SF

2025年05月16日

京都八景亡者の戯れ2025春

とーとつですが・・・

5月14日、恒例の史跡サークルの同期会に参加してきました
毎年ほぼ変わらぬ光景ですが今回もさくさくっとメモしておきます


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三条大橋




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対岸には鴨川の川床




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で、上流の突き当りが鴨川デルタ・・・見えてませんが・・・





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高瀬川



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「やまや」にも何となく京都風情が・・・



高瀬川沿いの木屋町通を北上します

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押小路を過ぎれば・・・





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高瀬川一之舟入りで・・・




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その向かいが・・・




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高瀬川の源流で角倉了以の別邸から山縣有朋の第二無鄰菴だった、いつもの「がんこ二条苑」




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いつもの下駄箱に靴を入れて・・・





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今回はじめて蔵を改装した部屋に案内されました




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前回よりワンランクアップした飲み放題コース・・・





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ビールからハイボールに切り替え、さらに何杯かお替りしたところで・・・
何故かコース画像も食べた記憶もぷっつりと消えてました


でも奇跡的に、

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小川治兵衛作の名庭は酩酊しつつも撮影してたようです




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今年もツツジが満開でした


で、恒例の(半世紀前の女子大生たちとの)記念撮影も無事に終了して三々五々で解散、
わたくしは、この日たまたま四条河原町ミュンヘンでのSF研究会の同窓会と重なっており、
遅れて会場に向かおうと、むかし覚えた数え歌を思い出し・・・

まるたけえびすにおしおいけあねさんろっかくたこにしきしあやぶったか・・・

そう、二条通から四条通までは木屋町を南に押小路、御池通、姉小路、三条通、六角小路、
蛸薬師通、錦小路と下れば1kmちょいなのですが、何せ完全に出来上がってたもので、

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三条大橋まで戻るのがやっと、今回はあきらめて京阪電車で帰宅しました

ううっ、四条大橋は「遠すぎた橋」やった・・・


思い出のP.S
そーいや学生時代には、何度も今出川通から四条通まで歩きましたねえ
そう、鴨川べりを黒髪の乙女と二人きりで・・・ではなく、
飲んだくれて酔い覚ましにふらふらと・・・でもなく、
(わたくし学生時代には殆ど飲めませんでしたから)
市電代バス代(入学当初は25円!!!)まで使い果たし、通学定期のある阪急・四条烏丸駅まで、
それはもう哀しく侘しく一人きりで、とぼとぼと・・・



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2025年03月23日

情報分析力

とーとつですが・・・

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「情報分析力」とゆー本を読んだので脳の外部記憶としてメモしておきます



著者紹介

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日本では数少ない
ロシア軍事の専門家(あとは自衛隊・防衛研究所の研究者ぐらい?)で、
今回の著書はその情報分析のやり方について解説した「ビジネス書」だそうです



奥付

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初版発行と同時に図書館予約して今は3月なので、けっこう人気があるようです



例によって目次の紹介

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以下思いつくままの個人メモですので正しくは本書をお読みくださいね
(著作物の読後メモなので公開に問題があれば非公開設定にします)

はじめにより
・本書は書店の(国際情勢や安全保障の棚ではなく)ビジネス書の棚に並ぶだろう
⇒だが私が朝起きて読むのは経済紙ではなくロシア軍の機関紙「赤い星]
⇒今回は私がロシア軍事をどうやって分析しているかというお話

・ロシア軍のウクライナ侵略は「まさかそれはないだろう」と思われていた例
⇒だが半年ほど前から(集結の事実や高官のメッセージなどで)多くの専門家に指摘されていた
⇒問題は「情報がなかった」のではなく「情報分析のやり方」にあった
⇒情報分析のやり方によって(100%の予測はできないが)「事態の幅」は予測できる
ウクライナ侵略は本来その「幅」に含まれるべき事態だった・・・

・インターネット上にはあらゆる国際情報が溢れている(略)
(少し前まで外交官や商社マンなど専門家のみが知る情報が低コストで入手可能になった)
(衛星画像などは軍事大国の一部高官や分析官だけが知る情報だった)
⇒インターネット上で入手できないのは「その生情報が何を意味するか」を知る方法
(企業の決算報告書は数秒でダウンロードできるが、それで兆候を読めるのは投資家のみ)
⇒個人がこの能力を持つのは簡単ではないが本書でそのギャップを縮めたい

インターネット上の生情報の氾濫はフェイクの弊害を拡げた
⇒外交や安全保障から私の好きな料理レシピまで
玉石混合で偽情報も多いが、
⇒カレーを作ったことがある人なら「3分でできるカレーレシピ」は怪しいと思うはず
⇒これが「一定の相場感」で情報分析のやり方を知れば偽情報の確率は大幅に下がる

・情報は食材でそれを料理して食べられるようにしたのがインテリジェンス(情報資料)
⇒インテリジェンスには敵国の高官を買収して得たような極秘情報もあるが、これは超高級料亭で
出される料理(インテリジェンス)で分析は求められず「素材そのものを味わう」食べ方
⇒本書は「スーパーの食材による普通の朝ご飯の作り方」だが、そのやり方を知らないと
それなりの朝ご飯は食べれられない

・本書の構成
⇒第1章はウクライナ侵略の情報分析の実際とその影響のスケッチ
⇒第2章は情報分析の手法や考え方でここまでが入門編
⇒第3章は情報の取り方
⇒第4章は情報分析の具体的なメソッド
⇒第5章は分析をまとめる方法
⇒第6章は情報分析で陥りやすい罠

(以下はランダムに一部のみメモ)

第1章より

・2021年の秋から2022年の初頭にかけ「ロシア軍は侵攻するのか?」との質問を多く受けた
⇒私の答えは「侵攻するかどうかはわからないが大規模な戦争能力は整いつつある」だった
⇒「意図」のような曖昧なことは横に置き把握しやすい「能力」を分析の出発点にした
⇒それで「可能行動」を考えると「やろうとしていること」の上限が見えてくる
(実際に両軍の
「能力」は、この間に広がり続けていた)

・当時の分析
⇒ロシア軍の海兵隊や空挺部隊を含む全地上兵力は36万人でうち15万人が集結していた
⇒全
地上兵力のうち徴兵の20万人は戦地に送らないとの建前が過去には概ね守られていた
⇒以上から15万人は実戦に投入できる兵力のほぼ上限でロシア全土から派遣されていた
⇒こんな集結は毎年秋の大演習でもなかったことで投入可能な戦闘チームのほぼ全力だった
⇒これらのバックグラウンドを知らずに15/36の情報を得ても意味はない⇒情報処理が重要

・私の夕食に奥さんが毒を入れている可能性
⇒そんなはずがないという性善説で食べているが前夜に刃傷沙汰があれば違った推測になるかも
⇒軍事の情報分析は性悪説になりがちで毒が入ってるかもしれない、致死性はどの程度なのか、
可能行動の範囲内で何をするか、といった相手の意図にまつわる曖昧さが立ちはだかる
⇒ウクライナ侵攻の意図が確定できたのは開戦の3日前(ドンパス地方の独立国家承認)だった
(第2次ミンスク合意を完全に破棄することを意味していたから)

・料理に毒を入れた人が食べる人に教えてくれることはない
⇒分析対象が発する情報は「政治的な語り(ナラティブ)」
⇒「実際に考えていること」と「そう信じさせたいこと」の区別が曖昧になっている
⇒ナラティブを分析しているうちにそれに溺れてしまう危険性に注意すること

・戦略レベルの意図は理解できても戦術レベルは別かも知れないことも重要
(ウクライナ侵略でも主攻方向
はキーウではなくドンパス地方という欺瞞作戦を展開した)
(このレベルになると戦術や作戦の専門家しか分析できず私の専門外で現在はやっていないが)
⇒キーウでの攻防などは戦略レベルでも重要なので専門家に頼ることを推奨している


第2章より

・1979年のスリーマイル島の原発事故
⇒137個の警告灯が一斉に点灯してクリスマスツリー状態になり情報の有用性が損なわれた

・情報(インフォメーション)と情報資料(インテリジェンス)の区別が重要
⇒集められた食材(情報)を調理(処理)し食べられる料理(情報資料)にすること
⇒役に立つ情報資料にするのはクリエイターよりエディターの仕事

①バックグラウンド情報⇒ロシアの政治、経済、社会状況などの情報(バレエ情報は不要?)
②分析のコアとなる情報⇒ロシア軍の人事、部隊再編、装備調達などの情報
(定点観測を続けることで違いを取り出せる)
③足で稼ぐ情報⇒文字や画像データでは把握しきれない体験的な情報⇒①②の分析が深まる

・身銭を切った情報(分析対象に入れ込む)
⇒ロシア軍の衛星画像
(私は米国マクサー社だが米軍や自衛隊が優先され個人には遅れたり配信がなかったりする)
⇒自分用の図書館⇒集めた本で仮説ができる、余白にメモできる、付箋を貼れる・・・

・新しいガジェット
⇒大きな組織なら情報の収集と分析は分けるべきだが個人では自分でやるしかない
⇒限りがあるのだから、いろんな工夫をすべき

・エミュレーターになる(分析対象を模倣して考える)
⇒B-1爆撃機の予算復活の例(ミサイルより空爆を警戒するロシア軍になって考えた結果)
⇒いつでもスイッチを切って自分たちの側に立つことが重要(できない人も多い)


第3章より

・情報収集の目的⇒何のために誰に向けて⇒その解像度を合わせること
⇒ロシア軍が北方領土へ新型戦車を配備した場合の情報資料の例
⇒外務省には何両ぐらいか性能は日本のと較べてどうか、国際法上の違反はないかなど、
政治外交レベルでの比較的マクロなレベルの資料になり装甲性能など解像度が高すぎても
あまり意味はない
⇒陸上自衛隊の機甲科や対戦車研究者にはマクロな高解像度が必要で政治レベルの意味はない

・国家インテリジェンスの手法(略)
⇒大本営発表にもある程度の事実はあり、それをどうやって深読みするか
⇒個々の情報はアテにならなくても傾向の変化は読み取れる
(ウクライナでの両軍の公式戦況報告は勝敗ではなく報告量の増減というメタ情報としてみる)
⇒軍事力には抑止力の側面があり知られていないと意味はない⇒それを集める

・公開情報の読み方
(略)
⇒戦況報道の中の事実、戦況報告の変化、知らせたい抑止力、冠婚葬祭、議会予算資料など
(ロシアの国防予算は開戦で3倍になったが伴う財政赤字はGDPの0.8%で財政破綻しないとか)
(国後島と択捉島の兵舎建替入札の仕様書からの配備兵力がロシア側の説明と一致したとか)
(侵攻の少し前から「ウクライナ政府」から「キエフ政権」に言い方が変わったとか)
(人民日報の「面積読み」とかロシア国営メディアの女優のゴシップとか)
⇒SNS情報などは体系化が重要

・ネットワークで「沼の主」を召喚する
⇒シベリア鉄道の映像を見て私なら「T-80が31両で1個戦車大隊か」ぐらいは読み解けるが、
「沼の主」なら「これはT-80改良型のT-80BVMで極東でこの戦車を持ってるのは太平洋艦隊の
第155海軍歩兵旅団の戦車大隊だけだったはず」と瞬時にわかり、戦争が始まってからは、
「このT-80BVMの光学照準器は古いバージョンなので精密機器の生産に支障が出ているのでは」
と分析している人もいて度肝を抜かれた
⇒こういう知識は自衛隊の人は別にして趣味の世界に属し解像度は異様に高いが視野は狭い
⇒ところが分析者と趣味的知識(オタク的知)がうまく結合するとマクロな相乗効果を生む
⇒ベリングキャットもオタクを活用するバーチャル組織を作り上げマレーシア航空機の撃墜が
親ロシア派による地対空ミサイルの誤射であったことを解明した
⇒重要なのは自分で沼に潜るのではなく必要な際に主を召喚できるネットワークを作ること

・情報の収集⇒分析⇒資料化(文章化)のスパイラルで体系化する(出典は重要)


第4章より

・冷戦時代のソ連はアメリカ国防総省(ペンタゴン)の軍事衛星写真で中庭にある小さな建物に、
多くの人が出入りしていたので高官が会議する地下重要施設(の出入口?)と判断していた
⇒冷戦後にソ連軍の代表団が行ってみるとホットドッグ店やハンバーガー店の入る建物だった
⇒ソ連時代のロシア国防省では食事時間も食堂も厳格に決まっており適当に買いに出ることは
なかったから勘違いしていた
(今はデリバリーもありその顧客リストから連邦保安庁の組織構成がバレてたけど)
⇒情報収集にカネをかけ優秀な分析官たちが分析しても、相手の行動様式がわからないと
とんちんかんな結論になってしまう例で、これはアメリカの分析官も同じ
⇒今ならAIに分析させるが自分が分析方法を理解してないと・・・(以下略)


第5章(情報分析のための文章術でメモは省略)
⇒分析者の文章は作品ではなく資料なのであくまで顧客本位で・・・


第6章より

・慢心、予算制限、予断(ミラーイメージの罠⇒エミュレーターを持つ)・・・
⇒ウクライナについての分析も、みんなが偏っており私も日本に偏っている

・一次資料を読めることと、それが事実なのかは別
⇒事情通で終わる(分析できない⇒アウトプットが見えていない)

・ヘンな専門家に注意すること
⇒予断、断定、占い師的な「偏な専門家」、事情通タイプで分析できない「変な専門家」、
エミュレーターのスイッチが切れなくなった専門家(自分の分析に陰謀論が入る)・・・


終章より

・アメリカの孤立主義的な路線は長期的に維持される可能性が高い
⇒なので直近の歴史が続くという予見はもう持てない
⇒10年20年スパンの不確実性は高まっているし、30年後40年後は遠い世界に
⇒「それはないだろう」が「ある」時代になり情報分析がより重要になる

・情報の不確実性も増していく
⇒統制されない情報の氾濫や情報チャンネルの多様化・・・
⇒半世紀前の「情報化時代」はテレビ新聞など何らかのオーソリティを経由した情報の氾濫
⇒今は深い専門家の知見とそれとは関係のないインフルエンサーの「それっぽい話」が全く
同列で流れてくる時代
⇒事実はややこしくて面白くないのでバズるのは往々にしてわかりやすくて面白い後者

・今はAIが公式情報を自動文字化してニュース発信しているが偽情報でも誤情報でも可能
⇒これが情報にある程度の信頼が置けた「情報化時代」との最大の違い
⇒自分が分かっていることには気づけるので自分自身が情報分析力を持つこと
⇒そのためには定点観測と専門家の本、地道だがAIが信用できるまではそれしかない

・情報分析で最も厄介なファクターは人間⇒こだわりとか信念とか恐怖とか・・・
⇒この「合理的ではないが人間らしいと多くの人が認める行動様式」を人間性と呼べば、
優れた文学作品は人間性のスケッチだと思う
⇒今も参照にしているのがウラジミール・ソローキンのSF小説「親衛隊士の日」
⇒ロシアで読み継がれるドストエフスキーの思考様式や50代以下の世代なら日本のサブカルチャー
⇒分析対象を最もよく描き、影響を与えている文学は何かを考える
⇒こうした人間性の洞察が不確実な時代の情報分析の基礎になるのではないか・・・

・・・

まあ、わたくしが情報(インフォメーション)を分析して情報資料(インテリジェンス)にすることは
今後もないでしょうし、この記事も
情報(インフォメーション)をてきとーにメモしただけですが、
確かに文章化することによって情報を整理できる、とゆーことはあるかもですね

それと情報の氾濫の中から誤情報や偽情報を取り除くことの重要性も今回再認識しました
本文にもありましたが
半世紀前にテレビや新聞など何らかのオーソリティを経由した情報が
氾濫しだしたのが、今やオーソリティとは何の関係もない情報が全く同列で氾濫しており、
そちらのほうがわかりやすくて面白いのでバズる、とゆー現象は確かに実感しています

もちろんマスメディアにも誤情報や意図的な誘導や隠蔽はあるでしょうが、それでも公開には
一定のファクトチェック手続きを経ているはずで、これが他のSNS情報との大きな違いですね
各国政府や自治体の公式発表にも
意図的な誘導や隠蔽はあるでしょうが、全く事実がなければ
権威そのものが失墜するので、大本営発表からでも得られる情報はあるわけですね

なので、これら以外の情報はあくまでメタ情報の部分として全体から方向を掴む程度で利用、
面白いけど事実とはまったく関係がないという前提を常に意識しておこうと思っています



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2024年12月07日

某SF研究会・創立54周年???

さる11月27日に某大学SF研究会の創立54周年???宴会同窓会に参加してたので、
忘れないうちに脳の外部記憶としてメモしておきます

じつは14年前の創立40周年式典を皮切りに創立45周年式典と、5年おきに現役学生を中心に
企画開催してくれてたのですが、いよいよ創立50周年記念大式典!!!の年がコロナ禍と重なり、
中止になった経過があり落ち込んでたのですが、ずっとお世話してくれてたS本さんから
「その後も同学年を中心に少人数が大学EVE祭の時期に京都で何回か集まってますので、
98k先輩もよかったら・・・」と古いメルアドにお誘いがあり、喜んで参加してきた次第


会場は四条河原町にある懐かしいミュンヘンの2階、3時の集合でした

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遠方からの参加者も多く集合時間までに何名かが大学EVE祭にも行かれてたようですが、
今年のSF研ブースは見つけられなかったとか・・・


で、今回宴会同窓会の入場券???

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って、こちらは当時のSF研ブースの入場券で当日
後輩が持参してくれてたもの

SF研プロレス・ショーの始まりは第100回記念EVE祭からだったんですね・・・
で、これが大盛況で翌年はブースに使う教室を大きくして入場料も倍にして大儲けしたのね!!!
今年のEVE祭が第149回でしたから49年前と48年前の貴重な資料であります

我々創設時メンバーが初めてのEVE祭出店で手塚治虫の実験アニメーション「ある街角の物語」
などの映画喫茶をやってから数年後になり、偶然プロレスファンの後輩が複数名入会してきて、
単なるノリではじまった怪しいショー(上級生も面白がってノッてたけど)でしたが、
おそらくこれが
日本初の「アマチュア・プロレス・ショー」だったはず・・・


で、今回メンバーでは最古参になるわたくしに乾杯音頭の要請があったので・・・

「それでは創立54周年と筒井康隆大先輩が元気で生誕90周年を迎えられたことを祝して、」

長寿と繁栄を、ついでにフォースと共にあらんことを・・・

ごくごくごく




ま、以後は昔の空想科学少年少女たち16名が(隣の料理まで奪い合い)ひたすら食べて飲んで、
ひたすらヲタ話や昔話や近況報告で盛り上がってました

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今もSF関係に関わってる後輩も何人かいて、創設者のK山さんも京大SF研の安田さんも
同期のSS木くんも元気と聞いて安心しました
そーいや神大SF研のY本さんらはどうされてるんだろう・・・

たまたま関大SF研とは古いSNSで繋がりがあるので、S本さんに「このメンバーだけでも
LINEグループとかを始めたら便利なのでは?」と提案したのですが・・・

「それが今もガラケーだけとか、SNSとは無縁のメンバーも多くて・・・あはは

「このSF研の不思議な伝統やね、筒井大先輩はワープロ小説とかネット小説の先駆者やのに
ま、自分も
20年前から変わらずブログ形式やから他人のことは言えんけど・・・あはは


と、さすがに4年以上離れてる後輩には覚えのない顔もありましたが、それでも4回生の時の
1回生が4回生になった時の1回生とは繋がってるわけだし、宴席もそんな感じで並んでました

なにせ当時の趣味が共通だった仲間が集まってるので話題は尽きず、
じつに楽しい飲み会でした
このあたりは世代が異なってても楽しい前回記事のライトOFF会と同じですね


S本さんO久保さんはじめお世話になった皆さん、じつに楽しかったです ありがとね!!!
次回も是非誘って下さいね!!! 

ええ、メールでも電報でも手旗信号でも、伝書鳩でも太鼓でも狼煙でもいいので・・・




(おまけ)
せっかくなので当日?の宴会スナップ画像も・・・


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そう、半世紀ほどタイムスリップした当時の宴会スナップであります

そーいや、この時に宴会場で見知らぬ老女から懐中電灯もとい懐中時計をもらって、その後に
泊った旅館の資料室にあった美女の写真に魅せられ、さらに過去へタイムスリップしたな・・・
(「ある日どこかで(リチャード・マシスン)」より)
(1976年のSF、映画化は1980年でクリストファー・リーヴ主演、SF映画の佳作でしたね
)




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2024年02月28日

人類滅亡の科学

とーとつですが・・・

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人類滅亡の科学~「滅びのシナリオ」と「回避する方法」~とゆー本のご紹介



表紙カバー裏にあった惹句

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そう、惹句にもあるように・・・

・滅びのシナリオを想像し研究することで、滅びを未然に防ぐための多くの実行可能な
手段を手にすることができる
・問題にあらかじめ接しておくことで、私たちの社会は(免疫力までは無理としても)
滅ばずに回復できる力を養う可能性は高くなるはず

つーことで、25の起こり得る滅びのシナリオとその回避方法が紹介されてました


裏表紙カバー裏にあった著者紹介

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冒頭にあった奥付

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例によって目次のみ

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まあ、危機の回避方法の中には・・・

合衆国を分断するダム破壊を回避するには水中ソナーやレーダーや
迎撃システムを備え、
一般人は一切立ち入り禁止にして上空に侵入した飛行物体は全て撃墜せよとか、
もしも
9.11の前にこの本が出版されてたら、航空セキュリティが現在のように強化されていて、
あのテロは防げたかもとか、自動化による失業にはユニバーサル・ベーシック・インカム
(基本所得制)で対応すればいいとか、とりあえずは
カーボンニュートラルとか、超知性体は
人類や地球を救うかもとか・・・

いかにもアメリカらしいテクノロジーの発展に期待する方法や、一方的な正義の押し付け、
国連などの国際機関より強大な権力を前提に?、地域事情を無視したような方法もあって
「ホントにそれでいいの?」と思ってしまう部分もありましたが・・・

もちろん、わたくしが知らなかった事実や、なるほどと納得した回避方法など
も多くあって、
全体としてはけっこう興味深く読めました


とりあえず地球環境に関する3項目からの(自分の脳の外部記憶としての)部分メモです
いつもの「てきとーメモ」で思い違いもありますし、図版の多い分かりやすい入門書なので、
興味を持たれた方は本書を読まれるようオススメします


「地球温暖化の暴走」よりのメモ

・氷床コアのデータから測定した過去40万年間の大気中の二酸化炭素濃度の変化
→変動が繰り返されているが最小180ppm~最大290ppmの間で推移していた
→1800年頃には280ppmだったのが1900年初頭に急に300ppmに上昇している
→2015年~2016年のどこかでレッドラインとされる400ppmを越えた
(地質学上はあり得ない一瞬の出来事で産業革命以降の人類の活動によるもの)
→レッドラインを越えると気温上昇を2℃以下に抑えることは不可能になる

・世界では毎日1億バレルの石油を汲み上げ、その多くを燃やしている
→この過程で年間約40ギガトンの二酸化炭素が大気中に放出される
→石油以外にも石炭、天然ガスの燃焼、人為的な森林火災など
→2016年の地球の平均気温は1980年に比べて約1℃上昇している

・地球温暖化の暴走
→正のフィードバックループにより暴走する
→これは
人類が排出する炭素の量が転換点に達すると始まる
→永久凍土が溶けはじめ内部有機物の炭素がバクテリアにより二酸化炭素やメタンになり放出
→さらに永久凍土の融解を加速する

→北極や南極で太陽光を反射していた白い氷が溶け、太陽光を吸収する茶色い土や青い海水が増え
太陽光を吸収して熱を生み出す→
さらに氷の融解を加速する
→海が過去数十年間は二酸化炭素を吸収してきたが限界に近づいており以後は大気中にとどまる
→さらに温暖化が加速する(海に溶けた余剰二酸化炭素は炭酸になり海は酸性化している)

→暑さや干ばつで森林が枯れ始め、燃えると二酸化炭素が放出される
→さらに温暖化が進み、森林が弱って森林破壊が加速される

→雲も太陽光を反射するが少なくなると気温が上昇し、さらに温暖化が加速される

・この
正のフィードバックループが始まれば、化石燃料を控えても植林しても焼け石に水
→永久凍土内の炭素量は大気中の炭素量を上回っているので始まれば温暖化は止められない

・オーストラリアでは1950年代に比べ2010年代の夏は1ヶ月長くなり冬は1ヶ月短くなっている

・グリーンランドの氷の減少は1990年代は年間100ギガトンで現在は年間300ギガトンに近い

・産業革命前280ppmだった大気中の二酸化炭素量が現在410ppmになっていることは事実
→気温の(地質学上)突然の上昇との相関関係は明らか→主な要因は化石燃料の消費

(回避する方法)
・現在の科学者のアドバイス
①今すぐ熱帯雨林のような生態系の人為的な破壊をやめる(別項あり)
②すべての化石燃料の使用を中止する
(別項あり)
③ただちに大気や海から二酸化炭素の除去をはじめる
④二酸化炭素濃度を産業革命以前(300ppm以下)に戻す

・さらに深刻化した場合の気候工学による環境修復の選択肢
①火山噴火による二酸化硫黄と硫化水素が成層圏に達すれば太陽光を宇宙に反射し数年にわたる
冷却効果をもたらす→人為的に放出すれば即座に冷やせる
②同様に軌道上に大きな鏡(小さな鏡の集合体)を配置し太陽光を反射させる
→①より角度調整も離脱もコントロールしやすい
③ハリケーン発生地など冷やす必要がある海域の上空に海水を霧状に放出する(海雲輝度増加)
④プランクトン増殖を促進する化学物質(鉄紛)を海洋に添加する(海洋肥沃化)
→プランクトンが炭素を取り込み、死ぬとそのまま海底に沈む
⑤大量の新しい木を植える(植林)→成長する過程で大気中の二酸化炭素を取り込む
(ある提案書では一兆本の木で数百ギガトンの二酸化炭素を大気中から回収できるという)
⑥大気から二酸化炭素を取り除き固定する機械を作り太陽光や風力で設置する
→⑤の植林よりはるかに少ない面積で済む

・これらの気候工学的アプローチは果たして良いことなのか実行可能なのか?
→植林を除いて研究や人的資源が必要で影響も副作用も不明だが、進めるしかない
→アポロ計画時のNASAでは40万人のスタッフが働き莫大な資金が投入された
→僅か10年で頭脳・才能・科学・工学・資金を結集して全てを開発し成功させた
→人類が同じ目標を共有し未来のための賢明な投資を行うことができれば実現できるはず



「大量絶滅」よりの部分メモ

・海洋の魚類は漁船団による大量漁獲、海洋汚染、気候変動により絶滅に瀕している
(魚類については詳細な統計データがある)

・昆虫類は農薬使用と生息地の喪失により数を減らしている
(昆虫の総量は重量ベースで毎年2.5%ずつ減少しており数十年後には姿を消すとも)

・鳥類は生息地の減少、食料源の喪失、移動ルートの分断、猫などの捕食、風力発電の風車など
人工建造物により苦境に立たされている
(北アメリカでは、この50年で90億羽から60億羽に減少した)

・爬虫類は乱獲や気候変動など各方面で危機にさらされている
(爬虫類の20%が絶滅の危機に瀕しているか絶滅寸前)

・両生類は汚染や気候変動の影響を特に受けやすい
(1/3の種がすでに絶滅危惧種となっている)

・哺乳類も最近に絶滅した種が少なくない
(西アフリカのクロサイ、台湾のウンピョウ、クリスマス島のコウモリ、マダガスカルのカバ、
長江のヨウスコウカワイルカなど・・・)

・地球を野生生物にとって過酷な環境に変えれば人間に必要な動植物も危機に陥る

・この5億年で4回あった大量絶滅は自然現象だったが回復には数百万年かかっている
(シアノバクテリアの出した酸素による嫌気性細菌の大量絶滅には30億年かかっている)

・人類の活動により6回目の大量絶滅がはじまっている・・・

・哺乳類の自然絶滅頻度は200年に1種(100万年で約5000種)
→過去100年だけで数十種類の哺乳類が絶滅し多くの種が絶滅の危機に瀕している

・アマゾンのような主要生息地が崩壊すれば数十年で100万種が絶滅する(加速している)

・マダガスカルの例
→1万年前は熱帯林の楽園で多種の野生動物で溢れていた→人類により絶滅がはじまった
→過去50年で人口は500万から2500万に→対策がない限り固有種は全て絶滅する

(回避する方法)
・アフリカの解決策の例→サハラ砂漠を緑化して人類を移住させ立入禁止の保護区を増やす
→出生率を抑え少子化で徐々に人口を減らすアプローチも・・・

・海洋の解決策→商業漁業をただちに停止し、養殖を加速させるよう資金的支援をする
→ただし現在の養殖技術は完璧ではないので環境への影響に対処が必要
→発展途上国や石油産業の海洋汚染、酸性化、プラスチックなどにも
対処が必要

・朝鮮半島の非武装地帯、チョルノービリ(チェルノブイリ)の広大な立入禁止区域の例
→結果的に自然が保護・再生されている



「熱帯雨林の崩壊」からの部分メモ

・20%が消失したアマゾン熱帯雨林の例(略)
→カナダのブリティッシュコロンビア州、ボルネオ島と周辺の島々、中央アフリカなども

・森林破壊の主な原因
①農業→放牧地や畑に→南アメリカ、アフリカ、ボルネオ島など
②伐採→材木として販売
③入植→移住して道路や建物を建設
④鉱山採掘→金、銅、スズなど

・1日あたり320平方キロ以上の熱帯雨林が失われている
→2日半でニューヨーク市や仙台市と同じ面積を切り開いていることになる

・アマゾンでは2019年だけで8万件の放火があり2万平方キロの熱帯雨林が焼失した
→報道されたが世の中の反応は薄く保護活動もあるが金儲け目的に比べれば焼け石に水

・アマゾンの蒸散(1日18兆リットル)と降雨(年間2500mm)の関係(略)
→樹木数が減ると好循環が弱まり減少が加速→生態系が崩壊、乾燥化する
→すでに乾季が50年前より最大1ヶ月長くなっている

(回避する方法)
①世界中で牛肉を食べるのを控える→牛肉は一般食肉の中で最も環境負荷が大きい
→肉牛の飼育禁止と人工肉の普及→熱帯雨林の保護→温室効果ガス(メタン)削減にも
②熱帯雨林でのパーム油の生産を控える
→熱帯雨林でなくても油を採るための植物は栽培できる→代替品はたくさんある
→藻類油・合成油など新しい代替品を探る方法もある
③熱帯雨林産の木材製品・農産物の輸入を控える
→象牙取引の禁止や捕鯨の一時停止と同じで伐採に歯止めがかかる
④1970年以降に農業のために伐採された熱帯雨林をすべて再植林する
→農業や鉱業などで伐採されたアマゾン熱帯雨林の20%は回復する

・奴隷制度、児童労働、産業廃棄物の河川放出、フロンガス使用、航空機内喫煙などと同様、
森林破壊も時代遅れの行為という認識を広める必要がある

・・・

さてさて・・・



m98k at 21:05|PermalinkComments(2) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

2023年08月19日

帆立の詫び状・てんやわんや編より

 とーとつですが・・・

P8164009

帆立の詫び状・てんやわんや編(新川帆立著・幻冬舎文庫)とゆーエッセイ集のご紹介であります



表紙カバー裏にあった著者紹介

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裏表紙カバーにあった惹句

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P8164012



奥付

P8164011




例によって目次のみ・・・

P8164008



P8164009 (1)


以下、数タイトルからの読後メモで、(カッコ内)はわたくしの感想なり補足です
(著作物なので記事公開に問題があるようなら、すぐ非公開にします)


「イエローストーンで政治談議」より

ユタ州の白人ガイドで西部の古き善き保守の香りがするビルさんの話
・軍隊では18歳で銃を持たせるのに民間だけ21歳にする銃規制は個人より国家優先なので反対
→軍隊も21歳からにするなら理解できる
→アリゾナ州では隣接するメキシコのギャング集団による誘拐事件が多発していたが銃規制の緩和で
市民が銃を所持するようになり件数が減った
→このような国境地域などの現実をワシントンで働く官僚は理解していない
→だから銃規制は一律の連邦法ではなく各州の州法で行うべき
(これは日本の獣害のひどい地域独自の狩猟・銃規制関連の法改正や条例制定に繋がる議論かも?)

・土地収用は州によっては営利施設にも適用されている(法人税が増え公共の利益になるから)
→憲法上の財産権の侵害なのだから厳格に適用されるべきで反対
→マイノリティの権利のための憲法の拡大解釈にも反対
→どちらも必要なら憲法を修正すべき

・個別の論点は私とは異なるが理解はできる
→法政策の話では絶対にない(法学論理的におかしい)意見と、一定の筋の通った意見がある
→一定の筋の通った意見は複数存在し、どれに説得力を見出すかについては個人差が出る
→だから正解がないというわけではなく、それぞれの立場に基づいて議論し「どの意見が一番説得的か」
のすり合わせをすることはできる
→法学の議論はこのようにして進む
(そう、これが国会や地方議会の本来の役割でもあるはずなんですが、今は真摯な議論なんかなく力まかせ、
野党とのすり合わせどころか、国民や市民への説明さえ怪しいような与党意見がそのまま・・・)
→理系分野の研究でも「今のところ一番説得的な仮説」が限度だろう→常に反証の可能性があるから

・立場の異なる者同士の議論が大事で有益なのだが、現状は非常に難しくなっている
→世相のせいなのか、SNSの影響なのか、知的水準の問題なのかは分からないが・・・

・絶対にない意見を議論する必要はないが、最近は絶対にないという判定がすぐに出ている気がする
→考えたり調べたりすると一定の筋が見えることもあるのに・・・
→相手の筋を理解することと、それでも自分が正しいと考えることは両立する

・考えすぎてSNSでは何も言えないが、割り切れない問題を考え続けるのが知的に誠実な姿勢だと思う
(大和ミュージアム館長の戸高一成氏もTV番組で「最後まで考え続けること、思考停止しないこと」が
最も大事だと、特攻の例からおっしゃってましたね・・・
考え続けていたら、勝つ見込みがなくなった時点で講和なのに、思考停止していたと・・・)


「アニメにハマりました」より

・食わず嫌いの筆頭がアニメだった→お約束や内輪ノリが苦手で、オタク言論空間も得意ではなかった
→純文学も何が言いたいか分からなかったが、高等教育を受けて初めて魅力や面白さに気づいた
→だから「分からない」だけで嫌いになってはいけない
→分からないという気持ちを誤魔化さず大切に抱えておくと後に解決することもある
→自分の「分からない」は許容するが、他人には押し付けない努力をする→分かりやすさ
→学術書や専門書は内容の良さと分かりやすさは一致しないが小説では分かりやすさを諦めない

・「分からない」はストレスで疎外感が残り、そのジャンルや物事への苦手意識が蓄積されていく
→小説の書き手になって、この疎外感を被害妄想ではなく実感している
→たとえばメインターゲット読者を想定して物語を設計すれば、それ以外は振り落とされる
→性別、年齢、居住地、教育水準、文化水準などなど・・・
→私自身が「振り落とされる側」だったので、誰かに深く刺さればいいと簡単には割り切れない

・アニメは面白いと思うだけで深く鑑賞しなかったが、大人になり作家になって目から鱗が・・・(略)


「イケてる女性への道」より

・年齢ほど相対的なものはない
→私の小説の師匠は78歳だが84歳の人を指し「あの人は年寄りだから話が長い」と言う
→高校生とのイベントで26歳まで小説家を諦めなかった秘訣を訊かれ、作家としては早いデビューだと
思っていたので驚いたが、高校生にとってはかなり年長に感じるのだろう

・いい感じに歳を重ねた大人の女性、イケてる女性になりたいと思い本を色々と読んでみた
→女性への一番オススメの図書は、川崎淳与さん著「80代の今が最高と言える」


「税金と戦争と国際法」より

・税金には何らかの正当化根拠が必要だが盗賊には不要?(法哲学講義での井上達夫先生の仮説提示)
→悪法も法→正当化を試みている限り改正までは従わなければならない→改正がなければ革命?

