキームがあると思ってしまいがち
→カスタマイズせずコピーしただけの憲法・法規・制度は身の丈に合わず機能しない

③すべての政策決定が政治的であることを忘れてはならない
→官僚が賞賛され正当性を保つのは中立的に規則に従うときだが、政治に無縁な計画はない
→どんな政策でも必ず利害が生じ、新しい規則や介入はパワーバランスを変化させる
→多くの計画立案者がそのことを忘れ技術的な側面だけで最適な解決策を見つけようとしている

④限界を重視しなさい
→単に徐々に進めるのではなく「限界主義者」になること(老子・道徳経)
→投入リソース全体と得られる成果全体を比べるのではなく、リソースを僅かに投入した際に
どれだけの成果が得られるかに注目する人に
→小規模であまり効果がなければ大規模に、小規模でも何も変わらないよりはまし・・・

⑤目指す道を見つけるためには、多くの道を探索しなければならない
→探索し実験すること
→ミズーリ州セントルイスからオレゴン州ポートランドに行くのに必要なものは?
→今なら答えは簡単だが1804年に大統領トマス・ジェファーソンが探検家に命令した時点では
試行錯誤を伴ういくつかのチーム・ルート・装備・スキル・計画の検討が必要だった
→これが厄介な問題に取り組むときのアプローチ

⑥失敗を喜んで受け入れなさい(漸進的な試行錯誤の繰り返し)
→公共政策の失敗プロジェクトは無数にあるが無難な政策がいいわけではない
→試行と失敗の繰り返しを定型化して実行し無効なアイデアをふるい落とす(イテレーション)

⑦忍耐強くありなさい
→プログラムが簡潔で結果が得られる災害救援や選挙監視は短期間でイテレーションができる
→統治能力の構築やギャング殺人の低減といった分野で短期間で実験を行うのは不可能
→現実にはあり得ない短期間を期待する集団妄想では平和への歩みは速まらない

⑧合理的な目標を立てなければいけない
・南スーダン自治政府の例(2008年)
→有権者が政府に望むのは小学校の運営、村の診療所、道路の修復だった
→政治家は電力事業の経営、港の再建など10以上の部門の整備を考えていた
→国際的な寄付団体は2年以内に貧困・栄養不良・汚職を半減させるよう求めていた

・非現実的な目標を設定すれば成功した改革にも失敗の烙印が押され、国家に対する集団的な
信頼は確実に削り取られる
→すべてを優先するのは何も優先しないのと同じ
→学校や診療所の運営は非営利団体でもできるが治安維持、裁判制度、財産保護、暴力制御は
政府にしかできない
→政府の守備範囲と能力を考慮し、試行錯誤に寛容になり軌道修正を非難せず称賛すること

⑨説明責任を負わなければならない
・なぜ官僚機構はベストプラクティスにはまるのか、なぜ実験やインテレーションが少ないのか、
なぜ月並みな成果で満足する組織が多いのか→説明責任が少なすぎるから
・説明責任は分散させることでも生じる→多中心主義(エリノア・オストロム)
→平和のような厄介な問題ほど、一番近くで実験している者の判断が重要になる
→成功している援助組織は意思決定をできるだけ中心から遠ざけている
→優れた組織は下部に権限を委譲し重要な説明責任は上部が負う
(国連やアメリカなどと援助を受ける側の中央政府との関係は逆で、
中央政府の説明責任を
低減しており、地方政府への直接援助もできない仕組みになっている)

⑩限界を見つけなさい
→自分が影響を与えられる領域を見つけ、そこで世界に少しずつ働きかける
→次にどんな本を読むか、誰に投票するか、何に寄付するか、どこでボランティア活動するか、
あるいは政府や援助組織で働いているのなら、この「十戒」を取り入れて改善するか・・・
→あなたが踏み出すのは試行錯誤に満ちた自己発見の旅である
→あなたは自分で限界を見つけなければならない
→旅の幸運を祈る。そして、漸進的に平和を目指すことを忘れないように・・・

さてさて、この本を飛ばし読みした今の自分に何ができるか・・・
次にどんな本を読むか、誰に投票するか、何に寄付するか、どこでボランティア活動するか、
まずはそのあたりでしょうが、この選択を誤らないようにするためには氾濫する情報の中から
自分の選択バイアスをできる限り排除して冷静に取捨選択していかないといけませんね
判断できない場合は、とりあえず当サイトの読書メモのように並列しておくとか・・・




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2024年06月21日

新シェーバーde新お泊りセット!!!

とーとつですが、わたくし新シェーバーを買いました

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OHMの「2枚刃 水洗いポケットシェーバー」(HB-SB21B-K)であります


じつは過日のオオムラサキ・キャンプの洗面時に、このお泊り愛用品を床に落としてしまい、

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外刃を破損してしまってたのでありますね

で、ほぼ同重量・同サイズの乾電池式で、今度は水洗い可能なのをポチってみた次第



上記のとおり20mmほど長くなったので、愛用のお泊りセットに入るか不安でしたが、

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シンデレラ・フィットしました!!! しかもソフトケース付き防水仕様でお安くて2枚刃!!!

さっそく試し剃りしてみましたが、ま、キャンプなど短期間の使用には充分でしょう


せっかくなので、この機会に新お泊りセットの中味も紹介しておきます

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基本はシェーバー、歯ブラシ、歯磨きペーストの三点セットにティッシュと
シンプルなもので、
ビーパル付録ブリキ箱の内子には、使うかどうかわからない石鹸・耳栓・ウェットティッシュ
・足ふきティッシュを入れてます

そう、薬品やライトやエマージェンシーブランケットなど緊急宿泊に最低限必要なモノは
別のEDCポーチに入ってるので(ティッシュなどはダブってますが)、わたくしにとって、
こちらは「ややラグジュアリーな追加お泊りセット!!!」つーことになりますね

もちろん、このお泊りセットなら旅行やキャンプなどに限らず、緊急入院時にも災害時の
緊急避難にも使えますので、すぐに持ち出せるように準備しています




m98k at 12:00|PermalinkComments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック