サバイバル

2022年08月05日

備蓄用???早ゆでパスタ

ひさしぶりの災害備蓄用???食品のご紹介・・・早ゆでパスタであります・・・

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太さ1.6mmで標準ゆで時間3分つーのは確かに早ゆでですね。
時間のない時や燃料を節約したい災害時やキャンプ用にと(やや割高でしたが)買ってみました。
ええ、わたくしがふだん大量に食べているパスタ類はもっとお安いのばかりです。





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切り込みを入れてゆで時間を短縮、ゆで上がると標準品の丸い形状になる、とあります。

1年前に買ったものですが賞味期限はまだ2年ほど残ってますね。
乾麺は賞味期限が長いので備蓄用にも安心ですが、たっぷりのお湯で茹でるのが基本。
そう、災害時やアウトドアでは貴重な水と燃料の無駄になる・・・
と思われがちですが、これについては後ほど・・・

100gあたり362kcalですから500gで約1820kcal・・・備蓄しているライ麦パンの倍近いです。
確かにデュラム小麦のセモリナ100%でカロリー満点、消化もよくエネルギー効率が高いので
毎日長時間を戦うロードバイクレーサーの試合中の食事はパスタだけだとか・・・

で、この商品は「一般とは形状が異なるので電子レンジでは茹でないように」とありますが、
少ない水でふつうのパスタを茹でるには大きなフライパンが一番です。
アウトドアで小さなフライパンやクッカーしかない場合は、仕方なくパスタを折りますが、
レトルトのパスタソースを使う場合は一緒に温めれば手間が省けます。

さらに浄水が貴重な場合は、ジップロックなどに最低限の浄水とパスタを入れて、汚水でも
茹でることが可能ですし、要は工夫次第なんですね。
なのでアウトドアや災害備蓄用にも乾麺類は必須だと、わたくしは確信しています。

パスタの含水量によっても異なるでしょうが、最低限パスタが浸るぐらいの水の量でも、
くっつかないようにさえすれば、ほぼ遜色なく茹で上がりますし、慣れれば茹で上がり時に
ちょうどお湯がなくなるぐらいに調整することもできるようです。

また事前に浸水しておけば時短・燃料節約になり、生パスタのもちもち食感になるようですが、
わたくしは乾麺のつるつる・しこしこ感が好きなので、一度も試したことはありません。


ちなみに・・・

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ふつーの1.6mmパスタの茹で時間は8~9分ほどなので、時間だけでなく燃料も1/3で済む
ことになりますが、ま、これもあくまで計算上なので、水や燃料は余裕を持って・・・

さらにちなみに・・・
わたくしはシンプルなペペロンチーノ・アーリオ・オーリオが好みで、そこにありあわせの
具材を入れることが多いので、我が家にあるパスタ類は殆どが1.4mmなんですが、たまには
こってりソースのパスタも食べたくなるので、1.6mm以上のも少量は常備している次第。

またレトルト・パスタソースでは細いパスタに合う(お安い)のに出会ったことがないので、
備蓄用やキャンプ予備用でレトルト・ソースとセットする際は、太めのパスタにしています。

さてさて、災害備蓄用の糧食にはローリングストックが重要なので・・・
これらも大量に早めに食べないとね・・・ずるずるずる



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2022年07月29日

すごい統計学

とーとつですが・・・
すごい統計学・・・であります

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ええ、
数式いっさいなし!とゆー惹句に惹かれて・・・


著者、発行所、発行年月日については奥付のとおり

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今年5月に出たばかりの新刊であります


例によって目次のみのご紹介

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確かに素人にも解かりやすくて面白く、まさに目からウロコでした。

わたくしも典型的な文系で数字や数式を見ただけで心が折れますし、ネットやSNSの広告や
フェイクニュースにもだまされやすく、昔とある国家試験を受けるように勧められた際も、
試験科目に統計学があったので結局は受けずじまいだったぐらい・・・
経済学も苦手だったけど・・・


以下は素人による読後メモですが、当然ながら本書では表やグラフを使った説明が殆どで、
当然ながら文章だけではよく分からないので、興味のある方は是非本書のご熟読を・・・


・統計学を身につけることでエビデンス(根拠)のない判断を避けることができる
→サザエさんの「じゃんけんコーナー」で71%の勝率(1991-2022で664勝272敗)の例
(乱数表とかでランダムなら50%だが同じ担当者が決めるからクセが出る
→統計学が使える)

・質的データ
①名義尺度→区別・分類するため→性別・血液型・住所など→大小・優劣・順位などはない
→最頻値などは出せる
②順序尺度→順位・好みなど→平均値は出せないが中央値・最頻値などは出せる
量的データ
③間隔尺度→摂氏温度・知能指数など→目盛りが等間隔なので加減でき平均値は出せるが
乗除はできない
④比例尺度→絶対温度・身長・売上高など→絶対的な0が存在するので四則計算ができる
平均値・中央値・最頻値などが出せる
・これらの尺度(型)を知ることがデータを扱う際の「最低限のリテラシー」

・見えないデータ
→葛飾北斎の「見えない風」の描写方法
→アメリカ軍爆撃機のドイツ軍弾痕分布からの分析例→生存者バイアスの排除が重要

・平均値・中央値・最頻値
・勤労者世帯(2人以上)別「貯蓄現在高」分布グラフ(2020総務省統計局)の例
→棒グラフではなく横幅が2倍になったヒストグラム(柱状グラフ)
→横にも連続性があり面積で大きさを比べるもの
→平均値1791万円は高額の「外れ値」に引っ張られたもの→「ふつう」ではない
→中央値1061万円は順にならべた場合の真ん中の値→これぐらいが「ふつう」?
→最頻値100万円未満はデータで一番多く出てくる値
→きれいな正規分布の場合は三者がほぼ一致するが、これは18倍の差が出ている

・グラフの型によって「ふつう」をどこにするかが変わる(身長の例も)
→右に裾を引くグラフでは平均値は大きめに、左の場合は逆になる
→会議資料などでは中央値か平均値をメインに最頻値を参考に添えるのが正直な使い方

・株価予測グラフの例→外れ値に影響されない中央値を活用すると有用な情報になる
→(
外れ値に影響される)平均値は変化に対応する→中央値は変化には弱い
(5人の毎週末テストの例→40,50,60,70,80が翌週に45,55,60,75,85になれば、
平均値は60から64に変化するが中央値は60のままで変化しない)

・社員の睡眠時間の例→階級分けを未満・以上にするか以下・超にするかで最頻値が変わる
→最頻値は相当なデータ数があって階級分けの方法に影響されない場合に使える
→社員の通勤時間や遅刻時間などでは最頻値が実情を掴みやすい
・暗号解読や誰の文章かを推定する場合は頻度なので最頻値一択

・それぞれにメリット・デメリットがあるので条件に合わないツールは使わない

・子どもの成績や身長の予測→差の縮小→平均への回帰→回帰分析

・正規分布・平均値・標準偏差
・平均値からのバラツキの大きさ(グラフの幅の広さ)は、
→高校3年生の身長>鶏のタマゴの重さ>クギ(工業製品)の長さになるが、
→どれも正規分布で平均値の標準偏差±1倍に68.3%、2倍に95.5%、3倍に99.7%が入る
→数学テストでは標準偏差が大きく正規分布は幅広に、作文テストでは逆になるが結果は同じ
→統計学ではこの正規分布の性質を使い仮説を立ててエビデンスを導き出す(仮説検定)

・正規分布で平均点や標準偏差がわかれば異なる2つを比較できる
→平均0で標準偏差1とした正規分布が標準正規分布(偏差値は平均50、IQは平均100)

・正規分布ではない(わからない)分布には平均値ではなく中央値を活用
→中央値に似て
標準偏差のようにバラツキ範囲を示すのが四分位範囲(50%)
四分位範囲の箱に最大値・最小値のヒゲを付けたのがローソク足(株価チャートなど)

・あみだくじの横棒はパチンコのクギと同じで少ないほど真ん中に行く確率が高い

・地震予知の統計学からのアプローチ(略)

・著者による2つの統計学の違い
→記述統計学(一般にはグラフや表に記述)→全数調査したデータを使う統計学
→推測統計学(一般にはサンプルから母集団を推測)→サンプル調査したデータを使う統計学
→データを代表値(平均・中央・最頻)や最大値・最小値にして分析
→それにより対策や提案を目指すのが統計学

・早くて安い推測統計学
→サンプル調査の点推定と区間推定
→区間推定で母集団の平均値や標準偏差を推測するのが推測統計学→誤解やミスリードも
→全体を縮小したサンプルになっているか(みそ汁の味見、購読新聞の例)がポイント
→1936年の大統領選挙予想→大手のサンプリング・ミス(数は多いが富裕層に集中した)
→視聴率、内閣支持率などの誤差の範囲(略)→意識する姿勢が必要

・数学的確率と統計的確率(コイン投げ→ギャンブラーの誤謬)→実績(統計)で考える

・帰納法(仮説検証)は反例で崩れる→1697年のブラックスワン発見→統計学の仮説検定
→確率5%以下が統計では判定基準→フィッシャーによる危険率
→帰無仮説を立てる→数値判断で棄却する→対立仮設を採択する
(最初に線引きラインを決めておく)
→コイン投げ20回で有意水準5%以下(15回以上続けて表)ならイカサマかコインが歪んでいると判断、
14回までなら、たまたまと判断する(15回以上の「たまたま」もあることに注意)
→これが片側検定→怪しいコインだがどちらが出るかはっきりしない場合が両側検定2.5%
→新薬の優位性を調べるなら片側検定、非劣勢性も調べるなら両側検定?
→ズルが生まれないよう、調べる内容によって方法を最初に決める

・スマホ顔認証で本人なのに認証しない過誤と他人なのに認証する過誤の例え
・統計のα過誤(本人なのに認証しないようなもの)
→正しく帰無仮説を立てた(対立仮説が正しかった)のに
検証データでは棄却できなかった場合
・統計のβ過誤(他人なのに認証するようなもの)
→間違っていた帰無仮説を棄却し、対立仮設を採択してしまった場合

・危険率(有意水準)を大きくすると他人まで認証し、小さくすると本人でも認証しなくなる
→すべてトレードオフの関係→なので危険率の設定は重要→冤罪と死刑の関係
→判断ミスをゼロにしきれないので危険率という考えがある
→「メンデルの法則」疑惑からバラツキの捏造、エニグマ解読後の偶然の範囲内での行動
→統計学は「だまし・だまされる方法」としても使われる

・コオロギの1分間に鳴く回数と温度の関係→正の相関関係→最大は1
→因果関係がある場合は必ず分布図に相関関係が見えるが逆ではない
→ニコラスケイジの年間映画出演回数と、全米の年間プール溺死者数との相関が0.67!!!
→メーン州の離婚率とマーガリン1人あたり消費量との相関が0.99!!!
・・・とかは偶然の相関(それでも陰謀論になるのが面白い)
→信号機の数と交通事故の数の相関は別の要因(面積・人口・クルマ台数など)による疑似相関で、
因果関係があるとして信号機を減らせば大変なことになる!!!

・その相関が偶然なのか疑似相関なのか本当に因果関係があるのか
→それを誰もが納得する形で示すのがエビデンスで有名な検証作業がランダム化比較試験RCT

・雰囲気や忖度ではなく誰もが納得する客観的な根拠がエビデンス
→ただし悪い傾向の際にエビデンスを待てば手遅れになる→GOTOトラベルの例

・RCT→新薬、新パッケージなどのテスト→A/Bテスト→ランダム化が重要
→2008年大統領選でのオバマ陣営の資金集めの成功例
(動画と静止画で6、キャッチフレーズで4の24候補にホームページを訪れた支持者31万人を
ランダムに誘導した結果、プロの選んだ候補とは別の組み合わせが最高の成果に)

・PCR検査の例
→直感的には全員検査だが数値を押さえて見ていくと
(略)全体としての非効率を生み出す
→個人の健康診断も同じ、パニックにならず統計学による冷静な判断で二次検査へ

・明治の陸軍と海軍の脚気対策の例
→海軍の軍医総監・高木兼寛は軍艦2隻に分けてRCTを実施して分析、原因が栄養にある
と判断(当時ビタミンB1は未解明)、食事を白米と副食代(下級兵士は使わず仕送りしていた)から
洋食と麦飯に変更し、僅か2年で海軍の脚気患者や死者は激減した。
→陸軍の
軍医総監・森林太郎(鴎外)は細菌説に固執し理論重視、海軍での事実を無視し続け、
日清戦争では公式記録でも軍人20万人のうち脚気患者が4万1431人、戦死者は997人で脚気
による死亡者が4064人(海軍は3人)、日露戦争では全傷病者35万のうち脚気患者が21~25万、
全病死者37200人のうち脚気死亡者は28000人、頑固な思い込みで多くの人命を失った
→リーダーがエビデンスを信用し活用するか、自説と異なると無視し何も手を打たないか、
→これはもはや統計学の出る幕ではなくリーダーの資質、トップがどう扱うかの問題


・相関関係より因果関係が大事だが、待っていては間に合わない場合もある
・19世紀イギリスでコレラ禍を最小限に食い止めたジョン・スノウの例
→汚染との因果関係が分からず空気感染と信じられていたが離れた場所でも発生していた
→共同井戸の位置と患者の発生位置を地図にプロットして発生源を特定し給水を停止
→コレラの拡大が収まった
→この共同井戸を調べるとレンガが壊れており汚水の流入が確認できた
→メカニズムはわからなくても相関で発生原因をつかみ封じ込めた
→さらに水道会社別の死亡者数と1万軒あたり死亡者数を調べた
→テムズ川の下流で取水していた会社が圧倒的に高かった→その水道を使わないことにした
→どちらも相関関係だけで対策を練り行政に行動を促した
(コレラの感染メカニズムが解明されたのは30年後)

・因果関係の証明や明確なエビデンスがないからと、何もしないのは無作為の作為
→因果関係が完璧にわかるまでの対策、特に人命に関わる場合は相関関係を見て早めに動くこと

・ちから試しクイズ
→10日間の株価が上がるか下がるか100%予測するシステムというメールが来て全て的中した。
→あなたはこれに投資するか?
(10日間で全1024通りを10万人にメールすれば・・・)

→東京都の新型コロナ新規感染者数の10週間の推移表を見て、11週目からの増減予測は?
(実数を見れば減少傾向が続いているが直近の増減率の傾向を見れば・・・)


ええ、ともかく数式がなく無事に最後まで読めたので、めでたしめでたし・・・



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2022年03月09日

心理的安全性をメタ認知するワーク

心理的安全性をメタ認知するワーク・・・


ええ、こちらの本の・・・

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・・・巻末特典にあった「
心理的安全性をメタ認知するワーク」であります。

著者によればメタ認知とは「自己を俯瞰的に捉え、自己について学ぶ機能」だそうで、
その学びを得るのは「複数の定点」を同時に見たときで、これが俯瞰とされています。

家庭や職場などで実践してみて下さいとありましたので、さっそく・・・
(以下の抜き書きメモに問題があるようなら削除します)

ステップ1 自分が心理的安全を感じるものを書き出す
自分が落ち着く、あるいはそう思っているモノ、コト、場所、状況、時間などを40個書き出す。
(40個となると自分の日常や過去を必死で振り返ることになり最低40分~1時間はかかる)

ステップ2 相対的なスコアをつける
その40項目に強度(10段階)と手軽さ(5段階)をスコアリングする
(例えば温泉旅館に泊まると落ち着く人は、その強度は高くても手軽さは低いはずだし、
「子どもの寝顔を見る」や「コーヒーを飲む」の手軽さは高いはず)

ステップ3 座標にプロットしていく
大きな紙やホワイトボードに2軸の座標を作って対象をプロットしていく
(過去の記憶も引っ張り出しながら
対象に感情をこめて書くと記憶に定着しやすくなる)

ステップ4 パターンを見出す
その紙を(まさに俯瞰的に)眺めて、気づいたことを言語化する
→人に依存するものが多いとか、食べ物ばかりとか、手軽にアクセスできるものが少ないとか、
色々な(自分の)傾向が見えてくる
→これがメタ認知で、自分について学んでいくこと

ステップ5 共有する
4で自己完結しても効果はあるだろうが、教員のワークショップで重視してるのは、その後の共有
→グループを変えながら自分のマップを発表しフィードバックを得る共有セッションを2~3回持つ
(もちろん他人へのフィードバックにネガティブな発言は厳禁)
→3回話せば記憶に残るし、フィードバックがあれば客観視できるし、印象もさらに強く残る
→結果的に自己理解がますます深まる
→自分のパターンを知ったことで意識のアンテナが立つようになり、共有セッションで他人の
パターンを知ることで新たな気づきも得られる
→1週間~1ヶ月後に同じ作業を個数を増やして繰り返せば、記憶定着がさらに確実になる・・・


つーことで、わたくしも途中まで試してみましたが・・・

食べ物・飲み物・キャンプ・宴会に関わるモノやコトや場所や時間が、ずらりと・・・
わたくしずっと、心理的安全性だけをメタ認知して行動してたのね・・・




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2022年02月10日

実力も運のうち・・・

とーとつですが・・・

実力も運のうち~能力主義は正義か~のご紹介であります。

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発行年月日、著者、訳者、発行所については以下のとおり

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初版から僅か2ヶ月で13版を重ねるベストセラーで、昨年8月の週刊文春の対談紹介記事
読んでみたいと書きましたが、大阪の図書館では読めるまで何と200人待ち!!!だったので、
指をくわえて待っていたのですが、昨年の暮れに(本1冊より餃子10人前を選ぶ)わたくしを
不憫に思われた川端さんが貸して下さり、無事に読むことができた次第。感謝感謝




表紙カバー裏にあった惹句であります。

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裏表紙カバー裏にあった著者紹介と訳者略歴紹介。

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以下、恒例により目次のみのご紹介。
画像で6枚ありますが、順に見ていくと本書の論点の概要が掴めます。

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素人にも分かりやすく書かれているとはいえ、政治哲学・倫理学の大著ですから、
昨年の暮れに
お借りしていたものの、1月中はライトノベルを読み耽ってて、ずっとほったらかしのまま、
川端さんらとの「らんぷOFF会」の前日に、あわてて徹夜で読んだ次第。



以下、わたくしが理解できた部分のみの読後メモで、読み飛ばしや誤解も多いでしょうし、
ご覧になって興味を持たれた方は本書を熟読されるようお願いします。


序論ー入学すること
・大学入試不正事件→(連邦検事は)裏口(
多額の寄付)は合法だが通用口(成績偽装など)は違法と断定
→多額の寄付によって大学は教育の質を向上させることができるから
→どちらも裕福な親を持つ子を優先するのだから、どちらも公正とは言えないはず
→では正門から入れば必ず公正であり正義なのか?
→SAT(大学進学適性試験)の成績は家計所得にほぼ比例している
→裕福な家庭はSAT準備コースに通わせ入試カウンセラーを雇いレッスンを受けさせるから
→さらに授業料は(充分な予算を持つ一握りの大学を除き)貧しいライバルには不利
→なので有名大学に正門から入ったとしても、彼らだけの手柄とは言い切れない

・裕福な家庭が求めるのは子への信託ファンドではなく有名大学が与える「能力主義の威信」
→成功は自分の努力で失敗は自分の責任と思い込んでいる→能力主義は正当なのか・・・


第1章ー勝者と敗者
・外国人嫌悪や独裁への支持の高まり→民主主義の危機
→政党や政治家の殆どが不満の原因を理解していない
→移民や多文化、グローバル化、テクノロジーによる失業への不満と思っている
→テクノクラートにはオープンかクローズか、能力主義による勝者か敗者しかない
→国民の支持を取り戻す前にテクノクラート的統治手法を見直す必要がある

・能力主義は世襲の貴族社会へと硬直化してきた
→勤勉で才能があれば誰もが出世できるというアメリカ人の信念は、もはや事実にそぐわない
→社会的流動性によって不平等を埋め合わせることはもはや不可能

・運命の偶然性を実感することは一種の謙虚さをもたらす
→完全な能力主義はこの感覚を損ない不当な支配へ

・1940~1980のエリートのやったこと
第二次世界大戦に勝利しヨーロッパと日本の再建に貢献、社会保障制度を強化、人種差別を撤廃、
経済成長を牽引して富裕層にも貧困層にもその恵みを施した

・その後のエリートのやっていること
大半の労働者の賃金低迷、1920年代以来なかった程の所得と富の不平等、決着のつかない戦争、
金融の自由化、金融危機、インフラ崩壊、世界最高の受刑率、民主主義の形骸化・・・
→市場主導型グローバリゼーションの難点は分配の正義の問題だけではなく、能力主義的な努力が
日常生活を構成する社会的な絆に及ぼす腐食効果・・・

・能力主義(メリトクラシー)は勝者におごりを、敗者に屈辱を育む(マイケル・ヤング)


第2章ー偉大なのは善良だからー能力の道徳の簡単な歴史
・トイレを直すのには配管工、歯の治療には歯科医を選ぶ
→無能な人物より有能な人物を選ぶ→有効性
→能力以外の偏見で選べば不平が出る→公正性
この能力主義の理想は個人がその責任を負うことを重視する
→成功は功績で苦難は悪事、富は才能と努力のしるしで貧困は怠惰のしるし・・・
→神は善に褒美を与え罪を罰する→不運は犠牲者が招いたもの・・・

・ヨブ記→能力主義の否定
→神への信仰は威厳と神秘を受け入れることで褒美や罰への期待ではない

・初期のキリスト教神学(5世紀イギリスのペラギウス)
→神は正義で全能なのに悪が存在する→悪を自由に選んだ人間の責任→罪に対する罰
→自由意志と個人の責任の擁護者→リベラリズムの先駆者とも

・アウグスティヌス→人間の自由意志を認めることは神の全能性の否定になる
→やがて教会による表面的な儀式に具体化される→感謝と恩恵から自助へ→免罪符へ

・マルティン・ルター→免罪符に対する宗教改革→救済はいかなる努力にも影響されない
→断固たる反能力主義→ジャン・カルヴァン→ピューリタンへ→アメリカへ渡る
→きわめて能力主義的な労働倫理になる→選ばれし者は神の見えざる教会に属している
→神の栄光を称える天職で働くことは救済のしるしなのだから消費せず懸命に働くべし

・プロテスタントの労働倫理と禁欲主義は資本主義的蓄積のための文化的基盤を提供
「プロテスタントの倫理と資本主義の精神」(マックス・ヴェーバー)

・懸命に働く自分は選ばれし者→能力主義的な発想
→カトリックの儀式、ユダヤの契約や戒律にも、その背景はある
→人間は自分に値するものを(努力で)手に入れる→富と健康は神の祝福、大災害は神の罰

・オバマケアへの反対論→善良に暮らしている人の負担を減らすべき(不健康は自己責任)
→歴史の正しい側にいるアメリカが偉大なのはアメリカが善良だから(オバマも)


第3章ー出世のレトリック
・今の「成功」への見解はピューリタンの「救済」と同じ能力主義的倫理の核心
→自分自身の努力と頑張りによって獲得される何か
→自由(自らの運命を努力によって支配する能力)、自力で獲得したものの自分へのふさわしさ
→成功は美徳のしるしであり豊かさは当然受け取るべきもの

・80年代のレーガンやサッチャーの新自由主義→個人の責任と負担へ
・90年代のブレアやクリントン→それをもっと平等な競争にするべき
→人種、階級、宗教、民族、性別、性的指向にかかわらず競争するべき
→それを可能にする教育、医療、保育などの充実・・・
→自らの努力で成功を収めた人はその見返りを得るに値する→富裕層減税と能力主義
→この能力主義と個人の責任、出世のレトリックはポピュリスト的な反発の一因になった

・能力主義に対するポピュリストの嫌悪がトランプ当選やイギリスのEU離脱へ
→能力主義エリート、専門家、知的職業階級が市場主導のグローバリゼーションや外国との
競争の試練にさらしたばかりか、功績を挙げていない人々を軽蔑して見下していると感じた
→彼らにとっての能力主義は今の社会秩序を説明するもので、将来的な目標ではなかった
→自らの立場で市場の厳しい審判を受け入れ、道徳的にも心理的にも市場に取り込まれていた
→その不平等社会への「個人責任で」とのメッセージは、連帯を阻害し自信を失わせた
→「学位が立派な仕事や暮らしへのルート」とのメッセージは、学歴偏重で労働の尊厳を傷つけた
→「社会的政治的問題は専門家に」との主張は、テクノクラート的なうぬぼれで民主主義の腐敗

・懸命に働きルールに従って行動している人が前進できないときに生じる失望
・彼らが大損したと思っているときの落胆→彼らの失敗は彼らの責任になるから

・努力すれば成功すると思っている人の割合と現実の社会的流動性の割合の違い
→アメリカではそう思っている人が多いが現実の流動性は低い、ヨーロッパではその真逆

・1940年代生まれの収入と1980年代生まれの収入の、親の収入との対比(アメリカ)
→40年代生まれは親より増えているが80年代生まれは親より減っている


第4章ー学歴偏重主義ー容認されている最後の偏見
・労働者の学歴を向上させ彼らもグローバル経済の競争で勝利を収められるようにする
→この数十年の間のリベラルで進歩的な政治によってなされた基本的主張
→クローバル経済の変革ではなく、それへの適応→見せかけの結果の平等

・人種差別と闘う、女性に高等教育を、同性愛者の権利向上etc・・・
→能力主義をより能力主義的にする問題では最大の成果を上げた
→拡大する所得不平等の緩和をはじめ能力主義の守備範囲に入らない分野では失敗した

・80年代から90年代に生産性は上昇したのに賃金は上がらなかった
→労働者の知性が足りなかった(教育不足)からではなく、労働者の権利が足りなかったから

・オバマ・チームとケネディ・チームの共通点→アイビーリーグの超エリートを選んだ
→ベトナム戦争の愚行、金融危機での銀行救済などの政治的判断ミス

・スマート(イギリスではクレバー)は人の知性を称賛する言葉だった
→デジタル時代が能力主義とともにやってきてモノや統治手法の描写に用いられるように
→政策が「スマート(賢い)かステューピッド(愚か)か」が「正義か不正義か」や「正しいか
間違いか」などの倫理的、イデオロギー的な対比に取って代わられるようになった
→能力主義の時代では正しいことよりスマートなことのほうが説得力を持つ

・人種差別や性差別が嫌われるようになった時代における最後の偏見が学歴偏重主義
→教育こそが社会問題の解決策であるとし、大学へ行くことの重要性を強調する
→社会的地位の低い集団が否定的に評価され、能力主義のイデオロギーが強まる
→人々は不平等を受け入れ成功は能力の反映だと信じやすくなる
→それが個人の責任だと見なされれば社会的不平等への批判を弱める

・連邦議会の人種や民族やジェンダーは多様化したが学歴や階級は多様性が低下している
→下院の95%上院の全員が大卒者で前職が労働者階級(肉体労働・サービス業・事務職)出身の
議員は下院の2%、イギリス労働党でも1979年には学位を持たないものが41%だったのが
2017年には16%になり肉体労働出身も37%から7%に→労働者の党としての性格も低下
→ドイツ・フランス・オランダ・ベルギーでも同様で能力主義時代の所産
→ヨーロッパは財産資格により参政権が制限されていた19世紀末と同じ状況に

・統治に必要なのは実践知と市民的美徳(共通善)について熟考し効率よく推進する能力
→現在の殆どの大学では、いずれの能力も養成されているとは言い難い
→能力主義の神話
→政治的判断能力と名門大学に合格する能力とは殆ど関係がない→能力主義の神話

・政治の分断は学位を持つ(左派に好意的な)ものと持たない(トランプを支持する)ものに
→右派支持と左派支持は逆転したが裕福な有権者は依然として右派を支持している
→イギリスやフランスでも同様の変化

・気候変動は専門家が答えるべき科学的問題ではなく権力・道徳・権威・信頼にまつわる問題
→規制に反対する人たちは科学を否定しているのではなく政府とテクノクラート的エリートを
信頼していないから→事実について意見が一致すれば解決する問題ではない
→能力主義とテクノクラシーの失敗


第5章ー成功の倫理学(哲学・倫理学の難しい部分は省略してます)
・貴族社会と能力主義社会
→貴族社会では農奴が貧しいのも領主が幸福なのも自分のせいではないと理解していた
→知性、機知、知恵など能力の優劣のせいではないと理解しているから、領主は自己愛に
ブレーキをかけ、農奴は従属的立場を個人的な失敗とは考えなかった
→貧しいのは体制の不正によるもの→個人の問題ではなく階級闘争へ
→能力主義社会では出世できないものに厳しい判決が宣告される→個人が劣っているからと

・能力主義への不満は理念ではなく、それが守られていないことへの不満と考えるのが普通
→しかし能力主義の理想自体が欠陥で、空虚な政治プロジェクトに過ぎないとしたら・・・

・機会が平等になれば正義にかなう社会が成立するか
→能力主義の理想にとって重要なのは流動性であり平等ではない
→不平等の解決ではなく競争の結果によって生ずる不平等の正当化である

・ハイエクの自由市場リベラリズムとロールズの福祉国家リベラリズム
→「才能と努力の許す限り出世できなければならない」→どちらも運によるものなのに
→才能の道徳的恣意性を無視し、努力の道徳的意義を誇張しているだけ

・教師の報酬とヘッジファンドマネージャーの報酬の差→功績と価値が別だから
→報酬は立派な業績に対する賞金ではなく財やサービスの経済的価値を反映した支払金
→自分の才能や努力を市場が反映するかどうかだけ→運の問題
→では価値と功績が無関係と誰もが知れば金持ちは謙虚になり貧乏人は穏やかになるか?
→自分の才能がその時代に稀なものか、ありふれたものかは自分の行いには関係がない
→しかし市場で手にできる所得にとっては、決定的な意味を持っている
→スティーブジョブスやJKローリングの例

・ヨーロッパ福祉国家の正当性が揺らいでいるのも、能力主義に民主主義が対抗できないのも、
それが必要とする連帯にふさわしい共同体意識を生み出せなくなっているから

・泥棒を罰するのは財産制度を守るため→副作用は泥棒は人格が劣悪という烙印
・外科医には雑役夫より高い報酬を払う→副作用は外科医の才能と貢献だけを称賛
→こうした態度は能力主義的態度と区別しにくくなる

・どんな技量や業績に称賛の価値があるかを決めるのは社会通念と個人の価値観の問題
→善の問題であって正の問題ではない
→正を強調すれば社会的評価は個人の道徳観の問題になって、おごりと屈辱になる

・名誉と評価の問題は分配的正義の問題と切り離すことはできない
→古くから名誉や評価の配分は最も重要な政治問題だった

・80~90年代の不運への補償というリベラル派平等主義哲学
→困窮の原因が運の悪さなのか選択の誤りなのかにかかっていた
→怠惰から働かない有能な人には公的支援をしない
→交通事故で大怪我をしても保険に入る経済的余裕があった場合は公的支援をしない
→なので自分は無力者だとアピールして自分でも思い込まないと支援を受けられない
→本人の名誉は傷つき自治を共有できる対等な市民として彼らを尊重することも難しくなる

・能力主義的な態度と規範である個人の選択と責任の強調
→勝者のおごりと敗者の屈辱に
→能力主義エリートは能力主義社会に内在する侮辱に気がつかなかった


第6章ー選別装置
・名門大学を能力主義の教育機関と位置付け、社会の指導者を育てることを目的とすることを
明確に打ち出したのはマンハッタン計画の科学顧問も務めたハーバード大学学長のコナント
→アメリカ社会に世襲の上流階級が生まれ知性と学識が必要な時代には不適切と判断した
→世襲エリートを打ち倒し能力主義エリートに置き換える静かな計画的クーデター
→重視したのは公立学校の選別機能→英才を選抜して奨学金を与える

・能力による流動性社会は世襲の対極にあるものの不平等の対極にあるわけではない
→能力差による不平等を正当化し、奨学金を受ける英才を称賛し、その他大勢を侮辱する
→結果的に学業成績は親の富に比例し社会的流動性は実現せず、推進力にもならなかった

・アメリカ上位100大学の学生の70%超は、所得上位1/4に入る家庭の出身者で、下位1/4に
入る家庭の出身者はわずか3%
・ビッグスリー(ハーバード、イェール、プリンストン)への労働者階級と貧困層からの入学率は
低所得家庭出身学生への授業料・部屋代・食費の無償化後でも1954年と変わっていない
・一流大学の高等教育は社会的な上昇移動には殆ど貢献していない
(州立大学の一部は入りやすく上昇移動もうまく助けているが、あくまで例外)

・学位を持たず、まともな職に就いて人並の暮らしをしたいと願う人たちを能力主義は無視する
→これは民主主義にとっても教育にとっても不健全なこと
→能力による選抜をする大学は難易度が上がる→全国から裕福な学生が集まることになる
(60年代までは自宅に近い大学に通うのが普通→学力も分散していた)

・雇用主は名門大学の選抜機能を信頼し能力主義の栄誉を評価する
→裕福な学生が多いので不平等を拡大した
→彼らにも大きな犠牲(ストレス・完璧主義・自分で勝ち取ったとの思い込み)を与えた
→能力主義的な至上命令(頑張れ、結果を出せ、成功せよ)からの精神的苦痛は大きい
(究極の幸福は金持ちになることで、そのために一流大学に進学せよ)

・ハーバードでは入学後も選別と競争が教育と学習を押しのけてしまっている
→一流大学はくじ引き入試にして職業教育・職業訓練への公的支援を充実すればいいかも

・道徳教育と市民教育の重要性は4年制大学だけの問題ではない
→アメリカ最初の大規模労働組合は工場内に公共問題を学ぶ読書室を設けることを要求した
→19世紀のアメリカ社会が平等を特徴としていたのは社会的流動性より、あらゆる階級と職業に
知性と学習が行き渡っていたことの方が大きい
→能力主義的な選別はこの種の平等を破壊してしまう

・看護師や配管工の卵が経営コンサルタントの卵より、民主主義的議論の仕方を学ぶのに
向いていないと決めつける理由はどこにもない・・・


第7章ー労働を承認する
・グローバリゼーション時代は高学歴者に豊かな報酬をもたらし一般労働者には何もなかった
→生産性は上がったが労働者の取り分は小さくなり、役員と株主の取り分は増える一方
→1970年代後半の大企業CEOの取り分は労働者の30倍、2014年では300倍
→新自由主義と能力主義が不平等への不満を押しのけてきた→2016年以降、怒りと反感へ

・1971年の白人労働者雇用率は93%、2016年は80%→残り20%のうち求職者は僅か
→中年白人男性の絶望死(自殺・薬物摂取・アルコールなど)は10年前から増える一方
→絶望死には学歴による差が大きく、貧困の増加とは関連がない
→低学歴白人労働者階級の生活様式が長年にわたり少しずつ失われてきたことの反映
→労働の世界が選別から漏れた人の尊厳を認めなくなった
→トランプが善戦したのは絶望死の比率が高い地域

・白人農民は税金と政府の配慮がマイノリティと専門職に注がれていると感じている
→アメリカンドリームの列に辛抱強く並んでたら黒人、女性、移民、難民が割り込んできた、
その割込みを許している政府指導者に怒り割り込みをなじると、エリートからは人種差別者、
田舎者、白人のクズと侮辱される

・共通善への価値ある貢献として重要なのは何か、市民として何を負っているか・・・
トランプ政権の農務長官→福祉を削減し怠け者を困窮させれば労働の尊厳が称えられる
リベラル派の政策提案→セーフティネットの強化、医療、介護、子育て支援の充実、
最低賃金の引上げetc・・・→それでもトランプに負けたのは何故か?
→怒りでその経済的利益を見過ごしたのか、無視したのか?
→グローバリゼーション時代に取り残されること、貢献できないことを恐れたから

・時代は生産より消費で、消費者は財もサービスも(国を問わず)安値で買いたい時代
→アメリカの生産者はやりがいがあっていい報酬の労働を望む
→新自由主義グローバリゼーションは消費者の幸福のみで生産者の幸福を顧みなかった

・購買力とセーフティネットを増して不平等の埋め合わせをするではなく労働の尊厳の回復
→共通善は消費者の幸福(嗜好)の最大化ではなく嗜好の向上改善→充実した人生へ

・アダムスミスの国富論ではなくキング牧師の(ストライキ中の)清掃作業員への呼びかけ
→「この社会が存続できるなら、いずれ清掃作業員に敬意を払うようになる」
→「仕事をしなければ病気が蔓延するから医者と同じくらい大切」
→「どんな労働にも尊厳がある」

・ヘーゲル哲学の「承認を求める闘い」
→スミス、ケインズとは異なる資本主義的労働の二つの条件
→最低限の賃金を支払うことと共通善への貢献であることが分かるようにすること

・経済成長さえすれば道徳的に賛否両論がある議論の必要がなさそうにみえるが、
→GDPの規模拡大と配分だけでは労働の尊厳を蝕み市民生活を貧しくする
→ロバート・ケネディ以後それを語る政治家はおらず、仕事を奪われるなら大学へ行き
グローバル経済で勝つ術を身につければいい、という理想主義に→2016年に敗北
→ヨーロッパでも極端な国家主義、反移民主義が台頭しグローバリゼーションは失敗

・どんな政治的プロジェクトがそれに代わるべきか?
①保守的には(共和党伝統の)自由主義の擁護を止めること
→GDP上昇、法人税減税、自由貿易推進から、低賃金への賃金補助へ
(コロナ禍でアメリカは失業保険だったがヨーロッパでは企業に賃金の75~90%を補償した
→緊急事態中でも雇用(労働の尊厳)を維持できるから)
→雇用を奪う製造業と鉱業についてもオープンからクローズドへ
②進歩的には金融は生産的でなく金融商品は経済に害を与えてるので税制度を利用し、
投機の抑制と生産的労働の称賛を行うこと
→具体的には給与税を減らし(労働が高価になる)金融取引課税を増やす
→労働より投資に課される税率が低いのは投資が経済成長に貢献しているから?
→つくる者(経済に貢献する者)と受け取る者(納税額より政府から受け取る額が多い者)
→実際の「受け取る者」の筆頭は、実体経済に貢献せず莫大な利益を得ている金融取引業界


結論ー能力と共通善
・機会の均等は不正義を正すために道徳的に必要な手段だが、善き社会の理想ではない
→障壁を破壊するのはいいことだが、それを乗り越えて出世だけを目指していると
民主主義に必要な社会的絆と市民的愛着を養うのが難しくなる
→出世できない人もしかるべき場所で活躍すべき
→機会の平等に代わる選択肢には成果の平等だけでなく条件の平等もある
→地位に無縁な人も尊厳ある暮らしができるようにすること