・政治家が不祥事の言い訳をしている間は不十分でもいいが、認めたうえで開き直ればアウト
→せめて建前は守れということ

・近年の言論空間では建前を笑い冷やかす「冷笑系」言説が見られる
→戦争反対というお題目をいくら唱えても仕方がない?
→戦争はいけないという建前が存在する世界での戦争と存在しない世界での戦争は同じではない
→侵略戦争は国際法違反というが、強制力の乏しい国際法など無意味?
→ロシアのウクライナ侵攻を止められない国際法を学ぶ意味はあるのか?
→国際法という建前があるから非難もできるし外交を進めることもできる
→建前を唱え続けることそのものに、法と正義の支配する世界の根底があると思う
(確かに国連などの拘束力のない宣言や主要国の加盟が少ない条約でも、その存在意義は大きいはず)

・冷笑系は個人的に好きになれず学問的な誠実さに欠けるものも多いが、それにすがらないと気持ちを
保てない現実があるのも分かるから、難しいなあと思う日々・・・
(当サイトでも、ナナメに構えることで何となく満足してるような記事もあるし、確かに難しいです)


「東大女子という呪い」より

・東大男子はモテるが東大女子はモテない、女性弁護士も同様という言い伝え→どちらも嘘だと断言できる
→周りの知人友人を見ると、身のふたもない話だが美人だったらモテている
→たとえ不美人でもダサくても、毎日が楽しくて経済的にも困らず、恋愛や結婚の優先順位が低いので、
彼女らは恋愛的な魅力に乏しいと判断されることはある
→加えて高学歴やハイキャリアというだけで一部の人から嫌われることもある
→さらに高学歴集団やハイキャリア集団は男性向けに設計されており女性はお客さんに過ぎない

・性別に基づいた規範は未だに根強くダブルバインド(矛盾する二つの規範)で身動きがとれなくなる
→東大に入ったことで生きづらくなった面は確実にあるが、知識や教養やキャリアを手に入れると、
モテないことなど全く気にならないほどの楽しみや自由がある
→なので若い女の子たちには、好きなだけ勉強して、思いきり働けばいいと伝えたい

・学ぶことが好きだし、知識がないと他人を尊重できない、優しさは知識に下支えされていると思う
→だから今後も中高生には「勉強しろおばさん」としてやっていこうと思う


「新人作家1年目の結論」より

・山村正夫記念小説講座では受講生同士の作品講評は禁止
→作品の良し悪しはプロにしか分からず素人の口出しは無益どころか有害にもなり得ると思う

・ゲンロン大森望SF創作講座ではプロを目指す必要はなくSFファンとして聴講してもいい
→純文学と接近した中間小説的なものを書いてる人も多く、詳しい人、読める人、知的水準が高い層に
向けて書いていて、リーダビリティよりも先進性が優先される印象
→一般文芸やエンタメ商業小説は私にとっては手軽に楽しめる普段の家庭料理で、たまには重いものも
いいが毎日は食べられない
→SF創作講座で触れる小説群はエスニックフード的な楽しみで、作り方は全然分からないし人を選ぶ作り
→妙にハマることもあり、ハマると自分でも作ってみたくなる感じの魅力がある

・よく分からないけど書けるものを書くしかないというのが新人作家1年目の歯切れの悪い結論
→自分が書きたいものの中で他人が読みたいだろうと思う部分を書けばよいと思うので悩まない


「悪気のないおじさんたち」より

・年齢や性別で区別したくないが、私に失礼な言動をとったのは驚くほど全員が中高年男性
→爽やかにニコニコしながらの言動で殆どの場合は悪気がないようにもみえる
→好意をどう処理していいか分からず暴発している感じもあるので怒らないが、傷は残って蓄積する
→事情もあるだろうし好き勝手に生きてくれと思っているが「黒腹の手帳」に詳細に記録している
→いずれ私が大御所になれば(その頃には彼らは殆ど鬼籍だろうが)暴露本にして出版しようと・・・
→悔い改めたほうがいいが、許すつもりはない→たいてい作家は執念深いのだ

・同じ経験を持つ人に向けて自分の経験を語りたい
→あなたが傷つけられるのは、あなたのせいではなく、何をしても言われる時には言われるし、
理由なく(しかも悪気なく)石を投げてくる人はいるのだと・・・

・その後ドラマ化もあり売れたからか、この手のおじさんが寄ってこない、どこに行ったのか???
→今年デビューした新人作家に群がっているのかも・・・無意識に対象を選んでいるのだろう・・・

云々・・・

他のエピソードや思いも(ブランドバッグ愛を除き)どれもニヤニヤなるほどと楽しく読めました
わたくしが気になった部分だけのメモですので、読書の参考になれば・・・



m98k at 20:45|PermalinkComments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック