米軍
2025年03月23日
情報分析力
とーとつですが・・・

「情報分析力」とゆー本を読んだので脳の外部記憶としてメモしておきます
著者紹介

日本では数少ないロシア軍事の専門家(あとは自衛隊・防衛研究所の研究者ぐらい?)で、
今回の著書はその情報分析のやり方について解説した「ビジネス書」だそうです
奥付

初版発行と同時に図書館予約して今は3月なので、けっこう人気があるようです
例によって目次の紹介




以下思いつくままの個人メモですので正しくは本書をお読みくださいね
(著作物の読後メモなので公開に問題があれば非公開設定にします)
はじめにより
・本書は書店の(国際情勢や安全保障の棚ではなく)ビジネス書の棚に並ぶだろう
⇒だが私が朝起きて読むのは経済紙ではなくロシア軍の機関紙「赤い星]
⇒今回は私がロシア軍事をどうやって分析しているかというお話
・ロシア軍のウクライナ侵略は「まさかそれはないだろう」と思われていた例
⇒だが半年ほど前から(集結の事実や高官のメッセージなどで)多くの専門家に指摘されていた
⇒問題は「情報がなかった」のではなく「情報分析のやり方」にあった
⇒情報分析のやり方によって(100%の予測はできないが)「事態の幅」は予測できる
⇒ウクライナ侵略は本来その「幅」に含まれるべき事態だった・・・
・インターネット上にはあらゆる国際情報が溢れている(略)
(少し前まで外交官や商社マンなど専門家のみが知る情報が低コストで入手可能になった)
(衛星画像などは軍事大国の一部高官や分析官だけが知る情報だった)
⇒インターネット上で入手できないのは「その生情報が何を意味するか」を知る方法
(企業の決算報告書は数秒でダウンロードできるが、それで兆候を読めるのは投資家のみ)
⇒個人がこの能力を持つのは簡単ではないが本書でそのギャップを縮めたい
・インターネット上の生情報の氾濫はフェイクの弊害を拡げた
⇒外交や安全保障から私の好きな料理レシピまで玉石混合で偽情報も多いが、
⇒カレーを作ったことがある人なら「3分でできるカレーレシピ」は怪しいと思うはず
⇒これが「一定の相場感」で情報分析のやり方を知れば偽情報の確率は大幅に下がる
・情報は食材でそれを料理して食べられるようにしたのがインテリジェンス(情報資料)
⇒インテリジェンスには敵国の高官を買収して得たような極秘情報もあるが、これは超高級料亭で
出される料理(インテリジェンス)で分析は求められず「素材そのものを味わう」食べ方
⇒本書は「スーパーの食材による普通の朝ご飯の作り方」だが、そのやり方を知らないと
それなりの朝ご飯は食べれられない
・本書の構成
⇒第1章はウクライナ侵略の情報分析の実際とその影響のスケッチ
⇒第2章は情報分析の手法や考え方でここまでが入門編
⇒第3章は情報の取り方
⇒第4章は情報分析の具体的なメソッド
⇒第5章は分析をまとめる方法
⇒第6章は情報分析で陥りやすい罠
(以下はランダムに一部のみメモ)
第1章より
・2021年の秋から2022年の初頭にかけ「ロシア軍は侵攻するのか?」との質問を多く受けた
⇒私の答えは「侵攻するかどうかはわからないが大規模な戦争能力は整いつつある」だった
⇒「意図」のような曖昧なことは横に置き把握しやすい「能力」を分析の出発点にした
⇒それで「可能行動」を考えると「やろうとしていること」の上限が見えてくる
(実際に両軍の「能力」は、この間に広がり続けていた)
・当時の分析
⇒ロシア軍の海兵隊や空挺部隊を含む全地上兵力は36万人でうち15万人が集結していた
⇒全地上兵力のうち徴兵の20万人は戦地に送らないとの建前が過去には概ね守られていた
⇒以上から15万人は実戦に投入できる兵力のほぼ上限でロシア全土から派遣されていた
⇒こんな集結は毎年秋の大演習でもなかったことで投入可能な戦闘チームのほぼ全力だった
⇒これらのバックグラウンドを知らずに15/36の情報を得ても意味はない⇒情報処理が重要
・私の夕食に奥さんが毒を入れている可能性
⇒そんなはずがないという性善説で食べているが前夜に刃傷沙汰があれば違った推測になるかも
⇒軍事の情報分析は性悪説になりがちで毒が入ってるかもしれない、致死性はどの程度なのか、
可能行動の範囲内で何をするか、といった相手の意図にまつわる曖昧さが立ちはだかる
⇒ウクライナ侵攻の意図が確定できたのは開戦の3日前(ドンパス地方の独立国家承認)だった
(第2次ミンスク合意を完全に破棄することを意味していたから)
・料理に毒を入れた人が食べる人に教えてくれることはない
⇒分析対象が発する情報は「政治的な語り(ナラティブ)」
⇒「実際に考えていること」と「そう信じさせたいこと」の区別が曖昧になっている
⇒ナラティブを分析しているうちにそれに溺れてしまう危険性に注意すること
・戦略レベルの意図は理解できても戦術レベルは別かも知れないことも重要
(ウクライナ侵略でも主攻方向はキーウではなくドンパス地方という欺瞞作戦を展開した)
(このレベルになると戦術や作戦の専門家しか分析できず私の専門外で現在はやっていないが)
⇒キーウでの攻防などは戦略レベルでも重要なので専門家に頼ることを推奨している
第2章より
・1979年のスリーマイル島の原発事故
⇒137個の警告灯が一斉に点灯してクリスマスツリー状態になり情報の有用性が損なわれた
・情報(インフォメーション)と情報資料(インテリジェンス)の区別が重要
⇒集められた食材(情報)を調理(処理)し食べられる料理(情報資料)にすること
⇒役に立つ情報資料にするのはクリエイターよりエディターの仕事
①バックグラウンド情報⇒ロシアの政治、経済、社会状況などの情報(バレエ情報は不要?
)
②分析のコアとなる情報⇒ロシア軍の人事、部隊再編、装備調達などの情報
(定点観測を続けることで違いを取り出せる)
③足で稼ぐ情報⇒文字や画像データでは把握しきれない体験的な情報⇒①②の分析が深まる
・身銭を切った情報(分析対象に入れ込む)
⇒ロシア軍の衛星画像
(私は米国マクサー社だが米軍や自衛隊が優先され個人には遅れたり配信がなかったりする)
⇒自分用の図書館⇒集めた本で仮説ができる、余白にメモできる、付箋を貼れる・・・
・新しいガジェット
⇒大きな組織なら情報の収集と分析は分けるべきだが個人では自分でやるしかない
⇒限りがあるのだから、いろんな工夫をすべき
・エミュレーターになる(分析対象を模倣して考える)
⇒B-1爆撃機の予算復活の例(ミサイルより空爆を警戒するロシア軍になって考えた結果)
⇒いつでもスイッチを切って自分たちの側に立つことが重要(できない人も多い)
第3章より
・情報収集の目的⇒何のために誰に向けて⇒その解像度を合わせること
⇒ロシア軍が北方領土へ新型戦車を配備した場合の情報資料の例
⇒外務省には何両ぐらいか性能は日本のと較べてどうか、国際法上の違反はないかなど、
政治外交レベルでの比較的マクロなレベルの資料になり装甲性能など解像度が高すぎても
あまり意味はない
⇒陸上自衛隊の機甲科や対戦車研究者にはマクロな高解像度が必要で政治レベルの意味はない
・国家インテリジェンスの手法(略)
⇒大本営発表にもある程度の事実はあり、それをどうやって深読みするか
⇒個々の情報はアテにならなくても傾向の変化は読み取れる
(ウクライナでの両軍の公式戦況報告は勝敗ではなく報告量の増減というメタ情報としてみる)
⇒軍事力には抑止力の側面があり知られていないと意味はない⇒それを集める
・公開情報の読み方(略)
⇒戦況報道の中の事実、戦況報告の変化、知らせたい抑止力、冠婚葬祭、議会予算資料など
(ロシアの国防予算は開戦で3倍になったが伴う財政赤字はGDPの0.8%で財政破綻しないとか)
(国後島と択捉島の兵舎建替入札の仕様書からの配備兵力がロシア側の説明と一致したとか)
(侵攻の少し前から「ウクライナ政府」から「キエフ政権」に言い方が変わったとか)
(人民日報の「面積読み」とかロシア国営メディアの女優のゴシップとか)
⇒SNS情報などは体系化が重要
・ネットワークで「沼の主」を召喚する
⇒シベリア鉄道の映像を見て私なら「T-80が31両で1個戦車大隊か」ぐらいは読み解けるが、
「沼の主」なら「これはT-80改良型のT-80BVMで極東でこの戦車を持ってるのは太平洋艦隊の
第155海軍歩兵旅団の戦車大隊だけだったはず」と瞬時にわかり、戦争が始まってからは、
「このT-80BVMの光学照準器は古いバージョンなので精密機器の生産に支障が出ているのでは」
と分析している人もいて度肝を抜かれた
⇒こういう知識は自衛隊の人は別にして趣味の世界に属し解像度は異様に高いが視野は狭い
⇒ところが分析者と趣味的知識(オタク的知)がうまく結合するとマクロな相乗効果を生む
⇒ベリングキャットもオタクを活用するバーチャル組織を作り上げマレーシア航空機の撃墜が
親ロシア派による地対空ミサイルの誤射であったことを解明した
⇒重要なのは自分で沼に潜るのではなく必要な際に主を召喚できるネットワークを作ること
・情報の収集⇒分析⇒資料化(文章化)のスパイラルで体系化する(出典は重要)
第4章より
・冷戦時代のソ連はアメリカ国防総省(ペンタゴン)の軍事衛星写真で中庭にある小さな建物に、
多くの人が出入りしていたので高官が会議する地下重要施設(の出入口?)と判断していた
⇒冷戦後にソ連軍の代表団が行ってみるとホットドッグ店やハンバーガー店の入る建物だった
⇒ソ連時代のロシア国防省では食事時間も食堂も厳格に決まっており適当に買いに出ることは
なかったから勘違いしていた
(今はデリバリーもありその顧客リストから連邦保安庁の組織構成がバレてたけど
)
⇒情報収集にカネをかけ優秀な分析官たちが分析しても、相手の行動様式がわからないと
とんちんかんな結論になってしまう例で、これはアメリカの分析官も同じ
⇒今ならAIに分析させるが自分が分析方法を理解してないと・・・(以下略)
第5章(情報分析のための文章術でメモは省略)
⇒分析者の文章は作品ではなく資料なのであくまで顧客本位で・・・
第6章より
・慢心、予算制限、予断(ミラーイメージの罠⇒エミュレーターを持つ)・・・
⇒ウクライナについての分析も、みんなが偏っており私も日本に偏っている
・一次資料を読めることと、それが事実なのかは別
⇒事情通で終わる(分析できない⇒アウトプットが見えていない)
・ヘンな専門家に注意すること
⇒予断、断定、占い師的な「偏な専門家」、事情通タイプで分析できない「変な専門家」、
エミュレーターのスイッチが切れなくなった専門家(自分の分析に陰謀論が入る)・・・
終章より
・アメリカの孤立主義的な路線は長期的に維持される可能性が高い
⇒なので直近の歴史が続くという予見はもう持てない
⇒10年20年スパンの不確実性は高まっているし、30年後40年後は遠い世界に
⇒「それはないだろう」が「ある」時代になり情報分析がより重要になる
・情報の不確実性も増していく
⇒統制されない情報の氾濫や情報チャンネルの多様化・・・
⇒半世紀前の「情報化時代」はテレビ新聞など何らかのオーソリティを経由した情報の氾濫
⇒今は深い専門家の知見とそれとは関係のないインフルエンサーの「それっぽい話」が全く
同列で流れてくる時代
⇒事実はややこしくて面白くないのでバズるのは往々にしてわかりやすくて面白い後者
・今はAIが公式情報を自動文字化してニュース発信しているが偽情報でも誤情報でも可能
⇒これが情報にある程度の信頼が置けた「情報化時代」との最大の違い
⇒自分が分かっていることには気づけるので自分自身が情報分析力を持つこと
⇒そのためには定点観測と専門家の本、地道だがAIが信用できるまではそれしかない
・情報分析で最も厄介なファクターは人間⇒こだわりとか信念とか恐怖とか・・・
⇒この「合理的ではないが人間らしいと多くの人が認める行動様式」を人間性と呼べば、
優れた文学作品は人間性のスケッチだと思う
⇒今も参照にしているのがウラジミール・ソローキンのSF小説「親衛隊士の日」
⇒ロシアで読み継がれるドストエフスキーの思考様式や50代以下の世代なら日本のサブカルチャー
⇒分析対象を最もよく描き、影響を与えている文学は何かを考える
⇒こうした人間性の洞察が不確実な時代の情報分析の基礎になるのではないか・・・
・・・
まあ、わたくしが情報(インフォメーション)を分析して情報資料(インテリジェンス)にすることは
今後もないでしょうし、この記事も情報(インフォメーション)をてきとーにメモしただけですが、
確かに文章化することによって情報を整理できる、とゆーことはあるかもですね
それと情報の氾濫の中から誤情報や偽情報を取り除くことの重要性も今回再認識しました
本文にもありましたが半世紀前にテレビや新聞など何らかのオーソリティを経由した情報が
氾濫しだしたのが、今やオーソリティとは何の関係もない情報が全く同列で氾濫しており、
そちらのほうがわかりやすくて面白いのでバズる、とゆー現象は確かに実感しています
もちろんマスメディアにも誤情報や意図的な誘導や隠蔽はあるでしょうが、それでも公開には
一定のファクトチェック手続きを経ているはずで、これが他のSNS情報との大きな違いですね
各国政府や自治体の公式発表にも意図的な誘導や隠蔽はあるでしょうが、全く事実がなければ
権威そのものが失墜するので、大本営発表からでも得られる情報はあるわけですね
なので、これら以外の情報はあくまでメタ情報の部分として全体から方向を掴む程度で利用、
面白いけど事実とはまったく関係がないという前提を常に意識しておこうと思っています