・社会的に評価される仕事の能力を身につけ発揮し、学びの文化を共有し仲間の市民と、
出世しようがしまいが、尊厳と文化のある生活を送れることが社会の幸福
(1931年、R.H.トーニー「平等論」より)

・議会図書館
→様々な階級の誰もが自分たちの民主主義が提供する自分たちの図書館で本を読んでいる
→これこそがアメリカンドリームである
→人民により蓄積された資源が提供する手段と、それを利用できる知性を持つ大衆
(ジェームス・トラスロー・アダムス「米国史」より)

・40年に及ぶ市場主導グローバリゼーションが不平等を生み別々の暮らしをするようになり、
互いの言い分を聞く力さえ失ってしまった
→多様な職業や地位の市民が共通の空間や公共の場で出会うことは必要である
→それが折り合いをつけ差異を受容し共通善を知る方法

・能力主義的信念は連帯を不可能にする
→才能を認めてくれる社会に生まれたのは幸運のおかげで自分の手柄ではないと認める
→その謙虚さが冷酷な成功の倫理と能力の専制を超えて、怨嗟の少ない寛容な公共生活へ
向かわせてくれる・・・


解説(本田由紀)より一部メモ
・日本語訳では功績主義メリットクラシーが能力主義と読み替えらている
→功績は顕在化し証明された結果であり、能力は人間の中にあって功績を生み出す原因
→これが混同されるのが日本社会の特徴
→日本はメリット(功績)の専制より能力の専制で、内在する能力という幻想・仮構に支配
されている点で、問題が(アメリカより)根深いと考えている・・・


以上、あわてて読んだ際の思いつきメモですが、新自由主義グローバリゼーションなどの
問題点とされていたものを「能力主義の台頭」という点から見てるのが、とても斬新でした。





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2021年11月16日

AI・兵器・戦争の未来

とーとつですが・・・

AI・兵器・戦争の未来であります。

PB120660




著者・訳者・発行所・発行年月日などは以下のとおり

PB120674

今年4月の新刊で本文だけで400頁以上、原注・用語解説・付録・索引も付いた分厚い本です。



例によって目次のみのご紹介・・・

(目次だけでも10頁ありますが順に項目を眺めていくと本書の概要がわかります)

PB120663


PB120664


PB120665


PB120666



PB120667



PB120668



PB120669


PB120670


PB120671


PB120672

2050年以降については「ターミネーター」や「マトリックス」の世界そのものでしたが、
今放置すればSFではなく現実になり戦争の可能性が高まるだけでなく・・・とゆーのも、
これらはすでに実戦配備されているAI兵器のすぐ先にあるもの・・・とゆーのも驚きでした。

著者はIBMとハネウェル社で30年以上にわたり国防総省向けナノテクノロジー研究などに
従事していた物理学者だそうで、豊富な研究開発経験からの検証には説得力がありましたし、
2017年の著書はAmazonのナンバーワン・ベストセラーになったとか・・・

以下、わたくしの読後メモから一部を抜粋・・・
ただし兵器に関する部分以外(特に後半のあるべき姿など)のメモは殆どカットしてますし、
わたくしの無知による勘違いもあるでしょうから、興味のある方は是非ご一読を・・・



序章より
・あなたの国で突然戦争が起きたら、あなたがたの息子や娘たちによって守られたいか、
それとも自律型AI兵器システムによって守られたいか?
・あなたがたは敵の
息子や娘たちによって侵略されたいか、それとも自律型AI兵器システム
によって侵略されたいか?

・人間の直感的な道徳的認知能力は倫理的に望ましいものなのか?
→もしイエスなら、必ず人間による制御が必要(致死性自律型兵器システムについて)

・スマート兵器から全能(ジニアス)兵器への移行過程で人類絶滅のリスクを冒すことなく、
AI兵器の能力を増強し続けることは可能なのか・・・
→現実に米中露は精力的に配備・増強しようとしている


第1章より
・AIを備えた初期型ロボットでさえ貪欲さ・欺瞞・自己保存性をみせた(後述)

・社会や兵器が複雑さを増し敵の脅威が増大するにつれ、人類はコンピュータ依存を深める
→コンピュータが「超絶知能」になるのは2070年代とAI専門家の少なくとも半数が予測
→「超絶知能」の人類に対する判断は、人類がハチを有用なハチか有害なハチかで判断する
のと同じ。(人類はハチにはイヌほどの知能はないとの前提で判断している)

・アシモフのロボット三原則を「超絶知能」にプログラムしたと仮定しても・・・
→自己保存の欲求が進化の土台なので最大利益に反すれば抹消することを選択するかも
・「超絶知能」が国家兵器システムの一部なら完璧に防護され人間から隔離する手段を持つ
・「超絶知能」がアシモフ・チップに適切に接続しているか(人間が)確認する方法はない

・コンピュータの歴史→2014年の映画「イミテーション・ゲーム」(エニグマ解読者)
→チューリング・テストは人かマシンかの判別に今でも有効な方法
・自動駐車や会話など人間の知能を必要とする作業を遂行できるコンピュータが通常はAI
→スマートフォンの肯定的な側面とスマート兵器の暗い側面


第2章より
・AI効果→AIが組み込まれていることを意識しない→ただのアップグレード版と認識している
→汎用人工知能が製造されていないだけで、AIはすでにあらゆる分野に浸透している
→人類は4300年前に石斧を作り木の実を砕いたチンパンジーや人工知能の進化を過少評価

・セキュリティ分野
→テクノロジーは倫理的規制よりも先に進歩する→個人情報盗難とサイバー攻撃

・モノのインターネット(IoT)→信頼が従属へ変化→ハッカーの脅威→規制すべきか

・パーソナルアシスタントと生産性→iPhoneの登場
→カーク船長はコミュニケーターに質問したり、それで映画を観たりはしなかった

・E・コマース(ネットショッピングなど)→取引の85%をAIが処理
・ロボット工学→掃除機ルンバからMQ-1プレデターまで

・教育→インターネット以前は授業では質問できるが家では教科書のみ、宿題は図書館へ
→AIによる個人指導システム・クラウドゾーニング式指導強化法・深層学習システムへ

・AI依存の増大とそれに気づかないAI効果→開発や使用を規制する法律はない
→すでに自律型兵器システムを(ロシアは)配備している


第3章より
・中国
→アジア太平洋とりわけ近海支配権の強化にはアメリカとの軍事的均衡を必要としない
→アメリカの世界的任務はアジア太平洋地域を含む海洋航行の自由を確保することだが、
→アジア太平洋地域に限定すればアメリカに脅威を与え続けられる
→戦争の非対称的な側面
→中国とロシアの軍事投資の重点は自律型兵器で非対称な優位を獲得することへ
→百度バイドゥ社はマイクロソフト社の1年前に人間の言語認識を上回ったAIアルゴリズムを
開発し沈黙を保っていたが、これは偶然ではない
→音声認識や自然言語理解の分野も同じで軍や政府系ではなく民間企業から獲得できる
→AI分野の強力な商業基盤が自律型兵器の強力な軍事的優位を占めることを理解している

・ロシア
→核の均衡以外では米中両国に後れをとっている
→人口が少ない不利があるのでロボット軍、自律型兵器を配備する戦略を公表している
→さらに世界経済に組み込まれている世界第2位の武器輸出国で次世代兵器の輸出も重要

・アメリカのオフセット戦略
①戦争に勝つための軍事テクノロジー②戦争を抑止できる技術的な軍事能力
→1960年代は核兵器における技術的優位で通常兵力での抑止による出費を抑えた
→1975~1989は数より情報・監視・誘導での技術的優位を重視した「スマート兵器」
→80年代後半に追いつかれ新テクノロジーは民間企業から得られるようになった
→2014年からの第3の
オフセット戦略→人工知能・ロボット工学・小型化による優位
→ただし相手が開発するまでの僅かな期間しか続かないもの

・自律型兵器と遠隔制御型兵器は別
→アメリカは適切なレベルでの人間の判断という半自律型の配備を望んでいるが
→ファランクス・システムは速やかに対応する必要性から人間の制御を外している
→サイバー防衛においては攻撃が瞬時なので一部を自律型とした半自律型に
・戦闘機と爆撃機における自律型の優位性(極限飛行が可能・生命維持システムが不要など)
・ナノ兵器の分類(略)
・人間の関与の分類→制御・監督・自律
→国防省指令は自律を禁じているがサイバー戦など一部は例外として認めている

・(最も精密な半自律型兵器を保有しているといわれる)アメリカ海軍の例
→ロッキード・マーティン社のイージス兵器システム
→ノースロップ・グラマン社のX-47Bドローン実証機など

・アメリカ陸軍の例
→陸軍で最も重要なのはサイバー戦で使われるナノ兵器
→自律型戦闘車両・偵察斥候スローボット
→爆弾処理ロボットやTOWミサイルは半自律型

・アメリカ空軍の例
→遠隔操縦ドローンなどは半自律型→
操縦士不足でさらに自律性を高める研究中
→撃ちっ放し空対地ミサイルも人間が引き金を引くので半自律型
→目的はスタンドオフ能力とドローン操縦士の負担の軽減

・アメリカ沿岸警備隊・海兵隊の例
→サイバーコマンド、無人機、水陸両用武装ロボットなど

・中国の例(自律型兵器への国家規制はなく国際法制定を要請している)
→AIを駆使した巡航ミサイル、2016世界最速のスーパーコンピュータ(2018ではアメリカ)、
2015ハッカー軍の公表(サイバー諜報には熟達しているがサイバー戦の経験は少ない)

・ロシアの例(人口の少なさという弱点を補う自律型兵器の配備を公言している)
→モスクワの新弾道ミサイル防衛システム、カラシニコフ・グループの新戦闘モジュール、
武装歩哨ロボット(いずれも自律型)、P-800オーニクス・ミサイル、最先端のサイバー攻撃能力
→ワシントンはサイバー戦はエスカレートしやすいと見る傾向が強いがクレムリンの敷居は低い
→ジョージアやウクライナの緊急事態では通常戦力を増強する手段としてサイバー攻撃を運用

・次の段階では致死性自律型兵器になるだろうが、これは火薬・核兵器に続く第三の革命
→議論は今や開発するか否かではなく、どれだけの独立性を与えるかが中心に
→これはアメリカ軍が「ターミネーターの難問」と名付けた問題


第4章より
・兵器開発は認識された脅威の結果→どの国も同様のプロセスでその結末が「新しい現実」
→「新しい現実」の時代に平和はなく勝利したよう見えても紛争の只中にある
①米中露の緊張の高まり
②北朝鮮など「ならず者国家」の脅威
③中国の南シナ海の領有権主張
→毎年5兆3千億ドルの船舶貨物が通過、うち1兆2千億ドルはアメリカ
→推定110億バレルの原油と190兆立方フィートの天然ガスを埋蔵している
→世界漁獲量の12%を占め、中国は世界最大の漁業生産国・水産輸出国
④ロシアのクリミア併合・ウクライナ東部のロシア化・テロと独立運動の支援

・国防省指令に拘束されない中国やロシアに対して長期的に軍事的優位を維持できるか
・自律型兵器の国際的な規制は可能か
→生物兵器は制御の困難性、化学兵器は戦略的な非有効性から可能だったが一部のみ

・グーグル翻訳サイト(2006~)の例→ニューラルネットワークで最高水準に

・ムーアの法則→価格が一定でも2年おきに性能は倍増(コストは半減)→収穫加速の法則
→2040~50でスーパーコンピュータが人間の知能レベルに到達
→人間レベルの自律性を備えた自律型兵器の到来(配備するのは米中露)
→2070前後に超絶知能(シンギュラリティ)マシンが出現→人類を脅威と見なすかも


第5章より
・AI内蔵兵器の相互接続→群生行動の推進→スウォーム・ボートの例、USSコールの例

・ナノエレクトロニクス・マイクロプロセッサやナノ素材を活用しているものがナノ兵器
→人工知能を搭載する精密誘導兵器がスマート兵器(スマートとAIは同義)

・全能(ジニアス)兵器は超絶知能を搭載しているかそれに接続されているロボット兵器

・スマートから全能への移行
→軍用自律型ナノボット(MANS)を超絶知能が無線制御すれば全能兵器
→膨大な数が必要なので自己増殖機能を持たせることになろう
→医療用ナノボットはすでに存在する→軍用は極秘だが・・・

・軍事力の投射能力→現在はアメリカが優位(原子力空母と潜水艦)→超絶知能で自動化へ
→通常兵器や核兵器に加えMANSを紛争地域に投入することができる

・知能爆発→知能マシンはさらに高性能な次世代マシンを(自ら)開発する
→真空管→トランジスタ→集積回路→量子コンピュータ(もつれの加速を1減速を0とするなど)


第6章より
・第二次世界大戦における戦域指揮官とスタッフの責任
→計画と伝達、監督と報告、敵の行動に基づく計画の修正
→紛争ペースが速まると計画修正や意思決定に関与できなくなる
→現場指揮官が修正をおこなうことになる
→人間より弱いAIの自律型兵器は現場指揮官と同じ→MK-50魚雷の例

・2009スイス連邦工科大学・知能システム研究所(ローザンヌ)の実験
→欺瞞と狡猾さと自己保存を数百世代で学びプログラムを無視して利益を最優先した

・イギリス王立協会の2012年報告
→無意識に標的を画像処理するほうが意識的に標的を知覚するよりもはるかに速い
→道路の先に何か正常でないものがあるという兵士の直感
→兵士の潜在意識が瞬時に情報を処理し特定できない脅威として本能が作動したもの
→兵士は検分し続け、やがて即製爆発装置を発見した

・脳内ニューロンの活動パターンを追跡できるヘルメットを被ったパイロットは、
潜在意識下で航空機を操縦し、意識的に脅威を感知する前にミサイルを発射できる

・2016ジョンズ・ホプキンス大学の実験→脳内インプラントへ
→このシナリオなら人間による自律型兵器の制御は可能→もし接続先が超絶知能なら?

・相互確証破壊MADから全面確証破壊TADへ
→攻撃の疑いのある全ての国に対する全面的報復


第7章より
・アメリカ国防省指令による定義(国際的には合意されていない)
自律型兵器システム
=起動後、オペレーターの関与なしに攻撃目標を選定・交戦できる兵器システム
半自律型兵器システム
=起動後、オペレーターが選定した個別の攻撃目標あるいは特定の目標群に対する交戦のみを
自動的に行えるように設計された兵器システム

・自律型兵器は現存しない将来の新しい兵器→これが最大の誤解
→自律型兵器は目新しいものではなく現存し「将来に発展を遂げる分野」ということ

・アメリカのファランクス近接防御火器システム、ロシアの偵察ロボット、移動式ロボット複合体、
カラシニコフ・グループの新戦闘モジュールなどは自律型兵器
・イスラエルのハーピー2ミサイル、イギリスの対装甲ミサイル二重モード式ブリムストーン、
韓国のSGR-A1歩哨ロボットシステム
も自律型あるいは容易に自律型に転換可能な兵器

・自律型兵器は区別原則・均衡原則・説明責任といった法的要件を満たせると考えている
→AIの進歩で自律型兵器が全能兵器に至ると人間の倫理は全能兵器の倫理に変わる・・・



第8章より
・1930年代のソ連のT-26軽戦車ベースの「テレタンク」→初の無線遠隔操縦の無人戦車
・2016年のロシアの無人戦闘車両「ウラン-9」
→30mm機関砲、7.62mm機関銃、アターカ対戦車誘導ミサイルを装備

・アメリカM1A2エイブラムズ戦車の次世代タイプはロボットとなる公算が高い
・フォード級超大型航空母艦はニミッツ級のほぼ半数の乗組員
・ズムウォルト級駆逐艦はアーレイ・バーク級駆逐艦の2/3の乗組員

・国際人道法と自律型兵器と意志決定ループへの人間の関与
→区別原則や均衡原則はAIの進歩でプログラムにより制御可能になる
→一方で核兵器は国際人道法を侵害する
→自律型兵器や全能兵器の登場で核兵器への依存は低下するだろう
→全能兵器の出現により技術先進国は核兵器の廃絶に合意するかも知れない

・エイリアンは我々の言語や習慣は理解できないだろうがエネルギーについては理解するはず
→エネルギーの作り方と利用法を知っているから星間移動してきた
→エネルギーの製造と利用について我々と同じ進化を遂げた可能性が高い
→稀少物質とかではなくエネルギーそのものが宇宙の真の通貨
・米中露はすでに宇宙条約に違反しているのは明らか


第9章より
・MANSは超小型で製造も容易→敵の領内に密かに持ち込むと生産ラインとして機能する
→どこの国の仕業か特定は困難で核ミサイルと異なり探知も困難

・1832年の戦争の霧(クラウゼヴィッツ)・2003年の同題映画(マクナマラ国防長官の告白)
→当初は戦争の副作用で兵器ではなかったがノルマンディー上陸の隠蔽作戦に使われた
→イラク戦争、クリミア併合などでも意図的に使われている
→霧を晴らすのはテクノロジーで人類にとって霧は晴れない

・歴史は勝者によって書かれる(チャーチル)→超絶知能が有する歴史は?
→1776アメリカ独立宣言「すべて人間は平等」に女性・奴隷・子供は含まれていなかった
→その後の歴史で進展を遂げたが、歴史が正確な記述であり続ける保証はない→洗脳

・シンプルコンピュータ(パソコン・スマートフォンなど)
・ハイエンドコンピュータ(イージス・システムなど)
・スーパーコンピュータ(人間の脳の処理速度に近いもの、集積回路)
・超絶知能(人間の認知能力をはるかに上回るもの、量子コンピュータ)
→天気予報と異なり国家安全保障の場合は超絶知能の警告に従うしか方法がない

・(ドイツ兵に囲まれた自分の位置を砲撃座標として指示した)フォックス少尉の自己犠牲の
判断と超絶知能による判断に違いはあるか

・今世紀の後半には米中相互防衛条約が締結される→避けられない同盟
→米中の依存関係は深化し米中(だけ)の経済が発展する
→軍事コストはさらに高価になり、それを維持できるのも米中だけになる
→米中間の戦争が人類の滅亡と地球の破壊をもたらすことは明らか
→そんな中での国防費支出は困難で無駄なことだと気づく国家が増える
→アメリカの州になるか経済成長に専念するためアメリカの保護国になる
(著者がイギリス滞在中、多くのイギリス人がアメリカの州になることを希望していた)

・核兵器保有国は現在9ヶ国(米中露英仏印パキスタン北朝鮮イスラエル)
→このうち米中露が関わる世界戦争は地球の完全な破壊をもたらす
→今世紀の後半に全能兵器を保有している可能性は高く核兵器の破壊力を凌ぐだろう
→いかなる紛争行動も全能兵器の使用を誘発するので各国とも慎む
→冷戦が「不安定な平和」をもたらしたように、絶え間ない不安状態に置かれ続ける


第10章より
・人間とマシンとの競争はエネルギーと天然資源をめぐる争い→共存できるほど広くない
→映画ターミネーターのような公然たる戦争では人類が勝者になる機会を与える
→人類に対するマシンの抵抗は悟られないように隠して「戦わずして勝つ」はず

・脳内インプラントで超絶知能に従属した人類も生き残る時間は僅か
→宇宙の真の通貨であるエネルギーを使う価値のある存在と認識しなくなるから
→それ以外の人類は22世紀の前四半期には病気・事故・老衰により死に絶える


終章より
・自律型兵器と全能兵器
→人類絶滅の危険なしに自律型兵器を開発することはできない→核兵器と同じ
→それでも開発・配備は続くので・・・
①防御に焦点をあてる
→防御が100%有効なら攻撃は行われない(今は確実ではないので北朝鮮は実験を繰り返す)
②半自律型兵器に焦点をあてる
→人間の「意思決定ループへの関与」は区分原則・責任の所在原則の保証となり国際人道法
とも合致し、それが国家の軍事能力を弱めるとは思わない。
③自律可能な兵器に制限を設ける
→自律型の大量破壊兵器を作るべきではない
→コンピュータ依存なのでサイバー攻撃や誤作動やウィルスが第三次世界大戦の引き金になる

・草の根の(SNSによる)活動や世界的なイベントを通じて「マシンがもたらす脅威」は
世界の指導者の関心を呼び起こすことができる

・2020年7月現在のスーパーコンピュータ・トップ10の1位は日本、2位3位はアメリカ、
4位5位は中国、6位はイタリア、7位8位はアメリカ、9位イタリア、10位スイス・・・
→超絶知能は複数の国で出現し、ほぼ同時に起こり得る、ということを示している

・戦争を予防する最善の方法は、
→戦争に関与することは無益であり、自らの破滅を招くということを、
→あらゆる敵対者に明らかにすることである

・地球の正当な継承者とは人類であり知能マシンではない
→我々は人類であり我々は人間の精神を体現している
→コンピュータはマシンにすぎない

云々・・・


ちなみに解説(小野圭司・防衛省防衛研究所特別研究官)にあった(講義でも話しているという)

・軍事や安全保障の分野では「
阪神ファンの応援心理」が大事とゆーハナシ・・・
→関西の阪神ファンは一流選手だった野球評論家から街のおっちゃん・おばちゃん、小学生の
子供まで「昨日の監督の采配はアカン」とか「なぜあそこで代打を出したんや」とか試合の
論評をするわけです。
→そうしてファンの世論というものが形成されて、ファンが怒り心頭に発すると、監督や
球団社長の辞任・解任という事態を招く力を発揮します。
→安全保障も同様で一部の専門家に限らず、いろんな人が議論することが大事です。
(もちろん大衆扇動や教条論争に陥らない冷静で客観的な議論が前提)
つーのには感心しましたし・・・ま、結果が勝率に繋がってるかは別ですが・・・

・日露戦争の児玉源太郎の言葉「諸君は昨日の専門家かも知れんが明日の専門家ではない」
(司馬遼太郎「坂の上の雲」より)→これは今日の安全保障論議にも当てはまります。
「阪神ファンの応援心理」については(略)フランス宰相クレマンソーの「戦争は軍人だけに
任せるにはあまりに重大である」の対を張ってるつもりです(笑)。
つーのも印象に残りました。


(追記です)
「デジタルな不死を探して」というカナダで制作されたドキュメンタリー番組が11月12日に
NHK・BS1で再放送されてて(わたくしははじめて)観てました。

実在する人物の膨大なマインドファイルをもとに作られたAIアバターやAIアンドロイド、
培養された脳細胞で動くロボット、
クラウドベースのAIと脳を融合させる動きの是非論議、
トランスヒューマニストとチーム・ヒューマン、シンギュラリティ・ネット創設者の話など、
本書にも密接に繋がるテーマばかりで興味津々でした。

特に番組ラスト近くのFacebookチャットボット同士の会話の音声化には驚愕しました。
やがて独自の言語を作りはじめたことに開発者が気づきシャットダウンしたそうで、
「(これは)コンピュータが世界を乗っ取るには程遠い話ですが、AIが我々の言語を使って
未知の領域に踏み出したことは確かです」と結論付けてましたし・・・


(さらに追記です)
11月24日放送のNHK番組「クローズアップ現代+」で、実際に自分をAIに置き換える人たちや、
脳波を読み取って直接パソコンを操作する様子などが紹介されてました。

さらにニューズウィーク日本版には、こんな記事も・・・
AI兵器vs AI兵器の戦争は人知を超える(キッシンジャー&エリック・シュミット)(ニューズウィーク日本版) - Yahoo!ニュース








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