「情報分析力」とゆー本を読んだので脳の外部記憶としてメモしておきます
著者紹介

日本では数少ないロシア軍事の専門家(あとは自衛隊・防衛研究所の研究者ぐらい?)で、
今回の著書はその情報分析のやり方について解説した「ビジネス書」だそうです
奥付

初版発行と同時に図書館予約して今は3月なので、けっこう人気があるようです
例によって目次の紹介




以下思いつくままの個人メモですので正しくは本書をお読みくださいね
(著作物の読後メモなので公開に問題があれば非公開設定にします)
はじめにより
・本書は書店の(国際情勢や安全保障の棚ではなく)ビジネス書の棚に並ぶだろう
⇒だが私が朝起きて読むのは経済紙ではなくロシア軍の機関紙「赤い星]
⇒今回は私がロシア軍事をどうやって分析しているかというお話
・ロシア軍のウクライナ侵略は「まさかそれはないだろう」と思われていた例
⇒だが半年ほど前から(集結の事実や高官のメッセージなどで)多くの専門家に指摘されていた
⇒問題は「情報がなかった」のではなく「情報分析のやり方」にあった
⇒情報分析のやり方によって(100%の予測はできないが)「事態の幅」は予測できる
⇒ウクライナ侵略は本来その「幅」に含まれるべき事態だった・・・
・インターネット上にはあらゆる国際情報が溢れている(略)
(少し前まで外交官や商社マンなど専門家のみが知る情報が低コストで入手可能になった)
(衛星画像などは軍事大国の一部高官や分析官だけが知る情報だった)
⇒インターネット上で入手できないのは「その生情報が何を意味するか」を知る方法
(企業の決算報告書は数秒でダウンロードできるが、それで兆候を読めるのは投資家のみ)
⇒個人がこの能力を持つのは簡単ではないが本書でそのギャップを縮めたい
・インターネット上の生情報の氾濫はフェイクの弊害を拡げた
⇒外交や安全保障から私の好きな料理レシピまで玉石混合で偽情報も多いが、
⇒カレーを作ったことがある人なら「3分でできるカレーレシピ」は怪しいと思うはず
⇒これが「一定の相場感」で情報分析のやり方を知れば偽情報の確率は大幅に下がる
・情報は食材でそれを料理して食べられるようにしたのがインテリジェンス(情報資料)
⇒インテリジェンスには敵国の高官を買収して得たような極秘情報もあるが、これは超高級料亭で
出される料理(インテリジェンス)で分析は求められず「素材そのものを味わう」食べ方

⇒本書は「スーパーの食材による普通の朝ご飯の作り方」だが、そのやり方を知らないと
それなりの朝ご飯は食べれられない

・本書の構成
⇒第1章はウクライナ侵略の情報分析の実際とその影響のスケッチ
⇒第2章は情報分析の手法や考え方でここまでが入門編
⇒第3章は情報の取り方
⇒第4章は情報分析の具体的なメソッド
⇒第5章は分析をまとめる方法
⇒第6章は情報分析で陥りやすい罠
(以下はランダムに一部のみメモ)
第1章より
・2021年の秋から2022年の初頭にかけ「ロシア軍は侵攻するのか?」との質問を多く受けた
⇒私の答えは「侵攻するかどうかはわからないが大規模な戦争能力は整いつつある」だった
⇒「意図」のような曖昧なことは横に置き把握しやすい「能力」を分析の出発点にした
⇒それで「可能行動」を考えると「やろうとしていること」の上限が見えてくる
(実際に両軍の「能力」は、この間に広がり続けていた)
・当時の分析
⇒ロシア軍の海兵隊や空挺部隊を含む全地上兵力は36万人でうち15万人が集結していた
⇒全地上兵力のうち徴兵の20万人は戦地に送らないとの建前が過去には概ね守られていた
⇒以上から15万人は実戦に投入できる兵力のほぼ上限でロシア全土から派遣されていた
⇒こんな集結は毎年秋の大演習でもなかったことで投入可能な戦闘チームのほぼ全力だった
⇒これらのバックグラウンドを知らずに15/36の情報を得ても意味はない⇒情報処理が重要
・私の夕食に奥さんが毒を入れている可能性

⇒そんなはずがないという性善説で食べているが前夜に刃傷沙汰があれば違った推測になるかも
⇒軍事の情報分析は性悪説になりがちで毒が入ってるかもしれない、致死性はどの程度なのか、
可能行動の範囲内で何をするか、といった相手の意図にまつわる曖昧さが立ちはだかる
⇒ウクライナ侵攻の意図が確定できたのは開戦の3日前(ドンパス地方の独立国家承認)だった
(第2次ミンスク合意を完全に破棄することを意味していたから)
・料理に毒を入れた人が食べる人に教えてくれることはない

⇒分析対象が発する情報は「政治的な語り(ナラティブ)」
⇒「実際に考えていること」と「そう信じさせたいこと」の区別が曖昧になっている
⇒ナラティブを分析しているうちにそれに溺れてしまう危険性に注意すること
・戦略レベルの意図は理解できても戦術レベルは別かも知れないことも重要
(ウクライナ侵略でも主攻方向はキーウではなくドンパス地方という欺瞞作戦を展開した)
(このレベルになると戦術や作戦の専門家しか分析できず私の専門外で現在はやっていないが)
⇒キーウでの攻防などは戦略レベルでも重要なので専門家に頼ることを推奨している
第2章より
・1979年のスリーマイル島の原発事故
⇒137個の警告灯が一斉に点灯してクリスマスツリー状態になり情報の有用性が損なわれた
・情報(インフォメーション)と情報資料(インテリジェンス)の区別が重要
⇒集められた食材(情報)を調理(処理)し食べられる料理(情報資料)にすること
⇒役に立つ情報資料にするのはクリエイターよりエディターの仕事
①バックグラウンド情報⇒ロシアの政治、経済、社会状況などの情報(バレエ情報は不要?

②分析のコアとなる情報⇒ロシア軍の人事、部隊再編、装備調達などの情報
(定点観測を続けることで違いを取り出せる)
③足で稼ぐ情報⇒文字や画像データでは把握しきれない体験的な情報⇒①②の分析が深まる
・身銭を切った情報(分析対象に入れ込む)
⇒ロシア軍の衛星画像
(私は米国マクサー社だが米軍や自衛隊が優先され個人には遅れたり配信がなかったりする)
⇒自分用の図書館⇒集めた本で仮説ができる、余白にメモできる、付箋を貼れる・・・

・新しいガジェット
⇒大きな組織なら情報の収集と分析は分けるべきだが個人では自分でやるしかない
⇒限りがあるのだから、いろんな工夫をすべき
・エミュレーターになる(分析対象を模倣して考える)
⇒B-1爆撃機の予算復活の例(ミサイルより空爆を警戒するロシア軍になって考えた結果)
⇒いつでもスイッチを切って自分たちの側に立つことが重要(できない人も多い)
第3章より
・情報収集の目的⇒何のために誰に向けて⇒その解像度を合わせること
⇒ロシア軍が北方領土へ新型戦車を配備した場合の情報資料の例
⇒外務省には何両ぐらいか性能は日本のと較べてどうか、国際法上の違反はないかなど、
政治外交レベルでの比較的マクロなレベルの資料になり装甲性能など解像度が高すぎても
あまり意味はない
⇒陸上自衛隊の機甲科や対戦車研究者にはマクロな高解像度が必要で政治レベルの意味はない
・国家インテリジェンスの手法(略)
⇒大本営発表にもある程度の事実はあり、それをどうやって深読みするか
⇒個々の情報はアテにならなくても傾向の変化は読み取れる
(ウクライナでの両軍の公式戦況報告は勝敗ではなく報告量の増減というメタ情報としてみる)
⇒軍事力には抑止力の側面があり知られていないと意味はない⇒それを集める
・公開情報の読み方(略)
⇒戦況報道の中の事実、戦況報告の変化、知らせたい抑止力、冠婚葬祭、議会予算資料など
(ロシアの国防予算は開戦で3倍になったが伴う財政赤字はGDPの0.8%で財政破綻しないとか)
(国後島と択捉島の兵舎建替入札の仕様書からの配備兵力がロシア側の説明と一致したとか)
(侵攻の少し前から「ウクライナ政府」から「キエフ政権」に言い方が変わったとか)
(人民日報の「面積読み」とかロシア国営メディアの女優のゴシップとか)
⇒SNS情報などは体系化が重要
・ネットワークで「沼の主」を召喚する

⇒シベリア鉄道の映像を見て私なら「T-80が31両で1個戦車大隊か」ぐらいは読み解けるが、
「沼の主」なら「これはT-80改良型のT-80BVMで極東でこの戦車を持ってるのは太平洋艦隊の
第155海軍歩兵旅団の戦車大隊だけだったはず」と瞬時にわかり、戦争が始まってからは、
「このT-80BVMの光学照準器は古いバージョンなので精密機器の生産に支障が出ているのでは」
と分析している人もいて度肝を抜かれた

⇒こういう知識は自衛隊の人は別にして趣味の世界に属し解像度は異様に高いが視野は狭い
⇒ところが分析者と趣味的知識(オタク的知)がうまく結合するとマクロな相乗効果を生む
⇒ベリングキャットもオタクを活用するバーチャル組織を作り上げマレーシア航空機の撃墜が
親ロシア派による地対空ミサイルの誤射であったことを解明した
⇒重要なのは自分で沼に潜るのではなく必要な際に主を召喚できるネットワークを作ること

・情報の収集⇒分析⇒資料化(文章化)のスパイラルで体系化する(出典は重要)
第4章より
・冷戦時代のソ連はアメリカ国防総省(ペンタゴン)の軍事衛星写真で中庭にある小さな建物に、
多くの人が出入りしていたので高官が会議する地下重要施設(の出入口?)と判断していた
⇒冷戦後にソ連軍の代表団が行ってみるとホットドッグ店やハンバーガー店の入る建物だった
⇒ソ連時代のロシア国防省では食事時間も食堂も厳格に決まっており適当に買いに出ることは
なかったから勘違いしていた
(今はデリバリーもありその顧客リストから連邦保安庁の組織構成がバレてたけど

⇒情報収集にカネをかけ優秀な分析官たちが分析しても、相手の行動様式がわからないと
とんちんかんな結論になってしまう例で、これはアメリカの分析官も同じ
⇒今ならAIに分析させるが自分が分析方法を理解してないと・・・(以下略)
第5章(情報分析のための文章術でメモは省略)
⇒分析者の文章は作品ではなく資料なのであくまで顧客本位で・・・
第6章より
・慢心、予算制限、予断(ミラーイメージの罠⇒エミュレーターを持つ)・・・
⇒ウクライナについての分析も、みんなが偏っており私も日本に偏っている
・一次資料を読めることと、それが事実なのかは別
⇒事情通で終わる(分析できない⇒アウトプットが見えていない)
・ヘンな専門家に注意すること
⇒予断、断定、占い師的な「偏な専門家」、事情通タイプで分析できない「変な専門家」、
エミュレーターのスイッチが切れなくなった専門家(自分の分析に陰謀論が入る)・・・
終章より
・アメリカの孤立主義的な路線は長期的に維持される可能性が高い
⇒なので直近の歴史が続くという予見はもう持てない
⇒10年20年スパンの不確実性は高まっているし、30年後40年後は遠い世界に
⇒「それはないだろう」が「ある」時代になり情報分析がより重要になる
・情報の不確実性も増していく
⇒統制されない情報の氾濫や情報チャンネルの多様化・・・
⇒半世紀前の「情報化時代」はテレビ新聞など何らかのオーソリティを経由した情報の氾濫
⇒今は深い専門家の知見とそれとは関係のないインフルエンサーの「それっぽい話」が全く
同列で流れてくる時代
⇒事実はややこしくて面白くないのでバズるのは往々にしてわかりやすくて面白い後者
・今はAIが公式情報を自動文字化してニュース発信しているが偽情報でも誤情報でも可能
⇒これが情報にある程度の信頼が置けた「情報化時代」との最大の違い
⇒自分が分かっていることには気づけるので自分自身が情報分析力を持つこと
⇒そのためには定点観測と専門家の本、地道だがAIが信用できるまではそれしかない
・情報分析で最も厄介なファクターは人間⇒こだわりとか信念とか恐怖とか・・・
⇒この「合理的ではないが人間らしいと多くの人が認める行動様式」を人間性と呼べば、
優れた文学作品は人間性のスケッチだと思う
⇒今も参照にしているのがウラジミール・ソローキンのSF小説「親衛隊士の日」
⇒ロシアで読み継がれるドストエフスキーの思考様式や50代以下の世代なら日本のサブカルチャー
⇒分析対象を最もよく描き、影響を与えている文学は何かを考える
⇒こうした人間性の洞察が不確実な時代の情報分析の基礎になるのではないか・・・
・・・
まあ、わたくしが情報(インフォメーション)を分析して情報資料(インテリジェンス)にすることは
今後もないでしょうし、この記事も情報(インフォメーション)をてきとーにメモしただけですが、
確かに文章化することによって情報を整理できる、とゆーことはあるかもですね
それと情報の氾濫の中から誤情報や偽情報を取り除くことの重要性も今回再認識しました
本文にもありましたが半世紀前にテレビや新聞など何らかのオーソリティを経由した情報が
氾濫しだしたのが、今やオーソリティとは何の関係もない情報が全く同列で氾濫しており、
そちらのほうがわかりやすくて面白いのでバズる、とゆー現象は確かに実感しています
もちろんマスメディアにも誤情報や意図的な誘導や隠蔽はあるでしょうが、それでも公開には
一定のファクトチェック手続きを経ているはずで、これが他のSNS情報との大きな違いですね
各国政府や自治体の公式発表にも意図的な誘導や隠蔽はあるでしょうが、全く事実がなければ
権威そのものが失墜するので、大本営発表からでも得られる情報はあるわけですね
なので、これら以外の情報はあくまでメタ情報の部分として全体から方向を掴む程度で利用、
面白いけど事実とはまったく関係がないという前提を常に意識しておこうと思っています
2024年09月12日
ゴルゴ13と・・・
前回記事からの続きつーか、むしろ前々回記事からの続きつーか・・・
9月7日、堺市役所展望ロビー南側で開催されたマレーシアごはんトークイベント終了後は、

ハニワ部長の案内で百舌鳥古墳群を!!!
ではなく・・・
展望ロビー北側に廻って・・・

98k部長???の案内でゴルゴ13をば!!!
そう、こちらでは、ゴルゴ13×堺市~さいとう たかを 劇画の世界~
とゆーパネル展示が開催中(2年前から常設展示)なのでありますね
さいとう・たかを・・・ゴルゴ13・・・
わたくし世代にはまさにバイブルで前々回記事も、前々前回記事もその延長上かもです
と、さっそく展示会場へ・・・

入ってすぐ左の展示スペースには、もともと鉄砲(火縄銃)や刃物類が展示されてましたが、
今回は何とゴルゴ13のウェポン・コレクション展示に!!! さすが鉄砲町だった堺です
もちろん劇画作品などは著作物なんですが、撮った画像に「#ゴルゴ13堺市」をつければ、
SNSなどにも投稿可能とありましたので、以下の画像につけさせていただいてます
さいとう・たかを・・・

#ゴルゴ13堺市
堺のご出身で2021年に亡くなられたんですね
ちなみにデューク「東郷」は、子どものころ可愛がってくれた先生の名前からとありました
会場にはゴルゴ13だけでなく・・・

#ゴルゴ13堺市

#ゴルゴ13堺市
サバイバル
などの作品も展示されてましたが、メインはやはりゴルゴ13・・・
中でも、わたくしが惹かれたのは作品でデューク東郷が使った銃の一部を展示する、
ウェポン・コレクションのコーナーでした
で、最初に展示されてた銃はアーマライトM16A2カスタム

#ゴルゴ13堺市

#ゴルゴ13堺市
中央の赤い弾痕から展示スペースを覗けば・・・

#ゴルゴ13堺市

#ゴルゴ13堺市
(超広角レンズを持ってないので長物は分割撮影に
)
で、二丁めの銃は同じくアーマライトM16の変形銃

#ゴルゴ13堺市

#ゴルゴ13堺市
やはり銃を構えるときの効果音は「チャッ」でキマリですね

#ゴルゴ13堺市

#ゴルゴ13堺市
三丁めの銃はAK-47

#ゴルゴ13堺市
で、「チャッ」のあとの効果音は「ズキュウーン」でキマリ

#ゴルゴ13堺市

#ゴルゴ13堺市
ジョシュ・ダフィーは短銃身・折りたたみ銃床タイプを選択してましたね
で、展示最後の銃がS&W M36チーフス・スペシャル

#ゴルゴ13堺市

#ゴルゴ13堺市
M16、AK47、SWチーフは、わたくしでも昔トイガンを買って夢中で遊んでたぐらいで、
アクション映画などではおなじみの銃ですね
西部劇ならウィンチェスターM73とコルト・ピースメーカー、第二次世界大戦を描いた映画なら、
サブマシンガンはMP38/40対トンプソン、拳銃はルガーP08やワルサーP38対コルト・ガバメント、
小銃はモーゼル98k対MIガーランド、機関銃はMG34やMG42対ブローニングM2、さらに
米軍対ドイツ軍以外になるとですね・・・くどくど
(キリがないので閑話休題)
以下はゴルゴ13のパネル展示からランダムに一部を紹介・・・

#ゴルゴ13堺市

#ゴルゴ13堺市

#ゴルゴ13堺市

#ゴルゴ13堺市

#ゴルゴ13堺市

#ゴルゴ13堺市

#ゴルゴ13堺市

#ゴルゴ13堺市

#ゴルゴ13堺市

#ゴルゴ13堺市

#ゴルゴ13堺市

#ゴルゴ13堺市
そう、わたくしも日本を代表するハードボイルドらしく「俺は一人の呑んだくれだ」
つーことで、気分はすっかりマレーシアのデューク東郷???になりきって???
堺東の駅前商店街をふらふらと・・・


こんな看板があれば、ついつい・・・






そう、看板メニューの浜焼セットなんぞで・・・






この日、楽しませてもらった音さん熊さん、故さいとう・たかをさんに感謝を込めて

9月7日、堺市役所展望ロビー南側で開催されたマレーシアごはんトークイベント終了後は、

ハニワ部長の案内で百舌鳥古墳群を!!!
ではなく・・・
展望ロビー北側に廻って・・・

98k部長???の案内でゴルゴ13をば!!!
そう、こちらでは、ゴルゴ13×堺市~さいとう たかを 劇画の世界~
とゆーパネル展示が開催中(2年前から常設展示)なのでありますね

さいとう・たかを・・・ゴルゴ13・・・
わたくし世代にはまさにバイブルで前々回記事も、前々前回記事もその延長上かもです

と、さっそく展示会場へ・・・


入ってすぐ左の展示スペースには、もともと鉄砲(火縄銃)や刃物類が展示されてましたが、
今回は何とゴルゴ13のウェポン・コレクション展示に!!! さすが鉄砲町だった堺です
もちろん劇画作品などは著作物なんですが、撮った画像に「#ゴルゴ13堺市」をつければ、
SNSなどにも投稿可能とありましたので、以下の画像につけさせていただいてます
さいとう・たかを・・・

#ゴルゴ13堺市
堺のご出身で2021年に亡くなられたんですね
ちなみにデューク「東郷」は、子どものころ可愛がってくれた先生の名前からとありました
会場にはゴルゴ13だけでなく・・・

#ゴルゴ13堺市

#ゴルゴ13堺市
サバイバル

中でも、わたくしが惹かれたのは作品でデューク東郷が使った銃の一部を展示する、
ウェポン・コレクションのコーナーでした

で、最初に展示されてた銃はアーマライトM16A2カスタム


#ゴルゴ13堺市

#ゴルゴ13堺市
中央の赤い弾痕から展示スペースを覗けば・・・

#ゴルゴ13堺市

#ゴルゴ13堺市
(超広角レンズを持ってないので長物は分割撮影に

で、二丁めの銃は同じくアーマライトM16の変形銃


#ゴルゴ13堺市

#ゴルゴ13堺市
やはり銃を構えるときの効果音は「チャッ」でキマリですね


#ゴルゴ13堺市

#ゴルゴ13堺市
三丁めの銃はAK-47


#ゴルゴ13堺市
で、「チャッ」のあとの効果音は「ズキュウーン」でキマリ


#ゴルゴ13堺市

#ゴルゴ13堺市
ジョシュ・ダフィーは短銃身・折りたたみ銃床タイプを選択してましたね

で、展示最後の銃がS&W M36チーフス・スペシャル


#ゴルゴ13堺市

#ゴルゴ13堺市
M16、AK47、SWチーフは、わたくしでも昔トイガンを買って夢中で遊んでたぐらいで、
アクション映画などではおなじみの銃ですね
西部劇ならウィンチェスターM73とコルト・ピースメーカー、第二次世界大戦を描いた映画なら、
サブマシンガンはMP38/40対トンプソン、拳銃はルガーP08やワルサーP38対コルト・ガバメント、
小銃はモーゼル98k対MIガーランド、機関銃はMG34やMG42対ブローニングM2、さらに
米軍対ドイツ軍以外になるとですね・・・くどくど

(キリがないので閑話休題)
以下はゴルゴ13のパネル展示からランダムに一部を紹介・・・

#ゴルゴ13堺市

#ゴルゴ13堺市

#ゴルゴ13堺市

#ゴルゴ13堺市

#ゴルゴ13堺市

#ゴルゴ13堺市

#ゴルゴ13堺市

#ゴルゴ13堺市

#ゴルゴ13堺市

#ゴルゴ13堺市

#ゴルゴ13堺市

#ゴルゴ13堺市
そう、わたくしも日本を代表するハードボイルドらしく「俺は一人の呑んだくれだ」

つーことで、気分はすっかりマレーシアのデューク東郷???になりきって???
堺東の駅前商店街をふらふらと・・・


こんな看板があれば、ついつい・・・







そう、看板メニューの浜焼セットなんぞで・・・






この日、楽しませてもらった音さん熊さん、故さいとう・たかをさんに感謝を込めて


2024年09月07日
アーマード 生還不能
ま、前回記事からの銃器つながりつーか・・・


アーマード 生還不能(上下巻)であります
そう、グレイマンなどのマーク・グリーニーによる新シリーズ第一作!!!
下巻の奥付

昨年6月の発行で12月発行のグレイマン最新作(最終作?)より以前なんですね
わたくしは発行順ではなく図書館の予約順で読んでるので前後してます
で、物語は裏表紙カバーにある惹句のとおり・・・


・・・と展開していくのですが、このミッションのウラに大きな策謀があって事態は二転三転、
やがてとんでもない展開に・・・わくわく、はらはら、どきどき
と、ハードなアクションシーンは大好きなグレイマンシリーズと同じように楽しめましたし、
グレイマンは基本一匹狼でしたが、新主人公は家族持ちで経歴や個性もグレイマンとは異なり、
さらにリーダーとしてチームをまとめた経験がなく最初は苦労するのですが、その人間性から
徐々に信頼されていく過程も面白く、現地の麻薬栽培や貧困や搾取の実情もリアルで迫力があって、
最後まで一気に読んでしまいました
小説なので迫力あるシーンやストーリーは紹介できませんが、上巻の惹句の末尾にある、
「ひとくせあるメンバーばかりのチームを率いて出発する」際に、銃器を選択するシーンのみ
登場人物の一番上ジョシュ・ダフィーが主人公で、以下の5人が彼のメンバーになります

で、下巻の表紙絵にある装甲人員輸送車(インターナショナル・アーマード・グループIAG製
ガーディアン・モデル)車列5台中、最後尾車両を担当するCチームのリーダー(チャーリー1)
になった主人公が現地の武器庫で、今回の作戦(移動警護の最中に麻薬カルテルに襲撃される
可能性が極めて高い)に応じて、メンバーに指示した銃器とメンバーたちの選択・・・
・狙撃手ウルフソンにはサブマシンガンとスナイパーライフルを指示
→ライフルは10倍可変倍率スコープ付きHK417、サブマシンガンはスコーピオンを選択
・衛生担当フレンチーにはスコープ付きのカービンを指示
→(フランス海軍コマンドと外人部隊の将校だったので)扱いなれたFA-MASを選択
・後部銃手クルーズはベルト給弾式のMk48軽機関銃を要求
→銃塔を後方に旋回するまでの時間稼ぎをするよう指示してMk48軽機関銃を承認
・運転手ナスカーには銃身の短いライフル(サブマシンガンではなくカービン)を指示
(運転しながら銃眼から突き出して遠くを撃てるもの)
→10.5インチ銃身のAR-15を選択
・上部銃手スクイーズには銃塔へのMk48軽機関銃の取付けとルーフハッチ下部へのM32
グレネネードランチャーのセット、折りたたみ銃床サブマシンガンの所持を指示
・全員の拳銃にはサブマシンガンと同じ9mm弾を使うグロックかS&WかHK製を指定
・助手席に座る自分は最も信頼できるAK-47(折りたたみ銃床・短銃身タイプ)と、移動中は
股に挟んで所持するポンプアクションのショットガンを選択
で、出発前夜に医療品や予備の水や弾薬など、あらゆる装備の車内での置き場を工夫して、
「ひとくせあるメンバー」のチームリーダーとして少しは認められるようになるのですが・・・
(2025年5月追記です)
続編「アーマード2 極限死境」上下巻は2025年7月に刊行予定だそうです わくわく


アーマード 生還不能(上下巻)であります
そう、グレイマンなどのマーク・グリーニーによる新シリーズ第一作!!!
下巻の奥付

昨年6月の発行で12月発行のグレイマン最新作(最終作?)より以前なんですね
わたくしは発行順ではなく図書館の予約順で読んでるので前後してます

で、物語は裏表紙カバーにある惹句のとおり・・・


・・・と展開していくのですが、このミッションのウラに大きな策謀があって事態は二転三転、
やがてとんでもない展開に・・・わくわく、はらはら、どきどき

と、ハードなアクションシーンは大好きなグレイマンシリーズと同じように楽しめましたし、
グレイマンは基本一匹狼でしたが、新主人公は家族持ちで経歴や個性もグレイマンとは異なり、
さらにリーダーとしてチームをまとめた経験がなく最初は苦労するのですが、その人間性から
徐々に信頼されていく過程も面白く、現地の麻薬栽培や貧困や搾取の実情もリアルで迫力があって、
最後まで一気に読んでしまいました
小説なので迫力あるシーンやストーリーは紹介できませんが、上巻の惹句の末尾にある、
「ひとくせあるメンバーばかりのチームを率いて出発する」際に、銃器を選択するシーンのみ

登場人物の一番上ジョシュ・ダフィーが主人公で、以下の5人が彼のメンバーになります

で、下巻の表紙絵にある装甲人員輸送車(インターナショナル・アーマード・グループIAG製
ガーディアン・モデル)車列5台中、最後尾車両を担当するCチームのリーダー(チャーリー1)
になった主人公が現地の武器庫で、今回の作戦(移動警護の最中に麻薬カルテルに襲撃される
可能性が極めて高い)に応じて、メンバーに指示した銃器とメンバーたちの選択・・・
・狙撃手ウルフソンにはサブマシンガンとスナイパーライフルを指示
→ライフルは10倍可変倍率スコープ付きHK417、サブマシンガンはスコーピオンを選択
・衛生担当フレンチーにはスコープ付きのカービンを指示
→(フランス海軍コマンドと外人部隊の将校だったので)扱いなれたFA-MASを選択
・後部銃手クルーズはベルト給弾式のMk48軽機関銃を要求
→銃塔を後方に旋回するまでの時間稼ぎをするよう指示してMk48軽機関銃を承認
・運転手ナスカーには銃身の短いライフル(サブマシンガンではなくカービン)を指示
(運転しながら銃眼から突き出して遠くを撃てるもの)
→10.5インチ銃身のAR-15を選択
・上部銃手スクイーズには銃塔へのMk48軽機関銃の取付けとルーフハッチ下部へのM32
グレネネードランチャーのセット、折りたたみ銃床サブマシンガンの所持を指示
・全員の拳銃にはサブマシンガンと同じ9mm弾を使うグロックかS&WかHK製を指定
・助手席に座る自分は最も信頼できるAK-47(折りたたみ銃床・短銃身タイプ)と、移動中は
股に挟んで所持するポンプアクションのショットガンを選択
で、出発前夜に医療品や予備の水や弾薬など、あらゆる装備の車内での置き場を工夫して、
「ひとくせあるメンバー」のチームリーダーとして少しは認められるようになるのですが・・・

(2025年5月追記です)
続編「アーマード2 極限死境」上下巻は2025年7月に刊行予定だそうです わくわく
2024年06月25日
「米露開戦」読後メモ
とーとつですが・・・

米露開戦(上下巻)トム・クランシー、マーク・グリーニー著 田村源二訳
徳間文庫2023年10月15日初刷(初刊は新潮文庫2015年2月)・・・の読後メモであります
わたくし、トム・クランシーのジャック・ライアン・シリーズと、マーク・グリーニーの
グレイマン・シリーズは大好きで、ほぼ全作品を読破しています
(ま、最新作は図書館の順番待ちで半年後とか1年後とかですが・・・)
こちらは上記のとおり2015年に新潮文庫から既刊されていた作品の復刊ですが新刊と思って
かなり以前に予約してたもので、結果的に再読になりましたが充分楽しめました
さらに共著とはいえトム・クランシーの遺作になったことを知り感慨もひとしお・・・
ロシアのウクライナへの全面侵攻を、その10年も前に正確に描いてたこと自体が凄いですが、
ストーリーはその30年前のエピソードと並行して描かれており、40年前のソ連の資源や金融を
めぐる欧州との関わり、冷戦終焉時代の描写もリアルで、40年前と10年前の銃など最新兵器や
最新ハイテク機材の違いも正確に描写されてて楽しめました
ま、ジャック・ライアンに代表される「アメリカの良心」が、悪いロシアや中国や日本などの
独裁者や彼らと結びついた犯罪組織を懲らしめるとゆー勧善懲悪のパターンは同じですし、
小説なのでストーリーも紹介できませんので「訳者あとがき」と「解説」からの読後メモのみ・・・
「訳者あとがき」2023年7月より
・本書はトム・クランシーの遺作で原書の刊行は2013年12月
→2022年2月24日のロシアのウクライナ侵攻で現実となり復刊されることになった
→共著者はあらゆる公開情報を収集分析して、ロシア現政権の成り立ちを推理したのだろう
→とてつもなくヤバい筋書きを見つけ出し、ほんとうのようなリアルな筆致で描いてみせた
→そのとおりだと言う気はさらさらないが本書を読んで現政権の成り立ちに思いを巡らせれば、
侵攻後に露わになっているロシアのめちゃくちゃぶりも理解可能になるのではないかと思う
・トム・クランシーは1947年メリーランド州ボルチモア生まれで2013年に他界した(享年66)
→1984年に保険代理業をやりながら第一作「レッドオクトーバーを追え」を書きあげた
→以来、ほぼ30年にわたってジャック・ライアン・シリーズを書き続けたことになる
(他にも軍事ノンフィクション、プロデュース、ゲームなどでも大成功している)
→ジャック・ライアン・シリーズは5回映画化されドラマも現在シーズン4まで視聴可能
・マーク・グリーニーは1967年テネシー州メンフィス生まれで現在50代半ば
→世界中でヒットしているグレイマン・シリーズは2009年に刊行を開始して現在13冊目
→ジャック・ライアン・シリーズはクランシーとの共著3冊、巨匠の死後に単独4冊で合計7冊
→2019年からは別の共著で新しい戦争シリーズも書きはじめている・・・
(ロシア軍事研究家)小泉 悠による「解説」より
①過去30年ほどのロシアとウクライナの関係の整理
・1991年 ウクライナ独立
→ソ連崩壊によりウクライナ・ソヴィエト社会主義共和国からウクライナ共和国として独立
・2004年 オレンジ革命
→プーチンの推すヤヌコヴィチが不正疑惑で落選、ユーシェンコ大統領下でEU・NATO加盟方針へ
・2005~2006年 ロシアとウクライナのガス紛争が勃発
→ロシアのガスプロムがウクライナ向け天然ガス価格の3倍値上げを通告、これをウクライナが
受け入れなかったため2006年から供給を削減、ウクライナが自国分を強制的に抜き出したため
欧州向けガスが不足する結果に
・2010年 大統領選
→ヤヌコヴィチが当選、NATO加盟方針を破棄する一方、天然ガス価格の割引と引き換えに
クリミア半島へのロシア軍の長期駐留を容認
・2013~2014年 マイダン革命
→EUとの連携協定を反故にしたヤヌコヴィチに国民が抗議し暴動化、ヤヌコヴィチはロシアへ脱出
・2014~2015年 ロシアの第一次介入
→ヤヌコヴィチの逃亡直後にロシアがクリミア半島を占拠しロシアへの併合を宣言
→東部ドンパス地方でもロシア民兵や武装勢力の蜂起がありロシア正規軍も介入して局地戦争に
・2022年 ロシアのウクライナ侵略
→15万以上のロシア軍が北部・東部・南部から侵攻してウクライナ軍との全面戦争に
②本書が刊行された2013年時点で、このようなウクライナの政権崩壊やロシア軍の介入を
予測できた専門家は殆どいなかった
(ウクライナ政府自身が2013年秋には徴兵制を廃止している)
③本書ではプーチン権力とはどんなものかを非常に正確に見抜いている
・ロシアには資源も人材も科学技術もあるのに豊かになれない
(資源価格の高騰により絶対的貧困はほぼ撲滅したが相対的貧困率に変化はない)
→豊かになるのは国家権力と、それに結びついたマフィアや新興財閥など裏の権力者のみ
→起業ビジネスが軌道に乗れば裏の権力に二束三文で奪い取られ富は権力者に独占されたまま
→この構造をはっきりと見抜いて描き出した小説家はそういない
④勢力圏とハイブリッド戦争
・旧ソ連諸国と東欧をロシアの勢力圏として回復しようとするプーチンの愛国心と野望
→特に旧ソ連ではロシアに次ぐスラブ系人口を抱えるウクライナへの執着
(2021年発表の論文「ロシア人とウクライナ人の歴史的一体性について」を参照)
→一般論としては知られていたが軍事力行使までは本書以外では予測できていなかった
・メディア、民族主義勢力、マフィア、地元犯罪者、プロパガンダを総動員するハイブリッド戦争
→ドンパス紛争以降に世界的に注目を集めるが本書ではその様相をかなり正確な形で予言している
・資源や金融の裏面でロシアと繋がる欧州エリートたちの及び腰
→クリミア併合での煮え切らない態度が全面侵攻へと駆り立てたのではないか
(小説では冒頭のエストニア侵攻への煮え切らない態度で全面侵攻へ)
⑤現実と本書との異なる点
・ウクライナの抵抗力
→クリミア併合時のウクライナ軍は確かに非力で国民のロシアへの態度も割れていたのは事実
→本書ではそのままで描かれているが、現実には侵略を経験してから指揮統制や予備役などの
仕組みを変えており、何よりも侵略によって「我々はウクライナ人である」という自覚が高まり、
徹底抗戦の意思を固めた点が大きく異なる
・政治的リーダーの道徳性
→本書のロシア大統領は過去を暴かれることを恐れ撤退するがプーチンは非難にも動じない
→本書のアメリカ大統領(ジャック・ライアン)は侵略に対し迷わず特殊部隊を投入するが、
ジョー・バイデンはこれほど思い切りがよくなく直接介入はおろか戦車や戦闘機の供与さえ
ためらい続けてきた
(砲弾などの供与について精一杯やれることはやってるけど・・・)
⑥ジャック・ライアンはアメリカはこうあってほしいというトム・クランシーなりの理想を
体現した人物
→現実はジャック・ライアンのいない世界→それでも理想は無意味ではない
・ひどい状況でも現実に負けたらおしまいで、負けなければ未来に希望を繋ぐことができる
→だからジャック・ライアンは最後に「我々は負けたのではない、勝たなかっただけだ」と
息子に語り、その息子のために少しでもよい未来を残そうと決意する30年前のシーンで、
この物語は終わる・・・
そう、共著とはいえトム・クランシーの遺作としても素晴らしいラストでした
さてさて次は・・・
ようやく予約の順番がまわってきたグレイマン・シリーズの最新作???
をば・・・


米露開戦(上下巻)トム・クランシー、マーク・グリーニー著 田村源二訳
徳間文庫2023年10月15日初刷(初刊は新潮文庫2015年2月)・・・の読後メモであります
わたくし、トム・クランシーのジャック・ライアン・シリーズと、マーク・グリーニーの
グレイマン・シリーズは大好きで、ほぼ全作品を読破しています
(ま、最新作は図書館の順番待ちで半年後とか1年後とかですが・・・)
こちらは上記のとおり2015年に新潮文庫から既刊されていた作品の復刊ですが新刊と思って
かなり以前に予約してたもので、結果的に再読になりましたが充分楽しめました
さらに共著とはいえトム・クランシーの遺作になったことを知り感慨もひとしお・・・
ロシアのウクライナへの全面侵攻を、その10年も前に正確に描いてたこと自体が凄いですが、
ストーリーはその30年前のエピソードと並行して描かれており、40年前のソ連の資源や金融を
めぐる欧州との関わり、冷戦終焉時代の描写もリアルで、40年前と10年前の銃など最新兵器や
最新ハイテク機材の違いも正確に描写されてて楽しめました

ま、ジャック・ライアンに代表される「アメリカの良心」が、悪いロシアや中国や日本などの
独裁者や彼らと結びついた犯罪組織を懲らしめるとゆー勧善懲悪のパターンは同じですし、
小説なのでストーリーも紹介できませんので「訳者あとがき」と「解説」からの読後メモのみ・・・
「訳者あとがき」2023年7月より
・本書はトム・クランシーの遺作で原書の刊行は2013年12月
→2022年2月24日のロシアのウクライナ侵攻で現実となり復刊されることになった
→共著者はあらゆる公開情報を収集分析して、ロシア現政権の成り立ちを推理したのだろう
→とてつもなくヤバい筋書きを見つけ出し、ほんとうのようなリアルな筆致で描いてみせた
→そのとおりだと言う気はさらさらないが本書を読んで現政権の成り立ちに思いを巡らせれば、
侵攻後に露わになっているロシアのめちゃくちゃぶりも理解可能になるのではないかと思う
・トム・クランシーは1947年メリーランド州ボルチモア生まれで2013年に他界した(享年66)
→1984年に保険代理業をやりながら第一作「レッドオクトーバーを追え」を書きあげた
→以来、ほぼ30年にわたってジャック・ライアン・シリーズを書き続けたことになる
(他にも軍事ノンフィクション、プロデュース、ゲームなどでも大成功している)
→ジャック・ライアン・シリーズは5回映画化されドラマも現在シーズン4まで視聴可能
・マーク・グリーニーは1967年テネシー州メンフィス生まれで現在50代半ば
→世界中でヒットしているグレイマン・シリーズは2009年に刊行を開始して現在13冊目
→ジャック・ライアン・シリーズはクランシーとの共著3冊、巨匠の死後に単独4冊で合計7冊
→2019年からは別の共著で新しい戦争シリーズも書きはじめている・・・
(ロシア軍事研究家)小泉 悠による「解説」より
①過去30年ほどのロシアとウクライナの関係の整理
・1991年 ウクライナ独立
→ソ連崩壊によりウクライナ・ソヴィエト社会主義共和国からウクライナ共和国として独立
・2004年 オレンジ革命
→プーチンの推すヤヌコヴィチが不正疑惑で落選、ユーシェンコ大統領下でEU・NATO加盟方針へ
・2005~2006年 ロシアとウクライナのガス紛争が勃発
→ロシアのガスプロムがウクライナ向け天然ガス価格の3倍値上げを通告、これをウクライナが
受け入れなかったため2006年から供給を削減、ウクライナが自国分を強制的に抜き出したため
欧州向けガスが不足する結果に
・2010年 大統領選
→ヤヌコヴィチが当選、NATO加盟方針を破棄する一方、天然ガス価格の割引と引き換えに
クリミア半島へのロシア軍の長期駐留を容認
・2013~2014年 マイダン革命
→EUとの連携協定を反故にしたヤヌコヴィチに国民が抗議し暴動化、ヤヌコヴィチはロシアへ脱出
・2014~2015年 ロシアの第一次介入
→ヤヌコヴィチの逃亡直後にロシアがクリミア半島を占拠しロシアへの併合を宣言
→東部ドンパス地方でもロシア民兵や武装勢力の蜂起がありロシア正規軍も介入して局地戦争に
・2022年 ロシアのウクライナ侵略
→15万以上のロシア軍が北部・東部・南部から侵攻してウクライナ軍との全面戦争に
②本書が刊行された2013年時点で、このようなウクライナの政権崩壊やロシア軍の介入を
予測できた専門家は殆どいなかった
(ウクライナ政府自身が2013年秋には徴兵制を廃止している)
③本書ではプーチン権力とはどんなものかを非常に正確に見抜いている
・ロシアには資源も人材も科学技術もあるのに豊かになれない
(資源価格の高騰により絶対的貧困はほぼ撲滅したが相対的貧困率に変化はない)
→豊かになるのは国家権力と、それに結びついたマフィアや新興財閥など裏の権力者のみ
→起業ビジネスが軌道に乗れば裏の権力に二束三文で奪い取られ富は権力者に独占されたまま
→この構造をはっきりと見抜いて描き出した小説家はそういない
④勢力圏とハイブリッド戦争
・旧ソ連諸国と東欧をロシアの勢力圏として回復しようとするプーチンの愛国心と野望
→特に旧ソ連ではロシアに次ぐスラブ系人口を抱えるウクライナへの執着
(2021年発表の論文「ロシア人とウクライナ人の歴史的一体性について」を参照)
→一般論としては知られていたが軍事力行使までは本書以外では予測できていなかった
・メディア、民族主義勢力、マフィア、地元犯罪者、プロパガンダを総動員するハイブリッド戦争
→ドンパス紛争以降に世界的に注目を集めるが本書ではその様相をかなり正確な形で予言している
・資源や金融の裏面でロシアと繋がる欧州エリートたちの及び腰
→クリミア併合での煮え切らない態度が全面侵攻へと駆り立てたのではないか
(小説では冒頭のエストニア侵攻への煮え切らない態度で全面侵攻へ)
⑤現実と本書との異なる点
・ウクライナの抵抗力
→クリミア併合時のウクライナ軍は確かに非力で国民のロシアへの態度も割れていたのは事実
→本書ではそのままで描かれているが、現実には侵略を経験してから指揮統制や予備役などの
仕組みを変えており、何よりも侵略によって「我々はウクライナ人である」という自覚が高まり、
徹底抗戦の意思を固めた点が大きく異なる
・政治的リーダーの道徳性
→本書のロシア大統領は過去を暴かれることを恐れ撤退するがプーチンは非難にも動じない
→本書のアメリカ大統領(ジャック・ライアン)は侵略に対し迷わず特殊部隊を投入するが、
ジョー・バイデンはこれほど思い切りがよくなく直接介入はおろか戦車や戦闘機の供与さえ
ためらい続けてきた
(砲弾などの供与について精一杯やれることはやってるけど・・・)
⑥ジャック・ライアンはアメリカはこうあってほしいというトム・クランシーなりの理想を
体現した人物
→現実はジャック・ライアンのいない世界→それでも理想は無意味ではない
・ひどい状況でも現実に負けたらおしまいで、負けなければ未来に希望を繋ぐことができる
→だからジャック・ライアンは最後に「我々は負けたのではない、勝たなかっただけだ」と
息子に語り、その息子のために少しでもよい未来を残そうと決意する30年前のシーンで、
この物語は終わる・・・
そう、共著とはいえトム・クランシーの遺作としても素晴らしいラストでした

さてさて次は・・・
ようやく予約の順番がまわってきたグレイマン・シリーズの最新作???


2024年02月25日
宮崎駿の雑想ノート
とーとつですが・・・
表表紙

裏表紙

奥付

そう、宮崎駿の雑想ノート~増補改訂版~であります
例によって目次のみ・・・

まず、序文の冒頭に「この本に資料的価値はいっさいありません」と大きく書かれてたのに、
すっかり惹きこまれてしまいました
何せ模型専門誌に連載されてた作品群ですからねえ
詳しい内容までは紹介できませんが、各話の概要だけ脳の外部記憶としてメモ・・・
第1話は、ボストニア王国?空中艦隊のWP-30(九二重爆の兄弟機)のおはなし
第2話は、南北戦争での装甲艦モニターと装甲艦メリマックの海戦のおはなし
第3話は、ボストニア王国?の超重戦車VSB-2のおはなし
第4話は、ポテーズ540によるアンドレ・マルローの爆撃行のおはなし
第5話は、定遠・鎮遠と松島による黄海海戦のおはなし
第6話は、中国空軍マーチン139W(B-10Bの輸出型)による九州爆撃(ビラまき)のおはなし
第7話は、ドイツ・リュースバルク市?の高射砲塔のおはなし
第8話は、第一次世界大戦でのドイツUボート対イギリスQシップの海戦のおはなし
第9話は、特設空母安松丸?と九六艦攻によるアフリカ沖での空母イラトリアス攻撃のおはなし
第10話は、ツェッペリン・シュターケンR-Ⅳによるロンドン爆撃のおはなし
第11話は、特設監視艇399号(マグロカツオ漁船吉祥丸)?の対コンソリ戦のおはなし
第12話は、映画「紅の豚」の原作となった「飛行艇時代」全3話
第13話は、P虎(ポルシェ・ティーガー)戦車実験小隊?のおはなし
・・・
おはなしには虚構と現実が混じっているそうで、空想としか思えない奇想天外な事実と、
いかにももっともらしい虚構が混ざり合い、著者ご本人がそれを楽しんでる姿が想像できる、
まさに「宮崎駿の雑想ノート」で、その世界に入り込んで大いに楽しめました・・・
巻末にあった富岡吉勝氏との(ドイツ戦車に関する)雑想トークも面白かったです
表表紙

裏表紙

奥付

そう、宮崎駿の雑想ノート~増補改訂版~であります
例によって目次のみ・・・

まず、序文の冒頭に「この本に資料的価値はいっさいありません」と大きく書かれてたのに、
すっかり惹きこまれてしまいました
何せ模型専門誌に連載されてた作品群ですからねえ

詳しい内容までは紹介できませんが、各話の概要だけ脳の外部記憶としてメモ・・・
第1話は、ボストニア王国?空中艦隊のWP-30(九二重爆の兄弟機)のおはなし
第2話は、南北戦争での装甲艦モニターと装甲艦メリマックの海戦のおはなし
第3話は、ボストニア王国?の超重戦車VSB-2のおはなし
第4話は、ポテーズ540によるアンドレ・マルローの爆撃行のおはなし
第5話は、定遠・鎮遠と松島による黄海海戦のおはなし
第6話は、中国空軍マーチン139W(B-10Bの輸出型)による九州爆撃(ビラまき)のおはなし
第7話は、ドイツ・リュースバルク市?の高射砲塔のおはなし
第8話は、第一次世界大戦でのドイツUボート対イギリスQシップの海戦のおはなし
第9話は、特設空母安松丸?と九六艦攻によるアフリカ沖での空母イラトリアス攻撃のおはなし
第10話は、ツェッペリン・シュターケンR-Ⅳによるロンドン爆撃のおはなし
第11話は、特設監視艇399号(マグロカツオ漁船吉祥丸)?の対コンソリ戦のおはなし
第12話は、映画「紅の豚」の原作となった「飛行艇時代」全3話
第13話は、P虎(ポルシェ・ティーガー)戦車実験小隊?のおはなし
・・・
おはなしには虚構と現実が混じっているそうで、空想としか思えない奇想天外な事実と、
いかにももっともらしい虚構が混ざり合い、著者ご本人がそれを楽しんでる姿が想像できる、
まさに「宮崎駿の雑想ノート」で、その世界に入り込んで大いに楽しめました・・・
巻末にあった富岡吉勝氏との(ドイツ戦車に関する)雑想トークも面白かったです